イスラムアート紀行

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「アトラス、デシン、更紗???」(結果は・・) 、絢香、Superfly

軽すぎ&私的なトピックです! どんよりイライラのニュースが多い昨今、こういうのがあってもいいのでは、、な〜んて!

久々、YouTubeで音楽タイム。とくに理由なく、「次の動画」をパラパラ見ているうちに、絢香さんの「三日月」に。自然の中で歌ってるね。え!? その衣装、、ん?!、、これは「アトラス」では?!?、、アトラスだよね!?

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(「絢香 三日月 0608 NHK G SAVE THE FUTURE ECO UTA 2008」よりキャプチャー)

 *アトラス* ウズベキスタンやウイグルの特産である絹の経絣布(絹と綿を用いたものはアドラス)。華やかな色彩と大柄の抽象的な文様が繰り返し表される。

でも透けててシフォンみたいに柔らかそう、、デシン?!ウズベキスタンのデシン?! こんな柄のデシンもあるの!?

*デシン(〜クレープデシン)*  「細い生糸で平織にした薄地の縮緬。たて糸に無撚糸、よこ糸に強撚糸。織り上げた後に精錬して細かいしぼを立てる。ドレープ性があり、柔かくしなやかなタッチが特徴」。別名フランス縮緬とも。 

気になって気になって、、静止してキャプチャーして拡大。YouTubeも10回以上(今、「異常」って出た=そのほうが当たってるかも!)見たけれど、テキスタイル素人の悲しさ、う〜ん、わかりません。でも、先入観かもしれないけれど、デシンっぽいというか、そう思いたい、、大胆なアトラスの模様でステキ!! (*注:正確にはわかりません!)

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(「絢香 三日月 0608 NHK G SAVE THE FUTURE ECO UTA 2008」よりキャプチャー)

デシン、なぜウズベキスタンにあるのでしょう。中央アジアがソ連だった頃、1950〜60年代に流行ったのだそうです。透け感と浮遊感。色柄も、いわゆる「サイケデリック」に合いそう。世界的な時代感覚なのかな。そして、その頃のデッドストックが今、売られているのです。

私も数年前まで、知らなかった。アトラス布に触れる機会が増えるにつれ、チョルスー(タシケントにある巨大バザール)などで時々見かける、この貴重なシルクデシンのことも知るようになりました。値段も高めなので、日本人が店に行くとデシンが出てきます。とてもステキです。

→ 気になるのは3つ。(1)前身頃のアトラス模様の布 (2)袖から後身頃の、カラフルで櫛模様のようなものがある布 (3)襟元と袖の一部にアクセント的に使われている布。それぞれ、いったい何?

→ そして次に、これはいったい誰が提供したんだ!?ということ。番組は、2008年6月8日放送の「SAVE THE FUTURE ECO UTA 2008」(NHK BS)。(=この日、この放送があり絢香が出演したことは検索をたどって確認。検索範囲内だけれど、年月日はこの日と考えていいと思う)

絢香さんの衣装。(1)前身頃のアトラス模様の布。デシン?? ここだけ普通のアトラスかもと思ったけど、柔らかそうだし、襟元をアップで見ると、透けている感じ。わ〜、こんな柄のがあるんですね〜!白地に、正円ではない楕円状の模様とペイズリーなど。縦方向の流れが出てきれい。→→→ <追記及び修正?>こちら、プリントのシフォンかもしれません。理由は後半に書いていますが、この時期欧米のデザイナーやメゾンが中央アジアモチーフをコレクションで発表していた。一点ものではなく、既製品なのかも???

(2)袖から後身頃の、赤や白や紺の模様がある布。櫛模様的なものしか、わからない。キャプチャーの限界。赤が絢香さんに、よく似合っている。

(3)襟元と袖の一部にアクセント的に使われている布。一瞬、ロシア更紗かと。花模様が更紗っぽい。美しい花模様の更紗は、通常、アトラス衣装の裏地に使われています。でも、質感が柔らかそう。ロシア更紗だったら、テンションもっと上がったけど。

*ロシア更紗* 19世紀になるとロシアでは綿花を主としてアメリカから輸入し、更紗生産では世界の中心地となった。ロシア更紗はブハラ商人の手を通して中央アジアにもたらされた。時々見える裏地に使われた可憐な花模様の更紗は、衣装を一層引き立てている。(「豊穣なる色彩 ウズベキスタンの布と器」) 

それにしても、この衣装、2008年ですか。スタイリストさん?現地の仕入れ? いやあ、現地の感覚と違う気がする。日本でデザイナーが作った?誰だろう。中央アジアファンとして、テキスタイルや工芸が、ジワジワとひろがっているのを、楽しみに見ていたので、気になるのです。

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(ウズベキスタンの染織工房)

<ブログにも何回か書きました>
● アブルバンディ・雲の織物。ウズベキスタンの絹絣(2007年9月19日)

ウズ風プリントが揺れる、街に、モードに!(2010年4月6日)

圧倒的にクールな中央アジア伝統染織!でも現代のアパレルは、、(2010年4月17日)

Atlas Today、色使いと模様が魅力、ウズベキスタンの絹織物(2013年2月18日)

日本のデザイナーでは、コシノヒロコさんのスザニコレクションは有名。東京都庭園美術館での「シルクロードの装い」展開催は2004年春。若い服飾関係者らしき人たちが、たくさん見ていたなあ。そういえば、ドン小西。初ウズが2011年だから2008年じゃないなあ。イッセイのブランド「PLANTATION」でもその頃、中央アジア柄を出していて、見に行ったけど、洗練されすぎでした。う〜ん、誰かいないか、、

ふと思い出したのが、高田賢三さん!たしかウズのファッションウイークに行っていたはず。元々が花柄を多用していたし、こういう高度な組合せができるのはケンゾーさんなのでは!?きっとそうだよ!

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世紀の大発見みたいに、がぜん色めきたちましたが、確認するとケンゾーさんの来ウズは「STYLE.UZ」(2008年10月12-17日開催)。いやあ、この頃は、「ウズベキスタン文化・芸術フォーラム基金」がガッツリ活動していたので、いろいろ華やかだったように思います。今は、、タブーですか、この話題。グリナラさん、、今どこに。

衣装が6月でケンゾーさんが10月か、惜しかった!ということで、私の遊びはここまででした。

キャプチャーして思ったけど、絢香さんは、どの瞬間もカワイイ。表情がイキイキして、この衣装と、とても合っていた。着こなして、魅力を引きだしていました。衣装を見たいかた、歌を聴きたいかた、こちらですよ!襟元が何かわかったら教えてくださいね〜。

→  FBコメントをいただき、気づきました!! 1990年代後半から一部のデザイナーが中央アジアのテキスタイルやモチーフを取り入れた斬新なコレクションを発表。とくにオスカー・デラ・ルンタは2005年頃から大々的に発表し注目を集める。ジョン・ガリアーノ、ドリスバン・ノッテン、バレンシアガ、さらにはグッチなど欧米のデザイナーやブランドは、2010年頃まで軒並み、パリコレ、ミラノコレで、中央アジア柄モチーフやウズベクの布を使ったコレクション発表してるんです。そこまでは、これまでもブログに書いてきたのですが、、それをスタイリストさんが取り入れた、というのが、いちばんあり得る線ですね! なんでそこが考えられなかったんだろう、、スッキリしました! いずれにしても、この3つの柄の組合せは、ウズの布についての知識と理解があるデザイナーさんだと思います。どうもありがとうございました! 





もうひとつ、こういう衣装を着て欲しい人ということでSuperflyの越智志帆さん。絶対似合うよ!たとえば、こういう中で。




カワイイなー!基本、ROCK AGEなので、いまだに好きです、こういう世界。Superfly、最高!

そして、このミュージックビデオ、何か懐かしさがあったのですが、「ルナ・パパ」(Luna Papa)だ!ルナパパを思い出す。1999年制作、タジキスタンが舞台の映画。不思議なファンタジーで、中央アジアに惹かれていった、ひとつのエポックでもありました。
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YouTubeのチラ見から、えらいところに来ちゃいました。長々すいません。これから、しばらく、「走りながら書く」にしようと思っています。「きちんとスタディして、まとまったら書く」ができないことが、よくわかったので(残念ながら)。ではまた!

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by orientlibrary | 2015-01-28 11:17

京都で出会う 伝統工芸(京鹿の子絞)、地蔵盆(タイルと祠)

蒸し暑さのなか、関西へ小旅行。「大阪市立東洋陶磁美術館」「河井寛次郎記念館」など、やきもの関係のお話は次回に。今回は、出会いと発見と再確認?のトピックで巡る大阪・京都編です。

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「みんぱく」でビデオを見る


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「中央・北アジア展示」より。実物大再現や記録は民族学博物館ならでは。左下はジオラマによるウズベキスタンの民家。レンガ〜土塀で囲まれ中庭があり果樹があり縁台があり。さすがによくできています。右下は女性の部屋再現。スザニ、赤ちゃんの揺りかごや糸車など)

まずは、みんぱく詣でから。今回、館内の書籍やビデオで、中央アジア関係、タイル(とくにモザイクタイル)関係の資料があればという期待があり、ビデオを4時間くらい見ました。結果からいうと、タイル関係で見たかった映像が10〜15秒あった。なので行った甲斐はありました。

15秒でも貴重です。イランの職人の映像で、モザイクタイルを作るために、タイルを細密にカットして、複雑な模様を裏返しにして並べていました。メートル単位以上の大きな面積です。ポイントは下にデザイン図が敷かれていたこと。知りたかったのは、そこだったのです。15秒でも重要なことでした。

中央アジア(〜北アジア)のビデオ、工芸はタゲスタン、音楽はトゥバが中心。タゲスタンのソ連時代(あるいは、その名残のある)工場でのフェルト作りが、なんだかリアルで臨場感がありました。ビデオにウズベキスタン関係がほとんどないのが不思議。

やはり映像は情報量が多く、一見して伝わります。装飾タイルやイスラーム建築、思う存分に映像が見たいけれど、、今の時代、YouTubeを探した方が早くて確実なのかも。以前ご紹介した、「University of Pennsylvania Museum」の記録映像(すごい!!)など、もう一度しっかり見てみます。その意味でも、いい経験になりました!


