イスラムアート紀行

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イランのパーカッション「ダフ」と多彩なイラン絵本に酔う&青の本ご紹介

イランのタイルや細密画の優美さ、緻密さ、奥行きには、いつもうっとり。さすがの伝統とアートセンスです。先日はうれしいイラン日和。イラン絵本とイラン音楽(打楽器の魅力)を堪能しました。まずは音楽から。

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イランの打楽器トーク&ライブ。「イランの打楽器にまつわる逸話や映像を交えつつ、日本ではなかなか聴くことのできないイランのパーカッション演奏をお楽しみください。当日はイラン在住のセタール奏者、北川修一氏をゲストにお迎えします」というイベント。これはもう行くしかないイベントです!

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(真ん中写真、3人が演奏している楽器が「ダフ」。円形の木枠にプラスチックあるいは皮を張った片面タイコ/上左がトンバク/弦楽器のタール、タンブールとのセッション、ヴォーカルもあり、堪能!/会場はイラン料理店。やさしい味の煮込み料理や好物のひよこ豆ペースト・モホス、ザクロジュースとワインのカクテルなども食にも満足)

イランのパーカッション、こんなにたっぷりじっくり聴いたのは初めて。そして、その豊穣の音世界に感動しました。

* ダフ *
いわゆるフレームドラムの一種。直径60センチから70センチほどの円形の木枠にプラスチックあるいは皮を張った片面タイコ。両手の手のひらで支えながら叩いて音を出す。枠の裏には無数の金属製の輪がつけられており、縦に振ることでジャラッという金属音を出すことができる。同系統の打楽器は世界各地に存在し、タンバリンなどはその最も有名なものとしてあげられる。
ダフは音楽演奏というより、もともと地方の神秘主義的な集会や儀式の為に使用される楽器で、ゼクルと呼ばれる詠唱とともに特定のリズムを打ち鳴らすためのもので、他の楽器が絡むことはなかった。ダフ奏者がイラン音楽のアンサンブルに参加するようになったのはごく近年の革命後になってから。革命後のイラン伝統音楽シーンは、ダフの参加により大きく変化。イラン伝統音楽はこれまでになかったグルーヴ感やスピード感を持たせることに成功した。
(「iran japanese radio」のHPより引用)

奏者の方々のトーク&映像にも引込まれました。各人がイラン音楽に関わるようになったきっかけやエピソードが、写真や音像を通して紹介されます。イラン音楽や楽器への敬意がベースに感じられ、その魅力を伝えたいという熱い想いが伝わってきました。こういう想いに感応するんですよね。イラン、相変わらず驚かせてくれる。芸術の国ですね。


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「誰も知らないイランの絵本展」など、気になるタイトルが魅力的なsalamx2さん。今回は「小さな部屋の絵本展」。どのくらい小さいかというと、「ギャラリー」の高さが1m。定員1名。こちらも行くしかないでしょう。

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(種を明かせば階段下のスペース利用ギャラリー。湯島の輸入雑貨店「NICO」内/大人になっても秘密の小部屋みたいな空間はみんな結構好き。靴を脱いで順番に入ってゆっくり絵本と戯れました。待ち時間の人はaikoさんとチャイを飲みながらのおしゃべり!)

「小さな小さな空間で今回展示するのは、初版が2000年までのイランの絵本たち。最近の絵本には見られないようなユニークかつ「濃い」表現の絵本が並ぶ予定です。革命(1979年)以前のもありますからね。どうぞお楽しみに!」(「salamx2の雑談」)。

aikoさん、コレクション持ってますね〜。さすが。なかなか見られないものを見せて頂きました。個人的には、薄いペラペラの紙質のささやかな絵本に惹かれます。


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この秋は、展覧会も充実、イベントや映画祭が多く、いい作品やモノとの出会いがたくさんありました。冬に入っても、展示会やイベントが多数。ネット等を通して情報に触れやすくなったことも一因でしょうね。いつどこに行こうか、迷ってしまうほどです。

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こちらは絨毯・キリム・テキスタイル系の展示。左半分がtribeさんの展示で見つけたウズベクもの。ブーツやスザニ、アトラス。ミラーワークのブーツがかわいい。履きこなされている古いものですが、愛らしさで鮮度感抜群。
右半分は、kannotextileさんの展示。こちらは夏の展示の写真なのですが、左とテイストを合わせてみました。ラカイ族(独自の刺繍で有名)のカラフルなブーツが目を引きます。

ウズベキスタンの伝統的な絣アトラスやアドラスによるモノづくりに取組むカンノさん。スキッとしながら主張のある衣服たち。センスの良さと確かな技術。このような若い層の登場が本当にうれしいです。
夏の旅で出会った布で作った衣服、現地からのバッグや小物、スザニなどを展示販売する「果て無き大陸と巡り廻る布」、現在川口市にて開催中(23日まで)。


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思うところあって、青のfacebookページを始めました。正確に言えば、2011年2月1日にちょこっと投稿して以来、放置していたページ。再開のきっかけは、週明けに判明した選挙結果。青をまじめにやろう、、、この思考回路、ヘンですが、自分のできることをコツコツしていかなくては、それって何?? タイルや陶器や青へとグルグル回ってきました。ヘンですが、やっていきます。

「青の陶器とタイル好き * blue ceramic museum」というそのまんまのページ名です。ご興味もって頂ける方は、どうぞごらんください。
facebookは、テーマを青に絞っての短い1トピック(1枚の写真と短いコメント)でデイリー(平日?)。内容は、<西・中央アジアの青の陶器とタイル><日本の陶芸><世界の青の工芸、染織、光景>予定。
ブログはやや長めで、装飾タイルやテキスタイル、イベントから日々の思いまでいろいろ。週1回更新(めざしてます)。

そんなこともあり、青の本なども紹介していこうかと、本をスキャン始めました。Amazonのリンクでももちろんいいのですが、表紙写真も大きいとやはりインパクトあります。
最近はネットばかりで本を見なくなっていたので、本を重く感じました。重いんですよね、この系統の本。それがキツくなってきてますが、久々に見るとなんか愛おしいですね。汚れ具合も。いくつかのコラージュをご紹介。

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(私の大事な大事なテキスト2冊。それぞれに特徴があり写真も美しい/「the art of the islamic tile」/「colour and symbolism in islamic architecture」)


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(青について詳細に書かれている(はず)、読み込んでいないです、、「and diverse are their hues color in islamic art and culture」/イスラム建築や装飾の草創期、魅力にあふれる時代、「islamic art and architecture 650-1250」)


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(アイユーブ朝シリアの陶器、青が魅力の表紙、「raqqa revisited ceramics of ayyubid syria」/表紙はシャーヒズインダの浮彫りタイルですね。美しい写真とともに技法やモチーフ、事例などについて詳細な解説。「splenders of islam」)


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(表紙がきれいなトルコタイル中心の2冊。ソフトカバーで軽め。写真中心/「turkish tile and ceramic art」/「islamic tiles」)


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(青の表紙の本を元々スキャン予定だったので惜しいと思って裏も取りました。裏表紙がすっごい青のタイル!セルジューク朝からベイリク朝のアナトリアのタイル。読もうと思っていてまだ全然です、、ネットに走ってます、完全に、、/「tiles treasures of anatorian soil tiles of the seljuk and beylik periods」)

