イスラムアート紀行

orientlib.exblog.jp

タグ:工芸・手仕事 ( 176 ) タグの人気記事

春のアトラス/アジアな手仕事/ウズフード

黄、赤、紫、色とりどりの花々、まだ少し肌寒いけど、春の明るさって、やっぱりいいな。というわけで、布も花咲きます!明るい色の布、ウズベキスタンの絣布「アトラス、アドラス」。

e0063212_229528.jpg
(「シルクロードの贈り物」展示品より。サテンが入ったような光沢のあるもの。以前は引いていたけれど、最近はこういうのが好きになってきた。左下の白地系のアドラスの手触りもいいです。アドラスは日常使いできるのがいい。夏にサラッと着られそうです)

以前は、日本人には派手すぎ、実用には無理、と私も思っていました。でも、見る機会、触れる機会が増えるにつれて、だんだんこの明るく強い色合いに親しみを感じるようになりました。
いろんな経緯から、すでに相当な数のアトラス&アドラスを持っているにも関わらず、またどんどん増えています。こうなったら、ふだんも使いますよ〜!

e0063212_22135273.jpg
(同/モワレがきれい。光沢が魅力的。そして大きな文様。色!なかには日本の着物の柄のようなものも。きれいは世界をつなぐ)

e0063212_2217211.jpg
(同/色合わせがすごい。原色だけでなく、微妙な色を使って意外な組合せをしている。本当に魅力的な布)

ウズの青い陶器が止まらない時代を経て?、アトラスが止まらない?陶器は郵送の事情などもあり、止まってます。それが健全かも、、

----------------------------ー------------------

友人が骨董市で「これは昭和のものだから!」と強調されたと、複雑な顔。昭和って、すでに骨董?ま、それもまた良し。だって、こんなにいい感じですもん!

e0063212_2231171.jpg
(西早稲田の昭和な路地の一角にあるギャラリー。イベント時にはカフェも)

先日、西早稲田の「もくれんげ」という一軒家ギャラリーでの展示「彼方の手 此方の手 Vol3」に。アジアの藍染め衣料Ogさん、インドの刺繍などの手仕事Kocariさん、諸国アンティークFUCHISOさん。個性とセンスのゴールデントライアングルのような組合せ。「もくれんげ」さんも、昨秋一目惚れしたギャラリーです。

e0063212_22324882.jpg
(Ogのアジア服。陽射しが似合う。アジアの風を感じる時間。右下は「まかない」のランチ、いい感じなのでパチリ)

e0063212_22343831.jpg
(Kocariさんのラリーキルトは女性の憧れ。気持ちが華やぎます。ワクワク。お客さんたちも皆さん、ふんわりのいい笑顔)

e0063212_2241342.jpg
(FUCHISO。写真で伝えられないのが残念ですが、ディスプレー、素晴らしかった。さすがです。徹底したものが伝わってきました)

ついつい長居してしまった、心地いい展示会でした。ありがとうございました。

----------------------------ー------------------

冬のウズ旅、タシケントから少しずつ、と写真を準備していたのですが、なんか中途半端になりそうなので、今回はバザールやその周辺の食をご紹介したいと思います。

e0063212_22543512.jpg
(冬が過ぎ春になると野菜が出てくるウズ。バザールもフレッシュな色合いに。野菜のサモサ、食べたかった)

緑で爽やか!から、こちら不思議系!バザールの総菜売場、独特の陳列。にんじんサラダ山。積み上げますね〜。中央アジアのバザール、この積み上げ系が多いですが、いつ頃からこのような形式に?
疑問なのは、どうやって売っていくのかということ。下の方はどうなっているんでしょうか。売れていくと下に洗面器を置いて底上げするんでしょうか。謎です。

e0063212_2259830.jpg
(にんじん山のミニバージョンに挑戦しましたが、あえなく挫折。にんじんをこの量切るのは大変なことだと実感/馬の腸詰めと聞きましたが、、/麺と馬肉というウワサ/魚のフライらしい/ウズ名物クルタ。真ん丸だけでなくいろんな形があって楽しい。味は、、塩辛く酸っぱい/お醤油色のはよくわからない食べ物だった。タケノコを軟らかくしたような食感。謎。ウルグットのバザールで。地方の食べ物なのかなあ)

e0063212_2324396.jpg
(スーパーマーケットのレジに突然魚があってビックリした。干物よりもレアな感じ。チキンのオレンジ色もすごい/ノウルーズの定番スマック/飾りなのかドライなのか今も不明、リンゴ/これは食べる用のブドウと思われた/不思議なもの。不明/哀しい食事。肉類苦手な私、たまには温かいものを食べたいと。ラーメンは韓国製インスタント麺。これで15000スム。750円くらい。。。日本はすばらしい。外食もスーパーも何でもあるし、値段もこなれている)

----------------------------ー------------------

青のfacebook、「青の陶器とタイル好き * blue ceramic museum」よりサマリーです。

e0063212_23171686.jpg
(ウズの青い食器/イランの絵本の青/カシュガイ族の絨毯/カラーン・モスク(ブハラ)/ウルグベク・マドラサ(サマルカンド)/グール・アミール廟(サマルカンド))

更新が遅い上に、まとまらない内容ですが、このへんでアップします!

イランの地震、心配です。
by orientlibrary | 2013-04-16 23:37 | 絨緞/天幕/布/衣装

ウズ行き2013年冬。寒さと温かさと美しさと

ウズベキスタンから戻りました。たくさん見て、いろんなことを感じた旅でした。やはり旅行はいいなと思う。行くことができて幸せです。感謝しています。

e0063212_22511718.jpg

ウズには何度も行っているけれど、自分が見たいものをゆっくりと見ることは、なかなかできなかった。自分の足で歩き、自分のペースで、タイルや工芸に心ゆくまで触れてみたかった。これまでいろんな状況からできなかったことをしてみたかった。陶器を持ち帰らないと決めたので、スーツケースではなくバックパックに。これなら列車やバスに乗ったり、安宿利用もしやすい。

結果、楽しかった!!この年になって、こんな旅をしていいのかなと、もっと年相応の落ち着いた旅行をすべきなんだろうなと思いつつ、、でも、ひとつひとつが楽しかった。ルートを決め、値段を(いちいち)交渉し、ぎゅうぎゅう詰めの乗り合いタクシーやバスに揺られ、部屋は寒くても大規模ホテルにはない温かさに触れ、、いろんな人が助けてくれて、、

ウズベキスタンに複雑な気持ちを持ち始めていた昨年後半。また初心に戻れた。旅だから、短い期間だから温かくしてくれるということはわかってきているけれど、それでも、それでもいいと思う。
タイルやテキスタイルや工芸も、発見があり、出会いがあり、うれしかった。動いてみること、大事だな。
いつまでも未熟で、世間をわかっておらず、取り柄のない私。そこからしかできないのだから、ここからしかできないのだから。愚かでも一歩一歩あるいていきます。

---------------------------------------------

 今回は概観編です 

e0063212_22493032.jpg
(初日の午前、両替後、最初に訪れたタシケントの陶芸家ラヒモフ氏の工房。じつはアポなしでした。まず一度お伺いし、追って正式にと思っていたのですが、、快く受け入れてくださり感激。いろいろなことをお話できて、本当にうれしかった。多彩な技法が素晴らしい。新たな技法やデザインにチャレンジし続ける精神に感銘を受けた。そして、、『ARCHITECTURAL CERAMICS OF UZBEKISTAN 』『ARTISTIC CERAMICS OF UZBEKISTAN 』(ともに2006年/UNESCO)の資料本をいただいた、、卒倒しそうにうれしい。素晴らしいファミリー、、資料を自分なりに読んでいきたい。また「正式に」訪問させていただきたいと思っています)

e0063212_238135.jpg
(今回、完全燃焼したブハラ。とにかく見た。素晴らしい装飾タイルの世界。またゆっくりと)

e0063212_2310137.jpg
(サマルカンドは曇、雨、雪。青空とタイルが撮れなかった。でも晴れていたら体力を顧みず動き回っていたかもしれず、休みの時間を取れてよかったのかも。また行けばいい、ということなのかな!?)