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京鹿の子絞との出会い


河井寛次郎記念館で見た雑誌で、岡崎の「京都国立近代美術館」にも河井作品コレクションが多数あると知り、翌日9時半に行ってみることにしました。

10点ほどの展示でしたが、大物もあり満足。せっかくなので、特別展「うるしの近代」も。こちらも展示点数が多く、京都漆芸の歴史と革新を感じることができました、、のですが、、見ているうちに、ものすごい疲労感が立ち上がってきて、何度も会場内の椅子に座って一息。

館内は静かで休める場所もあったので、しばらくボーッとしていましたが、予定では、その後に「細見美術館」「楽美術館」「清水三年坂美術館」と回るつもり。土砂降りの雨もあがったし、時間も限られるし、と、とにかく外に。細見美術館へと歩き始めました。が、ダメ。目の前の建物にフラフラと。「みやこめっせ 京都市勧業館」でした。

レストランで休みました。蒸し暑さ、雨と暑さが交互にくる天候、冷房、睡眠不足などがこたえていたのかも。温かい蕎麦で次第に復活。せっかくなので館内を見てみることにします。地下に「京都伝統産業ふれあい館」というスペースを発見。入ってみると、、、出会ったのです。「京鹿の子絞」に。実演と説明をなさっていた伝統工芸士(意匠部門、下絵図案考案と制作)の後藤和弘さんに。

「京鹿の子絞」、聞いたことはありますが詳しくは知りませんし、実物をじっくり見るのも初めて、職人さんからお話を聞くのももちろん初めて。けれども、すぐに引き込まれていきました。

京鹿の子絞、、図案を起こし、紙に描き、金槌のような道具を使って模様通りに小さな穴を開けていく。青花(あおばな)から抽出した液を用いて、刷毛で穴から布に模様を写す。色がついた小さな部分を50種類にものぼる様々な技法で、ひとつひとつ手作業で括り、染める。括りを解いたときに、立体的な模様が連続する布が姿を現す。行程ごとに分業。高度な技能を持つ技術者同士のつながりから生み出される作品は、足し算以上の技となって現れるといいます。

● 京鹿の子絞の特徴、作り方、魅力=京鹿の子絞振興協同組合のHPより

● 京鹿の子絞振興協同組合HPの「技法」を見ると、「下絵には青花等を用いること」とありります。

青花はツユクサの栽培変種。下絵に青花を使った場合、お湯につけると下書きの青は消える。大事ですよね。化学的な製品もありますが、時間が経つと消えてしまうものもあり、やはり青花でないとダメなのだそうです。

この「昔から京友禅や加賀友禅、絞りなどの下絵に使われてきた」という青花について詳細に説明のあるサイトがありました!!

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(青花のシルが凝縮して染み込んだ和紙。水をたらして左の特製刷毛で穴に刷り込む)

産地は草津。朝摘んだ手摘みの花を、その日のうちに手揉みし数度にわたりしっかりと漉して「シル」を作る。シルを薄い和紙に刷毛などで何度も何度も染み込ませては乾かす作業を何日も繰りかえすそうです。この青に惹かれました!

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(特製道具と細かい穴片。写された模様)

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(年代物の型紙。茶色く硬いですが、これ紙です。和紙に柿渋、そしてロウを塗るのだとか。大正元年、昭和二年などの型紙。いまも模様が生きているようにイキイキしています。美しい!!!!)

青花に続き、驚いたのは、後藤さんの先代であるお父さんの穴開け技法。なんと、火のついた線香で穴をあけていらっしゃったのだそうです。そのほうが曲線がきれいに出るということのようなのですが、線香であのキリッとした円が生まれるなんて。美しく精緻な型紙のために、そのような技法を考え、時間をかけて集中して日々作業されていた姿勢を思うと、頭が下がります。

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(細かい!しっかり括られているので、広げるとグンと伸びる。きれいな斜め45度の角度。緻密でありながら手仕事の温かみ。右の鳥と花も細かい!白がクッキリ。穴を開けるのも、括るのも、染めるのも、すべての行程で熟練の技がないとできない境地ですね!!)

美しいものに触れさせていただいて、どうもありがとうございました!

この後、「ふれあい館」内の図書館をチェック。かなりの充実度!(みんぱく以上?)。例えばタイルの書籍=INAXブックレットのシリーズ、TOTO(タイルの美)、さらに「ペルシアの伝統技術」まで。世界の芸術〜美術全集も揃っている!ただ、洋書が非常に少ないことと、全集などは古書の趣きであることを前提に、利用の仕方によるかなと思いました。全体をちゃんと見ていないのですが、京都関係、京都工芸関係は多数の本があったように思います。岡崎の散策途中に、資料調べ、読書に立ち寄るのに良さそうです。

さらに、友禅型染めの体験にハマり、気がつくともう美術館に行くどころじゃなかった。でも全然後悔していません。本当に良かった!いい時間でした。ありがとうございました。


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「タイルとホコラとツーリズム 」


急いで、中京区のギャラリーで開催されていた<タイル関係の展示イベント&トーク>に走ります。ふふ、タイル関係のイベントですよ!あるんですよ^^ タイル、イベントがあるんです♪「タイルとホコラとツーリズム 」展

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(「京都の街角を歩いた際、不意に地蔵菩薩や大日如来などを奉ったホコラを目にすることがあります。それらの多くはコンクリートや石詰みの基礎の上に木造の社を持つものなどですが、そのしつらえにタイルづくりを取り入れたものもしばしば見受けられます。今も街角に残るホコラには、それらが地域に受け継がれ、奉られてきた信仰の対象である事を伺い知る事が出来ます。また、しばしば目にするタイルづくりのホコラには、それらが受け継がれるにあたり、今日的な都市の様相を取り入れてきた歴史や変遷に思いを馳せるとともに、タイルという建材の持つ清潔さとホコラの持つ神聖さが無縁ではないだろう事を想像させます」)

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(お洒落なカフェの2階にギャラリーが。京都の街角にある地蔵祠を写真と造形で再現。たしかにタイル祠もけっこう多いですね。お供えもあり。特製MAPとオリジナルの「ご詠歌」がすごい!)

トークには「タバコ屋とタイルの会」の主要メンバーの皆さんも登場。会場は満員御礼。(地蔵祠がメインテーマですが)タイルと名のつくイベントが満員^^ すばらし!

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(祠周辺で採集されたタイルのカケラによる演出装飾。タイル研究の中村裕太さんによるもの。こういう発想は私にはできない。動きがあって面白いですね。タイルが軽やか。右上は大人気の和製マジョリカタイル風活用祠の再現)

自分が知りたいテーマを追いかける、現場を歩き、聞き、話す。記録し、創り、そして表し、外に向けて開く。そのマジさ、邁進感。同時に、楽しく見せる、人を巻込んでいく軽やかさや遊び感覚がいいなと思いました。

(イスラームのタイルについて、ここにいろいろ書いていたけど消去しました。自分のできることを少しずつやるのみ!!喜怒哀楽に流されて、それを忘れてしまう。いかんです!反省です!)

ちょっと疲れたけど、行って良かった、関西旅。次は、河井寛次郎さんゆかりの山陰、あるいはやきもののメッカ北九州。行きたい。
by orientlibrary | 2014-08-24 21:13 | 日本のいいもの・光景

真珠の世界史、東方見聞録、カロタセグ

真珠を旅する

e0063212_025377.jpg真珠の世界史 〜富と野望の五千年〜』(山田篤美著/中公新書)。『ムガル美術の旅』の著者が徹底的に探った真珠史。フォーマルシーン以外にあまり意識することのない真珠でしたが、卑弥呼から東方見聞録、帝国主義、養殖真珠、グローバル化まで、真珠をめぐる激動の歴史に驚きの連続でした。

まとめられないので、同書からの引用にて。

「古代ギリシアやローマでは真珠は最高の宝石だった。なぜなら丸くて美しいアコヤガイの真珠は、アラビア半島と南インドの海域でしか採れなかったからである。そのため古代ヨーロッパ人は希少な真珠に高い価値を置いてきた。真珠は、コショウや象牙、綿織物などとと同じように、オリエントを代表する富のひとつだった」
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(真珠の写真がなく仕方がないと思っていたそのとき、偶然入れたテレビが真珠の番組でビックリ。カメラを持ってきてテレビ画面を撮影しました。NHKの番組より/自然が生み出す丸くて美しい玉。神戸の加工工房ではミリ単位の大きさを一瞬で判断していく)

