「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展、勉強になりました。1930年代から60年代に生み出された家具や建築などに見られる「モダンデザイン」の日本での展開を、5人の建築家とデザイナー(ブルーノ・タウト&井上房一郎、アントニン&ノエミ・レーモンド、剣持勇、ジョージ・ナカシマ、イサム・ノグチ)の作品・資料、約160点から紐解きます。


「大衆の生活をより豊かにするため大量生産しようとしたとき、新しい美の概念が必要だった。モダンデザインの特徴は機能的、合理的でシンプルな造形を持つということ。ヨーロッパから発信されたものだが、それぞれの国で異文化交流が生まれ、土着のデザインが生まれた」(*美術手帖サイトより引用)

個人的に最も響いたのは、ジョージ・ナカシマさんの「コノイド・チェア」。会場にはたくさんの名作椅子が展示されていたけれど、実際(多くの日本人、少なくとも私には)座りにくいと感じました。欧米男性用ですよね。椅子=まずはサイズだと思う。サイズが合わないと疲れるばかりか、腰や背骨など身体に影響してきます。コノイド・チェアは彫刻作品のようなデザインが魅惑ですが、座る人のことを考えた温かみ、サイズ感のリアルさを感じました。

日本の民藝、このところ少しスタディしているのですが、モダンデザインと同時代なんですねえ、、もっと広く見ていかなくては。。1知れば(触れれば)10わからないことが見えてきて、エンドレスですね。。


*展覧会概要プレスリリース
https://panasonic.co.jp/ls/news/2019/1910/1910-01.html


# by orientlibrary | 2020-01-13 22:51 | 世界の陶芸、工芸

皆川明さん、工芸好きにも気になる存在なのでは。ファッションには疎い私も皆川明さんの名前を目にすることが折々にあります。

なかでも、彼がファンになったことが日本での紹介の契機になった感のある、ロベール・クートラス、ルート・ブリュックなどは、私にはまさにツボというか、衝撃の出会いでした。紹介の文章も静かで愛のこもったものだったと記憶しています。


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展覧会は、生地、衣服、インテリアなどのプロダクト、デザインスケッチ、発想のタネとなる個人所有の様々なもの、シェルハウス(中村好文設計)、ミナ服愛用者による思い出の服と込める言葉、「タンバリン」という生地の製法や広がりを見せる展示室、映像など、見応えのある楽しい展示でした。


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生地のモチーフは、鳥、動物、森(樹々)、植物が多く、色合いは主張しすぎないが個性がある。全体を通して、やわらかく、心地よく、かといって明るいだけではない、孤独な心を包むような空気感。多様な産地や才能と協同していくミナの世界が感じられました。


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タイル好きとしては、これタイルだったらいいな!と思うデザインがいくつもありました。繰り返しのリズムとディテールの美感。タイルになったら可愛いと思います!北欧の香りも感じつつ、ミナには日本の感性をとても感じます。


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キーワードは「つづく」。つづけるためには、信念も分かち合いも切磋琢磨も広い視野も、たくさんのものが必要、なのかと感じました。ブランドも世界(社会)も。


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https://www.mot-art-museum.jp/exhib…/minagawa-akira-tsuzuku/


# by orientlibrary | 2020-01-09 21:14 | 絨緞/天幕/布/衣装

2020年もよろしくお願いいたします!


たまたま手に取ったチラシ、モザイク修復写真を見て、これは行かねば!と。2012年にパレスチナ自治区内で初めてユネスコ世界遺産に登録された「ベツレヘム聖誕教会」は、登録に際し、教会の躯体が崩落する可能性が指摘され、危機遺産としても同時に登録されたそうです。イタリアのフェッラーラ大学によって調査研究が行われ、保存修復事業については同大学の助言の下で、イタリアのプラトに本部を持つピアチェンティ社が行うことに。その奇跡を写真や資料で伝える展示です。


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石柱と床モザイクの修復を紹介する動画を見ることができました。なぜ日本が?モザイクを?と当初不思議に思っていましたが、今回の展示紹介は(前回の『甦りし天使たち ~ベツレヘム聖誕教会の修復事業軌跡~』と合わせ)遺跡発掘を通して彼の地との長い交流から実現したそうです。

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世界遺産のモザイクの修復を動画で見たのは初めてでした。(YouTubeなどチェックすればあるのかもしれませんが、そこまでネットを見ないので)。イタリアの職人、研究者の修復にかける心意気や匠の技に見入りました。それに先立つ躯体の修復も、一心のものでした。


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モザイクは、修復部分を明らかにするためにガラスや石を用いず、テッセラ形状にした漆喰のピースに彩色してオリジナルの色を再現していました。映像では違いが分からないほどで、遠目には往時の姿を思い起こせるほどに鮮やかでしょうね!現代の技術も融合して蘇った教会は、写真で見ても美しいです!



