イスラムアート紀行

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グセアルス展 パターン・シード~漂う未来模様~@多治見市モザイクタイルミュージアム

タイルの魅力と可能性を探る企画展示を展開する多治見市モザイクタイルミュージアム。現在、陶磁器のかけらを使って、新たな模様「washed pattern」を創作する2人組のアーティスト 「guse ars (グセアルス)」の特別展を開催中。80ほどの模様(パターン)と、それぞれの模様の種子(シード)となった陶磁器片などを展示しているようです。(5月12日まで)

陶片って魅惑ですよね。大好きです。かけらの方が好きかも、と思うときがあるくらい。全体はどうだったんだろうと、遠い時代に思いを馳せます。

陶片から新たなパターンを生み出すというグセアルスさん、(実物を拝見していませんが)、パターンは軽やかで今に溶け込む小粋なリズムを感じます。「今回は日本を代表するタイルの産地、多治見で見つけた300近い陶片がパターンの種となっている」そうです。

一方、新パターンとその元になった皿の写真を見ると、ちょっと不思議。博物館などで陶磁器や着物の図案帳を見ること、ワクワクして好きなんですが、図案帳から図柄が生まれ、その陶片から新たなパターンができる。時空旅をしているみたいです。

私はイスラームタイル偏愛なので、それ以外は別カテゴリーとして考えるようにしているのですが(そうすると心穏やかに見られる)、日本でのタイルの可能性、あるいはタイルから広がる何か。いろんな発想で、まだまだ開いていけるのかなと感じます。



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(多治見市モザイクタイルミュージアム 同展紹介より引用   http://www.mosaictile-museum.jp/exhibition/gusears/)

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(多治見市モザイクタイルミュージアム 同展紹介より引用   http://www.mosaictile-museum.jp/exhibition/gusears/)

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* 多治見市モザイクタイルミュージアム
http://www.mosaictile-museum.jp

* 特別展 guse ars exhibition -PATTERN SEED-
http://www.mosaictile-museum.jp/exhibition/gusears/

* Casa BRUTUS WEBでの紹介記事
https://bit.ly/2ToMw5k
by orientlibrary | 2019-03-07 21:49 | 日本のタイル、やきもの

遊牧の民の生活用具〜松島コレクション@東博東洋館

欧米にはコレクターも多いというトライバルラグ。日本では展示される機会も少ないと感じますが、東博ではこの時期松島さんのコレクション展示が恒例に?

「遊牧民研究家、松島清江氏が1960年代から1980年代にかけて現地で収集したコレクションの中から、インド西北部、パキスタン、アフガニスタン、イラン、イラク、トルコなどで遊牧を営んだ部族が染め、織り、制作したハンドメイドの衣類や袋物、テント用敷物などを展示」(展示は3月3日まで)。

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バフティアリ、シャーセバン、クルド、ロリ、、図柄の構成や色あわせ、模様、技術、ディテールの素晴らしさ。本当に見入ってしまいます。移動の多い遊牧生活の中での、この集中、この大作。袋や敷物として長年の使用を経てなお、生き生きした生命力ある美しさ。実物が見られてうれしいです。

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*松島きよえさんについては、triBeさんのブログが詳しいです。
http://tribe-log.com/article/1007.html
http://tribe-log.com/article/2779.html
https://caffetribe.exblog.jp/6195328/

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ただ、せっかくの展示なのですが、triBeさんが指摘するように、キャプションや作品リストは部族の名称よりも現在の国名が多い印象で、全体に説明も淡白。キャプション無しの展示に感動した日本民藝館『柳宗悦の「直観」』を思い出し、「何の色眼鏡も通さずして、ものそのものを直かに見届ける」ことを目指した方が良いのかもしれません、、
by orientlibrary | 2019-03-04 00:34 | 絨緞/天幕/布/衣装

TORAFU’s TILE LAB

当ページ管理人orientlibraryは、イスラーム世界の建築を装飾するタイルに魅了されて四半世紀になります。テイストは違いますが、やきもの感の高い日本のタイル(例えば泰山タイル)にも惹かれます。この嗜好の流れから、工業製品としてのタイルは自分にとって好き嫌いではなく別カテゴリー。

が、「トラフ建築設計事務所の鈴野浩一氏が、実際のプロジェクトを通して、素材としてのタイルの魅力とデザインのプロセスを解説」(DESIGNER's TILE LAB、2月14日開催@渋谷ヒカリエ)というトークを知り、日本の建築・デザインの専門家が、どのような視点でタイルを見たり、選んだりしているのかに興味がわき、参加させていただきました。

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“デザイナーズ・タイル・ラボ”(LIXIL)のコンセプトは、「タイルのいまを知ると、デザインが楽しくなる」。この観点から新しいタイルを5つの方向に分類し、その可能性を考えていく」試みのようです。 
*→https://www.lixil.co.jp/…/ti…/designers_tile_lab/default.htm
トラフの鈴野さんのお話、メモを取りましたが、こちらにインタビューのまとめがありました。ラッキー!4回に分けて詳しく書かれています。 
*→https://www.lixil.co.jp/…/ti…/designers_tile_lab/default.htm 
ここでは感じたことだけを(勝手にすいません!)。

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まず、鈴野さんがタイルに興味を持ったきっかけは、INAXライブミュージアムで2013年に開催された展覧会「建築の皮膚と体温 – イタリアモダンデザインの父、ジオ・ポンティの世界」の会場構成を手がけたこと。「シンプルな形状をしたタイルでも、組み合わせ方で重なったり、段差が付いたりと、表情が変わって見える」ことが新鮮だったようです。インテリア雑誌「コンフォルト」の企画で、オリジナルのクローバー型タイルを作ったことも。

タイルの持つ特徴を生かしながら設計しているさまざまな事例がスライドで紹介されます。大理石のモザイクタイルを張り壁画のように見立てた事例、14mm角タイルに対して目地をレンガ用の荒々しい仕様の幅広の6mmに設定して焼き色が1つずつ異なるタイルと一体で奥行きが感じられるようにした事例、床にモザイクタイルを敷きつめて水を表現した事例など。次に、LIXILのタイル製造工場を見学した体験の紹介。

トラフのタイル使いは、異素材との組み合わせや余白など、タイルを生かすバランスの工夫が、タイル好きとしてはうれしく感じました。(日本の工業製品の)モザイクタイルは小さくてカラフルで、テキスタイルのような多彩な表現ができるのですね。

最後に衝撃の?YouTube映像。二人の若者が地元の泥から日干しレンガや焼成レンガを作り、プール付きハウスや塀をサクサクとセルフビルドしていく様子が紹介されました。

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さすが。鈴野さんのメッセージは、ここかなとも感じました。その後のトークで、「今回の5つの方向の中では、やきもののタイルに惹かれる。表情があっていいなと思う」「タイルは工業化されすぎているかなとも感じる。ガタガタしたり、ちょっと違うのが魅力」と、ばらつきや歪みへのおおらかな感性も語られました。
そうなんですよね。デザイン関係者でも、そういう人が少なくないのでは。でもメーカーの使命が、良い意味で均一な製品を提供することだと考えると、なかなか難しい。

だから、やはり分けて考えた方がわかりやすいと思いました。一方で、やきもの的なタイルをオーダーで作り提供するのもありかなと。


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添付写真4枚めからは、ウズベキスタン西部・ホラズムのタイル工房で、組み合わせで模様が変わるのを見せてもらった時のもの。あまりの早業に動画撮るのも間に合わず。ジオ・ポンティの幾何学模様変化映像を見て思い出しました(笑) 