「十六世紀の大航海時代になると、新大陸のベネズエラ沿岸部がアコヤガイの真珠の産地であることが明らかになった。スペインはベネズエラの真珠の産地を支配。ポルトガルはアラビアとインドの真珠を手に入れた。こうしてヨーロッパには大真珠ブームが訪れる。十七世紀になると、ダイヤモンドの人気が増していったが、十九世紀後半に南アフリカでダイヤモンドが発見されると、その希少性が減少し、真珠がダイヤモンドよりも貴重になった」

15世紀、コロンブスが「発見」したベネズエラ。スペイン人は、当初は先住民が持っていた真珠を収奪するも、次第にカリブ海の無人島を拠点にしての真珠の採取へ。バハマ諸島でとらえた先住民を強制連行して海に潜らせる。潜水という重労働を朝から夜まで強いられた先住民は次々と命を落とし、民族絶滅の道に追い込まれます。

紀元前、ある博物学者は、「それを獲得するには人命をも賭けねばならない」として、真珠を「貴重品の中でも第一の地位、最高の位」と述べているそうです。清楚な輝きは古代より権力者の証、そして帝国主義の賜物。

「したがって二十世紀のはじめの日本の真珠養殖の歴史的意義は、ヨーロッパの支配者階級が二千年にわたって熱望し、カルティエ社やティファニー社が高値で販売していた真珠という宝石の価値と伝統を瓦解させたことだった。養殖真珠の登場で、真珠は大量消費時代の大量生産商品になったのだった」
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(NHKの番組より。神戸は世界有数の真珠製品の集積地なのだそうです。現在は南洋産の多彩な真珠が豊富に供給されており、日本で細密に加工されお洒落な製品に。フォーマル一辺倒ではない斬新なアクセサリーをデザインする日本女性も紹介されていました)

日本の養殖真珠は欧米による財宝の支配をグラグラと揺るがしました。その品質があまりに素晴らしかったため欧米では排斥運動も起きたほど。やがて日本は真珠王国に。けれども、「ほかならぬ日本人がこのことを十分理解してこなかった」。

古代日本でも最古の輸出品であり、戦後は外貨を稼ぐ救世主となった真珠。「日本は長い間真珠王国だったが、いったいどのくらいの日本人が貝から真珠を取り出したり、その真珠の神秘的な美しさや輝きに感動したことがあるだろうか。真珠と産地が一体ならば、私たちはきっと海の環境にも目を向ける」。結びの言葉は、「豊穣な海があり、美しい真珠があること、それが日本の原風景なのだから」。

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東洋文庫ミュージアムで『東方見聞録』を見る

真珠史でも鍵を握ったマルコ・ポーロの『東方見聞録』。現在、文京区の東洋文庫ミュージアムで、「マルコ・ポーロとシルクロード世界遺産の旅~西洋生まれの東洋学~」展開催中。
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(東洋文庫ミュージアム。上段右がアントワープで出版されたラテン語訳本。下段は世界で出版された『東方見聞録』)

『東方見聞録』では、日本は「莫大な金を産出し、宮殿や民家は黄金でできているなど、財宝に溢れている」との記述があるようです。

一方、『真珠の世界史』での『東方見聞録』は、次のように紹介されています。「この書物は紀行文というよりも、オリエント世界ではどこにどのような特産品があるのか記された情報本だった。きわめて役に立つ本で、たちまち当時のベストセラーとなった。百四十以上もの古写本などがヨーロッパ各地の図書館に残っている」。

『東方見聞録』、真珠についても情報が。オリエントの真珠産地は、日本、中国、南インドとセイロン島の三カ所。丸くて美しい真珠の産地は、世界でも日本と南インドとセイロン島だけ、と。これらの地域への到達がヨーロッパの支配者の悲願になりました。

展覧会では世界で出版された同書が多数展示されています。なかでも目玉は、1485年、アントワープで出版されたラテン語訳本。世界で3番めに古いもので、西洋で最初期の活字印刷物にあたる貴重な書だそうです。

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中央アジア人、予告編

「中央アジア人」、小さな予告編です。第2回は漆芸作家の中村真さん。ウズベキスタンで中央アジアの民族造形の調査研究をおこない、タシケントの工房で楽器制作と修理を習得した中村さんの報告書と、先日お聞きしたお話をもとに、書いてみたいと思っています。ドゥタール、カシュガルルボップについて、長い時間をかけてその行程を追った制作記録が圧巻。
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(アトリエにはウズ愛あふれる不思議グッズがたくさん。音楽もウズポップ。楽器が美しいです。私の陶芸の先生Kさんの先輩でもある中村さん。3人で語りましたね〜。楽しかったです)

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フォークロアの宝庫、トランシルバニアのカロタセグ

「イーラーショシュとカロタセグの伝統刺繍」展。「トランシルヴァニアの片隅にひっそりと、煌びやかな手仕事の文化が花ひらきました。その多彩で豊富な刺繍の世界を、コレクションとともにご紹介します」「カロタセグを代表する刺繍「イーラーショシュ」をはじめとする、農村を土壌に生まれ、育った美しい手仕事の数々。今年発売された二冊の本の出版記念として開催いたします」(手芸研究家・谷崎聖子さん)。
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(展示会場写真がないのが残念〜撮ってもよかったようです。圧倒的な衣装や刺繍、ディスプレーをお伝えできないことは残念ですが、自身は一期一会と思って、本を見ながら想像を広げようと思います。下段中と右がイーラーショシュ)

東欧は行ったことがなく、ほとんどわかりません。でも小説や音楽や衣装など、断片的には見ており、興味は大きいのです。展示は、まさにフォークロアの宝庫を感じさせるもの。とても充実した展示でした。ブログや書籍の写真がまた、ものすごくいい。ステッチや図案も詳細。

主催者である谷崎さんの熱い気持ちが伝わります。熱ですね。調査、蒐集、研究、発表、展示、すべて熱。あふれるようなものがないと、伝わらない。ルーマニアの刺繍は赤が多く、可愛く強い。強烈に重い密度。自然のモチーフが多彩。魅せられた気持ち、わかるなあと思いました。

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船でしか行けない秘境の温泉

平家の落人伝説が残る秘境の宿、しかも交通手段は船だけ。それが「大牧温泉」(富山県南砺市)。遊覧船が遡り行く庄川は紅葉の盛りです。前日に降った雪が遠景の山にうっすらと積もり、前景は赤や黄色の紅葉。川面に映る紅葉が絵画のようです。

大牧温泉は、1183年、合戦に敗れた平家の武将が源氏の追撃を逃れ隠れ家を求めてこのあたりをさまよっていたとき、豊富に湧き出る温泉を発見。その湯を口にし湯あみをして創傷の身を治したのが始まりとの由来が。

かつては峡谷の底に村落があり、村人の湯治場でした。1930年、ダムの完成とともに村落は湖底に没し、温泉宿一軒だけがダム湖と切り立つ断崖の間に取り残されてしまいます。

温泉を何とか続けようと、源泉を湖底から採り込み、船を頼りに再興されたのが現在の大牧温泉の基。
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(40分ほどかけて深緑色の川を遡る。関東や関西からのツアー客で満員。紅葉シーズンが観光のピーク?宿の人によると、「冬が一番人気」なのだそうです)

日本の百名湯にも選ばれた湯質、ホカホカあったまります。富山の民芸・工芸を訪ねる小さな旅のひとこま、でした。民芸はまたの機会にご紹介できればと思います。

民芸ついで、と言ってはなんですが、「今どきの民芸」、盛り上がってますね〜。雑誌「nid」でも「民芸はあたらしい」特集。民芸のある暮らし。まだ熱中が続いている私がチェックしているサイトの主催者や時おり出没しているショップのオーナーも。お洒落だな〜。センスがいい。ほんと、いい感じ。
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(民芸と特集する雑誌「nid」。下段中と右は、セレクトの眼が冴える「工芸喜頓」さんにて。いろいろ欲しいよー!久々の物欲上昇)

民藝という視点では、「違う(本当の、本物の民藝ではない)」という意見もあるのかもしれない。でも、やきものや手仕事で心が満たされ、日々が潤うのならば、いいのでは。個人的には、器で美味しさがこんなに違うのかと眼からウロコの日々です。

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今回もバラバラな話題です。まだまだトピックがあるのですが、なかなか書けません。ひとつのテーマを深めた長編?もトライしたい。元気でやってるんですが、とにかく日の経つのが早いとしか言いようがないのです。せっかく訪ねてくださっているのに、、なるべく間をあけずアップしたい。12月、ブログも走りたいと思ってます。最後にタイル写真をどかん!と。

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(ナディル・ディヴァンベギ・マドラサ(ブハラ)/Nadir Divan-Beghi madrasah, Bukhara, Uzbekistan)
by orientlibrary | 2013-12-07 00:03 | 美術/音楽/映画

春のアトラス/アジアな手仕事/ウズフード

黄、赤、紫、色とりどりの花々、まだ少し肌寒いけど、春の明るさって、やっぱりいいな。というわけで、布も花咲きます!明るい色の布、ウズベキスタンの絣布「アトラス、アドラス」。

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(「シルクロードの贈り物」展示品より。サテンが入ったような光沢のあるもの。以前は引いていたけれど、最近はこういうのが好きになってきた。左下の白地系のアドラスの手触りもいいです。アドラスは日常使いできるのがいい。夏にサラッと着られそうです)

以前は、日本人には派手すぎ、実用には無理、と私も思っていました。でも、見る機会、触れる機会が増えるにつれて、だんだんこの明るく強い色合いに親しみを感じるようになりました。
いろんな経緯から、すでに相当な数のアトラス&アドラスを持っているにも関わらず、またどんどん増えています。こうなったら、ふだんも使いますよ〜!

