イスラムアート紀行

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コンヤ、蒼の旅へ。サヒップ・アタ・モスクとキュリエ

ブログ、間があいてしまいました。装飾タイルなどについて、ほぼ毎日スタディしていたのですが、そしてタイルのことを考える時間も多かったのですが、なかなかアップできなかった。予定していたコンヤの写真は、ずいぶん前から準備していたのですが。

コンヤのタイルについて書くには、もっといろいろ調べて、とくに『TILES / TREASURES OF ANATOLIAN SOIL/ TILES OF THE SELJUK AND BEYLIK PERIODS』をちゃんと読まなくてはアップできないと思っていました。でも、今の時点で一度アップしたいと思います。時間だけが経ってしまうので。。

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(青の旅へ)

そんなわけで、今回は、コンヤの「サヒップ・アタ・モスクとキュリエ(Kulliye、建築複合体)」(1270年:1258年から1283年までの間に建立/Sahip Ata mosque and complex(Kulliye) , Konya)。

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(霊廟入口のアーチ。一面のモザイクタイル。上部壁面は無釉と施釉レンガのバンナーイ)

画像中心に、織り交ぜる文章は「ファイアンスモザイクについて」(「イスラム建築における陶製タイル」/著者:ギョニュル・オネイ、より)というかたちにしようと思います(=***の後の文章)。セルジューク朝のタイルは、ファイアンスモザイク抜きに語れないと思うので。*この文章と写真は直に対応していません。写真の解説ではなく別途のものです。ご注意ください。

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(複雑な幾何学模様、高低差をつけている。植物模様のモザイクタイルを囲むアラベスクのライン)

サヒップ・アタ全体を少しだけ見てみますと、「サヒップ・アタ・モスクとキュリエ」は、セルジューク朝の宰相サヒップ・アタにより1258年から1283年までの間に建立されました。設計者は、アブドルラ・ビン・ケルリュック。

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(アーチ形の圧巻の透しスクリーン。イスラームならでは。細い黒で描くカリグラフィーが繊細)

キュリエ(Kulliye、建築複合体)の構成は、モスク、霊廟、ハナカ(hanigah=ハナカならば修行場のことだと思う。ある解説には“テッケ”とありましたが=ハナカと同義?)、浴場(タイル専門書にはhospiceとあり、コンヤ解説書にはa Turkish bathでその日本語訳としてハマム。浴場〜休息所でよいかと)。ここまで調べるのも、てんやわんや。

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(美しいターコイズブルー。そしてセルジューク独特の紫色、コバルトブルーが模様を織りなす。中心のコバルトブルーの模様もバランスがよくかわいらしい)

今回の画像は主に霊廟のものです。もう目を奪う素晴らしさなのです。霊廟は「1283年にrenovate修理・改修」との記載があり、建造はそれ以前であることは確か。あるいは霊廟への転用が1283年かもしれないとのこと。位置的には、モスクと浴場の間にあります。と、ざっくりで失礼して、ファイアンスモザイクの文章とともに、セルジューク、青のタイル世界への旅へ!

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(アーチ上部部分の細かいモザイクタイル。半球状の盛り上がりがあることで印象が強い)

*** セルジューク朝の小アジアの美術に対する貢献のひとつは、ファイアンスモザイクである。セルジューク人は、ファイアンスモザイクを実験的に用い、やがてそれをさわやかで精気に満ちた内部装飾の要素のひとつにまで発展させた。トルコブルーがやはりその主要な色であり、次いで濃い紫色、コバルトブルー、黒が使われた。

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(霊廟。青にクラクラ。壁面は水のような六角形タイルで覆われている。霊廟やミヒラーブ回りに使われる青の六角形タイルパネルの初期事例では??)

*** ファイアンスモザイクは、その名前が示すように、好みのパターンにそって、思いどおりの形に切断されたタイル片によって構成される。断面がわずかに台形をしたタイル片が、平らな面に裏向けに並べられ、その上から白いモルタルで固められていく。

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(アーチを下から見る。複雑な幾何学模様。センターにコバルトブルーを配す。ドームはレンガで周縁にも細密なモザイクタイル装飾。その下の素朴な三角形もたまらない魅力)

*** このようにして形づくられたプレートは、壁にはめ込まれたり、建築要素として装飾に使われたりする。

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(ターコイズブルー、コバルトブルー、黒、紫、白、レンガ色。古き良きイスラームタイル装飾の趣き。最高)

*** ファイアンスモザイクは、ミヒラブの装飾に巧みに使われていた。この種のミヒラブ装飾は、イスラム芸術のなかでは特異なもので、セルジューク朝とエミール諸政権(=君候国/ベイリク/ beylik)時代の建造物にだけ見られる。これらのミヒラブは、トルコブルー、紫、空色のタイル片からなる幾何学模様、植物文、ナスキー体やクーフィー体の碑文によって装飾されている。初期では、単純な幾何学模様とともに、パルメットの全文、2分の1の文様によって形どられたアラベスク模様、蔦の文様、ニ段式の装飾模様、ナスキー体碑文の彫られた縁取りタイルなどが広く利用された。トルコブルーは、空色や紫によって補われている。

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(色別に焼き、切り刻んだタイルを再度集成して貼り込むという大変な手間をかけて作られる)

*** ファイアンスモザイクは、ミヒラブのほかにドームの内側、ドームへの移行部、アーチや壁などを装飾するためにも使われた。陶芸の他の形態と同じように、ファイアンスモザイクの使用は、エミール諸政権(=君候国/ベイリク/ beylik)時代には、やはり限られたものとなった。

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(力強いモザイクタイル。その後の君候国(ベイリク beylik)時代には衰退してしまう。セルジュークの都コンヤの勢いが最高潮だった1200年代初頭より花開き、成熟し、次第に衰え、やがて時代がオスマン朝に変わると手間ひまのかかるモザイクタイルではなく絵付けタイルが主流に。13世紀、アナトリアのセルジューク朝はモザイクタイルを輝かせ、モザイクタイルはアナトリア・セルジューク朝建築装飾を個性的に彩り王朝の力を示した、と思うのです)

*** セルジューク時代には、ファイアンスモザイクが広範囲に使われている建造物が多い。コンヤのアラアッディン・モスク(1220年)、サドレッディン・コネビ・マスジド(1274年)、サヒブ・アタ・モスク(1258年)、スルチャル・マスジド(13世紀末)、ベイヘキム・マスジド(13世紀末)、チャイのタシュ・メドレセ(1278年)、ハルブトのアラジャ・マスジド(1279年)、シヴァのギョク・マドレセ・マスジド(1271年)、アフヨンのムスリ・マスジド(13世紀末)、アンカラのアルスランハネ・モスク(13世紀末)。この最後の建造物はファイアンスモザイクが浮彫りのスタッコ装飾とともに用いられた、特異な例である。


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「サヒップ・アタ・モスクとキュリエ」では、コンヤのキリム展示も充実していました。アナトリアの赤や軽やかな幾何学模様、古い味わいがステキでした。

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蒼のタイル世界に朦朧としつつ、別の目的である草木染めの毛糸を探してバザールへ。絨緞修復をしているファミリーのお店&工房で、たくさんのラグを拝見。修復に使っていた大切な毛糸を少しだけわけてもらいました。感謝。

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by orientlibrary | 2014-08-05 23:45 | トルコのタイルと陶器

圧巻コンヤ、セルジュークのタイル、大急ぎアップ編

更新少なく、お立ち寄りいただいている皆様、ごめんなさい!大急ぎで、セルジュークタイルをいくつかご紹介。今回はザクザク編、、近いうちに記事にします!