このような幾何学模様が満載のヒヴァのタイルを少々。青が綺麗でしょう?時代はあまり古くなく18世紀以降のものが多いと思います。修復が盛んに行われていますが、難しそう!釉薬の発色も素地の強さも、昔の技術は凄いです。

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この数年、日本の古いタイル(大正、昭和)が人気。多治見にモザイクタイルミュージアムも開館し、タイルをめぐる状況も変化しつつ、変わらない部分もあり。自身の体調や各国の事情などあり海外に行けていないこの頃ですが、マイペースでいこうと思います。
by orientlibrary | 2019-02-15 22:40 | タイルのデザインと技法

BIRDS 2017

2017年、皆様にとって良き年となりますように。
どうぞ、健やかに、のびのびと、笑顔で、おすごしください。

そして、どの地でも、誰もが、安全で穏やかな日々を送ることができますように。

西アジア、中央アジアにも、鳥をモチーフとする陶器がたくさんあります。中世から現在にいたるまで。写真もいろいろあり、選べない。なので深く考えず、バババッ!っとセレクトしました。日本の陶磁器やテキスタイルも折り込みながら、鳥たちを少々コラージュしてみました。(詳細なキャプションなしにて、失礼します)



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(セルジュークの青い鳥/カラタイ・マドラサ〜ミュージアム/トルコ・コンヤ)



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(ティムール朝のおおらかな鳥/ティムールミュージアム/ウズベキスタン・タシケント)



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(日本/九谷、東京国立博物館など)



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(リシタンの青い鳥、現代/ウズベキスタン・リシタン)



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(キュタヘヤ、イズニックの青い鳥、現代など/トルコ)



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(テキスタイル、刺繍/バングラデシュ、東欧、日本、カシミールなど)




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今年は、動き始めたい。前を向いて、深呼吸して、歩いて行きたいです。人や景色や美しいものと、たくさん出会いたい。get moving,, 今年もよろしくお願いいたします。
by orientlibrary | 2017-01-03 20:32 | 世界の陶芸、工芸

工芸の秋 〜 日本の美術タイル@旧朝香宮邸、漆藝、割り箸ピアノ、色の景

工芸の秋に背中を押されて、ブログ更新。動こう書こう!、、 写真中心になりますが、アップしていきますので、サクッとお立ち寄りください。

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■トークイベント「昭和の美術タイルと旧朝香宮邸」@東京都庭園美術館

庭園美術館で開催中の展覧会「アール・デコの花弁」。その関連イベントとして、タイルに焦点を当てたトークイベント「ディテールのアール・デコ 旧朝香宮邸の室内空間 〜 昭和の美術タイルと旧朝香宮邸」がおこなわれました。参加予約は、すぐに満員になったようです。リニューアルした庭園美術館の魅力はもちろんでしょうけれど、最近のタイル人気もあるのかな。

トーク内容は、タイルの定義(〜世界のタイルの歴史概略)、昭和のタイル、美術タイル、アールデコの建物にタイルが多用される理由、幾何学模様、旧朝香宮邸のタイル(玄関から便所、テラス、中庭、居間、バルコニー、ガーデンなど各所について、現在の写真と貴重な図面を見ながらの解説)と、全体を網羅しながらディテールに迫るものでした。

同館出版の本の帯、「絶品のタイル、極上の石。絢爛たる意匠を堪能せよ」。え?タイル??、、、 朝香宮邸(1933年=昭和8年竣工)、何度か行っていますが、これまではアールデコという先入観のせいか、正直、土っぽいタイルというイメージはあまり持っていませんでした。絶品?

でも、トークでタイルだけを追って拝見してみると、これは確かにすごいですね。認識あらたにしました。といっても、アールデコの文脈から、ではなく、日本のタイル、という面からです。

朝香宮邸のタイルは、日本の美術タイルの二つの名門、「泰山製陶所」(池田泰山/京都)と「山茶窯」(小森忍/瀬戸)のタイルを採用。「この2大メーカーのタイルを同時に使っている現場はここしかないのでは。それが“絶品”のワケ。タイルのすごさを実感した。職人もすごい」(講師の後藤泰男さん)。

当時の日本の美術タイル独特の重厚さ、やきもの感の強さよりも、こちらでは一片が小さなタイルを幾何学的に組み合わせたり曲線を取り入れたりして、柔らかく軽やかな印象です。そして何と言っても魅力は淡い「色」、その組合せだと感じました。

きれい。何色と言えない仄かな薄い紫、薄い青、薄い茶色、さまざまな色。揺らぐような、たゆたうような釉薬の質感。なんという魅惑でしょう。スライドでタイルの写真をずっと見せてもらっているうちに、テキスタイルを見ているような気がしてきました。日本の絣を見ているような感じ。日本の美の感性。

これだけの色のバランスを作り出せた裏には、色を綿密に指示した設計図があったようです。職人さんも大変です。すごい仕事ですね。

が、残念ながら写真がないのです。トーク日は撮影禁止(平日のみ撮影可能&この展覧会会期中だけでは?詳細はサイトをご参照ください)。また行ってきます。

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(かろうじて撮った写真3枚)

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(妃殿下居間 バルコニー タイル(部分)=庭園美術館ホームページより引用)



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■「三田村有純漆藝展 黄金幻想」@平成記念美術館ギャラリー

三田村有純さん、江戸蒔絵赤塚派十代を継承、東京芸術大学漆芸術科教授(先日退官)、日展作家として活躍。展覧会サイトはこちら

「自ら木を掘り、漆を塗り重ね、その上に漆で絵を描き、金を蒔いた作品」35点の展示。「風景彫刻、レリーフによる壁画、揺れる箱などが漆の概念を超えた魅力を放つ」。「参考出品として、祖父、父、三人の息子の作品も合わせて50点が並ぶこの展覧会は、漆藝を代々受け継ぎ、明治、大正、昭和、平成と発展してきた三田村家の歴史と、漆藝の未来を見せてくれることでしょう」(チラシより)。

漆、蒔絵は、土もの好きの私にとって、少し敷居の高いというか、見るのが難しい印象があったのですが、見始めると、細密な技巧、優美な美しさ、奥に感じる自然の素材感、日本の美意識などに、引き込まれるのを感じます。

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(物語性が印象的。吸い込まれるようです)


平成記念美術ギャラリー、次回の展示は、九谷の作家・武腰一憲さんの「色絵シルクロード行」。「特にウズベキスタン共和国の艶やかさは九谷の色と重なり、それ以降その作風がライフワークとなりました。鮮やかなサマルカンドブルーが力強く優しく語りかけ、悠久の時間が流れる作品たちを、どうぞお楽しみください」。青に会いに行こうと思います。



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■ ”FUTURE AMBIENT feat. Benjamin Skepper and Sami Elu”@WALL&WALL

孤高の音楽家 BENJAMIN SKEPPER&自作の割り箸弦楽器「幻ピアノ」を操る唯一無二のアーティストSAMI ELUによるライブ。内容紹介はこちら

割り箸ピアノのサミエルさんの大ファンです。戸外イベントで聴いて、一目惚れならぬ一耳惚れ?!高価なシンセサイザーとかではなく、本当に割り箸やリサイクルの素材で自作したピアノで奏でる他にない音の世界は、アコースティックの素朴な優しさとエレクトリックなコズミック感があり、私にはずっと聴いていたい音楽なのです。

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***  YouTube  What Does a Chopstick Piano Sound Like?  ***




ベンジャミンさんも初めて聴く音の世界。「常にどこに居るのかわからないほどに、セレブのオーダーで世界中を縦横無尽に飛び回る貴族系?!音楽家」。すごいな〜。「来週はロシア。大学で人間の遺伝子を数学化した音楽をチームで研究中」と流暢な日本語で。いろんな世界があるんですね。


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■「SENSE OF MOTION あたらしい動きの展覧会」@スパイラルガーデン

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写真のみです。エマニュエル・ムホーさん作品の景色、どこから見てもワクワクする色の景色。単体はシンプルな形ですが、集まって、何か自然を思わせます。スパイラルのサイトはこちら



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超駆け足で書いてきました。がんばろう。。
by orientlibrary | 2016-11-13 01:12

青淵文庫の和の趣のタイル、ウィーン分離派との関係が?