(展示室は、撮影禁止マークがありましたが、「これは自分の研究の成果だ」と言わない=展示がどこでどのようなものかがわかる内容ならばよいとの許可をいただきました)

https://www.kokushikan.ac.jp/research/ICSAI/news/details_13976.html


# by orientlibrary | 2020-01-08 22:59 | 中東/西アジア
谷中でのイラン絵本展(前回記載)から、世田谷池ノ上へ。旅行人さん主催、インドの村々に暮らす先住民たちのアートを展示・紹介する「インド先住民アートの村へ 第3弾」に向かいます。

おー!会場にはジャールカンド州の絵が所狭しと展示されています。初めて見るハザリバーグ画、動物や植物、躍動感いっぱい、跳ねてます!うねってます!

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蔵前仁一さんのトークイベント「ジャールカンドの村を訪ねて」、インド好き、アート好きが集い、和気あいあいの雰囲気です。

「インド先住民アートの村へ3」、ジャールカンドの絵に出会う_e0063212_218162.jpg


軽やかなトークとともに、スライドで紹介されるハザリバーグの村の壁画、カッコイイ〜〜!!すごいな!各家それぞれ力作ですが、毎年、ディワリの時に消してしまい、新たに描くのだそうです。住まいが、その家のお母さんや女の子が描いた絵で満たされる。土壁や漆喰の質感もいいなあ。

「インド先住民アートの村へ3」、ジャールカンドの絵に出会う_e0063212_218496.jpg
(この絵を購入)

大胆な構図。たくさん描いた人ならではの伸びやかな線。個人的には、掻き落とし技法による黒と白の世界に惹かれる。

「インド先住民アートの村へ3」、ジャールカンドの絵に出会う_e0063212_2193324.jpg


トークでは、ハザリバーグ画に加えて、ワルリー画、ゴンド画、ミーナー画などについてのお話もあり、インド先住民アートにたっぷり触れることができました。ラッキー!!

5月には、シリーズ最後で最大の展示会、「インド先住民アートの村へ4」が早稲田奉仕園で開催されます。ワルリー画、ゴンド画、ミーナー画、そしてジャールカンド州のハザリバーグ画まで、約100点の先住民アートが一同に展示されるそうですよ!これはすごそう。

イランの、インドの、伸びやかな表現に出会った日曜日。心に残ります。感謝。

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●写真をFBやHPから引用して良いかどうかわからなかったので、会場でのスナップのみ。ご興味あれば、下記のリンク先などをごらんください。

* 「インド先住民アートの村へ3」 趣旨、詳細はこちら(展示は14日で終了)。
https://www.facebook.com/events/556123761557189/

* 「蔵前仁一インドトーク インド先住民アートの村へ4」 2019年5月24日(金)〜26日(日)
https://ryokojin.co.jp/2019/04/06/蔵前仁一-インドトークインド先住民アートの村4/
# by orientlibrary | 2019-04-15 21:09 | 美術/音楽/映画
サラーム・サラーム(Salamx2)さん、今回の展示は、ラーシーン・ヘイリーエさん。Salamx2さんセレクトの絵本は、いつも魅力いっぱい&個性満載なんですが、とくに私のお気に入りはラーシーンさん。特集うれしい。

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会場の谷中エスノースには、たくさんの絵本がズラリ。ラーシーンさんが描く登場人物が、絵本の中で跳ねるようにイキイキしている。加えて、イランの不思議グッズやSalamx2オリジナルグッズもいろいろあり、見ているだけで笑顔になれる楽しい時間でした。

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今回、私が選んだのは、やはり青ベースの絵本。帰宅して愛甲さんによる日本語のあらすじを読むと、心がぎゅっとなるようなお話だった。

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「ぼくのすてきなかかし」は案山子とヤギの、「馬とリンゴと春」は馬とリンゴの、無垢な愛のかたちを、詩情ゆたかに描く。心に残る。今回の2冊は、しみじみと読みました。

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装飾タイルも、ミニアチュールも、絨毯も、カリグラフィーも、濃密な叙情に溺れそうになりつつ、息をついた時の深い余韻が、自分にとってのイランのアートの魅力かなと感じています。&登場する青も魅惑。


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*イランの絵本展vol.5〜ラーシーン・ヘイリーエ特集〜
https://www.facebook.com/events/273272033588841/
*サラーム・サラーム(Salamx2)
https://bit.ly/2P8UnyF
*Rashin Kheiriyeh
http://www.rashinart.com
https://www.facebook.com/rashin.kheiriyeh
# by orientlibrary | 2019-04-14 22:23 | 美術/音楽/映画

大好きなイスラムのタイル・建築・美術や工芸などについてのスタディ&見て歩記


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