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(同/モワレがきれい。光沢が魅力的。そして大きな文様。色!なかには日本の着物の柄のようなものも。きれいは世界をつなぐ)

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(同/色合わせがすごい。原色だけでなく、微妙な色を使って意外な組合せをしている。本当に魅力的な布)

ウズの青い陶器が止まらない時代を経て?、アトラスが止まらない?陶器は郵送の事情などもあり、止まってます。それが健全かも、、

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友人が骨董市で「これは昭和のものだから!」と強調されたと、複雑な顔。昭和って、すでに骨董?ま、それもまた良し。だって、こんなにいい感じですもん!

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(西早稲田の昭和な路地の一角にあるギャラリー。イベント時にはカフェも)

先日、西早稲田の「もくれんげ」という一軒家ギャラリーでの展示「彼方の手 此方の手 Vol3」に。アジアの藍染め衣料Ogさん、インドの刺繍などの手仕事Kocariさん、諸国アンティークFUCHISOさん。個性とセンスのゴールデントライアングルのような組合せ。「もくれんげ」さんも、昨秋一目惚れしたギャラリーです。

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(Ogのアジア服。陽射しが似合う。アジアの風を感じる時間。右下は「まかない」のランチ、いい感じなのでパチリ)

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(Kocariさんのラリーキルトは女性の憧れ。気持ちが華やぎます。ワクワク。お客さんたちも皆さん、ふんわりのいい笑顔)

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(FUCHISO。写真で伝えられないのが残念ですが、ディスプレー、素晴らしかった。さすがです。徹底したものが伝わってきました)

ついつい長居してしまった、心地いい展示会でした。ありがとうございました。

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冬のウズ旅、タシケントから少しずつ、と写真を準備していたのですが、なんか中途半端になりそうなので、今回はバザールやその周辺の食をご紹介したいと思います。

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(冬が過ぎ春になると野菜が出てくるウズ。バザールもフレッシュな色合いに。野菜のサモサ、食べたかった)

緑で爽やか!から、こちら不思議系!バザールの総菜売場、独特の陳列。にんじんサラダ山。積み上げますね〜。中央アジアのバザール、この積み上げ系が多いですが、いつ頃からこのような形式に?
疑問なのは、どうやって売っていくのかということ。下の方はどうなっているんでしょうか。売れていくと下に洗面器を置いて底上げするんでしょうか。謎です。

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(にんじん山のミニバージョンに挑戦しましたが、あえなく挫折。にんじんをこの量切るのは大変なことだと実感/馬の腸詰めと聞きましたが、、/麺と馬肉というウワサ/魚のフライらしい/ウズ名物クルタ。真ん丸だけでなくいろんな形があって楽しい。味は、、塩辛く酸っぱい/お醤油色のはよくわからない食べ物だった。タケノコを軟らかくしたような食感。謎。ウルグットのバザールで。地方の食べ物なのかなあ)

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(スーパーマーケットのレジに突然魚があってビックリした。干物よりもレアな感じ。チキンのオレンジ色もすごい/ノウルーズの定番スマック/飾りなのかドライなのか今も不明、リンゴ/これは食べる用のブドウと思われた/不思議なもの。不明/哀しい食事。肉類苦手な私、たまには温かいものを食べたいと。ラーメンは韓国製インスタント麺。これで15000スム。750円くらい。。。日本はすばらしい。外食もスーパーも何でもあるし、値段もこなれている)

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青のfacebook、「青の陶器とタイル好き * blue ceramic museum」よりサマリーです。

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(ウズの青い食器/イランの絵本の青/カシュガイ族の絨毯/カラーン・モスク(ブハラ)/ウルグベク・マドラサ(サマルカンド)/グール・アミール廟(サマルカンド))

更新が遅い上に、まとまらない内容ですが、このへんでアップします!

イランの地震、心配です。
by orientlibrary | 2013-04-16 23:37 | 絨緞/天幕/布/衣装

Atlas Today、色使いと模様が魅力、ウズベキスタンの絹織物

アトラスです。大急ぎにて。ウズベキスタンの絹の絣布アトラス。大胆な模様と目の覚めるようなイキイキした色使いで、近年は欧米や日本のデザイナーにも注目されています。

まとめる余裕がないので、そのまんまですが、、「University of Nebraska - Lincoln DigitalCommons@University of Nebraska – Lincolnより。“Atlas Today: Patterns of Production, Bazaars and Bloomingdales Uzbekistan and Xinjiang, China”(Mary M. Dusenbury/2007〜2008年の調査による)」を意訳してみました。そのままの正確な訳ではないので、その点、ご了解くださいね。

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(マルギラン〜ウズベキスタン、フェルガナ〜の専門職家庭/2011夏)

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19世紀、中央アジアのハーン国、オアシスの街々では、統治者や富裕な商人、経済的な余裕のある男女は、大胆な模様の経絣、ベルベットの式服を纏っており、そのデザインの多彩さは驚くべきものであった。19世紀の絣(ikat/イカット)の衣装、織物は、今日の博物館や個人のコレクションとして記録や写真が残っている。1970年代以降は、蒐集家、ディーラー、研究者の関心の的となっている。

この大胆なイカットは、19世紀初頭より富裕で洗練された美意識を持つ人々の支持を得て、素晴らしい多彩さを見せている。19世紀末には、この「アトラス atlas」は富裕層だけでなく、簡素なタイプのものならば中央アジア中の人々(さらにはチュルク系のウイグルの人々)が着るようになっていた。

1865年、フェルガナ盆地コカンド・ハーン国の指揮官がパミールの山々やその周辺を行進したが、フェルガナの職人が作る豪華な彼のコートはしっかりと地元の人々の印象に焼き付いたようだ。数年後にはウズベクスタイルの絹絣のガウンが、かの地を訪れた商人や冒険家に提供された。今ではそれがロンドンのビクトリア&アルバート美術館の重要なコレクションとなっている。

ロシアの中央アジア支配、ハーン国統治者の死後には、安価な工業製品の布が広まり、絣織アトラスの豊かな伝統は荒廃した。本物のイカットは、安価な模造の絣に取って変わられ、模様はプリントとなった。ロシアと中央アジアの起業家たちがタッグを組んでフェルガナ地方を商業的なシルクの生産地に替え、今日に至っている。商業的とは、手織りと機械織りの両方を含む概念として理解されよう。

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(マルギランの著名な生産現場/2012夏)

中央アジアでの今日における手織りイカットの心臓部は、ウズベキスタンのフェルガナ地方にある。ソ連崩壊後、織物を家業とするいくつかのファミリーがアトラス織の復興に取組んでいる。その主役は、ファミリーの4代め、5代め、6代めの世代である。

復興に取組む若手世代は、数十、いやそれ以上の複雑な行程を要する絣布製作の主要なメンバーでもある。また製作の行程に欠かせない専門の技を持つ数百もの職人の家々を束ねているものもいる。デザインやマーケティングも重要であり、インターネットで国際的な市場を調査する担当もいる。

最高の製品の多くを仕入れるのはトルコのディーラーである。父親世代はトルコに何度となく出向いたものだが、今の世代はインターネットで商売する。繊維産業には、監督官や財務の担当者も必要だ。多くの工房を見回り進捗状況を監督する。若手世代は、商人であり主要な制作者であり、プロデューサーでもあるといえる。

フェルガナ盆地とウイグルは生産において連動したネットワークを有しているが、それは複雑であると同時に流動的である。例えば、織り機は自分のものだが、経糸はすでに作られたものを購入する人もいる。フェルガナ盆地では多くの織り手は自分の設備を持たないが、仕事と糸は監督者から提供される。シルクの糸繰り機は動力のある設備により速度が向上した。手紡ぎ、手染めの糸は小さな織機で良く織りあげられる。

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(マルギランのアトラスをリードする工房にて/2012夏)

現在、アトラスのテーマは、他のシルク製品といかに差別化するかという段階に来ていると考えられる。ウズベキスタンでもウイグルでも、バザールには数えきれないほどのアトラスが売られている。売り手は、販売が好調で伸びていると話す。プリントのイカットは、中国や韓国で生産されている。街角で見られる大半の「アトラス」は高価ではないが化学繊維のものだ。ギラギラしたベルベット風プリントのアトラスにも魅力はある。

マルギランの木曜市、そこには多様な図柄の手織アトラスが登場する。ウズベキスタンだけでなく隣国からの商人たちが、きらびやかな模様と色の素晴らしい、このアトラスを仕入れに来る。デザインは季節ごとに変わり、ディーラーや蒐集家の購入意欲をそそる。

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(アトラスにまつわる写真/工芸博物館の絵画、お土産物、バザールの人形、ホテルの部屋のカーテン)

ウズベキスタンでは、現在、女性用の絣布の衣装は種類豊富になり、デザインや材質、シルエットも様々だ。アトラスは文化遺産であり、国や民族のアイデンティティの象徴にもなっている。

アトラスは、国際的なデザイナーたちにも注目され取り上げられている。例えば、オスカー・デ・ラ・ルンタは、いち早くマルギランのベルベットイカットとアドラスを使った。ラルフ・ローレンもコレクションで、手織り、プリント両方のアトラスを紹介した。

21世紀に入り、アトラスの大胆な柄や目の覚めるような色合いは、ソ連時代も伝統技術を脈々と守り抜いた幾世代もの職人たちの忍耐を賞賛し、アトラス新世紀に向けて復興し、子孫代々隆盛させようとしている彼らのビジョンと決意を示している。

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青のfacebookから、サマリー。一部です。

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(イラン90年代街角の青/サマルカンドのグール・アミール/カシュガルのアパク・ホージャー廟/キュタフヤのラスター彩/ブハラ・青の輝き/サマルカンドのシャーヒズインダ墓廟古写真)

ウズベキスタンに行ってきます。厳寒装備です。ではまた!毎日寒いですが、ご自愛くださいね!
by orientlibrary | 2013-02-18 23:33 | 絨緞/天幕/布/衣装

中央アジアの工芸・芸能、そろそろくるかな!?