中東で、日本で、多くのことがありました。どうしてこんなことが起きるのか、ということが連日のように報道され、重く暗く悲しい、やりきれない気持ちを抱えてしまいます。ひとつひとつに思うこと、考えることはありますが、何か書いてみたいと資料を集めていたら、また次の何かが起きる。イスラームに関して言えば、イスラームから「IS」を連想する人は、現時点では少数ではないでしょう。「IS」に最も苦しめられているのはイスラームの人々ですが、さらに誤解や偏見も重なります。また長く続くシリア難民の苦しみや、宗教に名を借りた文化財の破壊冒涜など、言葉がありません。タイルのことばかり書いていていいのかという気持ちもあります。(ブログの更新は少ないのですが、タイルや青のFBはけっこう更新しているので、、)。まとまりませんが、、日々見たもの、西アジアや中央アジアのきれいなもの、これからも書いていければと思います。

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西アジア遊牧民の染織


東京国立博物館東洋館(アジアギャラリー)にて、「アジアの染織 西アジア遊牧民の染織」が展示されています(4月5日まで)。

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「遊牧民研究家、松島清江氏が1960年代から1980年代にかけて現地で収集したコレクションを展示します。インド西北部からパキスタン、アフガニスタ ン、イランからトルコにかけて遊牧を営んだ部族が染め、織り、制作したハンドメイドの衣類や袋物、テント用敷物。家畜の毛をつむいで織り、あるいはフェル トにして作られた、各部族の特色ある色と文様の世界を紹介します」との内容。

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「遊牧民の染織〜トライバルな毛織物」というジャンルも、装飾タイル同様、日本ではあまりメジャーではない、というか、好きな人はものすごく好きだけれどあまり知られていない、広がりが少ないジャンルではないかと思います。でも紋様や技法など、とても魅力があります。古いものは、色もいいですね。引き込まれます。

ただ展示としては、解説がややざっくりしていました。部族名や地域もなく「トルコ」とだけ表示されていたり。「敷物 赤紺緑紫地小花幾何文様刺繍縫合せ」といったタイトルは現物を見ればわかるのでは?作った人たちや特徴的な技法について知りたいです。博物館での稀な展示なので、贅沢は言えませんが!


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ベジタブル・センセーション、カドヤ・ワールド


陶芸家・角谷啓男さんの個展(六本木アクシスSavoir Vivreにて/3月1日まで)。あ、上のタイトルは私が勝手につけたものです。びっくりな野菜や花や葉っぱたちだったので。

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ガラスや磁器土でできているのですが、本物より本物らしい繊細な仕事!すごいな〜。テイストがまったく違うのですが、超絶技巧の明治工芸を思い起こす面もありました。が、もっとオシャレでモダンです!

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角谷先生、陶芸教室行ってなくてスイマセン。。久々に会った角谷さん、野菜たちとの日々でちょっと疲れも見えましたが、逆に内に炎が赤々と灯っているのを感じました。不肖生徒ですが、またよろしくお願いします。

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大正タイルの館 青淵文庫


日本のタイルを少しずつ見ていますが、まだまだです。とくに近代建築に使われたタイルは、行くのにモチベーションアップが必要。青淵文庫(せいえんぶんこ/渋沢資料館内/東京・王子)も、じつは大きな期待を持たずに行ったのですが、すんなりと受け止めることができました。

渋沢史料館は、近代日本経済社会の基礎を築いた渋沢栄一の思想と行動を顕彰する「渋沢青淵記念財団竜門社」の付属施設として、1982年に北区飛鳥山公園の一部に設立された博物館。旧邸内に残る大正期の2つの建物「晩香廬」と「青淵文庫」、本館があります。

ステンドグラスやタイルががあるのは青淵文庫。設計は田辺淳吉。1920(大正9)年に設計開始、1925(大正14)年竣工。完成目前の1923年に関東大震災にあい工事は一時中断。震災の経験を生かして再工事。栄一の書庫として、また接客の場としても使用されたそうです。

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明治〜大正の西洋館、苦手なものもあるので心して出かけましたが、箱形の端正な佇まいに安心。そして予想以上に多用されていたタイルが、色合いも模様も組合せもテクスチャーも和な感じでスッキリ。けっこう好きだなあ。

紋様は渋沢家の家紋「丸に違い柏」に因んで柏の葉とドングリの実をデザインしたもの。石膏型成形。色は青磁釉の青緑と白、金を使用。オリジナルと修復時作成(200個ほど)が混在。けれどもあまり違和感がない。質実感あり好み。館内部にも、窓回り、柱回りなどにタイルが使われていました。

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洋館建築にはとんと疎いので、この感じはなんなんだろう、他の洋館と何か違うなあ、と思いながら、置いてあった館紹介の掲載雑誌を後で読もうと写真に撮りました。で、撮ったままにしていたものを、先ほど読みました。面白かった。藤森照信さんの「タイル多芸」というシリーズの読み物のようです。(そんな連載があったんだ、、今、タイルの連載ってどこかにあるのかな??) 雑誌名は今わかりません。が、そこから引用を!(< >内はorientlibraryが補足追記)

——— 「タイル多芸4 大正期の掌品 青淵文庫と晩香廬」(藤森照信)———

<第一印象は正体不明の建築。タイルもよくわからない>
「(大学院生時代はじめて訪れたとき)、にぎやかな明治の西洋館に慣れた目には、全体を箱形とし、一部に角柱を並べるだけの外観はあまりに無口すぎるし、一歩なかに入ったときのインテリアの印象も、それまで見慣れたイギリス風フランス風などといったヨーロッパの歴史様式とも違うし、かといってアールヌーヴォー以後のモダンデザインじゃないし、正体不明、見所不詳の感を否めない」

「ステンドグラス以上のとまどいはタイルだった。箱形の単純な外観の唯一の見せ場は開口部回りにグルリと使われているタイルだが、そのタイルがどうもよくわからない。まず、色がいけない。緑色をベースとしているが、建物に緑色を使う例はきわめてまれで、なんだか落着かない。加えて、タイルの面に刻まれた装飾も、幾何学紋様のようでもあり、植物風でもあり、ステンドグラス同様もっと伸びやかにならないのか。国籍不明、デザイン原理不詳の建物、と学生の私の目には映ったのだった」