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(The Karatai madrasah/アナトリアのセルジューク朝の首都だったコンヤ、歴史的建造物は街の中心地に点在。ルーム・セルジューク朝時代を代表する傑作カラタイ・マドラサは1251年創設。19世紀末まで神学校として使用されていた。圧巻のモザイクタイル)


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(THE INCE MINARE MUSEUM/インジェ ミナーレ神学校 (1267年))


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(THE SIRÇALI MEDRESE/セルジュークのタイル、どの建物のタイルも圧巻だったが、とくにスルチャル神学校(1242年)のタイルには魅了された。技術は年代を重ねるごとに右肩上がりに高まるものではない、それを見せつけられたセルジュークタイルの旅だった)


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(Esrefoglu Mosque, Beysehir/エシェレフオール・モスク(1296〜1299)、ベイシェヒール=コンヤ近郊。ベイシェヒールには、カラタイマドラサに展示されている素晴らしいクロスと八角星のタイル群が壁面を覆っていた「Kubadabad Palace」(夏の宮殿)があった。セルジュークのタイルが花開いた地域)
by orientlibrary | 2014-05-19 01:53 | トルコのタイルと陶器

青TODAY@テーブルウエアフェスティバル/悲願のウズ本&口琴ライブ

東京ドームいっぱいに、日本の陶芸産地、海外ブランド、アンティーク、テーブルコーディネートコンテスト発表展示などが繰り広げられる「テーブルウエアフェスティバル2013」。漫然と見ていると、たくさん見た〜で満足してしまうので、今年は軸を「青」に絞り、各地、各ブランド、各工房の青の表情を見ることに。結果、あらためて、やきものでの青色の比率の高さ、とくに日本のやきものでの青比率の高さと青の表現の多彩さに感じ入りました。

今回は写真中心に、フェスティバルの内容紹介ではなく、好きなもの、気になったものを選んでの青の陶器のご紹介です。産地やブランドと写真の照合があやういので、記載しない方が確実かと思い、日本、海外くらいの記載とさせて頂きます。すいません。

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(日本/多治見?/若手作家の明るい青の表現。女性好みのイラストや色合い、清潔感のある可愛らしさ。昨年のフェスで一番勢いを感じた多治見、今年も多彩な器形、鮮度のある色合いとデザイン、そして暮らしに溶け込み愛着を持って使われそうな器群で見応えがあり、安定していました。手の届くプライスもうれしい。)

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(日本/波佐見/大きなブースで賑わっていた波佐見。今の暮らしに似合う多彩な青。プレゼンテーションも商品がよく見えて勢いが伝わります)

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(日本/有田?/上段左:「JAPAN BLUE」というブランド名。豊かな水に恵まれた日本の水の清冽さを表現する試み。何度も吹き付けを重ねて青に深みを出しているとのこと。右も買いやすい価格だったと記憶。薄手で涼しげ。下段も有田だったと思う。デザイン性の高いものなど、様々な取組みを紹介。下右はレンジOK)

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(海外/このところ雑貨店でよく見かける北欧陶器。青い小花模様は女性好みの王道。手の届く価格帯。まだまだ人気が広がるのでは。有名ブランドもカジュアルな青使い。白の中の青がスッキリと涼しげ)

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(海外/フランス、イタリアなどの陶器とガラス。青の色味が違うことを感じます。日本はこのターコイズブルーではなく、もう少し紫系の紫陽花のような青、または水色。紺色もこのような重厚なものではなく、軽みがあります。同じ青で同じ色番号だとしても、素材や表現で微妙に違うのだろうなと感じました)

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(日本/ガラス、ワインクーラーなど/小樽など/ガラスも日本の青と繊細でやさしい自然モチーフが生きていました。コバルトブルーのどっしりしたテーブルと椅子も和のカフェなどに良さそうです)

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(日本/三川内焼/以前衝撃の出会いとして書いた「長崎みかわち焼」。三川内焼の工房出展、細密な絵付けで淡い色合いの染付が見事でした。海外に紹介したい絵付けです。今回思い出してみると、三川内焼、見たことはあったようです。渋谷ヒカリエでのプレゼンテーションが、鮮度高く強烈で、初めて見た感を抱かせました。プレゼンテーションや展示設計、演出、本当に本当に大事だと思います。今回も、有名産地でも技術が素晴らしい工房でも、プレゼンテーションが従来型のところは残念ながら魅力が発揮されていませんでした。もったいなさすぎます)

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(日本/ノリタケ、1904年創業/日本初のディナー皿を開発。ディナーウェアを主体に日本の洋食器産業の礎を築いてきたノリタケ。今回は日本で人気をよんだスイーツの歴史と合わせてのプレゼンテーションでした。華美で重厚な青が印象的なティーセット。すみれ色系と青の組合せも可憐)

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(日本/大倉陶園、1919年創業/日本のブランドのプレゼンテーション、上質で洗練されていました。自分には縁遠い華麗豪奢さですが、美しいものとしてスッと受け入れることができます。ぼかしのある青は、大倉陶園独自の技法「岡染め」によるもの。釉をかけて本焼成した白生地にコバルト絵具で絵付けし、再度1460度の高音で焼成。この間コバルトの青色は釉薬と柔らかに融合し、釉面に絵具が滲透。絵具の拡散により独特のぼかしができるそうです。中央アジアの絵付けを見慣れていると、日本の手描き絵付けの精緻な優美さは逆に新鮮です。イスラーム陶器は幾何学模様や様式的な植物模様が多いですが、自然への敬意や共感を描ききるような日本の絵付けには、しずかな力が満ちているように感じます)

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(日本/幸兵衛釜/やはり目が止まります。ペルシア陶器の研究、ラスター彩の復元で有名な六代加藤卓男さんの幸兵衛釜。七代加藤幸兵衛さんのラスター彩も見事。今年の夏、テヘランの博物館で展覧会が開催されるそうです!イランの方々に、日本陶芸、日本のラスター彩をぜひ見ていただきたいと思います。商品が一堂に紹介された今回、セルジューク朝的な青に黒彩のもの、生命の樹などをモチーフにしたペルシア色絵のシリーズがやはり素敵でした。星座別の絵付けタイルも洒落ていて、立てかけたり壁に掛けたりできるようになっていました。このあたりがウズのタイルでは難しい。いろんなことを総合して、やきもののレベルが世界一高い日本、誰もがやきものを見る眼があり暮らしに溶け込んでいる日本で、中央アジアの陶器やタイルが「商品」として動いていくのは、簡単ではないと感じました。食品衛生法も課題。ただ、ウズベキスタンのざっくりした絵付けと日本にない青が、人気があることも確か。飾り物としての道はありそうです。アントレプレナーが出てくれば、、/今回のお買い物は幸兵衛釜で、下段右の湯のみと星座タイル☆)

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この本、欲しかった、、「Uzbekistan: Heirs to the Silk Road」。買おうか迷っている間に絶版になり、今ではものすごく高額になってしまって、とても手が出ませんでした。(Amazon現時点で、新品82,000円強、中古20,000円強。海外からの輸入にて)。

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その本が、現在、私の横に(狂喜)。この幸運がなぜ訪れたかというと、、先日、ある大学の研究室におじゃました際、たくさんの方々の濃くて楽しい会話を聞きつつ、壁面を埋め尽くす本の中に、何か磁気を発している存在を感じたのです。それがこの赤い表紙の「Uzbekistan」。「ブックオフで安かった」とS先生。

思わず抱え込み、必死で見る私。「絶版なんですよ、、高いんですよ、、」とうわ言のように繰り返す私に、寛大なS先生、「1年間、貸してあげましょう」。狂喜しつつ、まだ見続ける私。先生「、、あげようか、、」即答「ありがとうございます!!!」