この他もスキャンしたのですが、今回はこのくらいにしておきますね。facebookの方でもじょじょにご紹介予定☆♪
by orientlibrary | 2012-12-21 22:08 | 中央ユーラシア暮らしと工芸

謎の皿を巡る旅 〜 シンド(パキスタン)とリシタン(ウズベキスタン)

やきものの国日本だけれど、装飾タイルの歴史が浅いこともあり、タイルのイメージは限定的。装飾タイル=イラン、イスタンブル、アルハンブラ、がんばってサマルカンドあたりが、日本でのタイルのイメージではないかと思います。

パキスタンのタイル、、ムルタンやウッチュ(いずれもパンジャーブ州)の聖者廟の独特の濃い青と模様が強く印象に残っています。繊細とはいえませんが濃厚な世界があり、とても惹かれるタイルです。個人的にはデリー・サルタナット朝時代のものが好き!!(ムガル朝時代にもラホールやデリー、シンド州のハイデラバードでタイル装飾の建造物が作られました)。ペルシアの影響を受けつつインド的なテイストが強いという感じでしょうか。が、私が見ていたのはそこまで。

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(ムルタン、ウッチュ、ラホールの装飾タイル)

現地からのナマの情報が溢れるように発信されるインターネット(facebook、WEBサイト、flicker等)。すごいですね〜!夏に、ムルタンのアートギャラリー「Craft Galleria」のfacebookページを見つけて大喜び。現代の青の陶器の写真が豊富、興味津々で見ていました。(その後、同じ写真の繰り返しになってしまい残念)

インダス河流域の建築(青いタイルや日干しレンガ!)、伝統的服飾、自然が満載の「INDUS VALLEY CIVILIZATION」facebookページもカッコいいです。たくさんの建造物(遺跡化しているものも多いけれど)が素晴らしい!!

最近、知人経由で知った「Tradtional Sindh Kashi Tiles」。パキスタン・シンド(Sindh)州の「Nasarpur」(インダス文明の中でも最も古くから人が住みついた町のひとつ)にある陶芸ファミリーのfacebookページです。現地建造物のタイルのアップ写真(タイル模様をクローズアップした写真は書籍でもWEBでも少ない)や現代のタイル写真、タイル製作の様子など、興味深いです。

そんな日々、アップされた一枚の写真に目が止まりました。説明には、「Traditional Sindh Kashi Tiles pottery product round plate surface design with traditional kashi kari motives 」(伝統的なシンドの陶芸製品。現地の伝統的なモチーフが描かれている丸皿/「kashi kari」はインド・パキスタンで「施釉陶器〜タイル」)。

え?!ホント!?シンドの皿??あまりに似ている、ウズベキスタン(リシタン)の陶器に、、。こんなことってあるの!? (↓)コラージュ写真1段め左「これが問題のお皿」。他の皿(1段めの3点)と、これだけが違う気がしてなりません。でも「シンドの陶器」と明記してあります。

驚いて、コメント欄から、「ウズベキスタンの陶器とそっくりなことに驚きました。とくにボーダーの部分の模様とコバルト青の色が」と書いてみたところ、(英語の意味がよくわからないのですが)「働いている人々がいることは知っている。でも自分はパキスタンのシンドに属している/yes i know their is people working on but i do belong from Pakistan Sindh」とのコメントが。

これを読んで、さらに驚愕。ということは(Peopleが何を指すか不明ではあるけれど)、ウズベキスタンからパキスタンの陶芸産地に働きに行っているの!?これは自分的には、かなりの大ニュースです!

想像できないことではない。イスラム教が根づいた国同士だし、距離もそれほど遠くないし、中央アジア(とくに陶芸産地リシタンのあるフェルガナ地方)と北インド世界はムガル朝という縁があるし。ロシアや韓国に働きに行くと同様、パキスタンに行くこともあるのかなと。ウズベキスタンの社会状況等も考え合わせ、あり得るのかなと思いつつ、現代の工人の移動にワクワクドキドキ、思いを巡らせていました。

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(写真1段め左「これが問題のお皿」。謎解き遊びは、下記文章にて/コラージュで写真が小さくなってしまったかなあ、、/1段めの写真4点は「Tradtional Sindh Kashi Tiles」より引用)

でも、「問題のお皿」を見ていると、、、どうしても「よく見た模様、知っている色」と思ってしまうのです。
そこで、気になる点、色と模様を独断で検証してみました! 1段めの左から2,3,4はシンドのもの。この緑と青をよくごらん下さい。また模様もじっくりと。

2段め。リシタンの緑色と青です。緑色はリシタンの方がクリアでしっかりしている。シンドの緑色は黄色みがあります。青(コバルト青、ターコイズ青ともに)もリシタンの方がクリアで、シンドの青は黒みがあるように思います。

3段めは模様。「問題皿」のボーダーの蔓草のようなくるんくるんした模様は、リシタンのボーダーと共通していると思います。緑のライン(例:魚皿)も時々見られるパターンです。「問題皿」の見込みの模様は、知っている工房の作品よりやさしいタッチなので少し惑わされました。でも花びらを見ると、筆を先端から奥に押し付けながら花びらを描いていく描き方(リシタンの特徴)が同じ。模様も全体にシンドの方がざっくりした描き方。

4段め。わりと細密で白地の多いデザイン。花びらを全面に散らし細いラインで花模様の合間を埋めるデザイン、曲線で描く細いラインが似ている。さらに、今年の夏、「今年は白地を多くしたデザインを増やしている」と聞きました。実際、4段め右の2点は、今夏購入してきたものです。

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(NEW! ! 上の比較コラージュ写真が小さくて見えにくいため、4枚版を作りました!)

職人さん自身が移動してパキスタンで製作しているという考えは??独断ですが、皿は元々の産地(リシタン)で作られたと思います。職人さんは移動しても、土や釉薬や窯ごと持って行けない。模様は移動先で描けても、色は持って行けない

「問題皿」の化粧土の方が白くてクリア、シンドの白はクリームがかっているように見えます。
そして緑色。今回最大のポイントはこの緑色でした。緑色も明度や色味が微妙に違う。これはリシタンの緑だと思う。万が一、土や釉薬など、すべて持参したとしても、焼成温度や窯の特徴が違うのでは?
さらに、余計なことですが、シンドの皿は黒い紙の上で撮影されており、「問題皿」はコンクリ床。なんだかリシタンの工房の床を想像してしまいました。

そういえば、昨年の夏もリシタンの工房で、「ヒンドゥスタンから大量の注文があって」と一生懸命製作していました。行き来が活発になり、様々に交流もあるのでしょうね。購入されたり、サンプルとして運ばれたという線もあり??なんらかの経緯で、シンドの陶芸一家の手元に写真が、あるいは実物があったのでは??

上より、独断による結論=「(シンドの皿としてアップされた)問題皿」は、リシタンで、リシタンの職人が作った、リシタンのお皿。( (^_^;)))専門家の方、素人の推測なので、お遊びと思って見逃してください!)