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<優れたデザインだった。中国風が溶け込んでいる>
「それから20余年。明治の西洋館だけでなく、大正・昭和初期の西洋館、さらに20世紀のモダンデザイン、またモダンデザインの影響を受けた歴史様式、といったさまざまな日本の近代建築の形と思想についてその後勉強を重ね、今は、また別の目でこの建築を見ることがでいるようになり、たいへん優れたデザインであると考えるようになっている」

「まず、国籍不明の件、結論から述べると、中国風なのである。中国の感覚を取り込んだヨーロッパ系のデザイン。ステンドグラスの装飾は殷の青銅器などでおなじみのゴニョゴニョ紋様だし、そこここに竜に由来するようなモチーフも潜んでいる。ステンドグラスとタイルが一般よりずっとグリーンがかっているのも、中国の緑と朱を好む伝統とふまえているといえよう」

「中国風のデザインセンスを加えた理由は、この文庫の蔵書の性格にある。論語関連の和漢の古典籍を収蔵し、それを使って論語研究をする研究図書館というのが青淵文庫の設立目的であった。渋沢栄一は資本主義の経済活動にも論理が不可欠と確信し、その根本を孔子の教えに置こうと考えていた。こうした渋沢の思想を踏まえ、設計者は中国を感じさせるセンスを巧みに取り込んだわけである。あまりに巧みに溶かし込んでいるから、中国風はムキ出しにならず、逆に一見しただけでは国籍不明に見えてしまうのである」

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<じつはヨーゼフ・ホフマンの影響を受けたデザインだ>
「外観は凹凸が少なく、アッサリと仕上げられ、ひとつの箱に化すような兆しが観察されるし、インテリアでもあれこれ付加された装飾のバックにひとつのマッスが感じられよう」

「実はこの建物のデザインは、かのヨーゼフ・ホフマン設計のモダンデザインの記念碑的作品、ストックレー邸の影響を受けているのである。設計者の田辺淳吉の自ら記した文によると、彼は大正のはじめにヨーロッパに出かけたとき、それまで習得してきた歴史様式に喰い足りないものを覚え、むしろウイーンで巻き起こっていたセセッションのデザイン運動に関心を持ち、リーダーのホフマンの仕事に強く魅せられた、という」

「ストックレー邸とのつながりにマサカと思われる読者のためにひとつ証拠を挙げるならば、外観の開口部のタイルの縁取りはどうか。初期の案だと、2階まで窓が伸び、その回りをタイルが縁取っているからもっとわかりやすかったが、こうした幾何学化したファサードをタイルで縁取って飾るというのはストックレー邸のやり方にほかならない」

<平明なうえでの装飾性というタイルの得意技を理解>
「当時の記録によるとタイルは“泰平タペストリータイル”ということになっているが、泰平は京都のタイルメーカー辻製作所のブランド名で、タペストリーというのは装飾織物を指す。建築部材というより、織物で壁面に帯状のアクセントをつけるというところにウイーンのセセッションへの共鳴が感じられよう」

「晩香廬も設計は田辺淳吉で、完成は大正6年。イギリスのチューダー様式をベースとしているが、暖炉の上部の「喜」の字の飾りに象徴されるように、そこはかとなく中国感覚が溶かし込まれている」

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(洋風茶室・晩香廬。内部撮影禁止なので写真なし。「1917(大正6)年の竣工で、丈夫な栗材を用いて丹念に作られ、暖炉・薪入れ・火鉢などの調度品、机・椅子などの家具にも、設計者の細やかな心遣いが見られます」=HPより)

「しかし、チューダー様式、中国感覚の背後で、青淵文庫と同じように、設計者はインテリアをひとつのマッスとしてとらえているし、壁面の処理も、暖炉回りの壁で明らかなようにより平明にしたうえで、タイルと木部によって装飾性を生み出そうとしている」

「平明なうえでの装飾性。イスラム建築の装飾タイルを引くまでもなく、たしかにこれはタイルの得意技のひとつといわなければならない」

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さらに、こういう見方も。(同じく雑誌を撮影したものより)。今度はオットー・ワーグナー。

「青淵文庫の設計は田辺淳吉。オーストラリアの建築家でウイーン分離派のオットー・ワーグナーに傾倒し、青淵文庫もワーグナーの代表作「郵便貯金局」に似ている部分が多いと言われている」「窓の枠と柱のタイル、そして窓上部のステンドグラスには渋沢家の家紋にちなんだ柏の模様が施されている。細部へのこだわりは田辺がワーグナーから影響を受けていることを表しているのではないだろうか」(月間建築仕上技術/2008年9月号)

え、、論語、孔子、中国、資本主義、ウイーン分離派、、

そんなにいろいろな要素があったんですね。う〜ん、すごいな。そして、渋沢栄一さん、資本主義にも論理が不可欠、さすが明治の実業家は骨太。

タイルオタクには、「平明なうえでの装飾性」という見立てが、すんなり入りました。イスラームの建築や工芸は優美繊細だけれど爛熟じゃないんです。華麗だけどゴテゴテしていない。そこが好きなのです。そんなこともあり、青淵文庫、予想していたより共鳴できました。

ウィーン分離派からの影響、建築史としてはそうなのかもしれませんが、タイルについて言えば、幾何学紋様と植物紋様の組合せや青緑の使用などは、私にはイスタムタイルと、また一部のヴィクトリアンタイルとの共通項として感じられました。そしてまた、「やきものとしての日本のタイル」の美しさも宿っていると感じました。「泰平タペストリータイル」の底力!日本のタイルも、もっと見て歩きたいと思います。
by orientlibrary | 2015-03-01 23:58 | 日本のタイル、やきもの

「テーブルウェア・フェスティバル 2015」、好きだったものなどレポ

今年も「テーブルウェア・フェスティバル」の季節(東京ドームにて、2月9日まで、詳細はイベントサイトに)。ドームに満載の陶磁器やテーブル回りの品々に会いに、さっそく行ってきました。まとめられず調べきれなくても、「走りながら書く」スタイルに変えようと思っているので、写真中心に、超ザクッとですが速報レポとします。

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(「個性ある250以上の販売ブースが出展し、企業の新商品や提案商品、
産地の窯元や作家の作品などを直接購入することができます」HPより。おもてなし食空間=テーブルセッティングの展示も大きな要素。専門家からコンテスト入賞作品まで多数展示あり。会場は幅広い年代の女性ファン、器選びをするカップルなどで熱気/着物姿の女性は食卓との関係は?だけれど入口に。皆さん写真を撮っていたので、、モデルさんって顔が小さい〜)

今回の特集は「琳派400年の系譜と新時代の京焼・清水焼」。見応えありました。解説までは写真を撮っていないので詳細はわかりません。写真のみです。

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(「伝統的な琳派のデザインを受け継ぐ器や、楽茶碗に代表される茶道具。そして、斬新なデザインさえ感じる
今の新しい京焼・清水焼。古都、京都ならではの奥深さをご紹介いたします」(HPより))

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(器だけでなく、セッティング提案してあると、やはり器の表情が出てきます。揃いも生きるし、組合せも楽しい。日本の器でのセッティングは、ルールが種々ありそうな欧米よりも自由な空気があり、私には楽しい。ひとつひとつの陶磁器に存在感)

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(端正なかたち、絵付けの細やかさ、色彩の優美さ。やはり華があります。粋と雅)