ブログ更新できず、時間がたってしまいました。映画、展覧会、本、布など、書きたいこともあるんですが、、このところ、歯治療(根っこのあたりが細菌感染)と軽い風邪で、ずっと微熱状態。冷えピタが乾いてしまう。歯のズキズキ感が時々やってくるけど、治療中なのでこれ以上どうしようもないし鎮痛剤で効くものでもなさそうので、時の経過を待つという残念な状態。
テンション上げようと(というか、ある種、妙に上がっている)いろいろやってみてましたが、集中作業がしにくい。ほんと根性ない、、情けない、、、 でも、元気にしてます(変かもしれないけど、基本は元気)。。

今回は写真のみのアップで、、しかも、これまでにご紹介したものもあるんですが、ご紹介したいアングルがたくさんあったので、この機会にアップです!  イタタタ、、、(>_<。。。)))))))

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(Kannotextilevol.2 展示より/上左:ウズテキスタイルの魅力が伝わるポーチ類。真ん中は手織りベルベット/上中:シャツやワンピース、すべてハンドメイド/上右:ベカサムというストライプが特徴の布のワンピース/下左:ラカイの刺繍を使ったブーツ/下中:ラッキーなゲリラライブ!/イギルというトゥバの楽器、哀愁ある風のような音でした。多謝!)

以前ご紹介した「Kannotextile」さん、10月初め頃に一か月のウズベクの工芸と布調査旅を終えて無事帰国と思ったら、即仕事に突入。入手した布で短期集中、ステキな服たちを作りあげ月末には展示会。この疾走感と密度、すごいな。
そして服、とっても良かった!仕立てがていねいでベーシックなかたちなので、大胆な柄が生きる。こんなに洗練されたアトラスやアドラスやベカサム、、とてもうれしかった。感慨です。

ウズや中央アジアの染織は、やはり魅力あります。私もスタディして、またご紹介できればと思います。

写真下の2枚は、ギャラリーでの「ゲリラライブ」。トゥバ音楽演奏家寺田亮平さんが、たまたまコンサート帰りに楽器を持ってギャラリーに遊びに。流れでライブに!衣装まで纏って頂き、ふだんなかなか聴けないトゥバの音楽を対面で聴かせてもらって、本当にラッキー!うれしかった。素晴らしい喉歌もたっぷり聴かせてもらいました。寺田さん、どうもありがとうございました!

そんな寺田さん渾身の企画、「中央アジアの音楽 テュルク・ミュージック・イン・トーキョー」が、2013年1月27日(日)開催。こちらでも、また随時ご案内します!

最近は、ウズベキスタンダンスも人気だし(一部?)、kannoファッションもカッコいいし、音楽も多彩だし、なんてったって染織や陶芸、木工、金属加工等、工芸の奥行がすごいし、「中央アジア」、そろそろくるかな!?!?^^

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8月のウズ行きで、ウズ(〜中央アジア)染織の中心地マルギランへ。海外のバイヤーさんも訪れる有名な工房へ。さすが、質が高い。全然違う。発色がパキッとしている。模様、デザインが鮮烈。色合わせのセンス。そして手触りが違う。なめらかで持って気持ちいい。ちょっとハマりそう、、

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「フラグメントからアンティーク絨毯まで。「コレクター」という人生の愉しみ方」と重複する写真もありあますが、衝撃まだ冷めず、再度ディテールのご紹介。自分の好みなんですが、ほんとにこういうフラグメントやクタクタになったものが好きです。。

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(トルクメン、テッケ族、女性衣装「chyrpy」)


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(Central Asian Silk Velvet Ikat )


<突然ですが、展覧会情報> 
世界各地のさまざまな織りや染めの技法を紹介する展覧会、「織りの服、染めの服」が文化学園服飾博物館で開催中(12月22日まで)。ホームページの記述や写真では、なかなか展示内容が伝わらないのが残念。織の構造見本が多数あり、とても勉強になりました。

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布ものが続いているので、土ものを少々。タシケントにあるティムール博物館の内部空間と展示されている陶器の一部です。陶芸好きにはうれしい博物館。ゆったりしていて、じっくり好きなだけ見られます。

<突然ですが、土つながりで、、>
facebookのシェアから知った「久住章のトイレット」(シェフと庭師Mの庭造り日記)、左官の神様と言われる久住章さんとの仕事現場で感じたこと、メイキングストーリー。みずみずしい感性で、久住さんからたくさんのことを感じ、学んだ若い庭師さん。久住さんの言葉にしびれる。庭師さんの文章も素直で、とってもいい。良かったです。

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(以下、一部引用)
ある時、「今後の左官に必要なものはなんやとおもう?いや、建築業全体にいえることでもあるな。」と久住さんが私に質問してきました。工事現場で交わされるにはあまりに高尚な質問で、もちろん、建築関係の仕事をしている私としては即答したいところですが、その答えなど用意しているわけがありません。

「今の左官屋に足りないことは、幸せ感や。技術的なことやないねん、実は。要するに壁を塗ることで、人を幸せにしようと思う気持ちやねん。本気で幸せにする気がないと、決して壁で人を幸せにすることはできへんねん。今は日本中しょうもない建物ばっかりやろ。でもこれは、能力のない建築家がいかに多いか、ということやねん。能力がない建築家は完成度をあげるために緊張感を上げるようなデザインをするんやけど、でも、それは、結局お施主さんへのごまかしなんや。そんなもんすぐ飽きてしまうし、もちろん、リラックスなんてできるわけないやろ。本気でお施主さんを幸せにしようなんてちっとも考えてない。これからの建築業はいかに人を幸せにするかやで。その点、ケーキ(施主がパティシエ)はすごい幸せにする力があるよな。我々もこれが必要やねん。」
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職人さんって、ほんとにいいな。

それに引き換え、ダメダメな私(泣)。まとまりなく、失礼しました。とにかく一度アップしようということで書いてみました。また次回!お元気で☆

(わ、、まとまらない文章なのに、、いいね、をたくさんありがとうございます。m(_ _)m)
by orientlibrary | 2012-11-09 19:09 | 日々のこと

望月真理さんのミラクル刺繍ワールド。眼福のカンタ、カシミール

刺繍家の望月真理さん、初めてお会いしたのは2004年の夏でした。手仕事好き仲間と訪ねた福島いわきにある真理さんの工房。広い縁側のある古民家、裏には竹林が。
先生のお弟子さんたちも集まってくださり、皆さん持ち寄りのいわきの海の幸を生かした郷土料理を美味しく頂き、会話も花咲き、夜は花火をして、、とても楽しい夏の旅でした。

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(望月真理さん作品)

そのとき拝見した真理さんのコレクションには圧倒されました。アジアの山岳民族、インド、バングラデシュの衣装や刺繍のすばらしさ。けれども拝見したのはごく一部。量もすごかった。
その後、「美しい世界の手仕事プロジェクト」(2008年7〜9月/4企画)という文化紹介プロジェクトをおこなうことになり、第1回に真理さんの「カンタ」コレクションと自作カンタを展示させて頂きました(2008年7月開催)。経緯を他のブログに書いています。

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(2008年7月/orientlibrary/ 「美しい世界の手仕事プロジェクト」より)
とても全部は見られず、一部だったのですが、拝見したもののなかにバングラデシュのカンタがありました。カンタ、、見たことはありました。素朴な民衆の刺繍という印象を持っていました。

望月さんのカンタも、同じように素朴で、手仕事のあたたかさがありました。でも、それだけではない、なにかとてものびのびしたものを感じたのです。どこか「突き抜けている」感じというか、、。

のびのびと描かれた自然や人々、ユーモラスでゆったりした感じ、チクチク刺繍を楽しんでいる様子。でも、そのおおらかさのなかに何か強いものがある。根本的な姿勢、視点のようなものがある。

とらわれず、ものごとを受容していく強さ、人生を肯定するたくましさ、否定しないあたたかさ、ユーモアで何かを乗り越えていく感じ。ほんわりしたテイストのなかに潜む駆動感や突き抜け感。自由、自由だと私は思いました。精神が自由なのだと思いました。

数あるカンタのなかから、望月さんが惹かれたもの、望月さんの眼が選んだもの。望月さんの個性、生き方と波動が重なり合うもの。セレクトされたカンタからあふれる、おおらかで自由な精神のありように、蒐集とはこういうことなのかと思いました。
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(真理さん作品のカンタ。大きな構図の中の小さな小さな動物たちですが、ついつい写真を撮ってしまいます)