すべて妄想かもしれません!!ホントにシンドの皿かもしれない。リシタンの職人さんがシンドできれいなお皿を作っていたらゴメンナサイ!それはそれで、すごく興味のあることで、マジでその点を調べたいんです。だからこそ、気になってしまったんです。大好きなウズベキスタンとパキスタンの「交差」を見て、とてもワクワクしている私です。

そんなわけで、、妄想につきあっていただいた皆様に、リシタンの青や模様をプレゼント 。(ね、やはり、「問題皿」と近いでしょう??)↓↓↓↓↓↓


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(リシタンの青の茶碗。クリアな青の発色。模様も多彩です。直径10cm程度)


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(リシタンの青の魚皿。青といっても多様です。個性的でのびのびした図柄が魅力。魚は幸福の象徴)


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(リシタンのタイル。「問題皿」の模様や色の参考になりそうなものを選びました。パキスタンの現代のタイルにも、ぜひともこれから注目していきたいと思います!興味津々です)


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(フェルガナの廟。リシタンの工房が装飾タイルを製作しました。緑色にご注目ください。この緑色なんです。だからお皿がどうしてもリシタンのものだと思ってしまうのです)

今回もご訪問ありがとうございました。年末近し。ちょっと慌ただしいですね。風邪などひかれませんように。
by orientlibrary | 2012-12-07 18:48 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

自然とともにあるやさしい秋模様、にほんのやきもの

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ガザ停戦が現地時間21日午後9時、成立しました。

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(以下、「アル・ジスル パレスチナ最新情報」より一部引用)
とりあえずガザ攻撃は停止されました。しかし、170万人を閉じ込める「天井なき牢獄」ガザ地区の状況は変わりません。今後、合意に基づき、封鎖解除、自由通行の協議が始まりますが楽観はできません。そもそも、1967年6月以来の西岸・ガザ地区の占領が続く限り、パレスチナ人の完全な自決権が認められない限り、そして、1947ー48-49年の「ナクバ」の被害者が無視される限り、平和はなく、パレスチナ人の苦しみは続きます。パレスチナ人の苦しみが続く限り、イスラエル人の平穏な生活もありません。

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(以下、朝日新聞11月23日朝刊「中東和平見直しの時」より抜粋、一部要旨)
イスラム組織ハマスがイスラエル領内に放ったロケット弾1発の値段は約600ドル。それを砲撃するイスラエルのミサイル防衛システムのミサイル1発は約4万ドルだったという。(中略)射程を延ばしたガザからのロケット弾が今回、エルサレムやテルアビブの都市部を初めて脅かした。貧者のロケットが示す教訓は、軍事力で「占領」という不正義を継続することは軍事的にも経済的にも難しいという現実である。
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中東状勢も変化するなか、かの地の人々が尊厳のある人生、安心できる暮らしを取り戻せますように、願うばかりです。
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久々の土もの、秋模様とともに。
(以下、すべて東京国立博物館所蔵品を撮影したものです。解説も同所より)

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(上段:「色絵紅葉賀図茶碗」/仁清/江戸時代、17世紀/胴を卵形に取り、口縁を外に開く珍しい形の茶碗。絵付は源氏物語の紅葉賀の巻を主役の光源氏を描かない、いわゆる留守模様要で暗示的に描き出す|下段:「色絵藤袴図皿」/鍋島/江戸時代、18世紀/円形の画面に破綻なく収められた藤袴の図は、完璧な技巧で仕上げられており、色鍋島ならではの洗練が見て取れる)

仁清、優美さ流麗さに惹かれます。丸みのある薄手の器形に唐風というかエキゾチックな模様、水色と青も新鮮。
鍋島、端正な美しさの中から滲み出るエッジ感がたまらない。かちっとしてみせて洒脱で、語弊があるかもしれませんが品のいいドラッグのような気がします。

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(4点とも、「色絵柴垣図大皿」/鍋島/江戸時代、17世紀/やや青みをおびた白磁肌に、染付と赤・緑・黄の上絵付で柴垣を描く。精選された材料と熟練した技術によるわが国色絵磁器中最も成功な鍋島焼の代表作である)

鍋島。紅葉した葉が波のようで柴垣も華やぐ。余白の白の奥行感。抑制の効いた青の物語感。裏もきっちり仕事されていて、品良くモダンで収まりがいいのに、グルーヴしている。どんな職人さんが描いたのかなあ。。

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(上段:「色絵七宝文盃洗」/永楽和全作/この作品は器面に布をあてがい、絵付けを施す独特の技法が用いられている| 下段左:色絵菊花文茶碗/京焼/江戸時代、17世紀|下段右:「色絵月に蟷螂文茶碗」/永楽保全作)

京焼の永楽保全、和全(保全の長男、御室窯を築窯)。布を使っての技法、にじみがおもしろい味わい。
日本の秋。自然とともに生きる、自然そのものを愛でる感性。江戸時代は今よりももっと自然がゆたかで見近だっただろうな。繊細でイキイキとした筆づかいがいいな。

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(上段左:「染付粟に鶉図皿」/伊万里/江戸時代、19世紀|上段右:「青磁染付鶴亀図大皿」/伊万里/江戸時代、19世紀/青磁釉と染付を塗り分け、とらわれない自由な発想で鶴と亀を描き民衆の器にふさわしい活気溢れた作となった|下段左:「染付鶴繋文大皿」/伊万里/江戸時代、19世紀|下段右:「染付松に鷲図輪花大皿」/伊万里/江戸時代、19世紀)

染付&鳥モチーフ。染付の青が黒みがかって静かで知的な印象。どの皿も、本当に構図が見事じゃないですか!?日本のデザイン力、すごい。

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(左:「銹絵芦文向付」/唐津/江戸時代、17世紀/のびやかな筆づかいで芦の図が描かれている。気負いのない簡略な絵付けでありながら、風になびく芦の表情がよくとらえられている。枇杷色を帯びた柔らかみのある釉膚ともよく調和しており、風韻に富む絵唐津に魅力がよくあらわれている|中:「鼠志野秋草図額皿」/美濃/安土桃山〜江戸時代、16〜17世紀/酸化鉄に泥漿を流し、文様を掻き落とした後に長石釉をかけると鼠地に白い文様が浮かび上がる。鼠地の中の秋草を白く浮かび上がらせた秀作|右:「朝鮮唐津徳利」/唐津/江戸時代、17世紀/唐津焼のうち、鉄呈色の黒釉と藁灰の白濁釉を掛け合わせた釉調に特色がある一群を俗に朝鮮唐津という。鉄分の多い素地が用いられ、板起し・粘土紐巻き上げの叩き成形により薄く成形されている)

このあたり何度見ても好き。西アジア、中央アジアの青のやきものオタクで、鍋島感涙。かつ、黄瀬戸、唐津、猿投あたりにクラッときます。脈絡ない、、でもそうなんだから仕方ないです。
一本の芦が世界を作る。枇杷色の肌がやさしい。
秋草をおだやかに、白で。なんて繊細。
朝鮮唐津の徳利、実際に使われていたんでしょうね。とくとくとお酒も含んで味わいが深まっているようです。

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(上段左:「紅葉に菊流水図」/尾形乾山筆/紙本着色/江戸時代、18世紀|上段右:「小袖/紅縮緬地幕紅葉模様」/江戸時代、19世紀/模様を友禅染によって小袖全体にあらわした。幔幕を張った間から紅葉が色づく風景模様は、「源氏物語」の「紅葉賀」の巻をモチーフにしたものであろう|下段左:「流水四季草花図屏風」/酒井抱一筆/紙本金地着色/江戸時代、19世紀/抱一は江戸淋派と呼ばれる新様式を確立。風流で典雅な花鳥画を得意としている|下段右:「振袖/白絖地楓竹矢来文字模様」/江戸時代、18世紀/「源氏物語」の若紫の巻がモチーフ。紅葉の模様は光源氏が紫の上を自邸に迎えた季節を意味するのであろう。江戸時代のファッション雑誌、小袖模様要雛形の一つ「当流模様 雛形松の月」に掲載される図様を元に制作したと考えられる)