「日本の器を訪ねて」では、今回、和モダンな漆を特集。輪島塗、山中塗、津軽塗など、日本の代表的な産地の逸品、そして斬新な作品がセッティングされていました。

「日本の器を訪ねて」、毎回、大きなブースを展開するのは、日本の有名な陶芸産地。土岐市、瀬戸、多治見、有田、常滑、波佐見、鹿児島の工芸品。伝統的な作品からカジュアルなものまで豊富に揃い、値段も手頃に設定されています。楽しみにしている展示です。

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(土岐市は伝統的な名匠の作品から、現代作家の青白磁など魅せてくれます。さらにカジュアルな食器、今風のどんぶりなどが大人気で朝から行列ズラリ。レジや包装の皆さんも大変そうでした)

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(東海中部の産地。多治見、瀬戸、信楽、常滑。中部の土もの、いいですね〜)

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(九州。波佐見焼はブースも大きく、加えて窯元も個別に出展するなど、目立ちます。商品ラインが豊富。青中心の三河内は複数の窯元さんが出展。かごしまは工芸品全般。白薩摩は本当に美しい。有田のブースは大きくてモダンなものが多いのですが撮影禁止なので写真なし)

気に入ったもの、気になったものは、いろいろあるのですが、、ザクッとの範囲で、こちらをご紹介。オリエンタルなテイストを感じたもの。

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(左の上下:あれ?トルコタイルの模様、、と思ったら、やはりテーマが「トルコの花」なのだそうです。いい感じにあがっていますね。落着いたトーンの色合いでまとめてあったのが和風でおもしろかった。皿だけでなく商品ラインも豊富。ただ、食卓提案にトルコテイストがほとんどなかったのが残念。少しトルコものを入れてパンチを効かせたほうが良かったのでは?/右上:きれいですよね!!京焼の深鉢。ムガルの花模様を思い起こします。このようなブタ(花模様)が傾いでいってペイズリー模様になった、そのあたりも感じさせる動きのあるデザイン。色も青でいいですね/右下:カタール国大使夫人によるテーブルセッティング。キラキラ。ヒョウ柄とは意表をつかれました)

有田で写真を撮ってもいいですよ、と言ってくださった窯元さん。去年から注目していましたよ。「メデタイ」の窯元さん。今年はさらにパワーアップ。人も集まり注目の展示になっていました。明治時代の版木を使って成形し、すべて手描きで仕上げています。

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(有田の窯元による明治の鯛「メデタイ」鯛皿は、明治10年頃の型を使い再現した手造り物。現在の魚の置き方は頭が左ですが、当時「左前」は悪いイメージ。新しい日本の未来を祝うため、頭が右を向くように作られたのだとか。右向きの鯉皿は明治初期に限定されますが多数生産されたそうです。現在の鯛皿は華やかな絵付けが施され豪華。小さな魚皿も可愛い)

小さいものは可愛いですね〜。そこにびっしりと描き込んであるのですから、グッと惹き付けられます。

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(左上:こちらは陶器ではなくビーズ!「テーブルセッティングによる食空間提案」で、ビーズ刺繍デザイナーの田川啓二さんのテーブルにあった屏風=「葵祭」をモチーフにしたもの。これらはすべて、ビーズ、スパンコール、金モール、糸など、様々な種類と色の材料で一針一針手で刺繍したものです。人物は、最も難しい糸のテクニックであるレシャムワークでつくり、この糸刺繍のあとに縁取りをツイストワイヤーでまつっていきます。これは私の作品の中で、一番長い期間を費やして制作されたものです」(田川さんコメント)/右の上下:こちらは本当に綺麗でした!京焼の箸置き。やっぱり、日本の陶磁器はすごいわ、、)

あれ、、洋食器ブランド、見逃してました。でも、日本のブランドの洋食器はしっかり見ました。大倉陶園、こちらはちょっと別格。重厚というか格調というか、、美術品のようです。

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(呉須草花紋のカップ&ソーサー。瑠璃色と金色の大型陶板。図柄は正直好みではないけれど青には惹かれる。深い青「アジュール」の四角い皿。『婦人画報』の写真には、有名レストランのシェフによるお料理が。こんなふうに盛りつけてこそ映えるお皿ですね、ハイ!)

テーブルセッティングもさまざまなテーマで、展示されています。

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(左上:かなり作り込んだ野外のテーブルセッティング提案。細長い絨緞あり。このイベントで絨緞を見ることは少ない。床までいかないですね、だいたい/右上:カタール大使夫人のテーブル全体はこのような豪華な感じ/左下:たぶんスイーツガーデンというテーマのセッティング/右下:女性好みの世界。植物もいっぱい)

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(左上:花に負けない器の存在感/右上:先ほどの田川啓二さんのテーブル。後ろの屏風にビーズが施されています/左下:たしか昨年のコンテスト優秀作のコラボ/右下:今年の「テーブルウェア大賞」入賞作品より。華やかなセッティングが多いなかで意表をつくエコなテーブル。紙や洗濯バサミ、ヘチマなどで。オシャレです)

写真はたくさんあるのですが、長くなってしまうので、このくらいにしておきます。陶磁器見学、次はどこに行こうかな!? 北九州も行きたいな。

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気持ちが重い。いい方向に世の中が向かっているとは思えない。大好きな地域(人々)が、ますます辛い状況になっている。日本もモヤモヤ。世界、社会、すべてが加速度的に複雑になっていて、こじれていく。正直、今日は気を紛らわせて何かに向かいたかったこともあり、ブログを書きました。とにかく、自分の小さなことだけを考えていては、それさえも危うくなるのだと思う。というところまでしか、、うまく表せません。。
by orientlibrary | 2015-02-01 23:55 | 世界の陶芸、工芸

優美洗練!九谷焼美術館、超絶豪奢!横浜真葛焼

伝統ある産地、洗練の美意識と匠を伝える 「石川県九谷焼美術館」

イスラームの装飾タイル偏愛紀行ではありますが、日本の陶芸、工芸も、とても好きです。年々惹かれています。日本の陶芸産地には地元の陶芸をテーマにした博物館、美術館も多くあり、総合的かつ深く見られてありがたい存在。先日は、絵付けで有名な九谷焼を専門に展示紹介する「石川県九谷焼美術館」を訪ねました。

石川県九谷焼美術館は2002年開館。加賀市「古九谷の杜親水公園」内にあり、周囲の自然と一体化した心地よい美術館でした。設計は富田玲子さん(象設計集団)。公園と一体になったくつろぎ感、細部まで心配りされた素材使いや色使いなど、建築というものに久々に感動しました。行ってよかった。

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(小雨模様の天気でしたが、緑がしっとりとして気持ちも落着きます。やきものもまた雨に一層映えますから、雨もまた良しです)

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(公園内のなんらかの施設。何かはわからなくても、青をめざとく見つけ近寄ります。濃淡がやさしい日本の青。イスラームの紺碧の青を求めて旅をしていますが、こういう青も本当に好きなのです。九谷五彩、それぞれに何て魅惑なのでしょう)

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(公園内からも、次々と現れる五彩のやきもの。床に柱に壁面に。大きさを変えたり、表情を付けたり、見て歩くのが楽しい)

館内の常設展示は、
* 青手  (緑・黄・紺青・紫の4色を使い大胆な筆づかいで独自の世界を築きあげた青手古九谷、そして青手の伝統を受け継ついだ吉田屋窯、松山窯などの名品を紹介)
* 色絵・五彩  (「九谷五彩」と呼ばれる緑・黄・紺青・紫・赤の色絵の具で、山水や花鳥風月、人物などのモチーフを、大胆に繊細に描き出した色絵の名品を紹介)
* 赤絵・金襴  (宮本屋窯の飯田屋八郎右衛門によってスタイルが確立した赤絵細描の作品や、京都の名工永楽和全が伝えた金襴手の技法による九谷焼など、赤と金のコントラストで表現された作品を紹介)
など。見応えありました。