魅力なのは、例えば陶芸で18〜19世紀のリシタン陶器の写真実例があること。数少ない書籍でも、10〜11世紀、ティムール朝、そしてソ連崩壊後の陶器で、間がない。ソ連時代末期のパンフレットは偶然入手したけれど、18世紀頃は空白のゾーンでした。現在興味を持って資料を探している絣布「アトラス」なども図解と模様実例が豊富。細密画、金属加工、建築、室内装飾、服飾小物など、全体クラクラです。

寛大なS先生に幸あれ!神のご加護を。約束通り、今後、この本の内容を紹介したり、得た知識を何らかの形で生かしていきます!ありがとうございました!! (今後定期的にブックオフをチェックします♪)

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画像下段、『口琴のひびく世界』(直川礼緒著)。「中央アジアの音楽 テュルク・ミュージック・イン・トーキョー」での直川礼緒さんの口琴に圧倒され、ずっと気になっていました。ご縁があって日本口琴協会の定例会に初参加。Steev Kindwaldさんライブ、共演:立岩潤三さん(パーカッション)。強烈に素晴らしかった。現時点では、まだ言葉にできません。ことばになるのは、まだ先だと思います。

口琴については、内心「やばい」と思っている面も。素朴の極致のような楽器、けれども音世界の深さは無限とも思えます。価値観、生き方が変わるくらいに。なので、当面は隅の方でひっそりと聴いていようと思います。
by orientlibrary | 2013-02-11 22:33 | 日本のタイル、やきもの

北斎、青で描く日本の自然美、そして生命

◆ 北斎の青 ◆

西アジア、中央アジアの装飾タイルや陶器の青の興味があります。けれども日本美術に疎いので、日本の絵画や版画での青の表現は知らないままです。

テレビでの青の番組がありました。「青の宇宙史〜フェルメールから北斎へ〜」(BSTBS)。フェルメールは日本で大人気ですが、私はあまり興味が湧きません。そんなわけで、あまり期待せず、いちおうチェックするというスタンス。「フェルメール・センター銀座」という施設があり、現在青を軸とした北斎の展示を開催中。その館長でもある生物学者・福岡伸一氏が番組のナビゲーターでした。

番組はすっきりとまとまっていて、浮世絵の知識のない私にも流れがよく理解できました。そして北斎の青と、青への思い、構図や表現の斬新さ、ベロ藍という当時の最先端の青のインパクト、そしてフェルメールブルーをイキイキと「動かした」北斎の力量の凄みに、心が動きました。

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(「青の宇宙史〜フェルメールから北斎へ〜」(BSTBS)、テレビ画面を撮影)

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<出演者のコメントなどをメモした中で、個人的に印象に残ったこと>
《北斎の青、日本の青》
・ 北斎の青の魅力は、白(〜余白)がきれいなこと。潔く身を引いている。藍色は白のためにあると思えるほど、白がより良く見える

・ 日本の色の感性は素晴らしい。日本ほど色の名前が多い国はない。それは日本の風土、花や海や空からきているのだろう。水や空など青が自然の中にある日本だから、様々な青に挑戦する。いろいろな青が出るように工夫する

《ベロ藍の使用、刷の技術》
・ ベロ藍はそれまでの日本になかった色。ハイカラで知的で品がいい。空気感、湿度感が違う。立体感、奥行が出てくる。自然の美しさがイキイキしている。これを使った北斎は、自分だけの色をだしたかったのだろう

・ 当時は長崎の出島にオランダの物産を売る場所があった。フェルメールともつながる。フェルメールは青に身も心も奪われているが、北斎はそうではない。突き放している

・ 北斎はこのベロ藍を使って「冨嶽三十六景」を描き、青の濃淡で名所の水や空を表現した。日本の刷師は、絵の具を紙の表面でなく芯に滲み込ませる。独自の高度な印刷術もあり、「冨嶽三十六景」は爆発的な人気となった

《青は生命の色、その青を動かすことで生命を描いた北斎》
・ 青は生命にとって大切な色。生物は海で生まれた。最初に見た色は青だったのではないか。生命の色である青には生命の美しさがある。大きなもの、母性、限りなく生命的なもの。雄大なすべてを包み込む色

・ 北斎は青と生命の関係に自覚的だった。生命は流れでありエネルギーである。北斎は晩年の傑作「怒涛図」の「男浪」「女浪」で青を動かした。止まっているが絵は動的であり動いているものとして表現している。青は動いているから美しい。あらゆるエネルギーのうねりが込められた、宇宙にまで届くかのような青。北斎は生命の色である青を使って、生命の存在を描いてみせた
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ベロ藍は、紺青(こんじょう、プルシアンブルー)。1700年頃、プロシア(当時)の都市ベルリンにおいて初めて合成に成功した人工顔料で、日本では、ベルリン藍がなまってベロ藍と呼ばれたそうです。

「冨嶽三十六景」の青の濃淡、互いに引き立て合う青と白、生きているかのような波、さらには晩年の螺旋状にうねる青。日本の青の表現、驚きでした。

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(日本の青を東博写真の中から探してみました。左は18世紀江戸時代の被衣。染分麻地松皮菱菊蕨模様。藍を基調にした染が人気/右は型染木綿地に刺し子を施した火事羽織です。粋ですね!)

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◆ パキスタン映画「BOL~声をあげる~」 ◆

パキスタン映画「BOL~声をあげる~」、2011年にパキスタンで公開。2012年に福岡での「アジアフォーカス・福岡映画祭2012」で上映され観客賞を受賞。その後、映画祭等で上映されましたが、すべて合わせても計6回と、観る機会がとても少ない映画でした。

「BOL」の監督であるショエーブ・マンスール氏は、2007年に公開された「Khuda Kay Liye/神に誓って」で世界的に高い評価を受けています。「神に誓って」は9.11後のアメリカでのイスラーム諸国出身者への非道、厳格なイスラム教徒の結婚観、過激派に引込まれて行く若者の心理などを丹念かつ重厚に描き、圧倒的。主人公がミュージシャンの兄弟という設定もあり、音楽も素晴らしい。上映会は08年でしたが、今も強く心に残っている映画です。

そんなマンスール監督の「BOL」ですから、観られる機会を待望していました。そして先日、ついに観ることができました!しかも、日本語字幕付きで。さらに当日は、日本語字幕の監修をされた麻田豊先生から、映画の背景となる考え方、風土、慣習などについての解説がありました!

ストーリーが複雑というよりも、登場人物たちの考え方や行動に「どうして?」という疑問符でいっぱい。観る前に解説頂いたおかげで、なんとか話についていけました。わかりやすく具体的なお話が聞けたこと、とても有り難かったです。

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(HP「アジアフォーカス・福岡映画祭2012」等から引用/妻と7人の娘たちは家に幽閉状態。お隣さんはシーア派、リベラル家庭。隣の長男役がcoke studioにも出演するアーティフ・アスラム:伝統医療は衰退し収入は減るばかり。売春地帯の親分がコーランの先生の話を持ちかけ、なんと親分の孫娘〜高級娼婦〜とこの厳格親爺が結婚することに!やがて女の子が生まれます:両性具有の末息子。純真)

父親を殺害した罪で死刑を宣告された伝統医療医の長女。最期の望みとして絞首台で記者会見を行うことを要求。自分の身の上を語り出すところから始まります。

インド・パキスタン分離独立、衰退する伝統医療、父親の圧倒的な権力、男性が女性を養うという考え方、男児願望、両性具有、女子に教育は不要という考え、外に働く場がない女性、警察の汚職と賄賂、パキスタンの売春地帯、教養があり礼儀正しい高級売春婦タワーイフ、スンニ派とシーア派の対立、宗教への妄信など、様々な問題が2時間半の中に盛り込まれていますが、最も大きいのは女性の生き方、人権ということかと思います。長女は「産む罪」を問いかけました。