こちらは絵画と着物。秋の図柄。
菊、紅葉、そして流水(写真が切れちゃってますが紺色の部分が流水。コラージュを使うとトリミングされてしまいます)。日本らしいモチーフ。尾形乾山、酒井抱一。水のゆたかな日本、四季それぞれに美しい。
着物はいずれも「源氏物語」から。模様を見ればより大きな場面や物語がわかる。着物の中に雅な世界が凝縮されている。それにしても源氏物語、すごい影響力。

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四季それぞれの自然を愛で、巧みに、またときには巧まず、それを多彩な工芸に写し表し愉しむ。日本のきれいなものに出会える幸せ。うれしく、ありがたいです。


冬には汗をかくくらいモコモコと着ていないと不安でしたが、寒さ恐怖があるから寒いんだ、とこの年になってようやく気づき、、薄着にしてから風邪もひかず、不思議なことに寒がらず、実際寒くなくなりました。本来の体温調節力を自ら狂わせていたようです。思い込みってコワイ。そんなわけで、冬も安定して元気にやってます☆ やきものは、ほっこりします♪

今回もご訪問、ありがとうございました^^
by orientlibrary | 2012-11-24 00:28 | 日本のいいもの・光景

中央アジアの工芸・芸能、そろそろくるかな!?

ブログ更新できず、時間がたってしまいました。映画、展覧会、本、布など、書きたいこともあるんですが、、このところ、歯治療(根っこのあたりが細菌感染)と軽い風邪で、ずっと微熱状態。冷えピタが乾いてしまう。歯のズキズキ感が時々やってくるけど、治療中なのでこれ以上どうしようもないし鎮痛剤で効くものでもなさそうので、時の経過を待つという残念な状態。
テンション上げようと(というか、ある種、妙に上がっている)いろいろやってみてましたが、集中作業がしにくい。ほんと根性ない、、情けない、、、 でも、元気にしてます(変かもしれないけど、基本は元気)。。

今回は写真のみのアップで、、しかも、これまでにご紹介したものもあるんですが、ご紹介したいアングルがたくさんあったので、この機会にアップです!  イタタタ、、、(>_<。。。)))))))

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(Kannotextilevol.2 展示より/上左:ウズテキスタイルの魅力が伝わるポーチ類。真ん中は手織りベルベット/上中:シャツやワンピース、すべてハンドメイド/上右:ベカサムというストライプが特徴の布のワンピース/下左:ラカイの刺繍を使ったブーツ/下中:ラッキーなゲリラライブ!/イギルというトゥバの楽器、哀愁ある風のような音でした。多謝!)

以前ご紹介した「Kannotextile」さん、10月初め頃に一か月のウズベクの工芸と布調査旅を終えて無事帰国と思ったら、即仕事に突入。入手した布で短期集中、ステキな服たちを作りあげ月末には展示会。この疾走感と密度、すごいな。
そして服、とっても良かった!仕立てがていねいでベーシックなかたちなので、大胆な柄が生きる。こんなに洗練されたアトラスやアドラスやベカサム、、とてもうれしかった。感慨です。

ウズや中央アジアの染織は、やはり魅力あります。私もスタディして、またご紹介できればと思います。

写真下の2枚は、ギャラリーでの「ゲリラライブ」。トゥバ音楽演奏家寺田亮平さんが、たまたまコンサート帰りに楽器を持ってギャラリーに遊びに。流れでライブに!衣装まで纏って頂き、ふだんなかなか聴けないトゥバの音楽を対面で聴かせてもらって、本当にラッキー!うれしかった。素晴らしい喉歌もたっぷり聴かせてもらいました。寺田さん、どうもありがとうございました!

そんな寺田さん渾身の企画、「中央アジアの音楽 テュルク・ミュージック・イン・トーキョー」が、2013年1月27日(日)開催。こちらでも、また随時ご案内します!

最近は、ウズベキスタンダンスも人気だし(一部?)、kannoファッションもカッコいいし、音楽も多彩だし、なんてったって染織や陶芸、木工、金属加工等、工芸の奥行がすごいし、「中央アジア」、そろそろくるかな!?!?^^

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8月のウズ行きで、ウズ(〜中央アジア)染織の中心地マルギランへ。海外のバイヤーさんも訪れる有名な工房へ。さすが、質が高い。全然違う。発色がパキッとしている。模様、デザインが鮮烈。色合わせのセンス。そして手触りが違う。なめらかで持って気持ちいい。ちょっとハマりそう、、

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「フラグメントからアンティーク絨毯まで。「コレクター」という人生の愉しみ方」と重複する写真もありあますが、衝撃まだ冷めず、再度ディテールのご紹介。自分の好みなんですが、ほんとにこういうフラグメントやクタクタになったものが好きです。。

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(トルクメン、テッケ族、女性衣装「chyrpy」)


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(Central Asian Silk Velvet Ikat )


<突然ですが、展覧会情報> 
世界各地のさまざまな織りや染めの技法を紹介する展覧会、「織りの服、染めの服」が文化学園服飾博物館で開催中(12月22日まで)。ホームページの記述や写真では、なかなか展示内容が伝わらないのが残念。織の構造見本が多数あり、とても勉強になりました。

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布ものが続いているので、土ものを少々。タシケントにあるティムール博物館の内部空間と展示されている陶器の一部です。陶芸好きにはうれしい博物館。ゆったりしていて、じっくり好きなだけ見られます。

<突然ですが、土つながりで、、>
facebookのシェアから知った「久住章のトイレット」(シェフと庭師Mの庭造り日記)、左官の神様と言われる久住章さんとの仕事現場で感じたこと、メイキングストーリー。みずみずしい感性で、久住さんからたくさんのことを感じ、学んだ若い庭師さん。久住さんの言葉にしびれる。庭師さんの文章も素直で、とってもいい。良かったです。

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(以下、一部引用)
ある時、「今後の左官に必要なものはなんやとおもう?いや、建築業全体にいえることでもあるな。」と久住さんが私に質問してきました。工事現場で交わされるにはあまりに高尚な質問で、もちろん、建築関係の仕事をしている私としては即答したいところですが、その答えなど用意しているわけがありません。

「今の左官屋に足りないことは、幸せ感や。技術的なことやないねん、実は。要するに壁を塗ることで、人を幸せにしようと思う気持ちやねん。本気で幸せにする気がないと、決して壁で人を幸せにすることはできへんねん。今は日本中しょうもない建物ばっかりやろ。でもこれは、能力のない建築家がいかに多いか、ということやねん。能力がない建築家は完成度をあげるために緊張感を上げるようなデザインをするんやけど、でも、それは、結局お施主さんへのごまかしなんや。そんなもんすぐ飽きてしまうし、もちろん、リラックスなんてできるわけないやろ。本気でお施主さんを幸せにしようなんてちっとも考えてない。これからの建築業はいかに人を幸せにするかやで。その点、ケーキ(施主がパティシエ)はすごい幸せにする力があるよな。我々もこれが必要やねん。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

職人さんって、ほんとにいいな。

それに引き換え、ダメダメな私(泣)。まとまりなく、失礼しました。とにかく一度アップしようということで書いてみました。また次回!お元気で☆

(わ、、まとまらない文章なのに、、いいね、をたくさんありがとうございます。m(_ _)m)
by orientlibrary | 2012-11-09 19:09 | 日々のこと

青の陶器、布、絨毯/タジクスタイル/スーフィー文鳥アンジュジェ

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横浜での「青の余韻@エスニカ」。フォトコンテストなどもおこない、ほのぼの楽しくやっています。味わいのあるアジアン家具と青の陶器が本当によく合っています。

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(フォトコンテストの模様)

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(青のエントランス。右端のタイル、存在感抜群。どうしてここに?、、ご縁でしょう!)