e0063212_23121861.jpg
(タシケント。晴天。これまでになく、ショップやカフェなども見て歩いた。地下鉄もあり動きやすい街。とにかくよく歩いた。一日中、永遠に歩けるような気がしていた、、(そのぶん後からきました、、))

e0063212_2314595.jpg
(帰国後編/(左上から右下へ)/近所のスーパーで見かけて「これはスム(現地通貨)バッグにいい!」と直感したポーチ。100ドル両替するとパンパンになるスム。このポーチはドル、スムの仕切りができ、電卓も入って完璧。ウズ語ができなくても電卓でOK!/溶けそうな小額紙幣たちとレシート。最近はレシートをくれる。手書きで時間がかかるけど、いいことだと思う/いただいたザクロ。日本に持ち帰り。ザクロ模様のスザニの上で記念撮影/ウルグットで買ったスザニ/ブハラで買ったスザニ/サマルカンドデザインのスザニ(大型)/手前がウルグットのバザール、奥がブハラのショップ。手前の方がややざっくりしていて色もキツいけど力があると思う/ブハラで熱狂した「かけら」たち。後先顧みず、短時間の交渉で購入に至る。偽物だという人もいると思うけど、私は本物だと思っています。陶芸家のショップで、年代が私の知る限りですが適合していた。ティムール時代のものだと思います。左真ん中の水色のは角度によってラスター彩のような輝きを放つ。購入を後悔していない/サマルカンド某所にて。ここにいては踏まれてしまうと思い、偶然持っていた袋に入れてきた。ここは修復がされていない。修復時のタイルではないのです。偶然ですが。本当に)

最後に、いくつかインフォを

物価上昇。スーパーで買物しても、デフレ日本の感覚では、日本よりも高いと感じるくらい。この数年で、すごいと思う。昨夏からでも上がっていると思います。きびしいですね。

空港!!空港がすごい、、、、「最後の階段」の横にエスカレーターがついていた!!!なんということ、、これでものすごくラクになった。そして、、搭乗待合室ができていた!!!搭乗アナウンスがあった!!!普通に待合室から飛行機に入れる!!!、、あのヘンな狭い空間、どこに行けばいいのかわからず彷徨う乗客たちの姿、地下への階段、それらがないんですよ!しかも「アシアナですか。こちらです」と教えてくれるスタッフが立っていた。こんなことで大丈夫だろうかと思うくらい、変わっていた。いい変化だからいいんだよね、、いや、夢だったのかな、、妄想かもしれない、、疲れてたからな、、 でも税関と出国は相変わらずだったから、夢ではなかったと思う。

変化してます。
またアップしますね〜!!^^
by orientlibrary | 2013-03-03 23:43 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

Atlas Today、色使いと模様が魅力、ウズベキスタンの絹織物

アトラスです。大急ぎにて。ウズベキスタンの絹の絣布アトラス。大胆な模様と目の覚めるようなイキイキした色使いで、近年は欧米や日本のデザイナーにも注目されています。

まとめる余裕がないので、そのまんまですが、、「University of Nebraska - Lincoln DigitalCommons@University of Nebraska – Lincolnより。“Atlas Today: Patterns of Production, Bazaars and Bloomingdales Uzbekistan and Xinjiang, China”(Mary M. Dusenbury/2007〜2008年の調査による)」を意訳してみました。そのままの正確な訳ではないので、その点、ご了解くださいね。

e0063212_2311642.jpg
(マルギラン〜ウズベキスタン、フェルガナ〜の専門職家庭/2011夏)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

19世紀、中央アジアのハーン国、オアシスの街々では、統治者や富裕な商人、経済的な余裕のある男女は、大胆な模様の経絣、ベルベットの式服を纏っており、そのデザインの多彩さは驚くべきものであった。19世紀の絣(ikat/イカット)の衣装、織物は、今日の博物館や個人のコレクションとして記録や写真が残っている。1970年代以降は、蒐集家、ディーラー、研究者の関心の的となっている。

この大胆なイカットは、19世紀初頭より富裕で洗練された美意識を持つ人々の支持を得て、素晴らしい多彩さを見せている。19世紀末には、この「アトラス atlas」は富裕層だけでなく、簡素なタイプのものならば中央アジア中の人々(さらにはチュルク系のウイグルの人々)が着るようになっていた。

1865年、フェルガナ盆地コカンド・ハーン国の指揮官がパミールの山々やその周辺を行進したが、フェルガナの職人が作る豪華な彼のコートはしっかりと地元の人々の印象に焼き付いたようだ。数年後にはウズベクスタイルの絹絣のガウンが、かの地を訪れた商人や冒険家に提供された。今ではそれがロンドンのビクトリア&アルバート美術館の重要なコレクションとなっている。

ロシアの中央アジア支配、ハーン国統治者の死後には、安価な工業製品の布が広まり、絣織アトラスの豊かな伝統は荒廃した。本物のイカットは、安価な模造の絣に取って変わられ、模様はプリントとなった。ロシアと中央アジアの起業家たちがタッグを組んでフェルガナ地方を商業的なシルクの生産地に替え、今日に至っている。商業的とは、手織りと機械織りの両方を含む概念として理解されよう。

e0063212_23231732.jpg
(マルギランの著名な生産現場/2012夏)

中央アジアでの今日における手織りイカットの心臓部は、ウズベキスタンのフェルガナ地方にある。ソ連崩壊後、織物を家業とするいくつかのファミリーがアトラス織の復興に取組んでいる。その主役は、ファミリーの4代め、5代め、6代めの世代である。

復興に取組む若手世代は、数十、いやそれ以上の複雑な行程を要する絣布製作の主要なメンバーでもある。また製作の行程に欠かせない専門の技を持つ数百もの職人の家々を束ねているものもいる。デザインやマーケティングも重要であり、インターネットで国際的な市場を調査する担当もいる。

最高の製品の多くを仕入れるのはトルコのディーラーである。父親世代はトルコに何度となく出向いたものだが、今の世代はインターネットで商売する。繊維産業には、監督官や財務の担当者も必要だ。多くの工房を見回り進捗状況を監督する。若手世代は、商人であり主要な制作者であり、プロデューサーでもあるといえる。

フェルガナ盆地とウイグルは生産において連動したネットワークを有しているが、それは複雑であると同時に流動的である。例えば、織り機は自分のものだが、経糸はすでに作られたものを購入する人もいる。フェルガナ盆地では多くの織り手は自分の設備を持たないが、仕事と糸は監督者から提供される。シルクの糸繰り機は動力のある設備により速度が向上した。手紡ぎ、手染めの糸は小さな織機で良く織りあげられる。

e0063212_23241660.jpg
(マルギランのアトラスをリードする工房にて/2012夏)

現在、アトラスのテーマは、他のシルク製品といかに差別化するかという段階に来ていると考えられる。ウズベキスタンでもウイグルでも、バザールには数えきれないほどのアトラスが売られている。売り手は、販売が好調で伸びていると話す。プリントのイカットは、中国や韓国で生産されている。街角で見られる大半の「アトラス」は高価ではないが化学繊維のものだ。ギラギラしたベルベット風プリントのアトラスにも魅力はある。

マルギランの木曜市、そこには多様な図柄の手織アトラスが登場する。ウズベキスタンだけでなく隣国からの商人たちが、きらびやかな模様と色の素晴らしい、このアトラスを仕入れに来る。デザインは季節ごとに変わり、ディーラーや蒐集家の購入意欲をそそる。

e0063212_23254314.jpg
(アトラスにまつわる写真/工芸博物館の絵画、お土産物、バザールの人形、ホテルの部屋のカーテン)

ウズベキスタンでは、現在、女性用の絣布の衣装は種類豊富になり、デザインや材質、シルエットも様々だ。アトラスは文化遺産であり、国や民族のアイデンティティの象徴にもなっている。

アトラスは、国際的なデザイナーたちにも注目され取り上げられている。例えば、オスカー・デ・ラ・ルンタは、いち早くマルギランのベルベットイカットとアドラスを使った。ラルフ・ローレンもコレクションで、手織り、プリント両方のアトラスを紹介した。

21世紀に入り、アトラスの大胆な柄や目の覚めるような色合いは、ソ連時代も伝統技術を脈々と守り抜いた幾世代もの職人たちの忍耐を賞賛し、アトラス新世紀に向けて復興し、子孫代々隆盛させようとしている彼らのビジョンと決意を示している。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

青のfacebookから、サマリー。一部です。

e0063212_2329570.jpg
(イラン90年代街角の青/サマルカンドのグール・アミール/カシュガルのアパク・ホージャー廟/キュタフヤのラスター彩/ブハラ・青の輝き/サマルカンドのシャーヒズインダ墓廟古写真)

ウズベキスタンに行ってきます。厳寒装備です。ではまた!毎日寒いですが、ご自愛くださいね!
by orientlibrary | 2013-02-18 23:33 | 絨緞/天幕/布/衣装

青TODAY@テーブルウエアフェスティバル/悲願のウズ本&口琴ライブ

東京ドームいっぱいに、日本の陶芸産地、海外ブランド、アンティーク、テーブルコーディネートコンテスト発表展示などが繰り広げられる「テーブルウエアフェスティバル2013」。漫然と見ていると、たくさん見た〜で満足してしまうので、今年は軸を「青」に絞り、各地、各ブランド、各工房の青の表情を見ることに。結果、あらためて、やきものでの青色の比率の高さ、とくに日本のやきものでの青比率の高さと青の表現の多彩さに感じ入りました。