家族に暴力をふるい恐怖支配する父親ですが、俳優の演技があまりに秀逸なせいか、感情移入してしまう面も。ラホールのモスク、古い住居が美しく、農村の風景も憧れます。パキスタン女性はクラクラするくらいの美しさ!世界一綺麗では?また、パキスタンの福山雅治とも言われるアーティフ・アスラムのシーンは明るく、音楽もいい感じでした。

(重厚で様々なテーマが織り込まれた映画。感想を書くのが難しく、なかなか書けません。日を改めて書ければ、、と思っています)

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◆ 青のfacebook、サマリー ◆

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<リシタン古皿 ウズベキスタン〜フェルガナ郷土史博物館展示品> <仁清が描く波の青 日本 色絵波に三日月文椀〜仁清/江戸時代、17世紀東京国立博物館所蔵品> <イズニック陶器 トルコ〜赤い素地の上に白い化粧土を掛け、コバルトブルーを主に、ターコイズブルーを効果的に用いながら、蓮、三つ葉模様、螺旋状の花模様等を描く> <フダーヤール・ハン宮殿のタイル ウズベキスタン>

今回写真が少ないので、フダーヤール・ハン宮殿のタイルをこちらでご紹介!

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<フダーヤール・ハン宮殿のタイル ウズベキスタン/コーカンド・ハン国は、18世紀後半から19世紀前半にかけてフェルガナ盆地を中心に栄えたチュルク系王朝。最盛期には清朝、ロシアと通商関係を結び、中央アジア最大の交易国に。しかし19世紀半ば過ぎにロシアが侵攻、やがてロシアの属国に。君主フダーヤール・ハンはロシア様式を取り入れた新宮殿を造営し国の再建と専制の増強をはかりますが、ほどなくして国は滅びました。14世紀から続く中央アジアの装飾タイルの伝統ですが、19世紀も後半になると周辺地域の色やデザインの嗜好が入り交じり、青よりも多彩色のインパクトが大。宮殿内のタイルの中にはロシア正教を思わせるモチーフもあり独特/mosaic tile on the gate of Khan's Palace=the Palace of Khudoyar Khan, built between 1863 and 1874/ Kokand is a city in Fergana Province in eastern Uzbekistan>
by orientlibrary | 2013-02-03 23:05 | 美術/音楽/映画

青のタイルと陶器、ブログの初心、これからも

ブログを始めて満7年と少しがすぎました。当初は「イスラム」と名のつくブログや関連するブログも少なく、心細い感じがしましたが、その後お友達ブログもたくさんできて、世界が広がりました。
1〜2年前から更新が少なくなるか、または休止のブログが多くなり、ちょっと淋しいです。twitter、facebook、iPhoneなど魅力的なメディアが登場。変化も仕方ないですね。
一方、WEBサイトとブログのリンク、facebookとのリンクも多い。全体には、日記的でやや長文、書き手の人柄や考えを伝えるものとして、ブログもまだまだ活気あり、なのかもしれません。

7年、飽きっぽい自分にとっては、ブログはけっこう続いています。本当はもっと頻度をあげたい。そして、初心の2点、「自分の勉強のため」「自分の好きなタイルやイスラムのきれいなものを伝えたい」を精進していかなくては、と思うのでした。
が、今回もまた写真メイン(これではダメなんですけど)。とにかく更新!(これではダメなんですけど)

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(ウズベキスタンからのお持ち帰り品!/左列:本類/上段中右:陶器/下段中右:アトラス、アドラス、バッグ)

絵本は民族衣装の絵を見ているだけでも楽しいです。ハードカバーではなく薄い紙を使っているので軽くて旅行者にはありがたい。

スザニと陶器とガラスの本(というか資料)。「SUZANI ~CENTRAL ASIAN DECORATIVE EMBROIDERY~」「CERAMICS ~THE ARTISTIC CULTURE OF CENTRAL ASIA AND AZERBAIJAN IN THE 9TH~15TH CENTURIES VOL1~」「GLASS ~2~」の3冊は、INTERNATIONAL INSTITUTE FOR CENTRAL ASIAN STUDIESのシリーズ本らしい!2011年の出版。こういう本が出てきました〜!図版や写真も豊富。しかも安かった。たしか1冊15ドル!助かります。

陶器はリシタンのもの。じつは、次からの写真のものが購入のメインで、この白地の青のザクッとした茶碗は”おまけ”。
「焼きが甘かった」とのことで、工房の雨受けみたいになっていたのを発見!一目惚れ♥で、譲ってもらいました。余白の白と青2色と茶色の組合せ、ザクッとしたおおらかな模様に惹かれます。今回出会った陶器の中で一番好きかもしれない。
ちなみに、このようなかたちで奪って?!きたものが上段右に。”まかない”的なシーンで使われていた茶碗。カフェオレマグに最適です。

布は、アドラス(絹と木綿)、アトラス(絹)。光沢や触感、存在感がたまりません。高かったけど、、毎日見て惚れ惚れしているのでOK!お隣はバッグ。微妙でシックな色合い、たくさん入って使いやすい。もっと買えばよかった。

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(2012年夏購入、ウズベキスタン・リシタンの工房の陶器。いわゆる作家ものにあたります。ウズ各地にお土産物で出回っているものとは違いますね)

鉢ものが好きなんですよね〜。そして幾何学模様より植物のモチーフが好き。もちろん青。
昨年の「イラン・トルコ・ウズベキスタンのやきもの」(INAXライブミュージアム)でも展示したウスマノフ工房(下2点)、アリシェル工房(上2点)のものです。工房の特徴、個性が出ています。

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(同。魚皿直径約20㎝。センター部分の図柄、余白の多いものを選びました)

「海のないウズベキスタンで、どうして魚?」と聞かれることが多いのですが、答えは「水が貴重なウズベキスタンでは、水に棲む魚は清浄と幸せ、平和の象徴」とのこと。青色で涼やか爽やかな印象。今回、白地の多いもの(今年の傾向)を選んだので、さらに涼しげではないでしょうか。

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(ウズベキスタン・リシタンのウスマノフ工房。細かい作業が続きます。窯もカッコいい!)

陶芸を習ってみて、たいへんな手間のかかるものだなあと実感します。もちろん毛織物も刺繍も細密画も、どの手工芸も手間と技能が凝縮していますよね。土ものもまた、土の準備から絵付けまで、たくさんの行程を経て、しかも焼成後の歩留まりの問題もあり、たいへんだなあと思います。

ウスマノフ工房の絵付けは繊細で緻密。下書きもきっちりです。慣れているとはいえ、細かい作業、集中が必要。40度を超える夏も氷点下の冬も、黙々と作業する職人さんたち。淡々としていてカッコいいです。

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去年の今頃は、トルコだったんだなあ、、作家さんと会い、陶器を選び確認し、引っ越しかと思うくらいの量の陶器を壊さずに日本まで運ぶというミッション。このすごすぎる運び屋騒動は、(とくに陶器の量を実際に見た人たちには)語りぐさになってます!火事場の馬鹿力ってホントですね(^_^;))

そんなトルコ、写真、アップしていないものが大半です。

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(陶芸産地キュタヘヤ/旧市街の佇まい。もう一度行きたい!/青の館の主人。青に狂った繊細で心やさしいアーティスト。なんとも個性的な方でした/青の館、全館とにかく青青青!)