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(トルコ、メフメット・コチェル氏作品、ブルー&ホワイト。大壺が主役になりがちなのですが、手前の有蓋壺は本当に美しいですよ。形も絵付けも完璧。繊細優美)

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(ウズベキスタンの青の魅力、再確認。自分の好きな鉢物がけっこう人気があり喜んでいます^^)


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不器用な自分、残念。手仕事ができたら人生が違うだろうなあと思う。
手織りの絨毯。日本でこんなきれいな絨毯を織っている人がいるんですよ。手仕事クイーンTさん。今回使用したトルコの毛糸がとっても良かったそうです。毛糸で全然違うとのこと。

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(今回はギャベ風のザクッとした感じ。これまでの精緻な作風と違うのでビックリしたけど、これまた素敵。個人的な好みでは、こちらが好き!野に遊ぶような花々が自由でかわいい。深い青のグラデーションがなんとも言えません〜)


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代々木の東京ジャーミー、この日は爽やかでした。青葉が風に揺れています。

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青葉っていうけど、緑色。イランやトルコでも、緑色はときに青にも含まれるみたいです。

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(モスクランプも緑色の光。トルコの花模様の青いタイルを照らします)


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外苑前にあるアンティークの「FUCHISO」さんへ。インディゴの青を見に。ヤオ族とミャオ族のインディゴのパッチワーク。店主・小松さんの眼にとまった青の手仕事。

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(ミャオ族のパッチワーク。嫁入りの支度の寝具とのこと。家族のために精魂こめて作る手仕事がミャオ族の魅力ですね!)

写真はありませんが、清時代の陶枕の青、少し緑がかった窯変が良かったです。

お隣のワタリウム地下のカフェで、gleamさんの家具が展示されているとのことで拝見。

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(スパイスの効いたチャイがおいしかった。チープな感じの皿がおしゃれ)

カフェでピンク色のシャツを着こなしている女性、はつらつと話をされているなあと思っていたら、草間弥生さんでした。カッコ良し。


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フィリピンの少数民族はじめ、多彩な民族衣装をお持ちのWさん宅へ。以前も見せてもらったタジクの民族衣装の研究書をもう一度拝見。ソ連時代、共和国を構成する民族ということで、こういう研究はがんばっていたみたいですね。

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(こういうの見ると、衣装というものの凄みを感じます)

とにかく、イラストがカッコいい!!&特徴をきちんと描くので、写真よりもむしろわかりやすい気がします。

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(ヘッドスカーフの巻き方も。多彩なんですよね。お洒落です)

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(メンズのディテール。靴ですが、登山靴のような機能?)


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小伝馬町のダルビッシュショップへ。ハサンおじさんは、最近、大リーグのダルビッシュ有選手との関連で新聞で紹介されたようです。

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(子どもがハサンおじさんの似顔絵を描いてました。似てる!)

でも、同じ名前でも、意味が違うみたいです。ダルビッシュ有さんの場合は、ファミリーネーム。ハサンおじさんの場合は、「スーフィー」の意味。神との合一を目指し、様々な修行に励む人々。その人たちのことを「ダルヴィッシュ」とも呼びますが、ハサンさんはこちら。楽しくおしゃべりしてくれますが、ふっと語ってくれる「心のこと」、なんだか沁みるのです。

そんな平和でおだやかなダルビッシュショップに事件が起きていました!
ドアを開けても、文鳥のアンジュジェがダッシュで飛んでこないなと思っていましたが、、 なんと、いなくなっていました。。2週間前に、開いていたドアから外に出てしまったのです。ハサンおじさんの悲しみは深かった。心に穴があいたようだったと。お客さんたちも泣いたそうです。

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(初代アンジュジェとハサンおじさん/昨年夏、撮影)

アンジュジェは、スーフィー音楽で踊り、歌う文鳥でした。手の傷をさんざんつつかれたけど、イキイキした魅力的な文鳥でした。初代アンジュジェは、日本初のスーフィー文鳥です!!
きっと旅に出たんです。スーフィーだもん。遍歴に出たんですよ。だから帰ってきます。そう思います。
ハサンおじさんも、そう思っているそうです。

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(二代目アンジュジェとハサンおじさん)

内気な二代目ですが、次に行ったときには、きっと踊ったり歌ったりしていると思います。愛があるからね。アンジュジェのこれからを見に、またイラン食材を仕入れに行きたいと思います。
by orientlibrary | 2012-05-05 00:36 | 日々のこと

青の余韻 青い陶器の春の旅、桜のまちへ

桜咲く街へ。トルコ、イラン、ウズベキスタンの青のやきものたちが旅をしてきました。
題して、「青の余韻」。「青の魅惑 イラン・トルコ・ウズベキスタンのやきもの」(INAXライブミュージアム/2011年11月〜2012年3月)展示作品他、ウズベキスタンの工房の作品が集まりました。

「青の余韻@エスニカ」(4月14日〜5月14日、12時から19時、水曜日休/横浜市青葉区桜台25−5 tel:045-983-1132/概要、会場等は←リンク内ご参照ください)。青の陶器たちは、中国家具やアジアの布といっしょに、くつろいだ表情を見せています。


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(トルコ、メフメット・コチェル氏によるブルー&ホワイト3点。流麗細密重厚優美、オスマン朝最盛期を思わせる。タシュチニ絵付け大壺、皿、蓋付扁平壺)


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(トルコ、アディル・ジャン・ギュヴェン氏のクラシックかつ軽快な世界。和とも共通する「間」のある粋な世界)


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(ウズベキスタン、ウスマノフ工房の青の世界。律儀でおおらか。大胆で細密。中央アジアの空の蒼です)


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(ウズベキスタン、アリシェル工房など、ミックスしたコーナー。中国家具の濃い茶色と青が抜群の相性。白い壁面をカジュアルに飾っています)


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(販売可能なものも少々。すべて手描き。あまり数がありません。なくなった場合はごめんなさい。陶器はとにかく運ぶことが大変なのです、、)


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(青、青、青。ガラスの向こうは桜吹雪)


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(韓国の木とアディルジャンさんの染付風小皿)


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(鳥かごとアディルジャンさんの小皿)


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(ウスマノフ工房の細密な絵付け皿)


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(タシュチニ大壺。圧倒的な筆運び。石英分の多い白地の光沢が見事)


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(デジタルフォトフレームで青いタイルや景色の画像をスライドショーしています)


展覧会ではなく規模は小さいですし、販売できるものも少ししかありません。
でも、、かなりカッコいいと思います(自画自賛!?)。
デジタルから大工仕事まで何でもこなすエスニカの田原さん、手仕事クイーンTさんのセンスとスキルのおかげです。多謝!!!