今回は写真中心に、フェスティバルの内容紹介ではなく、好きなもの、気になったものを選んでの青の陶器のご紹介です。産地やブランドと写真の照合があやういので、記載しない方が確実かと思い、日本、海外くらいの記載とさせて頂きます。すいません。

e0063212_21591740.jpg
(日本/多治見?/若手作家の明るい青の表現。女性好みのイラストや色合い、清潔感のある可愛らしさ。昨年のフェスで一番勢いを感じた多治見、今年も多彩な器形、鮮度のある色合いとデザイン、そして暮らしに溶け込み愛着を持って使われそうな器群で見応えがあり、安定していました。手の届くプライスもうれしい。)

e0063212_2210407.jpg
(日本/波佐見/大きなブースで賑わっていた波佐見。今の暮らしに似合う多彩な青。プレゼンテーションも商品がよく見えて勢いが伝わります)

e0063212_22165071.jpg
(日本/有田?/上段左:「JAPAN BLUE」というブランド名。豊かな水に恵まれた日本の水の清冽さを表現する試み。何度も吹き付けを重ねて青に深みを出しているとのこと。右も買いやすい価格だったと記憶。薄手で涼しげ。下段も有田だったと思う。デザイン性の高いものなど、様々な取組みを紹介。下右はレンジOK)

e0063212_2211797.jpg
(海外/このところ雑貨店でよく見かける北欧陶器。青い小花模様は女性好みの王道。手の届く価格帯。まだまだ人気が広がるのでは。有名ブランドもカジュアルな青使い。白の中の青がスッキリと涼しげ)

e0063212_2214686.jpg
(海外/フランス、イタリアなどの陶器とガラス。青の色味が違うことを感じます。日本はこのターコイズブルーではなく、もう少し紫系の紫陽花のような青、または水色。紺色もこのような重厚なものではなく、軽みがあります。同じ青で同じ色番号だとしても、素材や表現で微妙に違うのだろうなと感じました)

e0063212_2283670.jpg
(日本/ガラス、ワインクーラーなど/小樽など/ガラスも日本の青と繊細でやさしい自然モチーフが生きていました。コバルトブルーのどっしりしたテーブルと椅子も和のカフェなどに良さそうです)

e0063212_2244122.jpg
(日本/三川内焼/以前衝撃の出会いとして書いた「長崎みかわち焼」。三川内焼の工房出展、細密な絵付けで淡い色合いの染付が見事でした。海外に紹介したい絵付けです。今回思い出してみると、三川内焼、見たことはあったようです。渋谷ヒカリエでのプレゼンテーションが、鮮度高く強烈で、初めて見た感を抱かせました。プレゼンテーションや展示設計、演出、本当に本当に大事だと思います。今回も、有名産地でも技術が素晴らしい工房でも、プレゼンテーションが従来型のところは残念ながら魅力が発揮されていませんでした。もったいなさすぎます)

e0063212_2251076.jpg
(日本/ノリタケ、1904年創業/日本初のディナー皿を開発。ディナーウェアを主体に日本の洋食器産業の礎を築いてきたノリタケ。今回は日本で人気をよんだスイーツの歴史と合わせてのプレゼンテーションでした。華美で重厚な青が印象的なティーセット。すみれ色系と青の組合せも可憐)

e0063212_22293943.jpg
(日本/大倉陶園、1919年創業/日本のブランドのプレゼンテーション、上質で洗練されていました。自分には縁遠い華麗豪奢さですが、美しいものとしてスッと受け入れることができます。ぼかしのある青は、大倉陶園独自の技法「岡染め」によるもの。釉をかけて本焼成した白生地にコバルト絵具で絵付けし、再度1460度の高音で焼成。この間コバルトの青色は釉薬と柔らかに融合し、釉面に絵具が滲透。絵具の拡散により独特のぼかしができるそうです。中央アジアの絵付けを見慣れていると、日本の手描き絵付けの精緻な優美さは逆に新鮮です。イスラーム陶器は幾何学模様や様式的な植物模様が多いですが、自然への敬意や共感を描ききるような日本の絵付けには、しずかな力が満ちているように感じます)

e0063212_223245.jpg
(日本/幸兵衛釜/やはり目が止まります。ペルシア陶器の研究、ラスター彩の復元で有名な六代加藤卓男さんの幸兵衛釜。七代加藤幸兵衛さんのラスター彩も見事。今年の夏、テヘランの博物館で展覧会が開催されるそうです!イランの方々に、日本陶芸、日本のラスター彩をぜひ見ていただきたいと思います。商品が一堂に紹介された今回、セルジューク朝的な青に黒彩のもの、生命の樹などをモチーフにしたペルシア色絵のシリーズがやはり素敵でした。星座別の絵付けタイルも洒落ていて、立てかけたり壁に掛けたりできるようになっていました。このあたりがウズのタイルでは難しい。いろんなことを総合して、やきもののレベルが世界一高い日本、誰もがやきものを見る眼があり暮らしに溶け込んでいる日本で、中央アジアの陶器やタイルが「商品」として動いていくのは、簡単ではないと感じました。食品衛生法も課題。ただ、ウズベキスタンのざっくりした絵付けと日本にない青が、人気があることも確か。飾り物としての道はありそうです。アントレプレナーが出てくれば、、/今回のお買い物は幸兵衛釜で、下段右の湯のみと星座タイル☆)

-------------------------ー-------------------

この本、欲しかった、、「Uzbekistan: Heirs to the Silk Road」。買おうか迷っている間に絶版になり、今ではものすごく高額になってしまって、とても手が出ませんでした。(Amazon現時点で、新品82,000円強、中古20,000円強。海外からの輸入にて)。

e0063212_22215969.jpg

その本が、現在、私の横に(狂喜)。この幸運がなぜ訪れたかというと、、先日、ある大学の研究室におじゃました際、たくさんの方々の濃くて楽しい会話を聞きつつ、壁面を埋め尽くす本の中に、何か磁気を発している存在を感じたのです。それがこの赤い表紙の「Uzbekistan」。「ブックオフで安かった」とS先生。

思わず抱え込み、必死で見る私。「絶版なんですよ、、高いんですよ、、」とうわ言のように繰り返す私に、寛大なS先生、「1年間、貸してあげましょう」。狂喜しつつ、まだ見続ける私。先生「、、あげようか、、」即答「ありがとうございます!!!」

魅力なのは、例えば陶芸で18〜19世紀のリシタン陶器の写真実例があること。数少ない書籍でも、10〜11世紀、ティムール朝、そしてソ連崩壊後の陶器で、間がない。ソ連時代末期のパンフレットは偶然入手したけれど、18世紀頃は空白のゾーンでした。現在興味を持って資料を探している絣布「アトラス」なども図解と模様実例が豊富。細密画、金属加工、建築、室内装飾、服飾小物など、全体クラクラです。

寛大なS先生に幸あれ!神のご加護を。約束通り、今後、この本の内容を紹介したり、得た知識を何らかの形で生かしていきます!ありがとうございました!! (今後定期的にブックオフをチェックします♪)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

画像下段、『口琴のひびく世界』(直川礼緒著)。「中央アジアの音楽 テュルク・ミュージック・イン・トーキョー」での直川礼緒さんの口琴に圧倒され、ずっと気になっていました。ご縁があって日本口琴協会の定例会に初参加。Steev Kindwaldさんライブ、共演:立岩潤三さん(パーカッション)。強烈に素晴らしかった。現時点では、まだ言葉にできません。ことばになるのは、まだ先だと思います。

口琴については、内心「やばい」と思っている面も。素朴の極致のような楽器、けれども音世界の深さは無限とも思えます。価値観、生き方が変わるくらいに。なので、当面は隅の方でひっそりと聴いていようと思います。
by orientlibrary | 2013-02-11 22:33 | 日本のタイル、やきもの

中央アジアが熱い!音楽、踊り、コミック、人々

◆ 陸前高田の「みんなの家」 ◆

中央アジアで埋め尽くす前に、ひとつだけ展示の話題です。「ここに、建築は、可能か:第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本帰国展」(TOTOギャラリー・間/3月23日まで)。

第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で、日本館は「金獅子賞」を受賞。東日本大震災後の建築のあるべき姿を世界に問いかけたことが高く評価されました。岩手県陸前高田市に建つ「みんなの家」は、建築家伊東豊雄氏の呼びかけにより3人の建築家が共同作業によってひとつの建築をつくるという課題を担います。日本館では、その制作過程と地元出身の写真家畠山直哉氏が撮影した、震災前、震災直後、現在の陸前高田の写真を展示しました。「みんなの家」は、現在実際に地元でコミュニティ再生拠点として活用され始めているそうです。

e0063212_23171557.jpg

模型が興味深かった。ゼロから家という形にしていく思考と作業のプロセスが、可視化されていました。共同作業には困難もつきまとうけど、同じ頃に同じイメージが見え始める、(イメージが降りてくるように)、その感じが面白かったです。方向が見えてくれば、ブレが少なくなる。苦労があっても質が違いますよね。また模型自体も、小さいなかに思いが込められていて、見ているのが楽しかったです。