真理さんは1926年生まれ、86歳。ヨーロッパ刺繍を学んだ後、カンタとの衝撃的な出会いがあり、東南アジアの山岳民族の刺繍に魅せられていきます。

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(真理さん文章 「カンタについて」)
インド、バングラデシュは、以前は国境がありませんでした。インドのウエストベンガル地方です。バングラデシュのジェソールあたりを中心として、カンタと呼ばれる刺し子が、かつて多くの家庭で作られていました。古くなって使用に耐えられなくなった木綿のサリーやドウティ(男性衣)を大切に保存しておき、目的に合わせて何枚か重ね、思い思いの図柄とそのまわりの空間も細かく刺し、ふとん、敷物、包む物等を作ったのです。これらは見事な民衆芸術の域にまで昇華しました。今ではこの仕事をする人もなく、この貴重な文化は途絶えてしまいました。

私が初めてカンタを知ったのは、1979年カルカッタの国立博物館で、その時の驚きと興奮は今も忘れられません。もちろん教科書もなく、作る人もいなくなり、十回に及ぶインド、バングラデシュの調査探訪が始まり、古いカンタを譲り受け、それを元に研究してまいりました。

カルカッタのグルサディミュージアム、アストッシュミュージアム、デリーの国立博物館は素晴らしいカンタがありますが、バングラデシュのダッカの国立博物館は数も質も見事な物ばかりです。この文化の途絶えるのを惜しみ、シルクロードの終点である日本で受け継いでいきたいと願っております。
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(2012年10月、4日間だけの開催だったコレクション&作品展。作品も多彩でアップしきれません。各地の技法の組合せ、日本の古布とのコラボ、韓国のポジャギ作品なども素敵です/上中右=家族四代の記憶と題された作品。真理さんのお母様の大島に真理さんが刺繍。絵はお孫さんが描いた絵を娘さんが拾い集めて保存したもの/下左は藍の古布、モン族の継ぎ合わせ)

真理さん、カンタとの出会い、53歳のとき、、それからの展開、すごい!
インドの雄大な絵を描いた画家の秋野不矩さんも、初インドは54歳。インドに魅せられ風景や自然、寺院などをモチーフに作品を制作。そしてインドにとどまらず、ネパール、アフガニスタン、カンボジアなどを旅した日々は、真理さんと重なります。インドからの刺激、大きいものがあるのですね。

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(真理さん作品カンタの細部)

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(柳宗玄さんの文章より)
家族のために心をこめて針を刺す。手間のかかる程愛情が布に移り、こうして作られた布は例外なしに見事である。
見方によれば雑巾の一種であるが、また見方を変えれば最高級の芸術品なのである。しかしカンタの時代はもう終わった。今も作ってはいるが、市販のけばけばしい色糸を用い、手間を出来るだけ省こうとする土産物である。
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柳さんの言葉、各地の手工芸全般に共通する部分もありますね。家族のためにコツコツと作っていたものに宿る美しさ。それが製品になったときにはどうしても効率が求められ変容していく。でも、土産物としての販売は貴重な現金収入になります。
またむしろカラフルで楽しく、期待される(わかりやすい)土地のイメージシンボルが入っている図柄の方が、旅行客に人気があるかもしれません。カンタだけではなく、伝統を今に生かす道として一つの流れになっているように思います。

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(真理さんコレクションより/上中はピーニャ(パイナップル繊維布)/上右はヨルダン/中左は透ける刺繍/中中はカシミール/帽子やミラー刺繍等)

サービス精神旺盛な真理さん、いろんな話をしてくださいます。
「(山岳の部族では)刺繍のできる女が敬われるのよ。刺繍の上手な順にお嫁に行く。なぜかというと、刺繍が上手ということは、根性がある、創造性がある、時間管理ができる、というその土地で暮らしていくのに大事な才覚があると考えられているから」

「刺繍は針と糸と布があれば、いつでもどこでもできる。手を動かすことに没頭できるって大事なこと。老後の趣味にはカンタが一番いいわよ」

「10年後にはどんなことをしてるかしらね」

わ〜、、 まいりました。日々老化を感じて溜息、、なんてついてる場合じゃないです、、ガツンです。

そして、じつは話が盛り上がって、、「仕方ないわね、秘蔵のものを見せてあげるわ」とバックヤードから出してきてくださったもの。ガツーン!カシミールの刺繍です〜!!!元々、こちら系が好きなうえに、素晴らしい逸品で、、先日のトルクメンのフラグメントに引き続き狂っちゃいました。。

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(カシミールショール。ペイズリーの刺繍が群生する植物のよう。藍色一色、凛と潔い作品)

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(カシミールショール。これ、熱狂しました。品の良い色合い、愛らしい花模様。洗練)

また袋に入れて封をして仕舞われました。ひとときの眼福眼福。

じつはこのショールに負けないくらい惹かれたのが、ボロボロになったカンタ。真理さんが「これを見て研究した」というカンタ。写真アップしようか迷いましたが、あまりに個人的な趣味なのでやめておきます。が、野趣ともいえるような強烈なパワー。まいりました。

アフガニスタンのことを書こうと思っているのですが、素晴らしいものを見るとついそちらが先になり、なかなか書けません。アフガンもウズも、もうかなり寒いでしょうね。日本も秋深まってきました。
by orientlibrary | 2012-10-28 23:29 | 絨緞/天幕/布/衣装

フラグメントからアンティーク絨毯まで。「コレクター」という人生の愉しみ方

いくつになっても、ワクワクする「出会い」はあるもの。そして出会いは、どのようにして出会ったかの場面によって、ずいぶん印象が違います。
古いやきものやテキスタイルとは、博物館やギャラリーで対面することが多いですが、好きなものに出会ったときには、ガラスにおでこをくっつけて一人で熱狂、感動。

でも、コレクターを訪問して、お話を聞きながら、ゆっくりじっくりたっぷり見せてもらうときの、モノとの出会いは格別。コレクターの熱が移り、、こちらも熱に浮かされてきます。見ている全員で、没頭と浮遊の狭間のようなハイな状態に。

絨毯やテキスタイルのコレクター、taiさん宅に蒐集した品々を拝見にうかがいました。蒐集は人柄ですね。taiさんのモノたちは、古くて傷んでいるものもあるけれど、それが「味」。クタ〜ッとしたところがエレガントでかわいくて、時間の経過がモノが持っていた世界をより深めている感じがします。そういうものを「選ぶ」。眼ですね。いや、心かな。
そんなわけで、今回は、見て触れて狂ったすてきなモノたちを、なんちゃって写真ではありますがシェアさせていただきます。

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きゃ〜!、、、かわいい!! taiさんにとっては「前菜に、まずこちらを」という感じだったと思いますが、私には主役級。ドカ〜ン。

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(トルクメン、テッケ族、女性衣装「chyrpy」(マント状の衣装)、フラグメント化していますが、そこがまた想像力をかきたてます!!)

元はこんなのですか〜?(↓)こんな黄色だったんですか〜?
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(Tekke Turkmen Chyrpy  Seref Ozen
Cocoon
Istanbul, Turkey より引用)

tribesakakiさんによると、「黄色は男子を出産し成人させた女性、白はめったにありませんがたしか63歳以上(61歳だったかも?)と聴いた事があります。濃紺や黒地は一般女性です」、「フラグメント化していましたが、紋様はばっちり残っていて一つ一つがテケ族の伝統モチーフでした。裏に使われていたラジャスタンの鬼手更紗も見事なもので、時代を感じる事ができました」とのこと。

フラグメントが興味深いのは、繊維や構造が垣間みられること。タイルや陶器の「かけら」にグッと引き寄せられていく私、布も断片にすごく惹かれます。なんでしょうか、この感覚。
裏地の木綿木版更紗に描かれたざっくりした模様のかわいらしさ。真っ赤で丸みのある花たち、青と赤の太陽のようなモチーフ、生命の樹のようなギザギザ。褪せた黄色。やわらかい。やさしい。
taiさん言うところの「老貴婦人」のエレガンスにやられました。はぁ〜。。。

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何気なく置かれた数十㎝の小さなクタッとした布、、こちらも「前菜」だったと思いますが、当然強く反応。だってウズのベルベットじゃないですか!

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(Central Asian Silk Velvet Ikat )

色が褪せていても、いい味わいの色合いになってますね〜。寄って見たときの、かすれ方がたまりません。色が落ちた青が渋爽やか(こんな言葉あり?)。

こちらに全体のイメージが。例えば、赤のベルベットはアップで大きく見るとこんな感じ。生き物のよう。立派な衣装で展示されているのもいいのですが、小さいものから大きなものを想像する。これが楽しいな〜。

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本当はここからが本題。taiさんはトライバルラグ(部族絨毯)とキリムのコレクターなのですから。とくに、バローチ(Baluch)とカシュガイ(Qashqaie)。私にとってうれしいのは、両者とも青がきれいなラグであること。赤系があまり得意ではないので、絨毯で青を楽しめるのがうれしい。
そんなわけで、以下すべて、青に寄った趣味趣味のディテール写真ばかりです。

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(バローチ族の絨毯、ディテール)

<バローチ民族 >
パキスタン、イラン、アフガニスタンの国境が交わる地域バローチスターン地方を中心に居住する民族であり、イラン系バローチー語を母語とするバローチ族とドラヴィダ系ブラーフィー語を母語とするブラーフィ族との総体をさし、ともに類似した民族文化を持っている。同地域ではパシュトウーン民族が隣人。宗教はイスラーム教スンニー派。狂信的ではなく原理主義やテロとは無縁。都市やオアシス、農漁村の定住民と遊牧民からなる。商業活動を潔しとせず、隣接する他民族に比べても概して金持ちは少ない。主食は小麦。他に肉、野菜、乳製品、ナツメヤシ、茶、(酒)など。
(以上、村山和之氏が以前レクチャーして下さった時のレジュメより引用させていただきました)

なんて青でしょう。中央アジアの空を思わせるタイルや陶器の青の表情とはまた違い、絨毯の青は砂漠の夜を感じさせます。
taiさんのブログで、 「エレクトリック・ブルー」と呼ばれる「光る青」が使われた絨毯紹介している記事、「Balochi prayer rug 比較」。写真の青、光っています。

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絨毯の青です。深い。

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(左上:相当古そうな絨毯。クタクタになってもう布のような薄さに。だからこそ、この花模様が浮き上がって見えてきたのです。感激/下左と中:黒っぽい青、そこに白く小さい花。やられますね〜/下右:このような和室で拝見。床の間には「敷き瓦」、土族感激)

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は〜、、こんなに花や動物や星や不思議なものたちが、ぎっしりと満員電車のように織り込まれているのに、うるさくなく調和が取れて何の違和感もなく、物語に引込まれる。すごい、すごい。カシュガイのファンが多いのもうなずけます。青が美しいですよ〜。。

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(カシュガイ族の絨毯)

村の普通の女性が織った絨毯。どんな感性?何を見て育ち暮らしている?遊牧して羊を育て羊毛を刈り糸に紡ぎ植物から染料を作り毛を染め手作りの織り機にかけ織っていく。天幕の前で。絨毯素人にも、「無理矢理お金のためではなく、楽しそうに作っている」感じ、作ることへの熱が伝わります。魅力的ですね〜!

