”蒼の宝石箱”ブルーモスク&黒羊さんのヒミツ?!
●「貨幣や墓にも、初期から黒羊、白羊の文字があり、お互いが相手からの識別を強く意識していたことも確かだ」(以上、「」内は『三日月の世紀 「大航海時代」のトルコ、イラン、インド』/那谷敏郎・新潮選書)とのこと。
●絨毯の勉強会で、遊牧民の生活の基盤と言ってもいい羊の重要性を知りました。だから、遊牧民の王朝が羊をシンボルとしたのも、わかる気がしてきました。

●『The Art of the Islamic Tile』で“蒼の宝石箱”と書かれたトルクメン治世下のイラン、タブリーズの「ブルーモスク」(1465)。モスクに名前も書かれている当時の君主ジャハーン・シャー。建築や工芸が好きな人、と勝手にいいイメージを描いていましたが、前掲書によると、、
●「彼は葡萄酒と阿片を愛し、その私生活は放縦きわまるものだった」。え〜〜?!「だから、同時代のオスマン宮廷からは“コウモリ”のあだ名で呼ばれていた」・・・コウモリ、ですか。宗教的には「正当スンニ派に懐疑的で、シーア派的だった」「黒羊朝宮廷全体の傾向がシーア派的だったようだ」(同上)。
●イランはシーア派の国ですが、その基盤はすでに黒羊朝期に存在したという見解も、はじめて知りました。

●今回は、ブルーモスクの内部空間、礼拝ホールなどの天井や壁面のタイル装飾です。レンガとタイルの組み合わせのバランスが粋!またタイルの青(コバルトブルー、ターコイズブルー)の発色のきれいなこと!最高のコンディションで焼かれたのでしょう。「完璧な青」と言われる所以です。黒や黄、白、緑なども使われています。モチーフのデザインにも凝っています。

●モスクで買ったタイルの本はペルシア語ですが、ページ数も多く、文様などについて、かなり詳細な説明があるようです(想像)。たとえば次の2点は、<アラビア語の碑文の地模様の花模様デザイン画><花模様に見えるアラビア語装飾>などを説明していると思います。(写真下の2点、『BLUE MOSQUE Turquoise of Islam』より引用=モノクロ印刷&ページの裏がスキャンで透けてしまうなど、問題ありますが、いい本です・・・)