キュタヘヤ。壺の大きさ、皿の大きさ、それらを収納する赤い飾り箱、、これをどうやって飛行機に乗せるの??、、、呆然クラクラしつつ、、楽しいこともたくさん!
旧市街にある「青の館」は、忘れられない場所。青に狂った作家さん、気持ちわかります〜!でも、すごかった。私なんか、まったくまったく足元にも及ばない。
青の釉薬を作る秘密を語ってくれたときには、通訳してくれたKさんが真っ青になるくらいの?熱の入りよう。後で聞けば、哲学的な独特の言葉遣い、表現で、訳が難しいのだとか。とにかく、この青色を出すために精魂込めている作家さんなのです。

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(キュタヘヤの博物館。タイルと陶器)

トルコで一番の陶器産地キュタヘヤ。が、正直なところ、これまでお土産物的な印象しか持てていませんでした。オスマン朝最盛期の技法を再現する作家さんのお仕事を見て、青の館を見て、やはり現地に来て、人と会うことが大事だなあと思いました。

博物館も良かったです。セルジュークのタイルに熱狂しました。絵付けタイルや、壺、皿の絵付けも品があり伸びやかで、好きになりました。

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(イスタンブールの博物館。セルジューク朝、オスマン朝、イランの陶器とタイル。見応えたっぷり!写真を撮っていいのもありがたいです)

イスタンブールも、もっとゆっくりじっくり見たい、歩きたい!ティムール朝タイル好みの私ですが、セルジュークはもっと知るべき見るべき。11世紀くらいから。タイルも建造物も。


気力復活。気候もすごしやすい。いろいろがんばりたいです。
ブログ、今回もおつきあい、ありがとうございました〜♪
by orientlibrary | 2012-09-30 22:52 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

ウイグルのゆりかご/イラン式料理本/青の大壺さま

今回は、「書かなくちゃ〜」と思っていた話題3題、トリプル、です!

Facebook、いろんな見方はあるでしょうし、これからはどうなるかわかりませんが、現在いろんな面で重宝しています。
当初は、知人友人の輪、的なものだったのかもしれませんが、ある時点から、テーマを明確にしたコミュニティやグループなどが、非常に増えました。これが私にとって、最大の魅力です。WEBサイトを持っていても、facebookも同時に展開しているため、WEBへの入り口として出会うことができます。

世界の素晴しいイスラム美術、イスラム建築、細密画、青の陶器やタイル、南アジア・西アジア・中央アジアのテキスタイルや模様、デザイン、芸能、マーチャンダイズなど。これまでは、書籍を探したり、ネットで検索したりしていましたが、「途上人が検索できること」、それ自体が限られているということが、よくわかりました。

さらに、日本のメディアに登場することはまずないと思われる、今どきのイスラムファッションや化粧法、スカーフの巻き方やヘアスタイル、イスラム模様のかわいい小物なども知ることができます。パキスタン・ムルタンの陶芸工房の写真を見たときには、狂喜しました!青がまた独特なんですよね〜。。

難点は、スピードが速すぎて、とてもついていけないこと、情報が豊富すぎて、ほとんど消化できないこと。それでも、興味のあるテーマの話題、その10%に触れられるだけでも、私はありがたいこと、うれしいことだと思っています。

気に入っているのが、書籍の図版についての詳しい解説がある
「Rare Book Society of India」(リンクを見るにはfacebook登録が必要なのかも??不明です)
パキスタン・ラホールの建築物や暮らしを垣間みることのできる
「Lahore - The City of Gardens」など。

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日本の「現代イスラム研究センター」も、豊富な写真とともにイスラムの様々な側面を紹介。熱心な更新に頭が下がります。

なかには「ユーザーからの投稿」も。「ウイグル人の生老病死について簡単な紹介」(Halqigül Pattarさんより)という記事、接する機会の少ない情報が詳しく紹介されていて、興味深く読みました。
すべてが貴重で興味深い内容なのですが、赤ちゃん誕生から名付けまでのみを引用させていただきます。(了解をいただいています)(本文では、割礼、伝統的な治療方法、長生きする人々、お葬式、と続きます)

 

赤ちゃんが生まれる
  女性は結婚して妊娠して9月9日9時間9分9秒経って赤ちゃんが生まれる。赤ちゃんが男でも女でも「アッラーの召使(banda)」と見られて、同じく大事にされる。 
赤ちゃんが生まれてからへそが切られて、体が丈夫な人になるために、塩を入れた暖かい水(厚い地区では塩を入れない。例、トルファン)で洗ってから、おしろいを塗ってから、おくるみでしっかり包む。 
赤ちゃんが生まれて7~9日の間 揺(ゆ)り篭(böxük)に入れる。

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(左:ウイグルのゆりかご/右:ウズベキスタンのゆりかごを持つお母さん人形。じいちゃん人形が主で、女性の人形は少ない。リシタンの陶芸家さんが作ったこの人形、好きです/ウイグルとウズベク、とくにリシタンのあるフェルガナ地方とは共通するものがあるようですね)

 揺り篭結婚式(böxük toy)
 ウイグル人の伝統では結婚した女性は一番目の子供を実家で産んで、40日まで実家で育てる。40日満になってから、女性側の親は家で「böxük toy」を行う。böxük toyに男性側や親族、実家の近所、親族などを誘って、招待する。男性側は赤ちゃんやお母さんに必要な物、また自分の経済によって、お母さんに服装や飾り物を持ってきて祝って、女性側の重要な家族にもプレゼントを持ってきて、赤ちゃんやお母さんを良く育ててもらったことに感謝する。お客さんを送ってから、お嫁さんと赤ちゃん, böxükに香をたいて,男性の家に連れて行く。böxük toyの本質は無事に産んだお嫁さんを自分の家に戻してくる儀式です。


 名前をつける 赤ちゃんが生まれて何日間経ってから赤ちゃんに名前を付ける準備をし、敬虔な人を誘って、名前をつけてもらう。名前を付ける人は赤ちゃんを持って、キブラに向かって、クルアーンの部分やアザーンを言って、「お名前がAになります」と言い出す。その場にいた人々は赤ちゃんを祝って、名前をつけてくれた人を招待する。


 名前を付ける習慣は基本的に3時代に分けられる

1)イスラーム化前:基本的にウイグル語の単語を使って、名前をつけた。Baytamir,Iltamir,Bag buka,Karabuka etc
また場所、町の名前を自分の名前をとしてつける伝統があった。
チンギスハンの重要な顧問の1人であるKariyagaqはKariyagaqと言う場所の名前をつけた。


2)イスラーム化以降:ウイグル人はイスラームを受け入れてから、イスラームはウイグル人の名前にも影響を与えた。それから、アラビア語やペルシャ語の名前が増えてきた。
例、Abdullah(Allahの奴隷)、Habibullah(Allahの友達)、Mutiullah(Allahの従順な奴隷)etc.

イスラーム信仰が強くなればなるほど、昔のきれいな(純粋な)ウイグル語の名前の代わりにアラビア語の名前が占めてきた。ウイグルムスリムは自分のアッラーに、天使達、預言者、カリフ達、お母さん達に対して恋し さを表すために、それらの名前を自分に名前としてつけた。

アッラーの特徴を現す名前、Halik(生命を創造者)、Kadir(すべてできる、すべてに力がある)、Gopur(寛容者)、Israpil,Mikail(天使名)、Muhammad,Dawut,musa,Eysa,Ismayil,Yakup(預言者名前)、Ababekri, ömar,Osman,Ali(カリフ達の名前)、Hawa,Maryam,Aixa,Hadija,Fatima(偉大なお母さん達の名前)、Islam,Imam,Jannat(イスラームに関する名前)、Madina,Kuddusイスラームの聖地
イスラーム化以降ウイグル語の名前は完全になくなったわけではない。Ay,Supurga,Palta,Samsak etc.