——————————————————————————————————————

◆ 『乙嫁語り』 ◆

『乙嫁語り 5』、先日発売になりました。舞台は中央アジア、カスピ海周辺の地域という設定。中央アジアが舞台のコミック、それだけでもモチベーションが上がるのに、作者森薫さんの途方もない描き込みが圧倒的に素晴らしい。中央アジア愛が伝わりまくりです!

e0063212_23173566.jpg
(5巻揃った『乙嫁語り』/衣装の描き込みがすごい/5の双子の衣装がかわいいので少しアップに/やんちゃだった双子。アトラスの模様がいいですね〜!質感が伝わる/婚礼衣装。髪もきれいに整えて/婚礼部屋の様子。スザニが、、/6点すべてコミック本自体の撮影)

4巻では、漁師の家の元気すぎる双子ちゃんたちが主役。玉の輿婚を夢見ていましたが、幼馴染みの漁師の兄弟と結婚することに。5巻では結婚式前後のドタバタが描かれ楽しいストーリー。でもその中に、結婚式の準備の様子や風習が織り込まれています。婚礼衣装や結婚式の食べ物等の描き込みが今回もすごくて、堪能しました。

*以前の関連記事(20091101):「シリアのタイル、ペルシャ料理、中央アジアが舞台のコミック

——————————————————————————————————————

◆ 中央アジアの音楽 ◆

「中央アジアの音楽 テュルク・ミュージック・イン・トーキョー」、満員御礼。キャンセル待ち多数という盛況。企画から当日まで準備をしっかりされていた主催者の方々の思いが伝わりました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この地域には、まだまだ日本に十分に紹介されていない豊かな音楽世界が広がっています。近年、日本においても少しずつ中央アジア出身の音楽家や、現地で長期にわたりその音楽を学んできた日本人の音楽家が活躍し始めています。また、リスナーとして中央アジアの音楽を愛好し、実際に自分でも演奏する人たちも少しずつ増えはじめています。今回は、キルギス・カザフ・ロシア連邦内の共和国であるトゥバ、テュルク系民族では最も東に住むサハの音楽家が集まり、その地域に伝わる伝統的な楽器を用いて歌や音楽を演奏し、その豊かな音楽文化を紹介したいと考えています。(企画趣旨)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

e0063212_2318632.jpg
(寺田亮平さん(トゥバ〜イギル、ドシュプルール)/直川礼緒さん(サハ〜口琴)/イナーラ・セリクパエバさん(カザフ〜ドンブラ)、高橋直己さん(カザフ〜民謡研究者・歌手)/カリマン・ウメトバエワさん(キルギス〜コムズ&口琴))

中央アジアの音楽というテーマでしたが、中央アジアでこんなに人が集まるなんて、ちょっと驚きでした。留学や仕事、海外協力、趣味興味などで関わってきた(いる)人たち、多いんですね。なんだか心強いというか、うれしかったです。

草原の風と大地を感じるトゥバのイギルとホーメイ、驚くほどに多彩で宇宙のような口琴の魅惑、素晴らしい演奏技術と迫力ある歌唱のカザフのドンブラ&民謡歌唱、右手を自在に動かしての演奏パフォーマンスが楽しいキルギスのコムズ等、内容もじつに素晴らしいものでした。

また、奏者たちの人柄がにじみでるような温かいパフォーマンス、おおらかさも、本当に素敵でした。会場の「気」もとても良かったです。ね!中央アジア、いいですよね!!

繊細優美の極致のような北インド〜ペルシア古典、トライバルとロックが融合したパキスタンのフュージョンなどに惹かれている私、草原系の音楽をちゃんと聴いたのは初めてです。草原の音楽は、楽器も2弦とか3弦で楽曲もシンプル。口琴はさらにシンプル。でもシンプルだからこそ、奥行が無限に深い。そぎ落としているからこそ広がっていくものがある。自分にとっては新しい音の世界、魅力と出会えたことをうれしく思います。関係者の皆様、どうもありがとうございました。

——————————————————————————————————————

◆ シルクロードの舞 ◆

「中央アジアの音楽」開催日は中央アジアデー。昼は「~シルクロードの調べと舞~ Silkroad music & Dance Azerbaijan,Uzbekistan,Uyghur,etc」へ。ANYAさんの舞踊と大平清さんのドタール&サズ演奏と歌を楽しみました。
ANYAさんの踊り、好きです。心がこもっているから。謙虚で明るく素直な人柄が表れています。

e0063212_23182338.jpg
(画像はクリアに撮れたものもあるんですが、雰囲気メインにぼわんとしたものを選びました。アゼルバイジャン、ウズベク、ウイグルの衣装も素敵です/下段は=レイアウトの関係で食べ物を、、、チーズと干し葡萄、名前を忘れましたがウズベキスタンから持ち帰ったという牛肉のなんらか&リシタン皿、ウズベクのチェブレキ屋台@東京農工大学園祭)

——————————————————————————————————————

今回も、青のfacebookのサマリーです。

e0063212_23183543.jpg
<ブハラの青のマドラサ ウズベキスタン/トゥラベク・ハーヌム廟 クニャ・ウルゲンチ(トルクメニスタン)/東京ジャーミィ 日本>

e0063212_23184475.jpg
<ベトナムの染付/青の館 キュタフヤ(トルコ)/リシタン青茶碗で抹茶 日本>

リシタン青茶碗で抹茶、東京ジャーミィ、ブハラの青のマドラサ、の「いいね!」の多さにびっくり。どうもありがとうございました。青のfacebookは週5回の更新をめざしています。

中央アジアは、これからも興味津々で追いかけます。これからもいろんな動きがありそうなんですよ〜!^^
by orientlibrary | 2013-01-28 23:28 | 中央アジア5カ国

長崎みかわち焼/0円新政府/イスラエル音楽/インド音楽受容と変容

◆ みかわち焼 ◆

清らかな白と青に惹かれました。長崎みかわち焼。日本のやきもの産地のことを本当に知らず恥ずかしいですが、みかわち焼、今回初めて知り、見ました。(「技巧の宝、発見 ヨーロッパを魅了した 長崎みかわち焼展」/渋谷ヒカリエ8階/1月21日まで)

e0063212_21452420.jpg
(DM等を撮影したもの。会場での撮影禁止だったため、残念ながら作品の写真がありません。リンク先などご参照ください)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<以下、みかわち焼オフィシャルサイトより>
江戸時代、現在の長崎県佐世保市に技術の粋を集めたやきものがありました。そこで焼かれたやきものは、藩の名称から当時は「平戸焼」、現在は「みかわち焼」と呼ばれています。このやきものは、藩の厚い保護を受けていたため、江戸時代のさまざまな経済の荒波に巻き込まれることなく、技術の粋を極めた細工 ものや茶道具などをつくり続けることができました。
幕末(1800 年代半ば)からは、コーヒー碗をはじめとする薄手の食器や繊細な造形の「細工もの」が輸出され、20 世紀半ばまでヨーロッパで高い評価を得ました。その一部は、大英博物館やヴィクトリア & アルバート博物館などにも収蔵されています。
大量生産や廉価な商品が普及する高度成長期以降は、この一つひとつ手仕事でつくり出していくみかわち焼は、時代に取り残されて、知る人ぞ知る存在になっていました。
しかし2010年代になり、このやきものが、再評価され始めました。お殿様の器をつくるために採算を度外視した素材選びと、高度に進化していった職人技は、DNAとなって、いまも随所に受け継がれています。近年は江戸時代から近代の名品の再評価し復元や、伝統技を活かした現代の器づくりを積極的に取り組んでいます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

青の陶器やタイル好きのorientlibrary、これまで見ていた西アジア、中央アジア、そして中国、朝鮮、いや日本の他の染付ともまた違う青の世界に惹かれました。あくまで個人的な感想ですが、一言でいうと、清潔。繊細清楚はもちろん、さらなる清潔さを感じました。浄らかな青の世界。あくまでも淡い呉須の色合い、その濃淡で表現される図柄、透き通るように薄い「薄胎」磁器やレースのような透し彫り。夢の世界でした。

ふだんは地元の美術館に展示されている陶たち。今回の展示作品以外にも現在の窯元の作品も上品で優雅。(豆皿例)海外で評価が高いのも納得できます。いつか佐世保に行かなくては。