シンプルなテイストで人気の毛織物「ギャッベ」でおなじみのカシュガイ族ですが、ギャッベだけじゃないですよね! 、、あれ、検索してもギャッベばかり、、仕方ない、英語サイトを少し散策。で、下記のような感じです。 

<QASHQAIE TRIBE> 
南イランで最も名高い部族でありペルシャ語とチュルク系のカシュガイの言葉のバイリンガルである。領域は広く、イスファハーン州のアバデからペルシア湾岸のあたりまで。非常に多くの氏族があるが、主要なものは、Kashkooli, Sheesh Blocki, Khalaj, Farsi Madan, Safi Khani, Rahimi, Bayat, Darreh Shuyee。
素晴らしい絨毯や羊毛織物で有名。ときに、その昔絨毯の集散地であった「シーラーズ」を冠されることもある。羊毛はシーラーズ近郊の山岳や峡谷で産される。イランの他の地域と比較しても、格別に柔かく美しく深い色合いを持つ。深い青、暗いルビー赤はともに途方もなく美しい。輝くような羊毛は堅牢でもあり、シルク以上に透明だと言われている。カシュガイの絨毯は、イランの部族全ての中で最も有名だと言われてきた。とくにサドルバッグは多彩色の幾何学模様で飾られ、他の部族のものよりも優れている。

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(wikipediaより2点)

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絨毯の端の部分にあるキリム(平織り)。絨毯産地では絨毯の価値が高く、キリムに重きを置かれなかったため、この部分がカットされた絨毯が流通しているケースが多いとのこと。

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(絨毯の端の部分、上下にあるキリムのパート。この色合い、質感!ざくざくして、かすれていて、、日本人好きですよね)

この美しいキリムがついているのは、貴重なのだそうです。もったいない!なんてことをするんでしょうか。taiさんのコレクションには、ちゃんとついていました。味わいがありますね〜。

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やっとここまで辿り着きました。「tekara wonder vol.1 ”The Balochi”  バローチ族の手仕事、芸能を紹介する10日間」。横浜青葉台のアジア家具店「エスニカ」にて開催中の”The Balochi”(10月12日〜21日)。

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(”The Balochi”の模様/上左:クイーンT作成のサドルバッグをつけたラクダも/上中:コレクションを説明するtaiさん/遊牧民の持ち物一覧を壁に展示、わかりやすい/下中:taiさんを囲んでの座談会/バローチ研究家・村山さんからバローチの音源を頂いてうれし〜!バローチのラグの上で記念撮影)

松島コレクション(1960~70年代に収集された遊牧民の毛織物)、taiさんのコレクション、tribeさんの展示と販売(バローチ族のラグやキリムを中心に、イラン~アフガニスタンに生活する遊牧系部族のラグ、キリム、袋物など)で、埋め尽くされています。こちらtekaraにも写真が。

時を経たもの、本物、手仕事の味わいを持つ部族の絨毯に、魔法にかかったように惹かれたというtaiさん。なんと蒐集を初めてまだ4年ほどとは!熱中人!愛情だけでなく、知識も素晴らしい。キリムや絨毯が好きな方がハマっているブログ、「My Favorite Rugs and Kilims」。ディープな話題、これからますます楽しみです。

まだ書きたい内容もあったんですが、長くなったので次回にします☆ ではまた!
by orientlibrary | 2012-10-14 23:14 | 絨緞/天幕/布/衣装

暑中お見舞いの青の魚たち/THE SKETCHES &Akber Khamiso Khan

暑中お見舞い申し上げます。

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(涼しげな、青の魚たち。ウズベキスタン・リシタン生まれの青の魚皿をコラージュしてみました)

今年はいろんな面で暑い(熱い)夏。連日の暑さ、脱原発ムーブメント、オリンピック等々。
イスラム諸国では、20日頃からラマダンも始まり、日本のムスリムの方々もラマダンをされています。日本の蒸し暑さは身体にこたえます。水も飲んではいけないと聞いていますが、脱水症状にならないように、どうぞご注意くださいね。
また暑い中、外仕事の皆様も大変だと思います。熱中症にお気をつけください。体をいたわる休憩時間がとれますように。


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先日の「東京無形文化祭」、「パキスタンの歌姫サナム・マールヴィー スーフィー・ソングを歌う」に共演し、見事なアルゴーザー(二本組のたて笛)演奏を披露してくれたアクバル・ハミースー・ハーンさん、どこかで見た人だと思っていたら、、お気に入りのパキスタンのデュオ「THE SKETCHES 」のビデオ!

THE SKETCHES - RANO - Featuring Akber Khamiso Khan






パキスタン、シンドSindh地方の集落でしょうか。ジャラジャラと派手なデコレーションからは想像できないような繊細な笛の音。恰幅のいいアクバルさん、ヘッドスカーフやベストとストールが独特の存在感。
透明な音世界が魅力的なSKETCHES 、シンドの自然や人々の営みの中でのビデオ作りも、彼らのまじめさ、若々しさが垣間見えて、好きです。
ヴォーカルのSaif Samejo、アジュラクの巻き方が毎回違う。今回はカジュアル。ギターのNaeem Shahは、知的な雰囲気。

パキスタンで人気沸騰中というアクバル・ハミースー・ハーンさんについては、東京無形文化祭資料が詳しいです。引用させていただきます。

<アクバル・ハミースー・ハーン(アルゴーザー)について/東京無形文化祭資料より>
アルゴーザー奏者。1976年生まれ。彼がアルゴーザーに目覚めた当時、現役のアルゴーザー奏者はわずかアッラー・バチャーヨー・コーソーだけであった。アクバルは、アルゴーザー界の巨匠であった父ハミースー・ハーン(1983年没)とミスリー・ハーン・ジャマーリーの残した録音で研鑽を積み、アルゴーザー奏法の下地を築く。ここ毎年のように、インドのラージャースターンからスィンド州にかけての砂漠地帯の民俗音楽の伝統を継承する芸能集団マンガンハール(インドではマンガニヤール)の焦点を当てたマンガンハール音楽祭で活躍し、現在はアルゴーザー奏者として、パキスタン国内の音楽祭においては欠くことのできない存在となっている。

こちらは来日時の、パキスタン大使館でのミニライブの模様から。左2枚がアクバルさん。

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今回の来日では、ドーリー(両面太鼓)のファイブスター・ミュージカル・グループも素晴らしかった。
ドーンの一発で、別世界。すごい。さらに、同グループで火箸みたいなチムターという楽器を担当するムハンマド・アスガルのヴォーカル(パンジャービー語の伝統民謡)と、サギール・アフマドによるシャーナイー(オーボエ状の笛)独奏が、すごかった。個人的には、今回のベスト3に入ってます。また、バーバル・アリー(サナム・マールヴィーとの演奏)のバンスリー(笛)の素晴らしさも、一言書かずにはいられません。

<ドール(dhol)について/東京無形文化祭資料より>
インド亜大陸に広く普及している大型の両面太鼓のことで、その起源は15世紀にも遡る。ドールは民俗音楽の伴奏楽器として使用されるが、パンジャーブ地方では重低音を大きく震わせるために特に大型のドールが好まれている。

<チムター(Chimta)について/東京無形文化祭資料より>
南アジアで親しまれるこの楽器は、パンジャーブ地方では民俗音楽、民謡歌手の弾き語り、そしてスーフィー音楽等で頻繁に使用されている。チムターとは「火箸」を意味し、小さなベルが付けられた平たく長い二枚の金属板からできている。冠婚葬祭では、しばしばドールやシェヘナーイー(二枚リードを持つ笛)と共に演奏される。

今回、日本のアジュラク専門家からグジャラート(インド)産のアジュラクがパキスタンの楽士たちにプレゼントされたこと、書いてもよいですよね。
インドとパキスタンは分離独立という経緯がありますが、パンジャーブ、グジャラート、シンドのあたりは、分離と一言で片付けられない一帯。
パキスタンの楽士たち、グジャラートのアジュラクを纏い、うれしそうでした。とても素敵な光景だと思いました。