3)中華人民共和国に属してから:アラビア語の中から意味が良くて、イスラーム色が強くない名前を選んで付けた。例、Adalet(公平、公正),Adil(公平)、Alim(学者),Pazilat(人格)。それから、ウイグル語独特の言葉を作る方法で時代に合う、時代を表す名前をつけることは普及してきた。例、Arkin(自由),Yalkun, örkax(波),Kutluk(おめでたい) etc.

自分の子供の大きくなってから知識人で裕福になるようにお父さん、お母さん達は子供にSultan,Dölat,Malika,Geniなどの名前を付けた。

思い出すため、懐かしいから自分の子供に亡くなったお父さん、お母さん、近い親族の名前を付ける親もいれば、逆にそうすれば子供が長生きできなくなると心配して亡くなった親族の名前をつけない親もいる。

子供の生まれた時期と関係する名前も多い。例、Jüma,Noruz,Sapar,Rozi,Kurban,Barat,Rajap etc

空の物体や自然現象に関する名前、例、Qolpan,Yultuz,Sayyare

ある植物、木、果物の名前、Anar,Alma,Zaytu,Rayhan

ある鳥や動物の名前、Yolwas,Maymun,Kunduz,Tuti

有る鉱山物の名前、Altun,Tömür,Almas,Zumrat

ウイグル人の名前を地方性が強いと言える。ある名前を聞いて、どこの人か分かることができる。男性名Matから始まればホータン出身、Almarahan,Maysihan,Aznihanトルファン出身の女性。



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(左:リシタンの人形、バリエーション。衣装や表情が違う/右:ウイグルの光景。女の子の三つ編みもウズと同じ。美人が多い!じいちゃんが絵になる!)


「日本で新しい揺り篭(böxük)も誕生。 
足利工業大学機電学系一年生機械専攻アハト・アブドラさんが発明」とのこと。すごい、、、揺れてますね〜☆





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イラン映画「イラン式料理本(IRANIAN COOKBOOK)」(2010年)は、2012年9月15日〜、岩波ホールほかで上映です。

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チラシを見て、これ絶対見よう!と思いました。(デザインとコピーが最高!ベースとなるイランの青に黄色、地模様の青と大胆な散らし方、フォントの選択、イラスト、料理名の和訳、、このセンス好き!!!)。YouTubeに予告編もアップされています。




e0063212_23243513.jpge0063212_23305424.jpg内容は、、、イラン人家庭のキッチンで女性たちが料理をする姿を撮影し、その様子から浮かび上がるイラン社会を映し出すドキュメンタリー。100歳目前の女性、主婦歴40年の女性、現代の若い女性など、台所で料理をする7人の女性たちは、監督の家族や親戚。イランの料理を作り、食べ、片付けるまでの間に、それぞれのキッチンでのドラマが繰り広げられる。料理、年齢や男女間のギャップなど、食文化や家庭観といった興味深いイランの社会や文化が凝縮されている、、、そうです。イラン映画独特のユーモアと哀愁、リアルかつファンタジックな世界が見られるかなと、楽しみにしています。


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トルコ・キュタヘヤの絵付け作家メフメット・コチェルさんの作品、タシュチニ大壺。

<タシュ・チニとは> オスマントルコ時代、中国染付に恋いこがれたスルタンや職人たちが作り出した陶器。石英の比率を高めた石のように固い素地が特徴。長く製法が不明でしたが1990年代より研究が進み、再現が試みられています。粘り気のほとんどない石英の粉を、少量の粘土を用いて成形するには高度な技術を要します。タイルなら厚くしないと折れてしまい、ましてや壷などの立体物を作ることは非常に困難。「しかし、それだけの労力を費やすだけの価値はあります。潤んだような白色の地肌、水面下で泳ぐような青の発色、質感は、一見して秀でています」(コチェル氏)。

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昨年11月から半年間「INAXライブミュージアム」にて展示、その後「エスニカ(横浜)」で約1か月ご紹介。
その後、あるところ(日本でこの壺が似合う最高の場所)に贈呈できれば、とお話をしていましたが、ご縁が薄かったようです。

この大壺、同じくメフメット作品の美しい大皿、繊細な形の扁平壺とも、現在、orientlibraryの元に。今後どうするか、大壺さまの「神の声」を待っています。(冗談ではなく、結局、大壺さまの意のままに動いてきた私ですから、、)。どうなることでしょう!?、、、
by orientlibrary | 2012-07-21 23:41 | ウイグル/アフガン

水の景で涼やかな日本の青。くっきりした空のような中央アジアの青

『Stitches & Stories 苗族刺繍の世界展』でのトーク、手仕事好きのたくさんの方々が、瑞さんと思いを共有されているように感じました。

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「禾苗刺繍学校」支援者の方たちも多かったようです。北海道から横浜まで駆けつけた方も。
刺繍学校については、「2001年 貴州省台江に開校した刺繍学校。そこに集う生徒達の成長と学校の歩みを綴って」からも知ることができます。

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miao-japan.comより)

コツコツと、そしてニコニコと、自分たちの歩む道を進んでいらっしゃる「雅+瑞」さん。率直で温かいお人柄、ファンが多いこと、本当にうなづけます。


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梅雨も近づき、紫陽花の似合う季節となりました。青から紫の色合いが好きな私、散歩がうれしい季節です。

先日、東博にて。涼しげな小袖が目を引きました。「プルシャンブルー」の水が流れています。視覚を通して涼を感じられます。蒸し暑い日本の風土から生まれた美的感性でしょうか。

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(小袖/萌黄縮緬地松牡丹紅葉流水孔雀模様/江戸時代、19世紀/幕末にヨーロッパから輸入されて流行したプルシャンブルーが鮮やかな振袖。松葉や紅葉を細かくあらわした風景模様は、江戸時代後期に様式化された武家女性の小袖のデザインである。腰から下の模様は、百合の王・牡丹と百鳥の王・孔雀の組み合せとなっている/東博にて撮影) 
 プルシャンブルー=紫色を帯びた暗い青色。紺青と呼ばれる青色顔料の発見地ドイツの旧名プロシアに由来してプルシアンブルーと呼ばれるのが一般的/「wikipedia」 

納戸色の粋な色合いの小袖も。場面も橋をポイントに水のある光景を描いており涼やかです。

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(小袖/納戸色縮緬地宇治橋風景模様/江戸時代、19世紀/納戸色の縮緬の水辺の風景模様を白く上げ、紅・萌黄・鶸色の絹糸や金糸で彩りを添えた武家女性の小袖。張り出しのある宇治橋を前景に、平等院や宇治上神社を遠景に描く。名所模様要は江戸時代後期に町方に好まれたが、歌枕を題材とする点が武家らしい/東博にて撮影) 
 納戸色=つよい緑みの青。一般に、藍染の鈍い青の伝統色のこと。江戸時代、奢侈禁止令により染色の色が制限されたなかで茶色系統、鼠色系統、納戸色を含む紺色系統は許されたとされるほど人気があった。色名の由来は「納戸の暗がりの色」「城の納戸に掛けた垂れ幕の色」など諸説 

やきものを見るのも楽しみです。常設でも入れ替えがあるので、新しいものを見つけては喜んでいます。今回は青磁の特集もありました。

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(青磁下蕪瓶/中国/南宋時代、13世紀/伝世の青磁花入の最高の優品として名高い。灰白地の素地に明るい粉青色の青磁釉が厚くかかり、玉のような美しい肌あいをみせている。丸く張りのある胴から長く頸がのびた器形は、茶人によって下蕪とよばれ、落ち着きとともに堂々たる風格をそなえている/東博にて撮影) 