——————————————————————————————————————

◆ 新政府樹立 ◆

話題はガラリと変わります。「坂口恭平 新政府展」(ワタリウム美術館/2月3日まで)。
『TOKYO 0円ハウス 0円生活』『0円ハウス』『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』『独立国家のつくりかた』などの著書、太陽電池パネルと車輪をつけた「モバイルハウス」、その制作過程を描いたドキュメンタリー映画「モバイルハウスのつくりかた」、さらには「新政府樹立」宣言で注目を集める坂口恭平さん

e0063212_2139022.jpg
(引用:HP「0円ハウス」/引用:ワタリウムHP/青山の「ゼロセンター」、パスポートをもらった)

早稲田大学建築学科(石山修武研究室)時代に路上生活者の家と出会う。幼少期の興味も関連して、身の丈に合った家を試行錯誤。多摩川の河川敷に長年暮らす“多摩川のロビンソンクルーソー” を師匠に、細部まで教示を受けながら、制作費2万6千円、二畳のモバイルハウス(車輪が付いていれば住居とはみなされない)を作り、駐車場に設置して暮らす。徹底的にコンパクトながら思いのほか住み良い「家」。
会場にモバイルハウス実物が展示されていて、入ってみたけど、採光も良く、住んでみたいと思うくらい快適感があった。茶室という日本の価値観、美意識が生きているようにさえ思えた。

これまで、ホームレスは新しい生き方という捉え方や、ゼロ円でゆたかに生きていくという彼のテーマに興味を持ち、本も読み、映画も見た。けれども、なぜか後味が悪く、納得できず、、なんだろうと思っていた。今回展示を見て、ちょっとだけなぜかがわかった。坂口さんはアーティスト。徹底的にアーティスト。独特の才能のある人だと感じた。かつ弱みも全部見せて繊細。
社会活動家とも言われており、プレゼンテーション力が高く目立つせいか、企業や自治体からのオファーも増えているようだけど、あまり活動家として期待したり追い込まない方がいいのではと思う。躁鬱病を公言しており、1週間程前から「体調不良」(鬱期)でトークなどをキャンセル。マイペースでいきましょう。

——————————————————————————————————————

◆ イスラエル音楽シーン ◆

サラーム海上のエキゾ夢紀行 ─ シャローム・ イスラエル編」(UPLINK)。「中東、東欧、ロシア、アメリカ、バルカンの音楽がゴッタ煮になった現代イスラエルの音楽シーン」、ご興味ある方はリンクを参照してみてください。YouTube映像もあり。

ほとんど聴いたことのなかったイスラエルの音楽。そして現地の様子など、いろいろ考えさせられました。まず、驚いたのは、音楽の多彩さ、レベルの高さ。世界各地からイスラエルという「国」へ。その元々の世界各地の音楽を生かし、なかには現地ではすでに衰退した音楽がイスラエルで保持されているものも。(例えばイエメンの山岳民族の民謡など。イスラム原理主義が強まると音楽は排除される傾向がある)。

年末に、たまたまサラームさんのトークで、さわりとして数曲聴いたことがきっかけ。イスラエルの音楽シーン!?何これ?と興味を持ち参加したけど、聴いていなかったら行かなかったと思う。イスラムアート紀行、イスラエルには複雑な気持ちを持っています。イスラエルと聞いただけではね除けていたと思う。けれども、音楽としては、たしかに興味深かった。中央アジア・タゲスタン共和国のケマンチェ、サーランギーの音楽など、心に響いた。

イスラエルにも平和運動があり、真摯なジャーナリズムがあり、兵役を拒否する人もいる。すべてひとくくりに排除する考え方、気をつけようと思いました。私の壁は少しだけですが低くなりました。現実の「」がどうぞなくなりますように。

——————————————————————————————————————

◆ インド音楽 ◆

「インドを奏でる人々 〜その音楽受容と変容〜 インド音楽・舞踊増殖中の日本!今の姿をお見せします。」(東京音楽大学)。

e0063212_21444797.jpg


ライブとシンポジウムの二部構成。音楽&舞踊ライブは、南インド古典舞踊・バラタナティヤム/ヴィオラ・ダ・ガンバ、16、17世紀西欧のルネサンス音楽、古楽器演奏/ベンガルのエスラジ&タブラ演奏、向後隆さんの演奏一部聴けます/シタール&タブラ演奏/サントゥール&タブラ演奏。 

シンポジウムは、インド音楽が日本でどのように受容されてきたか、インド音楽自体の変容について。濃い内容を短い文章にするのは難しいです。興味深く感じたいくつかの点だけピックアップしたいと思います。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・ インド音楽の最初の日本への紹介は752年。東大寺大仏開眼供養会にて天竺の音楽演奏
・ 明治期にタゴールソングの紹介
・ 戦前に東亜の音楽紹介(政治的野心のある地域の音楽に関心)
・ 1960年代〜80年代、小泉文夫さん等民族音楽研究者によるインド音楽研究と日本への紹介、啓蒙。ラヴィ・シャンカル等に衝撃を受けた人たちが矢も盾もたまらずインドに向かい音楽家に師事。(例えば今回の奏者でありパネラーの皆様。第1世代ともいえる方々かと思いました)
・ 1990年代、航空チケットも安価になりインドに行きやすくなった。滞在して音楽学習。演奏家として活躍するように
・ 2000年代、CD発売等。他の音楽ジャンルとコラボレーションも
・ IT産業の伸展等から海外在住のインド人増加。裕福なコミュニティ形成。インド人意識の高まり。自国の文化や芸能を重視。一方でインド以外で流行したインド音楽のスタイルのインドへの逆流も
・ 現在、ネットワークでの音楽学習も。スカイプを媒介とする師弟関係(インターネットグル)等
・ インドでインド人がおこなうものから、世界中にインド音楽をやる人が増えた。ローカルからグローバルに
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

元々、シタールに代表されるように、一音めから、悠然たる世界、内面に向かうような音律に浸るインド音楽。昨今は、アンビエント、ヒーリング、ヨガ、メディテーションといった音楽ジャンルで親しまれているようです。
日本の演奏家の方々、素晴らしい演奏でした。試行錯誤しながら日本人としてのインド音楽、インド舞踊に真摯に取組んでいらっしゃる姿勢に共感しました。このような場と機会に感謝しています。

いわゆる異文化が受容され、各地の文化の中に融合していくこと、興味深い。中央アジアのものに置き換えて考えたりしたのでした。

——————————————————————————————————————

今回、写真が少ないので、やはり青のfacebookサマリーから。

e0063212_2144981.jpg
(聖者廟ビービー・ジャイウィンディー パキスタン/聖者廟ホージャ・アフマド・ヤサヴィー廟 カザフスタン)

e0063212_21442173.jpg
(青の陶器が描かれた絵 トルコ/二羽の鳥が描かれたリシタン陶器 ウズベキスタン/染付古便器 日本/青の余韻 イラン、トルコ、ウズベキスタン)

☆ご訪問、ありがとうございました☆
by orientlibrary | 2013-01-20 22:07 | 美術/音楽/映画

明治の粋と美意識、憧れとおもてなし。染付古便器

このところ、また青に凝っています。青のfacebookを始めたのがきっかけですが、写真等を見返してみると、ますますそれぞれの青が美しく感じられます。歩いていても、空の青、水の青、街の中の青に目が行き、きれいだなあとうっとりしています。いよいよ病(やまい)に入ってきました。

e0063212_20413457.jpg

青のfacebookは、西アジア、中央アジアの青がメインですが、日本の青もしっかり見ていこうと思っています。そんなわけで、今日は染付古便器をアップしたのですが、以前の写真などを見ていると、、ブログでも書いてみたいなという気分になってきました。

e0063212_20455546.jpg
<INAXライブミュージアム「窯のある広場・資料館」内にある染付古便器のコレクション。以下同様>

染付古便器といえば、常滑市にあるINAXライブミュージアム。同館の展示は、質と量ともに圧巻です!一堂に並ぶ染付古便器は細密な絵付けが美しい逸品揃い。展示もブランド商品の売場かと思うような姿で、美しく整っています。

陶の芸術作品ともいえる明治の便器群を鑑賞していると、日本ってすごい、日本人の美意識と手技って素晴らしいという気持ちがフツフツと湧いてきます。

ネット検索でも、出てくるのは大半がINAXライブミュージアムのコレクションと解説関連。ていねいに解説されていてわかりやすいので、今回はライブミュージアム発信の情報から抜粋し、簡単なまとめをさせて頂こうと思います。

e0063212_20471070.jpg

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
トイレを美しく清らかに保とうとするのは、日本人固有の美意識です。明治、大正、昭和初期につくられた染付の便器は、青と白のシンプルな配色ながら、目を見張るほどの美しさをもち、日本のトイレ文化を象徴するものになっています。そのデザインには、日本人のきめ細やかな“おもてなし”の心を映し、海外の方からも高い評価を得ています。
※展示の古便器は、古流松應会家元の千羽他何之氏のコレクションが中心となっています。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
江戸時代後期、江戸の町では藍染めの着物と瀬戸産(愛知県)などの染付の食器が庶民に広く普及。「青と白」の取り合わせは粋でお洒落だという感覚が広がり、人びとにとってあこがれの対象となり、涼しさとみずみずしさの象徴となった。