すっかり見とれてました。青、好きだなあ、、と見ていました。
人生で二度はできないと思いつつ(そう言いつつ)、また青の世界へ。ご縁のおかげです。「青の余韻」第一報でした。

 orientlibraryの在店日程=たくさんの日数は行けませんが、土日の午後あたりを中心に考えています。(GW中やGW後の土日はまだ未定です)。
by orientlibrary | 2012-04-14 21:11 | 青の道

陶に布に咲く舞う桜花&青のやきものの春旅

4月になりました。風も強く寒さが残るなか、花見の人出も今週はまだ少なめ。花の美を楽しめるのは、博物館のなかでした。桜、花などのやきもの、刺繍などを。

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(観桜図屏風/住吉具慶/絹本着色/江戸時代、17世紀/京から江戸に移り住んだ具慶は、やまと絵を江戸に広めた。公卿が穏やかな風景の中で観桜する江戸時代のやまと絵の典型といえる/東博にて撮影)


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(色絵桜樹文十角鉢/伊万里/江戸時代、18世紀/伊万里焼では元禄年間より、中国の金襴手に範を求め、金泥を色絵素地に焼き付ける豪華な意匠が流行した。内外に桜と菊が描かれ、染付の藍のほか、花は赤と金で、葉は緑と紫で彩られている。俗に型物と呼ばれる内需向けの金襴手である/東博にて撮影)


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(色絵花筏図皿/鍋島/江戸時代、18世紀/花筏の言葉のままに、水面に桜の花と筏の図を大胆に組み合わせて意匠化し、鍋島ならではの洗練された感覚で、散りゆく桜の風情を表現している/東博にて撮影)


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(色絵桜樹図透鉢/仁阿弥道八/江戸時代、19世紀/鉢の内外に白泥と赤彩で満開の桜樹を表し、巧みに配された透しとで、桜の空間を作り出す。乾山焼に倣った作品の代表作のひとつ/東博にて撮影)


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(打掛/鶸色縮緬地風景模様/江戸時代、18世紀/柔らかな鶸色の縮緬地に波を白く染め上げ、刺繍で色を添えた総模様の打掛。海辺風景模様に関係なく、桜や松といった草花を全体に散らすデザインは武家女性の平常着の様式。魚籠に釣竿、蓑傘をのせた小舟は古典文芸を思わせるが主題は不明である/東博にて撮影)


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(打掛/紅綸子地桜樹雲模様/江戸時代、18世紀/宮中の女性が普段着に着用した上着。華やかな縮緬地に表された模様は、雲間に見える桜の立木模様。絹糸の光沢を生かしたゆったりとした刺繍。立木模様は江戸時代後期、宮中女性向けに様式化されたデザイン/東博にて撮影)


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(苗(ミャオ)族刺繍部分/苗族刺繍博物館所蔵)


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桜色、オレンジ色、赤色、花の意匠はあでやかですね!ここで、当ブログ定番ではありますが、「青」の話題を少々。

「青の魅惑 イラン・トルコ・ウズベキスタンのやきもの」展の撤収も無事終了。展示作品は、それぞれ新たな地へと旅だっていきました。ありがとうございます。
イランのオブジェ(2点)は、福井県内の公共施設に飾られることになりました。良かったです!4月1日、今頃は現地に到着していることでしょう。このちょっと意外な展開については、またご紹介できるかもしれません。

常滑から一路横浜青葉台の「ある場所」に旅したやきものたちも、みんな無事到着。次のステージで、また違った表情を見せてくれそうです。先日、ちょこっとだけ見てみました。
中国家具や西アジアの毛織物、アジアやアフリカのテキスタイルなどのなかで、青の魅惑がどのように見えるか、ミワクといよりワクワクです。
ギャラリーの白の空間、ハレの場で凛とした表情を見せていた青のやきものたち、やはり生活の品々といっしょにあると、何か違いますね。おもしろい。

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(写真は、仮置きしただけのものです。もっともっとカッコ良くなるはず!^^=以下同様/ウズベキスタンの鉢。やはり茶色と合う。鉢の模様は中国風なので、中国家具と違和感なし。でも中国の青ではなく中央アジアの青であるところがポイントですね。何と合わせ、どんな空間になるか(するか)、楽しみ〜☆)

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(仮に掛けてみました。白の壁ですが、カジュアルなので雰囲気が違ってきたトルコの大皿。アフリカのバスケットとも合ってる!)

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(ディスプレイではなく単に置いただけですが、茶と青は合いますね。ウズベキスタンの茶碗と鉢)

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(INAXライブミュージアムで展示できなかった作品。トルコのアディルジャンさんの皿ですが、移送途中でワレました。でもメチャかっこいい銀継ぎをしていただき、別の魅力が。orientlibraryの好きな作品だったので、力入ってます)

3月は慌ただしいうえに体調が今ひとつでした。4月は元気にいきたいです。きれいなものをたくさん見て、がんばろうっと!皆様も、ご自愛くださいね。
by orientlibrary | 2012-04-01 22:02 | 日々のこと

「青の魅惑」 時空を旅する多彩な青 〜アディル・ジャン・ギュヴェン氏の青の世界

前回に続き、2011年11月よりINAXライブミュージアム(愛知県常滑市)にて開催中の「青の魅惑 イラン・トルコ・ウズベキスタンのやきもの」。3月20日が最終日につき、大急ぎのご紹介です。

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(ギュヴェン氏のコーナー)

前回は、メフメット・コチェル氏(トルコ・キュタフヤ在住)を駆け足でご紹介しました。
今回も、トルコ編。イズニック在住のアディル・ジャン・ギュヴェン氏です。

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(今回は青がテーマということでセレクトして頂きました。東洋を思わせる図柄ですが伝統的なデザイン。親しみを感じます)

「アディル・ジャン・ギュヴェンさんの素晴しさは、ビザンティン時代〜現代に至るアナトリアの陶器タイルの技術を再現している、その幅の広いテクニックです」とトルコ作家をコーディネートしてくださったルキエさんがおっしゃるように、一人の作家の仕事とは信じられないほどの多彩さに驚きます。

まずは、プロフィルと青についてのコメントを(会場のパネルにてご紹介しています)。

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アディル・ジャン・ギュヴェン  Adil Can Güven  トルコ イズニック
1953年イネギョル生まれ。陶芸家の家系に生まれ、キュタフヤなど陶器生産の中心地で学ぶ。教職についた後、イズニックに夫人と工房を構える。ビザンティン時代から現代に至るアナトリアの陶器・タイルを伝統的な材料と技法を用いて再現しながら、丁寧で個性的な作品を作り続けている。

「青は深遠でありながら自由そのもの。困難の末に得られる高貴の色」

「深みのある青色を作り表現したいと願うのですが、最初の段階でその発色・濃淡を見極めることのできない青の顔料を使うことは大変に難しい。しかし青は魅力に満ちています。青の持つ深み、高貴さ、そしてその美しい表現力が、私を惹きつけます」
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(私の最も好きな作品。このタイル、、、突き抜けている、、最高です)

会場でご紹介できなかった、青についての質問の答えです。(いつか全作家のお答えをアップしたいです)