じつは私、なぜか昔から青磁には惹かれないのでした。どうしてなんでしょう。緑系はそれはそれで好きだし、白磁にはぐーっと寄って行くのですが。青磁は、どこか冷たさを感じるのかな。好みとしかいいようがありませんね。

こちらは伊万里の染付。白地が多くザクッとした模様。どこか自由でちょっとワイルドで、いい感じ。

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(染付鳥牡丹唐草文輪花鉢/伊万里/江戸時代、17世紀/江戸時代初期に九州肥前有田において磁器の生産が始まって間もない時期の製品を初期伊万里という。口部の大きさに比して高台が小ぶりであるのは、初期伊万里の鉢の大きな特色である。青みを帯びた透明釉が厚くかかり、一面の貫入が生じている/東博にて撮影)

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また青の話題になっているのですが、、ここまできたら、リシタン(ウズベキスタン)の青、いきたいと思います。コラージュにしてみました☆

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このおおらかさ、クリアで明快な青、でもそれだけではない青の多彩な色合い、繊細で温かい感性も好きですね〜。

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いろんな青の表情があります。伝統の青、自分の青を出すために、職人さんは精魂を傾けます。青を生かす絵付けも伸びやかで、図柄も多彩。細かい手仕事に集中している職人さんを見ていると、こちらも集中します。あっという間に数時間たっています。

中世からの伝統を誇るリシタン陶器、ソ連時代は集団での制作の時代でしたが、伝統は秘かに受け継がれてきたといいます。

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(ソ連時代に作られたパンフレットより。表紙にもなっている皿。この青。スカッとして深い。ゾクゾクします)

ソ連邦からの独立後は、いち早く復興への道を歩み、伝統の技法を継承する偉大なマイスターたちが次代の若手を牽引したと聞きます。

2000年代頃には、素晴しい青の作品が生まれています。↓もっとも好きな世界です。なんて青、、言葉なし、、

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(『CERAMICS OF RISHTAN』 LJALJA KUZNETSOVAより)

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ブログ、週1回もようやく、という情けない有り様なのですが、(書くことで自分にプレッシャーをかけるべく、、)青の装飾タイルの萌芽、セルジューク朝を少し勉強したいと思っています。
このような青を追いかけて行こうと、、↓

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(初期のタイル/1213年/Aksehirのグランドモスク、ミヒラーブ/『TILES /TRESURES OF ANATOLIAN SOIL/ TILES OF THE SELJUK AND BEYLIK PERIODS』、Fuchan Arik olus Arik)

『TILES /TRESURES OF ANATOLIAN SOIL/ TILES OF THE SELJUK AND BEYLIK PERIODS』を読んでいきたいと思います。意気込み!YHEA!♪♪♪
by orientlibrary | 2012-06-06 22:51 | 青の道

青の陶器、布、絨毯/タジクスタイル/スーフィー文鳥アンジュジェ

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横浜での「青の余韻@エスニカ」。フォトコンテストなどもおこない、ほのぼの楽しくやっています。味わいのあるアジアン家具と青の陶器が本当によく合っています。

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(フォトコンテストの模様)

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(青のエントランス。右端のタイル、存在感抜群。どうしてここに?、、ご縁でしょう!)

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(トルコ、メフメット・コチェル氏作品、ブルー&ホワイト。大壺が主役になりがちなのですが、手前の有蓋壺は本当に美しいですよ。形も絵付けも完璧。繊細優美)

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(ウズベキスタンの青の魅力、再確認。自分の好きな鉢物がけっこう人気があり喜んでいます^^)


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不器用な自分、残念。手仕事ができたら人生が違うだろうなあと思う。
手織りの絨毯。日本でこんなきれいな絨毯を織っている人がいるんですよ。手仕事クイーンTさん。今回使用したトルコの毛糸がとっても良かったそうです。毛糸で全然違うとのこと。

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(今回はギャベ風のザクッとした感じ。これまでの精緻な作風と違うのでビックリしたけど、これまた素敵。個人的な好みでは、こちらが好き!野に遊ぶような花々が自由でかわいい。深い青のグラデーションがなんとも言えません〜)


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代々木の東京ジャーミー、この日は爽やかでした。青葉が風に揺れています。

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青葉っていうけど、緑色。イランやトルコでも、緑色はときに青にも含まれるみたいです。

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(モスクランプも緑色の光。トルコの花模様の青いタイルを照らします)


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外苑前にあるアンティークの「FUCHISO」さんへ。インディゴの青を見に。ヤオ族とミャオ族のインディゴのパッチワーク。店主・小松さんの眼にとまった青の手仕事。

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(ミャオ族のパッチワーク。嫁入りの支度の寝具とのこと。家族のために精魂こめて作る手仕事がミャオ族の魅力ですね!)

写真はありませんが、清時代の陶枕の青、少し緑がかった窯変が良かったです。

お隣のワタリウム地下のカフェで、gleamさんの家具が展示されているとのことで拝見。

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(スパイスの効いたチャイがおいしかった。チープな感じの皿がおしゃれ)

カフェでピンク色のシャツを着こなしている女性、はつらつと話をされているなあと思っていたら、草間弥生さんでした。カッコ良し。


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フィリピンの少数民族はじめ、多彩な民族衣装をお持ちのWさん宅へ。以前も見せてもらったタジクの民族衣装の研究書をもう一度拝見。ソ連時代、共和国を構成する民族ということで、こういう研究はがんばっていたみたいですね。

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(こういうの見ると、衣装というものの凄みを感じます)

とにかく、イラストがカッコいい!!&特徴をきちんと描くので、写真よりもむしろわかりやすい気がします。

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(ヘッドスカーフの巻き方も。多彩なんですよね。お洒落です)

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(メンズのディテール。靴ですが、登山靴のような機能?)


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小伝馬町のダルビッシュショップへ。ハサンおじさんは、最近、大リーグのダルビッシュ有選手との関連で新聞で紹介されたようです。

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(子どもがハサンおじさんの似顔絵を描いてました。似てる!)

でも、同じ名前でも、意味が違うみたいです。ダルビッシュ有さんの場合は、ファミリーネーム。ハサンおじさんの場合は、「スーフィー」の意味。神との合一を目指し、様々な修行に励む人々。その人たちのことを「ダルヴィッシュ」とも呼びますが、ハサンさんはこちら。楽しくおしゃべりしてくれますが、ふっと語ってくれる「心のこと」、なんだか沁みるのです。

そんな平和でおだやかなダルビッシュショップに事件が起きていました!
ドアを開けても、文鳥のアンジュジェがダッシュで飛んでこないなと思っていましたが、、 なんと、いなくなっていました。。2週間前に、開いていたドアから外に出てしまったのです。ハサンおじさんの悲しみは深かった。心に穴があいたようだったと。お客さんたちも泣いたそうです。

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(初代アンジュジェとハサンおじさん/昨年夏、撮影)

アンジュジェは、スーフィー音楽で踊り、歌う文鳥でした。手の傷をさんざんつつかれたけど、イキイキした魅力的な文鳥でした。初代アンジュジェは、日本初のスーフィー文鳥です!!
きっと旅に出たんです。スーフィーだもん。遍歴に出たんですよ。だから帰ってきます。そう思います。
ハサンおじさんも、そう思っているそうです。

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(二代目アンジュジェとハサンおじさん)

内気な二代目ですが、次に行ったときには、きっと踊ったり歌ったりしていると思います。愛があるからね。アンジュジェのこれからを見に、またイラン食材を仕入れに行きたいと思います。
by orientlibrary | 2012-05-05 00:36 | 日々のこと