ブームは明治時代に入ってからも続き、陶磁器製の便器にも「青と白」の装飾が施されるようになる。人目をはばかる空間だった便所は、視覚的にも精神的にも清らかな空間に。染付便器は一世を風靡。芸術作品と呼べるほど華麗で装飾性豊かな逸品がつくられた。
「染付古便器について」

e0063212_20495594.jpg

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
磁器製の便器が盛んに生産されるようになるのは明治時代の中期以降。江戸時代末期、当時一般的だった木製便器の形状を模して、陶器製の便器が瀬戸でつくられ始めた。陶器の素地を白化粧したのちに、青に発色する呉須(コバルト)で花鳥や草木などの模様が描かれた、いわゆる「染付」の便器。

当初はわずかな生産量だったが、濃尾大震災(明治24年〈1891〉直後から大量につくられるようになる。旅館や料亭、富裕層が復旧家屋のお客様便所用に、染付便器を設置するようになると大流行し、東海地方を中心に全国に普及していった。

華麗に染付が施された便器が一世を風靡すると、有田や平清水でもつくられるように。常滑では土管に多く見られる塩釉や、飴釉、褐色釉を掛けた便器が、信楽や赤坂では、白地に青釉を縦や横に流し掛けした便器がつくられた。

瀬戸では磁器製の便器の生産も始まった。美術品と見まがうほど華麗な文様が、内側にも外側にも施されていた。なかには、特別注文による作者の銘が入った、いわゆる“ブランドもの”もあり、非常に高価であったと思われる。

染付による陶器製便器は装飾性が高められていったが、明治38年(1905)頃になると、陶器製は変わらず染付が主流だったが、陶器より高価な磁器製便器は青磁釉を施したものが好まれるようになった。

さらに大正時代に入り、人びとの衛生観念が向上すると、都市部では人々の衛生観念が向上して吸水性のない磁器製便器を積極的に使うようになった。明治45年(1912)頃より、吸水性の少ない良質の陶器製染付便器が平清水でつくられはじめ、主に大正時代、東北地方を中心に出回り始めた。

大正12年(1923。関東大震災発生)頃には、陶器製の大便器も小判形が主流となり、青磁釉のものが多く出回る。昭和に入ると白色便器の関心が高まり、白磁の便器が増えた。
「古便器の変遷」

e0063212_2050940.jpg

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
白地に呉須で絵付けを施した染付便器の産地は3箇所あるが、ほとんどが瀬戸産。瀬戸では陶器と磁器の両方がつくられたが、磁器生産はわずか十数年。絵付けの技術も高いが、高価だったためそれほど普及しなかった。現存する資料はいずれも貴重である。 


有田では、わずか数年しか便器がつくられなかったようだ。現存する染付便器のうち、有田産と確認できているものは3点のみでいずれも磁器製。

瀬戸に遅れること約20年、平清水でも瀬戸を真似た陶製の染付便器がつくられるようになり、東北方面に出回った。鉄分を含んだ土に白い泥を厚く化粧掛けして染付が施されているため、瀬戸と産地の識別が可能。

e0063212_20502168.jpg

INAXライブミュージアムでは、陶磁器製便器やトイレに関係する資料・情報を募っています。問合せ等はこちら

--------------------------------------------------

今週の青のfacebookから。

e0063212_20415322.jpg
<青のfacebook サマリー:青釉色絵金彩大壺(伝イラン出土、13〜14世紀)/イランの青色の花入れ(現代)/青花氷梅文壺(清時代、17〜18世紀)>

e0063212_20431436.jpg
<青のfacebook サマリー:タフテソレイマンの浮彫金彩タイル(13世紀/オリジナルのデータ(画像と解説)は、WEB「CAIS ARCHAEOLOGICAL & CULTURAL NEWS©」内「Takht-e Soleyman Tile on Sotheby’s Auction」)/リシタン(ウズベキスタン)の皿/トルコ・イズニックのアディル・ジャン・ギュヴェンさんの皿>

きもち、日の暮れるのが遅くなったように感じます。寒さきびしい今年の冬。春の足音に耳を澄ませたいですね☆
by orientlibrary | 2013-01-12 21:00 | 日本のタイル、やきもの

蛇絵画、カシミアショール、西域美術、、博物館で工芸旅

2013年、「イスラムアート紀行」は、西アジア〜中央アジアの装飾タイル、加えて日本を含めての工芸、やきもの、土、染織などを、もっとスタディしていきたいと思います。「青」のテーマもより深く広く知っていきたいと思っています。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

せっかくなので干支にちなんでと思いますが、蛇、巳は、ビジュアル的になかなかむつかしいですね。リアル蛇も、以前動物園で模様の美しさに惹かれ、たくさん写真を撮ったんですが、iPhotoに入れてみると引いてしまい、消去してしまいました。けっして蛇が嫌いではないし、怖いとも思わないんですが、、ビジュアルとして難しい、、

そんな蛇に、東博が挑戦していました。「博物館に初もうで-巳・蛇・ヘビ」。「ここトーハクに140年をかけ巣食ってきた蛇たちが、いま結集しました」ということで、蛇にちなんだ絵画、彫刻、工芸品などを一堂に集めています。

e0063212_20413798.jpg
(左:胆松に白蛇/江戸時代、19世紀/販売目的ではなく配りものとして制作された版画を摺物と呼んでいる。新春を寿ぐ絵と狂歌を合わせた春興摺物として制作して交換することが江戸後期の趣味人に流行した。弁天様の使いとされるめでたい白蛇が松の木に絡み、朝日が昇っている) (右:岩山に坐す蛇使いの女/インド、北デカン/19世紀後半/音楽を表すラーガマーラ絵画の一つ。アサヴァリ・ラーギニーでは、孔雀の羽をつけた女が白檀の木の下に坐り、周りに蛇たちが集まってくるという図像が一般的である)

「蛇はときに、神のお使いとして、毎日のくらしの安全を守り、富をもたらすものと信じられました。また昔話や神話にもよく登場し、ふしぎな力をふるいます。日本に限らず、いろいろな時代と地域で、バラエティ豊かな蛇が絵に描かれ、形づくられてきましたが、そこには「おそれ」と「うやまい」の入りまじった、複雑な感情があらわれているようにみえます」(東博解説)

-------------------------ー------------------

お正月らしく、おめでたい模様、美しい模様を、東博展示から見てみましょう。和の手仕事、細やかで優美ですね。

e0063212_204218.jpg
(左:打掛/白綸子地松竹梅宝尽模様/江戸時代、18〜19世紀/麻葉繋ぎ文に菊花文を散らした地紋を織り出した綸子に紅・萌黄・鶸色・浅葱・白といった絹糸や、金糸で刺繍を施した総ぬいの小袖。松竹梅や宝尽くし模様要など吉祥文で埋められた晴着) (右:唐織/紅白段牡丹若松孔雀模様/江戸時代、18世紀/日本では牡丹は「顔佳花」と称され美人をして「立てば芍薬、座れば牡丹」とたたえられた) 

-------------------------ー------------------

さて、この東博、東洋館がリニューアルオープン!待ってましたよ〜。耐震が主目的だったようですが、全体に明るくなり展示も見やすくなっていました。展示ケースに使用された低反射ガラス、LED照明で、作品がクリアに見えるのがうれしい。アイランド型というのか何というのか、四方から見られるのも陶器の場合、とくにありがたいです。