そして企画展示は現代作家の作品を多数展示。九谷と聞くと、ちょっと作風が古いのでは?というイメージの方もあるのでは?が、この現代作品が作風も多彩で、細密かつ力強く、圧倒的に素晴らしかったです。産地の底力!!!(展示作品が撮影不可なのは仕方ないことですが、アップできないことが非常に残念)

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(館内。直線曲線の変化、見え隠れする九谷カラー、ガラスだったり陶だったり。床や柱も陶の魅力をさまざまに伝える)

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(中庭には水琴窟。写真左上の青い椅子、なぜ斜めに置いてあるのかと思って座ってみると、ここから中庭がちょうど良く見えるのです。視線が低く、落着きます。展示室外の目立たないところに石のモザイクが。九谷カラーも使いシックです。右下は陶器破片を利用した飾り。大きな美術館ではないけれど、視線や素材の変化があるので飽きさせません)

2階の喫茶室も、作家さんの作品を使ってのセッティングが、とても洒落てました。庭を見ながら外のテラスで風に吹かれて、がおすすめです。

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(喫茶室にて。右下は青が美しい陶板)


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横浜のやきもの・真葛焼 「宮川香山真葛ミュージアム」


数年前からでしょうか、「横浜のやきもの」ということと、「明治工芸の超絶技巧」という2点から、ずっと気になっていた横浜真葛焼と、その専門博物館である「宮川香山真葛ミュージアム」。今回、横浜のアートイベントの一環として館でもイベントがあることを知り、良い機会と出かけてきました。

豪奢な細工や幽玄の色彩が特色の真葛焼、九谷焼とはかなり趣きが異なりますが、圧巻の匠の技で見る者を魅了するのは同じ。明治を代表する陶芸家、宮川香山の世界に浸りました。

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(横浜駅から徒歩でも10分かからない立地。ビルの1階。HPを見るとお菓子の会社がスポンサーのようなのですが、地元の真葛焼を紹介しようとするエネルギーと意思がすごい。施設の維持は大変なことでしょう。拍手/館内の展示。広くはないけれど作品がきちんと見えるように気配り/下の中と右=イベントの「真葛焼鑑定会」の様子)

まず真葛焼について。あまり情報が見当たらないこともあり、館のチラシから引用します。

「世界を驚愕させた横浜真葛焼 〜 1842年、初代宮川香山は、京都真葛が原の代々やきものを生業とする家庭に生まれました。29歳のとき、輸出向けの陶磁器を製造するため、横浜大田村字富士山下に真葛焼を開窯します。1876年(明治9年)、フィラデルフィア万国博覧会に出品された真葛焼は絶賛され、その名は世界に知れ渡ります。その後、フランス、アメリカ、イギリスなど各地の万国博覧会で輝かしい受賞を重ねました。真葛焼は初代から、二代、三代へと引き継がれますが、1945年横浜大空襲で壊滅的な被害を受け、閉窯。四代目香山の復興努力もむなしく、その歴史は閉じられ、今では「幻のやきもの」と言われています」

19世紀の万博と日本の明治工芸については、薩摩焼の細工や漆の超絶技巧で関心を持つようになりました。真葛焼も「高浮彫」という精緻な彫刻を施した技法が特徴です。じつは好みとしては、豪華絢爛で派手なものは、いくら美しくても苦手。真葛焼の「高浮彫」も引いてしまう面もあります。今回もトークなどで熱の入ったお話を聞かなければ、派手だったなあ、と帰ったかもしれません。が、エピソードなども聞き、あらためてじっくり見ると、やはりすごい!と見入ります。

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(初代香山の作品。右上=蟹が施されている作品は遺作だそうです。土で作られた蟹、生きているようです/右下の彫刻=TV番組の「鑑定団」に出た作品で、「いい仕事してますね〜」の絶賛賛辞が。傷がなければ1千万円の価値とか。縁あってこちらに寄贈されたとのことです)

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(香山は当初薩摩焼を研究していくつもの作品を制作、輸出していましたが、金を多量に使うため多額の資金が必要。そこで金のかわりに、身近な動物や植物を精密な彫刻で彫りり込む「高浮彫」を生み出します。より細密な表現のために、庭に鷹や熊を飼うまでしたそうです。鳥の表情がすごい。細かい!)

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(ここまでゴテゴテすると(失礼!)、苦手を通り越して興味が。細工に気を取られるけれど絵付け部分の描き込み密度もすごい。もちろん元々の成形や焼成も。しかし高浮彫は完成まで何年もの時間が必要なため、香山は後に作風を一変し清朝磁器を元に釉薬の研究したり釉下彩の研究に没頭。美しい作品を残しており館内にも展示されています)

精緻な細工を特色としていた初期真葛焼も、写実的な作品がしだいに減少。二代目香山はのちに、「外国人が濃厚な作風に飽き、日本本来の趣味である清楚淡白なものを好むようになってきたからであった」と語っているそうです。マーケティング!

また二代目による初代への、次のような回想も。「故人は西洋向けのけばけばしいものよりも、日本向けの沈んだ雅致に富んだ物の方が得手のようでした」。実際、晩年の作品は滋味あふれ、伝統的な情緒あふれる作品が多いとのこと。
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(植物も細工と絵付けを重ね、独特の世界。ときはアールヌーヴォーの時代。時代の気分、共時性というのもあるのかも? 館内での解説などによると、窯には200名もの職人がいたこともあり、誰がどの部分をおこなったというのはわからないそうです。香山作品であり真葛焼窯全体の作品でもあるのでしょう)

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(今回の企画展示は、稀少で貴重な高浮彫を展示室に満載。多彩な作品を見られる貴重な機会だったようです。こちらの虫の表現、花や鳥に気を取られて最初は目につきませんでしたが、長時間見ているうちに、ささやかな表現もすごいなあと気づきました)

京都の腕の良い職人が、海外との交易盛んな時代に輸出に都合が良い横浜で窯を開き、薩摩焼に彫刻的要素を加えた華やかな作風をもって流行の世界万博で一世を風靡、そのために渾身の努力をする。けれども晩年は滋味あふれる雅な作品を制作。しかしその後、窯は、横浜の大空襲により三代香山が亡くなり、多くの資料も失われ、閉窯に。

美しい陶磁器群のなかに、時代が刻々と流れている。ときには華やかに、ときには辛く悲しく。さまざまに思いが巡ると同時に、超絶技巧と淡白な美を両立し得る日本陶芸の深さに、あらためて感慨をおぼえました。


* * * * * *
これからも、たくさんの陶芸を見ていきたいと思います。今回ご紹介できなかった「河井寛次郎記念館」、機会があれば何かとまとめて書きたいと思います。

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(京都五条坂の河井寛次郎記念館。大好きな世界。河井さんの文章がまたいいですよね〜。。)


* * * * * *
&このところ、日本のタイルの動きがすごいです。ほんとにびっくり。個人ができる範囲ですが、取材などもおこないつつ、こちらも書きたいと思っています。
by orientlibrary | 2014-10-13 21:22 | 日本のタイル、やきもの