1.伝統の青の作り方
1200℃で石英、鉛、ソーダの混合物(釉薬)がガラス化した中に、コバルトが溶け込むことにより発色します。(コバルトを)すりつぶし、アラビアゴムと混ぜてから彩色します。

2.伝統の青を作り、色を出すことの難しさ
青の発色の調節のために、数種類の酸化金属が加えられます。彩色と調整が難しいのです。

3.伝統の青にこめられた意味、精神性、願い
私にとって、青とは高質であり、比類無きものです。深みであり、自由です。伝統芸術においては、青は困難の末に得られる高貴の色なのです。

4. 青の作品を作る際、気をつけていることは
深みのある色を作り表現したいのですが、最初の段階でその発色・濃淡を見極めることの出来ない青の顔料を使うことは大変難しいです。

5.日本のイメージ
日本とは、芸術と敬意(尊敬)と礼儀作法によって日々の暮らし(生き方、生活様式)を高めている、微笑みを絶やさない人々の国だと思っています。

6.日本のファンに一言
芸術は共通語であると信じています。お送りしました私の作品によってもまた、お互いに共感することが出来、皆さんに実際にお目にかかることが出来なくとも、皆さんに対する私の敬愛をこの作品で伝えることが出来ると信じます。

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ギュヴェン氏のコーナーは、このようになっています。

1:「青」というテーマに合わせて制作されたオリジナル作品。

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2:ビザンティン時代から続くアナトリアの陶器・タイルを伝統技法で再現するギュヴェン氏の作品から、青に特徴があるものを選んだ。

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<ミトレス手> 西アナトリアやマルマラ海、エーゲ海の島々で、14世紀後半~15世紀に流通したと推測されている。赤い素地の上に白い化粧土を掛け、主にコバルトブルーで彩色されるが、他にターコイズブルー、紫、緑、黒も使われる。フリーハンドによる勢いある筆使いで描かれるのが特徴。

<ダマスカス手> イズニックでは、1530-60年代の短期間にのみ生産された。色がこの様式の特徴で、コバルトブルー、ターコイズブルー、緑、紫などを用いて生き生きと自由に描く。16世紀後半以降、オスマン朝シリアのダマスカスでもつくられたためこの名で呼ばれる。
  
<スリップウエア> 表面をスリップ(化粧土。粘土や珪土に水を混ぜたもの)で装飾する手法。

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(ミトレス手の作り方と代表的模様を一枚の皿に入れたというユニークな作品)

イズニックの湖畔の道を歩いているギュヴェン氏の淡々とした姿が忘れられません。奥様とは本当に一心同体。二人の息子さんやお弟子さんたちとの工房は、なごやかで、真摯で、一体感があり、初対面にもかかわらず、こちらでも、すっかり居着いてしまったのでした。

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(工房にて)

ありがとうございました。
また会いに行きます!!

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(イズニックの考古学博物館展示品。いいですね〜!)
by orientlibrary | 2012-03-13 21:01 | 世界の陶芸、工芸

「青の魅惑」 潤む青のタシュチニ 〜メフメット・コチェル氏 洗練優雅な青の世界〜

昨年11月より、INAXライブミュージアム(愛知県常滑市)にて開催中の「青の魅惑 イラン・トルコ・ウズベキスタンのやきもの」、早いもので3月20日が最終日となりました。

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なぜこの地で、青が脈々と作りつがれてきたのか。旅先の西アジア、中央アジアのオアシス都市で出会う青の建築物、とりわけ装飾タイルの青の煌めき。「青の理由」と「青の秘密」が、どんどん知りたくなりました。

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「シルクロードはコバルトロードでもある。各地の青に違いはあるのだろうか。あるとしたら、どのような違いがあるのだろう」。
青をテーマとした展覧会はできないだろうか。時間をかけて、そんな気持ちが固まってきました。開催を検討していただく博物館に打ち合わせに行こうとしていた、まさにその頃に、東日本大震災がおきました。
2011年3月末から6月前半までは、「美しい世界の手仕事プロジェクト/東北の手仕事」に、邁進しました。

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「青の魅惑」は春からじょじょに準備を始め、初夏から集中しました。が、なにしろイラン、トルコ、ウズベキスタンという「手ごわい」国々。欧米ならば、なんの問題もなく可能なこと、一つ一つが手ごわい。

「青の魅惑」展をめぐるエピソードは、まさにunbelieable。自分でも、本当にあったことかと思うくらいです。毎日、何回も「イッシャアッラー」を繰り返していました。
とにかく、6人の作家の作品たちは、何事もなかったように、博物館のギャラリーに堂々とした姿を見せています。ありがたいです。

今回は「最終日間近エディション」?ということで、写真にて一部作品のご紹介。
メフメット・コチェル氏(トルコ・キュタフヤ在住)の、極めて繊細細密、かつ流麗な絵付けの作品をごらんください。

(キャプションは、トルコ作家のコーディネーターをお願いしたイスタンブル在住の絵付け作家・ルキエさんの資料を参照させて頂いています。ルキエさんのおかげで、展覧会が成立しました。心よりの感謝を!)


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■■■■■  メフメット・コチェル/トルコ・キュタフヤ在住/ Mehmet Koçer/Ktahya , Turkey /1951年エラズー生まれ。現在のキュタフヤ陶器の特徴と言われる描き方・様式を生み出した作家。教育者としてキュタフヤ・ダムプナール大学で勤め退官後、現在はアルトゥン・チニ陶器産業のチニ生産責任者兼デザイナーを勤めている。今なお日に10〜15時間を陶芸制作と研究に費やす。 ■■■■■


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(展示会場、トルコ作家コーナー/紹介パネルでは「青の理由」「青の魅力」を出展作家に語っていただいています)

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(展示会場/メフメット・コチェル氏のコーナー)


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(壺(タシュ・チニ)/幅最大36cm、高さ46cm/ブルー&ホワイト、ババナッカシュ様式)(澄んだ白い肌を持つ中国磁器への憧れから15世紀後半から始まった「タシュ(石)・チニ」の生産。石英を80-85%も使用。化学的なことはさておいても、一見して何かが違う。地肌が潤んだようにまったりと白く、青の発色が明快。絵が生きているように、筆が流麗に走っています。描きにくいに違いない地肌をものともしない絵付けの見事さに感嘆)


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(オスマン朝時代のチニ、工芸等を再現展示しているアマスヤの「皇太子博物館」。上の壺がスルタンの部屋を象徴するものとして左右対で展示されているそうです。まさにオスマンの香り!)