現在、特集展示として「アジアの染織 カシミア・ショール」開催中。きれいでした〜!「インド北西部・カシミール地方に生育するカシミヤ山羊から採取される上質な毛糸をさまざまな色に染め、綴織や刺繍で細密な模様を表わしたカシミヤ・ショールを中心に展示します。同時代のイラン・ケルマン地方で製作されたカシミア・ショールやインド・ムガル王朝やイラン・サファヴィー朝の衣装も併せて展示しますので、華麗な王宮のイメージをお楽しみください」。

e0063212_20435012.jpg
(カシミア・ショール 赤地ペイズリー菱花文様刺繍/イラン・ケルマン/18~19世紀/鮮やかな緋色のカシミヤ地に色とりどりのカシミヤ毛糸で刺繍。インド独特の植物文であるペイズリー文様。本来カシミヤショールは綴織だが、ヨーロッパで人気が高まり需要が増えるにしたがって、刺繍で量産を試みるようになった/cashmere shawl, paisley, lozenge and flower design in embroidery on red ground)


e0063212_20445714.jpg
(コート 濃紺ヴェルヴェット地花卉文楊金銀糸刺繍/インド・ジャイプール マッダ・シーン2世着用/19世紀/つややかに光る黒いベルベット地に金モール糸で豪華な刺繍を施し、ルビーや真珠、エメラルドといった貴石でまばゆいばかりに装飾されている/coat, flower design in gold and silver in embroidery on deep blue velvet ground)


e0063212_20441719.jpg
(カシミア敷物 赤地ペイズリー立木孔雀人物文様刺繍/イラン・ケルマン/19世紀/18の半ばから19世紀にかけてヨーロッパで絶大な人気を博したカシミール地方のショール。19世紀にはイランのケルマン地方でも模倣して作られるようになった。伝統的な立木文様に鉄砲を持つ兵士が刺繍された近代的感覚を加えたデザイン/cashmere carpet, paisley, tree, peacock and figure design in embroidery on red ground)


e0063212_2044386.jpg
(カシミア壁掛 赤地ミフラーブ文様切嵌刺繍/インド・カシミール/18~19世紀/イスラム教礼拝用の壁掛けに用いたと考えられる。彩り豊かな毛織物を文様の形に切り、地にはめ込み、さらに輪郭を色糸で縁取りした手作りのぬくもりが感じられる作品/cashmere hanging decoration, floral scroll design in embroidery on red ground) これ好きでした〜^^


e0063212_20451741.jpg
(カシミア・ショール裂/18〜19世紀/fragments of cashmere shawls)

-------------------------ー------------------

期待の西アジア美術、、少ないなあ、、以前は展示スペースが狭いからないのかと思っていた、、工事中は仮だからなのかと思っていた、、広い場所に正式に置いても数は少ないのね、、。「3か月に一度入れ替えをします」ということだけど、たぶん、私が期待している陶器は元々これ以上ないのでは??これまでいくら見ても、これだけだったもの。もう覚えてるよ(泣)。エジプトはまあまあ多く、考古学的なものもある程度ある。でもイスラーム陶器は東博には少ないということですね。中国陶磁、朝鮮陶磁は多彩ですよ!もちろん日本の陶磁器はすごいです!、、そういうことですね。旅をしましょう。

e0063212_20453412.jpg
(左:西アジアの美術、、)(右:青釉色絵金彩大壺/イラン出土/イスラーム時代・13~14世紀/この青が大好きです。この作品だけ別格で一点だけの展示に)


今年もミュージアム、ギャラリー、展示会やイベントに、どんどん出かけてレポートしたいと思います。&今年は陶芸産地も巡りたいな。日本の産地は全然見ていない。これは大きなテーマ。イラン、トルコ、ウズベキスタン、インド、パキスタン、中東、マグレブも、もっともっと見たい。
今年も遊びにお立ち寄りくださいね!^^
by orientlibrary | 2013-01-06 21:05 | 中央ユーラシア暮らしと工芸

青い陶の花たち/ミントンタイル展/青の景セレクション

クリスマスシーズン、強い赤と緑と白、どこにいっても流れている同じ曲、強制的テンション揚げ揚げモード後、見渡してみると、やはり青系に目が止まりました。
フィンランドのライフスタイルブランド「マリメッコ」のテキスタイルデザイナーとして世界的に知られる石本藤雄さんの個展「石本藤雄展 布と陶 −冬− スパイラルガーデン」(東京・青山)。

石本さんの「マリメッコ」での作風は、フィンランドの自然を題材にしつつ日本的な感性も感じさせます。また、フィンランドの陶器メーカー「アラビア」にて、自身のライフワークとして想像上の草花や自然の風景をモチーフとした陶芸作品の制作を続けているとのことで、今回は布と陶をともに展示しています。

e0063212_15183196.jpg
(写真撮影とブログでの紹介は、個人のブログでの節度ある内容をということで、OKを頂いています)

スパイラルガーデンの吹抜けの螺旋状空間を贅沢に使った展示。黒や白のもの静かな陶芸作品は、夜の蓮池やその水面に映る月をイメージ。「凍てつく冬景色を想起させる極限まで色彩を押さえた空間がひろがります」。

e0063212_1519372.jpg

ギャラリーの白の壁面には伸びやかで個性的な陶の花が咲きます。造形もイキイキと魅力的なのですが、印象的なのは色合い。同じ青でも、西アジア中央アジア等の明快で強い青とは異なる世界。深みがあり控えめながら芯の強さを感じさせ何か語りかけてくるような青に、共感しました。

e0063212_15191653.jpg

赤や緑も華やかですが強すぎない淡い色合い。モチーフに合わせて土の質感が変化しているのも面白かった。
フィンランドデザインは最近注目されているようです。日本人が世界のデザインや工芸の第一線で存在感を持って活躍しているのはうれしいですね。

「石本藤雄展 布と陶 −冬−」。会場:スパイラルガーデン/会期:〜2013年1月14日(*12月30日~1月4日までは休館)。


↓下のコラージュは、上段3点が引き続き「布と陶」より。石本氏作品のファブリックや生地サンプル展示です。
e0063212_15204246.jpg

中段は、中央アジアの布を使った衣服を作っているカンノテキスタイルの展示会場にて(展示は終了)。ウズベキスタンの絹織物を作る職人さんたちが腕を競って取組んでいる大胆な「復興柄」(一時途絶えた柄のリバイバル)も現地から届いていました。シンプルな新柄もテキスタイルとしての魅力がたっぷり。今後の展開が楽しみです。

下段は、カンノ展示会場にて。トゥバ音楽演奏家・寺田亮平さんのブーツ!皮の模様がカッコ良く、裏にはトナカイの毛皮が張ってありとても暖かいそうです。中央は口琴ケース。模様「オルチェイ」はトゥバでは「幸せ」を意味するそうです。右はトゥバ語の歌詞。寺田さんはトゥバ語の話者でもあります。

寺田さんたちが準備中の「中央アジアの音楽 テュルク・ミュージック・イン・トーキョー」は1月27日開催。詳細はこちらです。なかなかない機会!草原の風を感じるひとときになりそうです。


* … * … * …* … * … * … * …* … * … * … * … * * … * … * …* … * … * … * …*

イスラームのタイルに熱狂の「イスラムアート紀行」、それ以外のタイルはほとんど登場しませんが、現在東京で開催中の英国タイルの展覧会を見てきました。「ミントンのタイル 千変万化の彩り」。会場:渋谷ヒカリエ 8階 8/CUBE 1,2,3/会期:~2013年1月7日(※1月1日は休館)。

e0063212_15245320.jpg

19世紀イギリスの陶磁器メーカーMINTON(ミントン)の美しいタイルを紹介するもの。ミントンは中世ゴシックの象嵌タイルや、色鮮やかな「マジョリカ釉」開発など、新しい技術の開発に積極的に取り組みました。タイルが人々の暮らしの中に取り入れられたという面では功績大ですよね。

イスラムタイル偏愛を公言しているオリエント・ライブラリー、くすみと濁りのある色、過剰装飾のヴィクトリアンタイルは最も苦手で見ることができません。でもミントンくらいになると、一巡して見ることができ、勉強になりました。手描きタイルの一枚は、とても好きで見とれました。転写タイルと手描きタイルは違うもの。それぞれに良いということでしょう。

以上は個人的感想であり、存在感の強いイスラムタイルよりむしろ、このようなきれいなタイルを好まれる方が日本では多いと思います。歴史有るタイルの本物が一堂に揃い、系統だった説明があり見やすいです。東京での開催は貴重ですよ!ヒカリエは渋谷駅直結の便利な場所。オシャレなお店も集結しています。お正月休みにいかがですか!?