スルチャル・マドラサ(コンヤ)、草創期のモザイクタイル

アナトリアのセルジューク朝時代の装飾タイル。コンヤのスルチャル・マドラサ(1242年/THE SIRCALI MADRASA IN KONYA)です。

コンヤへのタイル旅、どのモスクもマドラサも圧巻で、熱狂と感動の連続、至福の時間でした。なので、どこが一番とは言えないのですが、スルチャル・マドラサのタイルには本当に惹かれました。修復があまりされておらず、いにしえの姿のままに出会えたこと、そしてタイルのある場所が屋外(イーワーン=中庭に向けて開いた前方開放式の小ホール)であり、遺跡のような感覚でタイルを味わえたこともあるかもしれせん。(ここもまた誰もおらず、タイル友二人と3人で熱狂)

1242年建造のスルチャル神学校、トルコのセルジューク朝タイルの中でも初期に属すと思います。1242年に、この素晴らしいモザイクタイルが壁面を覆い尽くしていた。タイルの歴史を考えると、なんとも興味深く、その現場に立ってタイルを見られたことは感涙でした。

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以前ご紹介したセルジュークタイル史の詳細な専門書=『TILES / TREASURES OF ANATOLIAN SOIL/ TILES OF THE SELJUK AND BEYLIK PERIODS』では、スルチャル神学校は写真含めて10ページ。かなりのページを使っており、やはりセルジュークのタイル史の中でも重要であるようです。ざっと読んでみたのですが、タイルの模様の詳細な解説が多く、スルチャルならではの特長や他との比較、歴史的な位置づけなどは、今ひとつピンときませんでした。英語力の問題が大きいと思います。残念。なので、今回はあまり書ける内容がないのです。写真中心です。


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(エントランスのイーワーン。2階建て)


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(エントランスイーワーンのくっきりとしたムカルナス)


スルチャル・マドラサは、1242年にベドレッディン・ムスリフによってイスラム法学校として創設されました。メインのイーワーンのアーチのタイルの銘文には建築家の名前が記されています。


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(メインイーワーンの壁面装飾タイル。当時の優れた職人たちの卓越した仕事のおかげで、幾度ものダメージにも何とか崩壊せず現存している、とのこと。トルコ中で最も優れたタイルの建造物とも。模様は後の時代ほど複雑ではないけれど、カリグラフィー、植物模様、幾何学模様、どれも完成した美しさ。色の組合せ。バランス。強さ。圧巻。現在は茶色になっているけれどモルタルの白地を想像、さらにくっきりとしてくると思う)


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(メインイーワーン、ミヒラーブ形のムカルナス。1242年にこのようなムカルナスのタイル装飾があったなんて。驚きました)


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(小さなミヒラーブ形の中。ターコイズ青、コバルト青、紫、黒、そしてベースのモルタルの白も効果的)


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(主役はこの2色ですね)


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(モザイクタイルのはじまりを感じさせる。古雅の趣き、端正な美。カリグラフィーや組紐模様。このデザインが見たかった!コバルト青とターコイズ青の組合せが力強い。感涙)


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(植物模様、青の円がポイント。角の処理も施釉タイル)


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(日干しレンガ、焼成レンガ、施釉の浮彫り、バンナーイ(施釉と無釉レンガの組み合わせ)、そして施釉のタイルをカットして集成する集成モザイクタイルへ。なんと手間と時間のかかることを。だからこそ美しい。このあたりは、今後じっくりとリサーチ)


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(カリグラフィー、イスラームの装飾タイルならではの美。点ひとつ取っても、バランスが考え尽くされているそうです。美と感性に幾何学的な土台があるのかなと感じます。パルメット模様も、しっかりカットされてくっきりとした模様の列を構成)


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これまでずっと自分の好きなタイルだけを見てきました。それ以外に興味もわかなかったし、日本ではタイルの情報自体が少なかった。それが今では、ネットやfacebookで日常的に世界各地のタイル情報、イスラム建築情報に接することができます。少しずつでも毎日見ていると、発見があり、楽しく、勉強になります。ありがたい。

そしてなんだか、日本でもタイルが動いているように感じます。タイルに関する話題に触れる機会が俄然増えてきました。以前紹介した日本のタイル愛好者のfacebookページ。ますます盛り上がってきています。近代建築の中のタイル、街角のタイル、商店や地蔵祠のタイルなど、いろんな視点、いろんなタイルがあるのですね。発見があります。また、多治見に開館予定の「モザイク・ミュージアム」がらみの話題もあり、楽しみです。

そんなこんなで、日本でのタイル情報、検索などもするようになったのですが、、これがなあ、、

日本で「タイル」というとき、イスラームのタイルが出てくることが非常に少ない(過小評価という以前に認知されていない)、タイルの歴史に誤解がある(ヨーロッパ近代からのスタートと思われている)など、以前からしつこく書いていますが、このことも一層感じるようになりました。

((( ここに、いろいろと残念な事例を書いていたけど、消去! 自分のことをやっていくのみ )))

つまり=イスラームのタイルは歴史であり過去であり、現在の産業と結びつかない、だから何らかの媒体を通しての話題にのることが少ないのかと思う昨今です。ハイ。報道などを通じてのイメージの問題もありますしね。

それを前提にして、では何をするか。そんなことを考え始めています。愚痴だけではダメなんでですね。きっと。
by orientlibrary | 2014-07-16 23:44 | トルコのタイルと陶器

柳宗悦が選ばなかったもの、インドTarabooksの本づくり、そしてモザイクタイル

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(スルチャル・マドラサ/コンヤ)

セルジュークの装飾タイル、そしてモザイクタイルへの道、少しずつ進めています。でも、連続だと、ブログの見た目にも、気持ち的にもちょっと重そうなので、今回は軽めの話題をいくつか。

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中央アジア積み&盛りコレクション


まずは、「中央アジア積み&盛りコレクション」。Facebookのページで、流れで始まった特集。以前から、面白いなあと思っていたんですよね、バザールなどで見かける、てんこ盛りみたいな、とことんやる積み上げ方。各地での採集投稿もいただき、楽しいです。

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(キッチリの「トルクメン積み」はアートの域/缶にまで及ぶ「トルクメ積み」/各所で見られる「ウズ積み」、クルト(チーズの一種)も積みます/トルコのバザール、こだわりの「トルコ積み」。とことん/総菜もすごい、「ウズ盛り」ラッシュ/ニンジンサラダの「ウズ盛り」)


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青の陶器とタイル、好き


青のfacebookも続いています。1年半かけて、「いいね」=400。とくに宣伝してはいないので自然に。青好き、タイル好きの方の存在を感じられて(これまで、なかなか実感が持てなかったので)、心強い気持ちになります。

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(青facebookより、いくつか//ティラカリ・マドラサのモザイクタイル〜サマルカンド/中国風図柄のフランス製ファイアンス花入れ。19世紀後半〜20世紀前半。ブハラのシトライ・モヒ・ホサ宮殿に展示されていた。中国の模様のフランスの錫釉陶磁器がブハラに。献上品だと思うが興味深い/ウズベキスタン、リシタン、ウスマノフ工房間の絵付けタイル。この写真をずっと見ていて、あらためて自分はタイルが好きなのだと気づいた。おおらかなタイルの世界/トルコの骨董屋で購入したキュタヘヤの青い小壷。調味料入れのようだ。タイルだけでなく陶磁器、青のテキスタイルなども時々アップしています)