「ユーラシア横断旅」を旅する日曜日

若者論、というのは、いつの時代にもあるもので、上の世代から否定的な見方をされることが多いものです。

この頃でいうと、草食系、内向き、消費に関心が低い(車にも興味がなくお酒も飲まずファッションもユニクロで満足等々)、外に(海外ばかりか家の外にも)出ない、指示待ち、等身大志向過ぎる、など、素直だけど何を考えているのかわからない、内向きで覇気がないというイメージは確かにあると思います。とくにおとなしい男子への風当たりはなかなかにキツい。

でも、東北にボランティアに通っている若者も多いし、NPO・NGOで地道に活動している若者も多い。語学もできるし、デジタルのスキルも高い。会議やイベントの仕切りも慣れたもの。起業志向だってある。いいなあと思うことが、私は多いです。

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(代々木公園では土日にアースデーもありました)

いちばんいいと思う点は、理屈や大義を言うより、小さなことであっても自分が動いているところ。いつまでたっても変わらない大人の社会に見切りをつけ、自分たちで動いていこうとしているように思えます。年代を超えて、そういう人たちに出会えるということは、幸せなことだと思います。

ちょうど1年前の今日、ポルトガルのロカ岬から自転車をこぎ出した大学生二人、CoCの田澤さんと加藤さん。(以下、サワディーとコウスケと記させていただきます)ユーラシア大陸を自転車で11か月かけて横断し、31カ国、20000キロを旅して、3月無事に日本に帰国。
彼らの旅は、チャリの冒険譚というだけでなく、「子ども1人に1本の糸。旅中に出会った子どもにそれを繋いでもらって1本の長い糸にする」というテーマが。

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(スライドでのイントロ)

「チャリだからできる、1本の長い世界のつながり」。そして、つないでくれた子どもの数は5003人。(結び目をカウントしたというのも根性!)

”「誰かがやる」ではない。「僕らがやる。」”。
一昔前なら、このような言葉には、ちょっと悲壮感があったかもしれません。が、彼らは一貫して、軽やかで自然体。気負いを感じません。

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(20000キロを走り抜いた自転車&サワディー&コウスケ)

そんなCoCのチャリ旅報告会に参加、いろんな面で興味深かったです。会の進行、仕切り。わ〜、今ってこんな感じなんだ。みんなで話すんだなあ。びっくり。皆、「人と話すのが好き」と言う。(そういう人が集まっているのでしょうけれど。二極化しているのかなあ)。

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(旅の途中もマメに写真を撮り文章を書き、メルマガ、facebook、ブログ等から発信。報告会もUstream、twitterなどリアルタイムにいろいろ。時代は変わった、、)

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(会の仕掛けとして、オーディエンスが動く。う〜〜〜、、、若者向けの趣向かも、、)

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(最後に、つないだ糸を披露!!)

先日も、環境をテーマとしたある会に迷い込み、まじめで真摯な人が多いことに、かなりびっくりしたばかりですが、、、 バブル世代やその上の世代は、やはりどうも消費や右肩上がりやイケイケ的なところが染み着いています。「それは時代背景が違うからですよ。人が違うのではありません」。会の主催者の方がおっしゃってました。そうかもしれませんね。

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(中央アジアの砂漠でのエピソードがすごい。が、何度も何度も現地の人の温かさに救われる。一方で硬直的、官僚的なシステムのため大変な思いをする。最後にうるっとくるエピソードもあり、聞かせるなあ)

旅のエピソード、語りもうまい。もっとも関心のあった中央アジアをたくさん語ってくれたのがうれしい。すごい体験いろいろ。ややこしいなあ、中央アジア、、、。たくさんの大変なことがありつつ、カムチック峠をチャリ超えしてフェルガナにたどり着き、NORIKO学級(ウズベキスタンのリシタンにある日本語塾)の子どもたちと濃密な交流をしてくれました。ありがとう!

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(サワディー。音楽専攻)

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(コウスケ。体育専攻)

会の第2弾もあるそうです。
5月13日には、NORIKO学級主催の報告会でも話をしてくれます。*** 13日ご参加の方へ==内容は、シンブルに「トーク&スライド」+「ウズダンス簡単ワークショップ」です。シンブルです。とくに凝った仕掛け?はありませんが、交流をお楽しみください。m(_ _)m ***

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横浜「青の余韻@エスニカ」は、こんな感じですすんでます。

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(じいちゃんたちが、ちょっとテレ気味でお出迎え)

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(外からガラス越しに中を見る。夜景です。幻想的な感じも!?)

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(去年の夏、買ってきた「盃」が好評。元々販売を考えていなかったこともあり、もう残りわずか。青がやはりいいです)

若者たちに刺激を受け、私も自分のテーマをコツコツやります!
まず、イスラム圏の装飾タイル、陶芸、工芸の本を少しずつ訳してみたいと思います。こういうコツコツをやらないとダメですね、きっと。今年は、そういうことをしていこうと思います。(書くことで、自分にプレッシャー!!) うん!
by orientlibrary | 2012-04-22 23:55 | 日々のこと

青の余韻 青い陶器の春の旅、桜のまちへ

桜咲く街へ。トルコ、イラン、ウズベキスタンの青のやきものたちが旅をしてきました。
題して、「青の余韻」。「青の魅惑 イラン・トルコ・ウズベキスタンのやきもの」(INAXライブミュージアム/2011年11月〜2012年3月)展示作品他、ウズベキスタンの工房の作品が集まりました。

「青の余韻@エスニカ」(4月14日〜5月14日、12時から19時、水曜日休/横浜市青葉区桜台25−5 tel:045-983-1132/概要、会場等は←リンク内ご参照ください)。青の陶器たちは、中国家具やアジアの布といっしょに、くつろいだ表情を見せています。


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(トルコ、メフメット・コチェル氏によるブルー&ホワイト3点。流麗細密重厚優美、オスマン朝最盛期を思わせる。タシュチニ絵付け大壺、皿、蓋付扁平壺)


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(トルコ、アディル・ジャン・ギュヴェン氏のクラシックかつ軽快な世界。和とも共通する「間」のある粋な世界)


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(ウズベキスタン、ウスマノフ工房の青の世界。律儀でおおらか。大胆で細密。中央アジアの空の蒼です)


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(ウズベキスタン、アリシェル工房など、ミックスしたコーナー。中国家具の濃い茶色と青が抜群の相性。白い壁面をカジュアルに飾っています)


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(販売可能なものも少々。すべて手描き。あまり数がありません。なくなった場合はごめんなさい。陶器はとにかく運ぶことが大変なのです、、)


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(青、青、青。ガラスの向こうは桜吹雪)


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(韓国の木とアディルジャンさんの染付風小皿)


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(鳥かごとアディルジャンさんの小皿)


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(ウスマノフ工房の細密な絵付け皿)


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(タシュチニ大壺。圧倒的な筆運び。石英分の多い白地の光沢が見事)


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(デジタルフォトフレームで青いタイルや景色の画像をスライドショーしています)


展覧会ではなく規模は小さいですし、販売できるものも少ししかありません。
でも、、かなりカッコいいと思います(自画自賛!?)。
デジタルから大工仕事まで何でもこなすエスニカの田原さん、手仕事クイーンTさんのセンスとスキルのおかげです。多謝!!!

すっかり見とれてました。青、好きだなあ、、と見ていました。
人生で二度はできないと思いつつ(そう言いつつ)、また青の世界へ。ご縁のおかげです。「青の余韻」第一報でした。

 orientlibraryの在店日程=たくさんの日数は行けませんが、土日の午後あたりを中心に考えています。(GW中やGW後の土日はまだ未定です)。
by orientlibrary | 2012-04-14 21:11 | 青の道