* … * … * …* … * … * … * …* … * … * … * … * * … * … * …* … * … * … * …*

スタートして10日間くらいたった青のfacebook「青の陶器とタイル好き* blue ceramic museum」。勉強を兼ねて、一日1題にチャレンジ中。どんなフォーマットがいいかも試しています。投稿も系統だっていません。そうすると、逆に、反応の強弱が見えてきて興味深いです!

e0063212_1524989.jpg
(10日間にアップした主な青=タブリーズのブルーモスク/トルコ・イズニックの水場/サマルカンドのシャーヒズインダ廟/ブルーモスク本の青/青の魅惑展(facebookはこの写真じゃなかった、、アップしたのはメフメットさんのコーナー。こちらはアディルジャンさんコーナー)/シャーヒズインダ廟浮彫り/リシタン陶器/シャーヒズインダ廟雫型モザイク)

今のところ、人気No.1はサマルカンドのコバルトブルーの壁面タイル。続いてタブリーズ・ブルーモスクのコバルトブルーの壁面モザイクタイル。
どうもコバルト青に惹かれる方が多いようです。暮らしの中にある藍染めや染付、このあたりが日本人の青の好みの底流にあるのではという気がしてなりません。トルコ石青は、むしろエキゾチックな色なのかもという気がしています。

来年も引き続き青道邁進です!
今年一年、ご訪問どうもありがとうございました。お礼申し上げます。
年末年始、お元気でお過ごしくださいね。
どうぞ良いお年をお迎えください。
by orientlibrary | 2012-12-28 15:42 | 日本のタイル、やきもの

謎の皿を巡る旅 〜 シンド(パキスタン)とリシタン(ウズベキスタン)

やきものの国日本だけれど、装飾タイルの歴史が浅いこともあり、タイルのイメージは限定的。装飾タイル=イラン、イスタンブル、アルハンブラ、がんばってサマルカンドあたりが、日本でのタイルのイメージではないかと思います。

パキスタンのタイル、、ムルタンやウッチュ(いずれもパンジャーブ州)の聖者廟の独特の濃い青と模様が強く印象に残っています。繊細とはいえませんが濃厚な世界があり、とても惹かれるタイルです。個人的にはデリー・サルタナット朝時代のものが好き!!(ムガル朝時代にもラホールやデリー、シンド州のハイデラバードでタイル装飾の建造物が作られました)。ペルシアの影響を受けつつインド的なテイストが強いという感じでしょうか。が、私が見ていたのはそこまで。

e0063212_18252623.jpg
(ムルタン、ウッチュ、ラホールの装飾タイル)

現地からのナマの情報が溢れるように発信されるインターネット(facebook、WEBサイト、flicker等)。すごいですね〜!夏に、ムルタンのアートギャラリー「Craft Galleria」のfacebookページを見つけて大喜び。現代の青の陶器の写真が豊富、興味津々で見ていました。(その後、同じ写真の繰り返しになってしまい残念)

インダス河流域の建築(青いタイルや日干しレンガ!)、伝統的服飾、自然が満載の「INDUS VALLEY CIVILIZATION」facebookページもカッコいいです。たくさんの建造物(遺跡化しているものも多いけれど)が素晴らしい!!

最近、知人経由で知った「Tradtional Sindh Kashi Tiles」。パキスタン・シンド(Sindh)州の「Nasarpur」(インダス文明の中でも最も古くから人が住みついた町のひとつ)にある陶芸ファミリーのfacebookページです。現地建造物のタイルのアップ写真(タイル模様をクローズアップした写真は書籍でもWEBでも少ない)や現代のタイル写真、タイル製作の様子など、興味深いです。

そんな日々、アップされた一枚の写真に目が止まりました。説明には、「Traditional Sindh Kashi Tiles pottery product round plate surface design with traditional kashi kari motives 」(伝統的なシンドの陶芸製品。現地の伝統的なモチーフが描かれている丸皿/「kashi kari」はインド・パキスタンで「施釉陶器〜タイル」)。

え?!ホント!?シンドの皿??あまりに似ている、ウズベキスタン(リシタン)の陶器に、、。こんなことってあるの!? (↓)コラージュ写真1段め左「これが問題のお皿」。他の皿(1段めの3点)と、これだけが違う気がしてなりません。でも「シンドの陶器」と明記してあります。

驚いて、コメント欄から、「ウズベキスタンの陶器とそっくりなことに驚きました。とくにボーダーの部分の模様とコバルト青の色が」と書いてみたところ、(英語の意味がよくわからないのですが)「働いている人々がいることは知っている。でも自分はパキスタンのシンドに属している/yes i know their is people working on but i do belong from Pakistan Sindh」とのコメントが。

これを読んで、さらに驚愕。ということは(Peopleが何を指すか不明ではあるけれど)、ウズベキスタンからパキスタンの陶芸産地に働きに行っているの!?これは自分的には、かなりの大ニュースです!

想像できないことではない。イスラム教が根づいた国同士だし、距離もそれほど遠くないし、中央アジア(とくに陶芸産地リシタンのあるフェルガナ地方)と北インド世界はムガル朝という縁があるし。ロシアや韓国に働きに行くと同様、パキスタンに行くこともあるのかなと。ウズベキスタンの社会状況等も考え合わせ、あり得るのかなと思いつつ、現代の工人の移動にワクワクドキドキ、思いを巡らせていました。

e0063212_18262799.jpg
(写真1段め左「これが問題のお皿」。謎解き遊びは、下記文章にて/コラージュで写真が小さくなってしまったかなあ、、/1段めの写真4点は「Tradtional Sindh Kashi Tiles」より引用)

でも、「問題のお皿」を見ていると、、、どうしても「よく見た模様、知っている色」と思ってしまうのです。
そこで、気になる点、色と模様を独断で検証してみました! 1段めの左から2,3,4はシンドのもの。この緑と青をよくごらん下さい。また模様もじっくりと。

2段め。リシタンの緑色と青です。緑色はリシタンの方がクリアでしっかりしている。シンドの緑色は黄色みがあります。青(コバルト青、ターコイズ青ともに)もリシタンの方がクリアで、シンドの青は黒みがあるように思います。

3段めは模様。「問題皿」のボーダーの蔓草のようなくるんくるんした模様は、リシタンのボーダーと共通していると思います。緑のライン(例:魚皿)も時々見られるパターンです。「問題皿」の見込みの模様は、知っている工房の作品よりやさしいタッチなので少し惑わされました。でも花びらを見ると、筆を先端から奥に押し付けながら花びらを描いていく描き方(リシタンの特徴)が同じ。模様も全体にシンドの方がざっくりした描き方。

4段め。わりと細密で白地の多いデザイン。花びらを全面に散らし細いラインで花模様の合間を埋めるデザイン、曲線で描く細いラインが似ている。さらに、今年の夏、「今年は白地を多くしたデザインを増やしている」と聞きました。実際、4段め右の2点は、今夏購入してきたものです。

e0063212_143149.jpg
(NEW! ! 上の比較コラージュ写真が小さくて見えにくいため、4枚版を作りました!)

職人さん自身が移動してパキスタンで製作しているという考えは??独断ですが、皿は元々の産地(リシタン)で作られたと思います。職人さんは移動しても、土や釉薬や窯ごと持って行けない。模様は移動先で描けても、色は持って行けない

「問題皿」の化粧土の方が白くてクリア、シンドの白はクリームがかっているように見えます。
そして緑色。今回最大のポイントはこの緑色でした。緑色も明度や色味が微妙に違う。これはリシタンの緑だと思う。万が一、土や釉薬など、すべて持参したとしても、焼成温度や窯の特徴が違うのでは?
さらに、余計なことですが、シンドの皿は黒い紙の上で撮影されており、「問題皿」はコンクリ床。なんだかリシタンの工房の床を想像してしまいました。

そういえば、昨年の夏もリシタンの工房で、「ヒンドゥスタンから大量の注文があって」と一生懸命製作していました。行き来が活発になり、様々に交流もあるのでしょうね。購入されたり、サンプルとして運ばれたという線もあり??なんらかの経緯で、シンドの陶芸一家の手元に写真が、あるいは実物があったのでは??

上より、独断による結論=「(シンドの皿としてアップされた)問題皿」は、リシタンで、リシタンの職人が作った、リシタンのお皿。( (^_^;)))専門家の方、素人の推測なので、お遊びと思って見逃してください!)

すべて妄想かもしれません!!ホントにシンドの皿かもしれない。リシタンの職人さんがシンドできれいなお皿を作っていたらゴメンナサイ!それはそれで、すごく興味のあることで、マジでその点を調べたいんです。だからこそ、気になってしまったんです。大好きなウズベキスタンとパキスタンの「交差」を見て、とてもワクワクしている私です。

そんなわけで、、妄想につきあっていただいた皆様に、リシタンの青や模様をプレゼント 。(ね、やはり、「問題皿」と近いでしょう??)↓↓↓↓↓↓


e0063212_18283854.jpg
(リシタンの青の茶碗。クリアな青の発色。模様も多彩です。直径10cm程度)


e0063212_1830964.jpg
(リシタンの青の魚皿。青といっても多様です。個性的でのびのびした図柄が魅力。魚は幸福の象徴)


e0063212_18305979.jpg
(リシタンのタイル。「問題皿」の模様や色の参考になりそうなものを選びました。パキスタンの現代のタイルにも、ぜひともこれから注目していきたいと思います!興味津々です)


e0063212_1832448.jpg
(フェルガナの廟。リシタンの工房が装飾タイルを製作しました。緑色にご注目ください。この緑色なんです。だからお皿がどうしてもリシタンのものだと思ってしまうのです)

今回もご訪問ありがとうございました。年末近し。ちょっと慌ただしいですね。風邪などひかれませんように。
by orientlibrary | 2012-12-07 18:48 | ウズベキスタンのタイルと陶芸