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柳宗悦が選ばなかったもの


たった4日間の展示会、「柳宗悦が選ばなかったもの VOL3 茶わん 1900—1970」(倉日用品商店 企画展)@べにや民芸店(東京港区南青山/7月1日まで)。

「日本の雑器の7割を生産しながら、民藝という視点では必ずしも光が当たらなかった瀬戸や有田の茶わん。しかし、明治以降全国の家庭に、食卓に、旅館に使われ続けているそれらには窯屋の主人が頭をひねって生み出した、様々なデザインが施されていた。伝統の文様をベースにしつつも次第に珍奇になっていく、誰も記録していなかった「ふつうの飯茶碗」のデザインを、明治から戦後まで一挙公開!」

とても面白かったです。しかも全品即売。しかも1個数百円が大半、最高でも1000円ほどという値段。古いものの値段は私にはわかりませんが、見る人が見たら、かなりの値段がつくものもあるのでは。へたウマイラスト系のもの、昭和モダン系のものなど、お宝もありそう。倉日用品商店Facebookには「さすがに初日はプロに類する方が素早く「特にいいもの」を買っていかれまして、目利きの仕事の鮮やかさを目の当たりにした次第です」とありました。

本業ではないのですが、流れとご縁で、陶器の仕入れと販売をさせていただいた経験、少々あります。ひとつずつすべてが違う手作り品の梱包や値段つけは、素人には大変な作業でした。(とくに中央アジアからは、物流が大変すぎました。値段も前例がないので難しかった)。今回の茶碗は、脆くはないですが、やはり一つ一つのパッキングは手間だと思います。倉日用品商店さんのある京都から持ってきて、開梱して並べる、青山の老舗民芸品店のギャラリーで。思わず、数百円×個数で、かけ算してしまいました。

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(冊子が作成販売されていたので購入。「柳宗悦は、なぜ瀬戸と有田の雑器を選ばなかったのか」の考察、すべての出品茶わんの画像、解説付き。貴重な資料!/べにやギャラリーの様子/下左:初期の茶碗は模様で埋められていることに価値があると考えられたのか、染付印判での全面彩色が流行したのだそうです。その後、ハンコを全面に押す手間より手描きのほうがスピードが出たのか、理由は不明ですが突然姿を消したのだとか/小津映画に出てきそうな小ぶりな茶碗たち/下右:購入品。チャイ茶碗的なぽったりしたものと湯呑み。白地に絵付けをやはり選ぶ傾向。さっそく使っていますが、適度に重くていい感じ。もっと欲しい!)

京都西陣の堀川商店街にある「倉日用品商店」、荒物などを扱い、コーヒーも飲める。なんだか面白そう!今度行ってみよう。三井美術館の明治工芸展で興味津々の幕末、明治の工芸を展示している「清水三年坂美術館」も!&facebookのタイルの会で知った、すてきな京都のタイルも見たい。大好きな河井寛次郎も。


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インドTarabooksのゆかいな本づくり


「インドTarabooksのゆかいな本づくり」スライドトーク、というイベントがありました。案内人は矢萩多聞さん(装丁家) 。

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(以上3点、http://kokyuu.org/tara/?cat=13 より)

「手漉きの紙に、手刷りのシルクスクリーン、手製本で本を綴じ、なにもかも手づくりで絵本をつくっているインドの出版社Tarabooks。彼らの絵本に魅せられ、南インド・チェンナイの印刷工房へ見学にいった矢萩多聞が、現地の写真をたっぷりおみせつつ、彼らのゆかいな本づくりについてお話しします。ぼくはこの出版社に出版の原点、明るい未来を感じています。本好きはもちろん、多くの日本人にこのすばらしい出版社、美しい絵本のことを知ってもらいたいです」

素晴らしい絵本たちを画像で紹介できないのが残念ですが、リンク先に写真がたくさんあります。矢萩さんのHPは、詳細でわかりやすいです。ぜひ、ゆっくりとごらんください。

● Tarabooks とは  (1994年から美しい絵本を数多くつくり、
世界中の本好きたちを魅力しつづける、奇跡の出版社だ。本文用紙は手漉き紙。印刷はすべてシルクスクリーンで刷られている。造本は手製本。通し番号がふられ、工芸品のように美しい絵本たちはまるで宝物のようだ。絵本の挿絵の多くは、インド各地の少数民族たちが描いたもの、、など詳細な説明が。写真も、Tarabooksのオフィスや職人さんたち、制作行程など!)

● ニュース (「Drawing from the city」(街を描く)
作者は西インド、ラジャスターンの門付け芸人を夫にもつテージュベハム。
彼女がペンと紙で書きつづった自伝的絵本。ペンでかかれた世界は、絵の教育をうけた絵描きにはぜったいにかけないような
生き生きとした線にあふれています。ほとんど絵の描いたことのない人、絵本なんて作ったことのない人の絵で
こんな大判の絵本を作ってしまったTarabooksはすごいと思います。
まさに「誰もがもっている宝物を引き出す」仕事/インドから本が届きました!、、など)

● Tarabooks

矢萩多聞さん。矢萩さんと村山和之さんのトークイベント『「A.R.ラフマーンを語る」vol.3 イスラームとラフマーン』で、ラフマーンの音楽に出会いました。このときも矢萩さんは、ラフマーンを訪ねたときのことを、楽しそうに話してくれました。

出会って、好きになって、気になって、調べて、ある日出かけて行く、話を聞く、ますます好きになる。それを分かちたい、紹介したい。そんな自然なテンションや温かい感情が伝わります。

かといって、Tarabooksの代理店になってビジネスを、ということでもなく(すでに日本でもいくつかの代理店がありブックフェアなどにも出ています)、淡々と熱く、できることをする、そんな姿勢に共感しました。

たまたまなのかもしれませんが、倉日用品商店さんも、矢萩多聞さんも、あまり商売っ気がない感じ。でも、熱を感じます。そして行動しています。できることをしています。派手でなくても、大規模ではなくても。費用的にマイナスにはならないように工夫して、他のことでがんばって補いながら、気持ちのいい人たちと出会い、熱を持って思いをシェアしていく、自分も楽しみながら。それがいいのではないかと思うこのごろです。そういうふうに自分もなりたい。

矢萩さんは、20年くらい前からお名前を知っていました。パソコンでネットを見始めた頃、インドでの暮らしを描いた「メールマガジン」を読んでいました。どうも若い人のようだなとは思っていましたが、その頃はなんと10代半ばだったようです。14歳でドロップアウトして、インドで一人暮らし、街や村で生活の中の美を学んでいたのです。なので、20年くらい経っても、まだ34歳くらい。インドや日本の、心に響くものを、これからも伝えて欲しいなと思います。


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モザイクタイルへのみち


タイルについて、ずっと知りたかったこと。大きなテーマであった「なぜ青なのか」は、少し得心できました。もう一つのテーマ、「モザイクタイル(集成モザイク)は、いつ頃、なぜ、どのような背景の中で生まれたのか」。

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(集成モザイク的な要素/アフマドヤサヴィー廟)

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(圧倒的な集成モザイク/シャーヒズインダ墓廟)

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(ブハラの古いモスク。1400年代か?本物の凄みと包容力。素晴らしい)

そこに向かって歩いています。セルジュークのタイルの中に、大きなものを感じています。
by orientlibrary | 2014-07-01 00:03 | 日本のいいもの・光景