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(扁平蓋付壺/幅最大34cm、高さ38cm)(品格のある形と絵付け。メフメット氏は、現在、次の「Living Human Treasure」〜日本で言う無形文化財所持者〜に最も近いと言われています)


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(ブルー&ホワイトの絵付け皿。直径40㎝/赤いカーネーションがポイントです)


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(飾りタイル(タシュ・チニ)/幅40cm、高さ45cm(額装含む)/カリグラフィー(チューリップとアッラーの文字 La ilahe illallah ))


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(モスクランプ/ブルー&ホワイト/ババナッカシュ様式)(「Mehmet  Kocer」個人のサイン入りの作品は非常に少なく、トルコ国内でも入手が大変難しい状況です。今回の出展は、ご本人の個人コレクションからのもの。「紹介者である大学教授と親しいこと、青というテーマが気に入ったこと、日本が好きなこと」の3点から出展を決めたとのことです)


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(絵付け皿、直径40㎝/ブルー&ホワイト/ルーミー・ハターイ様式)(ルーミーは、アラベスク、イスリミとも呼ばれ螺旋を描きながら連続してゆく装飾文様。ハタイとは、どれと言って特別の花を指すのではなく”一般的な花”の縦割りにされたもの)


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(飾りタイル(タシュ・チニ)/トプカプ宮殿・割礼の間壁面タイルの模写)(展覧会のポスターにも使われた美しく勢いのあるタイル。素晴しい)


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(絵付け皿/ブルー&ホワイト/サズ様式/直径50㎝)(現在のキュタフヤ陶器の全体の特徴と言われるようになった描き方、波打つように長い葉先、空間を音符のような葉のようなクルクルとした模様で埋めるといった様式を生み出したのはメフメット氏)


実際にお会いしたメフメットさん、厳格な方と覚悟してお会いしたのですが、やさしくて、とても気さくな方。初対面であるにも関わらず、話が尽きませんでした。こんなことも、おっしゃっていました。

「夜中に絵付けをしていると、描いている花が語りかけてきます。“もっと私を綺麗に描いて。隣の花よりも綺麗に描いて”と。そんな会話を楽しんでいます。毎日10時間、15時間と制作していますが、制作しなくていいと言われたら、、私は死んでしまいます。そのくらい絵付けが好きなのです」(コチェル氏)。


展覧会は20日まで。6作家の作品は、一部販売もしています(コチェル氏作品含む)。日本では入手困難なものがほとんどです。ご興味のある方は、INAXライブミュージアムへ!
by orientlibrary | 2012-03-07 23:19 | 世界の陶芸、工芸

食卓の美と技、テーブルウュア・フェスティバル

「テーブルウュア・フェスティバル2012」、東京ドームいっぱいに、世界と日本の陶磁器が食シーンとしてコーディネートされたかたちで紹介される大規模イベントです。

西アジア・中央アジア・南アジアあたりのモノや音楽に親しんでいる日々から出かけていくと、華やかな異次元世界、「セレブ」な感じにドギマギ。こんなに食器重ねなくても、、と思ってしまう貧乏な感性が、美しいコーディネートを見る眼を曇らせます、、、 が、それだけではなく、和の陶磁器、漆などもあり、日本の有名産地の気合いの入った展示を見られるのが楽しい。

気になったものや印象などを(たくさんの中から極々一部、偏り気味な個人的興味にて)ご紹介します。
まず、こちらは「白薩摩」。テーブルコーディネートしてもゴテっとならないところが品ですね。

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沈寿官窯だったと思います。メモしておらず、、。「間」のあるセッティングが素敵)

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(同上。乳白色がやさしい。余白が上品)

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(同上。繊細優雅な絵付け。細い貫入が絵のようできれい)


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(別の工房。豪奢だけどレトロな感じでやさしい。息苦しくない)

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(細密な金襴手。彫りの細工が見事)

そしてガラスケースには、煌めく大皿が!この豪華絢爛さはなに〜〜!?

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(廣田実雪/薩摩金襴手雄飛鷹図四季花紋額皿/ドバイにて展示されたもの)

解説を見ると、、 「この作品は、アラブ首長国連邦ドバイで、外務省、在ドバイ日本総領事館、ホテル・グランドハイアット・ドバイの協力で白薩摩を紹介する文化交流・カクテル・レセプションを主催し、展示した作品です。ドバイと日本を表現する上で、中心に鷹を描き、日本と同じ「鷹狩り」もアラブの伝統である等、両国のものを取り入れ構図として描き、白薩摩金襴手の技法で多彩な構図、色彩と金盛を使った豪華で気品ある作品です」とのことです。

アラブの方々の好みに合わせているのですね。この大皿、細密さが素晴しく、さらに勢いや伸びやかさを感じました。上の白薩摩も同様ですが、豪華だけでなく、気品があるところ、愛らしいところが好きです!

会場、広いです。日本の各産地(美濃/瀬戸/多治見/有田/常滑/波佐見を中心に多数)コーナー、作家の展示、世界各地の陶器や工芸、アンティーク、見きれない。

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(美濃焼・土岐。丼が人気。普段使いできる食器がたくさんあり、楽しい)

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(瀬戸。黄瀬戸を前面に出しての展示でした。黄瀬戸、好きです。織部の多彩さはさすが瀬戸)

このフェスティバルでは「テーブルウエア大賞」として、プロとアマチュアがコーディネートの技を競います。その成果、テーマ設定から食器選定、細部まで練られたアイデア、センス、素敵です。

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(「テーブル・コーディネート」のイメージとして。メーカーの展示)

が、このような機会によく思うのですが、、個人的には画一的に見えて仕方ありません。自分の知らない世界のものって、違いがわからず、同じに見えてしまいます。そういうことだと思うのですが、細部にこだわればこだわるほど、総体として見ると同じに見えてしまう。

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(同。こちらもメーカーの展示)

他にないのかな、というのが、いつも思う疑問です。素敵なコーディネート(知識とセンスが伝わります!これは本当)の数々は、他のメディアやブログでたくさん紹介されているでしょうから、このマイナーブログではナシということで!

そのなかで、少〜し違いを感じたコーディネート。

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(卓越した何かを感じました。たしか何かの賞を取っていた作品の一部)

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(テーブルではなく、床での和の提案。左右対称でない作品を見て少しホッとしました。和のコーディネートって、真ん中に川が流れているものが多いですね。平安貴族テイストかな。実も蓋もないことを言いますが、、現実はここに「座れない」人が多そう。シニアは膝が痛い。若者は正座が辛い、、)

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(これも和のシーン。ロースタイル、座もいいと思いますけどね〜、、いちばんいいと思うのは「腰掛け程度のちょっと座」なんですけど、、)

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(西洋食器は「揃い」で「左右対称」。「食器重ね」で重厚感。ガッツリで息苦しく感じる。こってりした食べ物が合いそうです。アジアや日本のものは「抜け」があり落ち着く。揃いでも模様違いなど、遊びやゆとりを感じます。デザインの余白も落ち着きます。長いときの重なりがもたらす洗練を感じます)

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(ガッツリ豪奢展示のなかでは、アーモンド、干しイチジクにさえホッと。せめてもの中東的な匂い、、こういうものが皿に乗るようになっただけでも、少しは変化なのかも、、エアープランツはちょっと違うと思うけどな〜、、)

中東などで壁際のクッションで談笑し、床に並べられた美味しいものを和やかにつまむ、そういうのもいいと思うけどなあ。モロッコのテーブルなんて、すごくお洒落だと思うし。天幕の中だってカッコいい。もうちょっと、そういうテイストが紹介されればいいのになあ。マーケットサイズが小さくて、こういう場では無理なのかな。好きな人、少なくないと思うのですが。。

日本は、何気ない町中の食べ物屋さんでも、料理や季節と合わせたたくさんの器でもてなしてくれる。季節と料理とおもてなしの心が、セッティングを自然にしてくれるのかな。
などなど、いろいろ感じた見応えのあるフェスティバルでした。

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(多治見コーナーで購入したカップ類。色合いが穏やか。インドのブロックプリントと)
by orientlibrary | 2012-02-14 18:54 | 日本のタイル、やきもの