わ、時間切れです、、  元々、アジュラクをテーマにした苦心のフォトコラージュがあった(以前作っておいた)のですが、、なぜかPCのどこを探してもない、、もうクラクラして、ザクッとしたものしか書けませんでした。出てきたら追記します。m(_ _)m
by orientlibrary | 2012-07-29 13:45 | 美術/音楽/映画

「紙にできること」、紙のトレンド、サマルカンドの紙

そういえば「紙」も好きだったな。「紙にできること」というレクチャーを聞いてじわりと思い出しました。
土ものにハマり始めてかなりの時間が経ちましたが、以前は紙が好きで、好みの紙を見つけると買っていました。紙に乗った色は紙質によって違い、マットで質感のあるものが好みでした。

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(イランの紙関係。salam×2さんの展示会等より/イランの絵本。色合いがシック!洗練です/この色の組み合せ。切抜きも面白い/イランのマッチ。かわいい!青がいい色合い。こういうの買ってくるって、、salam×2さん、ナイス!/更紗模様の紙箱、いいですよね〜〜〜〜好きですね〜〜)

「紙を考えることはその母体である林業を、森林資源を考えること。紙の歴史、紙のおもしろさ、紙の未来について等々、日々紙に携わっている「紙のスペシャリスト」からお話を伺います」という「BooK学科ヨコハマ講座」、王子製紙の鈴木貴さんが講師。
製紙会社の方が考える「良い紙」と紙のトレンド、 紙の元である林業について、等々、興味深い内容でした。
メモをザクザクッと、、(手書きのメモのため、正確ではない点、話者の真意を汲んでいない点があるかもしれません。その点、ご容赦願います)

 <良い紙とは?>
* 製紙会社の人間は、ツルツルの真白のものが良い紙だと思ってやってきた。平滑で、真白で、軽くて、光沢度が高く、裏抜けしないもの、発色が良くバキバキに出るものが良いのだと。つまり、技術的に難しい紙が良い紙だと思っていた
* 「地合ムラ」のあるものは「ダメ紙」と言っていた。繊維がからむと強くなるのは良いのだがムラができる。それを嫌った。板紙は紙じゃない。「ガミ」だ

 <紙の好みが変わってきた>
* しかし、じつは選ぶ人(デザイナー〜その先の消費者)は質感やザラザラした味わいが良い、好きと感じていた。発色も沈んだ方が良いと。5年くらい前に、ようやくそのことに気づいた。それを拒絶してもダメなんだ
* じつは製紙会社は、世の中にデザイナーがいるのを知らなかった。それまでは印刷会社に接していた。それで売れていた。しかし、ある時から売れなくなった。機械が止まったりした。出版不況は死活問題になった
* そして、気づいた。デザイナーはザラザラがいいと言っている。これはマズイと思った。製紙業界はユーザーと対極にあったわけだ。さらに「見本帳を自由に取れる所はないんですよ」と
* それならば選ぶと楽しい見本帳を作ろうと思った。使い手に見てもらえる見本帳を作らないと話にならない。やり始めると見えてくるものがある。見本帳では文学の一節を紙に乗せた。紙質や紙の色合いによって文学が違って見える。紙選びで変わってきてしまう
* この数年、紙媒体はどうなるのかという状況だ。紙の良さを知ってもらわないといけない。さらに銀座にPAPER LIBRARYもオープンさせた。

 <林業と製紙>
* 外国から安い紙が入ってくる。なぜ安くできるのか。貧しい国が貧しいままでいてもらわないと安くできない仕組みなのか
* チップ(パルプ繊維)は東南アジア、南米、南アから、南半球からの輸入なので輸送コストがかかり原料費が高くなる。中国やヨーロッパなど自前で調達できる国と比較して日本の紙はコストで勝てない
* 日本は林業と製紙が分断されている。欧米の製紙会社は製材会社でもある。チップになるのは柱用の四角を取った残り=50%なのだが。王子製紙は細々と林業を続けている社有林がある。日本の8割は森なのに。日本の林業は切る事ができない事が問題。保水力がなくなる等と言われる。木を育てるには時間(70年程)と手間がかかる。(コストはかかるが)チップを持って来た方が安い
* 製紙工場では、チップ40%、古紙60%を使用(ダンボールや箱が古紙使用なので比率が高い)。作り方はチップを煮る、繊維、水に溶かして漉く

 <紙のこれから>
* 遅い、かさばる等と電子メディアと比較されるのは不当な評価だ。元々の役割が異なる。原材料から異なるのだ
* クラフトパルプ加工、強い紙ができる、樹種を選ばない
* 最近は木材としてはユーカリがよく使われる。ユーカリは7年で育つ
* 紙にも流行がある。今はガサガサして安っぽくて色褪せするものが人気がある
* 色はグレーが流行るのでは?製本はクリーム色が多いが深い理由はない。色に商品価値はないという考えが多かったからではないか
* ダンボールの厚紙で本を作っても良いと思う。味がある。作為的なものよりも、工程上、やむを得ず出る方が紙として力がある。わざとやったムラじゃない。それがいい

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(写真ではほとんど伝わらないと思いますが、、見本帳より/紙の色合いや紙質によって文章の印象が変わる!/布を思わせるような質感の紙も。贅沢感あり/人気のクラフト紙。ナチュラルが時代の気分でしょうか/色見本帳が雑貨みたいでカワイイ!)

 <気づいたこと、共感したこと、触発されたことなど>
・ メーカーの製品開発と、使い勝手や使い手の感性の大きな乖離。そのことに気づき、使い手側に近づくための方策は、他の消費材では80年代頃から、まさに必死でおこなわれてきた。紙が5年ほど前からとは、驚き
・ 「印刷会社」との関係が主という「直の関わりのなさ」が背景にあるんですね。出版不況でようやく気づいた。そこからの取組みは、真摯だと感じた
・ 実際、見本帳は、無味乾燥なカタログではなく、紙と文字の組み合せが興味深い。紙質によって小説の印象が変わってくるのにはビックリ

・ 「ガサガサして安っぽくて色褪せするもの」が人気というのは、実感としてわかる
・ナチュラルなファッションやオーガニックなフードなど、全体に、張り切りすぎない、気取らない、エコな感じ、というのが今の気分なのかな

・ 「ムラなども、作為的なものよりも、工程上やむを得ず出る方が紙として力がある」
・これも非常に共感!流れの中でできるものを活用したり、新たな視点で魅力を発見する。これが大事だと思うし、自然なものの力があると思う

・「電子メディアと比較されるのは不当な評価」。紙をやっている人の気概。たしかに原料も違うものなんだもの。紙は紙の魅力と今の時代に必要な方向性があるのかもしれない
・私も手書きをしなくなってから、紙との関係が少なくなっていったのだけど、、紙を生かすような何か、してみようかな、と思いました

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(紙が好きだったことを思い出した、、/写真ではわかりにくいですが、いろんな色合いと紙質のもの、見つけたら買ってました(重なってますが一品目につき数十枚あるんです、、)。今はそのまま使うことなく収納。手書きがほとんどなくなったことも一因/和紙系のものも。ネパール、チベット、韓国、インド、フランスの紙など/カードやポストカード類もメチャたくさんあって年々黄ばんでいく、、タイルの模様のコレは東京ジャーミーの売店で購入。値頃なプライスで驚きます/レイアウトの都合上、あと1枚、適当に入れちゃいました〜(^_^;) タイル関係の書籍など。紙つながりで、、。よく見る本はカバーを取ります。ていうか、新書も文庫も単行本もカバーを取ってから読みます)


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今回は、紙、ということで、やはり「イスラムアート紀行」、何かそれらしい話題を、と「サマルカンドペーパー」の写真などを準備しました。(まず写真を用意してから、文にかかります。後でバタバタするのが嫌なので)

でも、今回も、すでに長過ぎかも。

ウズベキスタンでは、サマルカンド工芸の復興と振興を目的として1996年に、NGO「サマルカンド工芸協会(MEROS)」設立されました。2001年より、ユネスコやJICA(国際協力機構)の支援を得てサマルカンド・ペーパーの復興活動がおこなわれています。

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(サマルカンドペーパー製作現場=画像コラージュは
「 international caravan travel uz-History of Samarkand paper」より引用)

「サマルカンドペーパー」について、日本の協力について等、下記サイトに詳しく紹介されています。日本の紙関係と合わせ、リンクとさせていただきます☆

 
 石州和紙(島根県浜田市三隅町) 「国際交流 ウズベキスタン共和国との交流」を参照ください
 石州和紙久保田 上とリンクしています 
 地球の歩き方 サマルカンド・ペーパー
現代に甦る伝統の技術――コニギル・メロス紙すき工房(ウズベキスタン・レポート2)
 OTOA ウズベキスタン / 紙のシルクロード ~ 21世紀のサマルカンドペーパー復興 ~ 
  international caravan travel uz / History of Samarkand paper
 parus87 / Mysteries of Samarkand paper
 王子ペーパーライブラリー
 王子ペーパーライブラリー 紙の基礎知識

と書いているうちに、facebookのフィールド、次がこの記事 MOTにて「トーマス・デマンド展」明日まででした。「Thomas Demandの作品は、単なる写真ではなく、インターネットや新聞紙上で人々の注目を集めた事件やシーンを、厚紙で精巧忠実に(しかも原寸大で)再現した現場を撮る、というもの。どれもこれもパッと見、被写体が紙とは思えない」。  ・・・紙づいてます〜〜☆
by orientlibrary | 2012-07-07 15:34 | 社会/文化/人