イスラムアート紀行

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ウズベクの夏、暮らしのなかで

ウズベキスタンから戻りました。
暑さは、日本と同じくらいともいえますが、日本の方が暑く感じます。ウズは「日差しカンカン」、日本は「空気モワモワ」。全身がお風呂に入っているような日本の方がキツいですね。


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(暑い夏の贈り物、ウズのフルーツ)


私はもともと「優雅なリゾートでゆっくり」的な志向が少なく、「ゴージャス」とか「リッチ」にも縁がありません。貧乏性なのでしょうけれど、体験ができること、地元の人の暮らしや考えに触れられるような旅行の方が好きです。


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(路地裏の光景)


その意味では、今回は本当に希望にかなったものでした。観光はゼロ。ふつうのお家でご飯を食べ、やりたかったことを日々おこなっていました。そして帰ってきました。短かったけれど、とても満足です。多くの方々に感謝しています。


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(コーカンド、宮殿のタイル。陶器やタイルも、たくさん見ることができました。)


陶器絵付けやイスラムの模様のことなども、今後わかる範囲で書いていければと思っています。
by orientlibrary | 2010-08-27 23:06 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

ウズ、暮らしの光景

しばらく更新できなかった当ブログ、ようやく復帰体制に。
気候もムシムシして、なかなかいい感じになってきました。
but、今回も写真のピックアップ止まりで、、せっかくお立ち寄りくださっているのに、すいませんm(_ _)m。
ウズベキスタンの光景アトランダムです。
(次回からは何とかしたいと思ってます!☆)


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(涼しげな青のタイルをどうぞ。サマルカンドのシャーヒズインダ墓廟群)


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(私がウズ好きなのは、職人気質が今なお生きていると思うから。道具も、とてもいい形をしている。でも急激な社会の変化の中で、これからどう変わっていくんだろう。いいモノも需要がないと成立しない。手仕事のモノを巡る状況はどうなっていくのかな)


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(キルギスの状勢も気になります。ウズは水が少ないので、そのあたり含めて気になります。どうして急に「民族紛争」が勃発したんだろう。暑さの中で避難民の人たちも大変だと思います。上の写真の「水」ですが、たしかタシケントで撮った写真だと思いますが、これって何?右についている鍵は何のため?)


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(タシケントにて。これ、肉屋さんのショーケースじゃないんです。レストランなんですよね。肉の国。情けないことに肉類が苦手な私。よく「どうしてるの?」と聞かれるんですが、ナンと果物があれば大丈夫。それに家庭料理は野菜も多いし。でも外食はかなりツライものがあります。ここまで肉を食べなくても、、でも気候風土ですね。必要なんですね)


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(ウズのごちそう、プロフ。羊肉入り炊き込みご飯。普通相当に油っぽいけど、サマルカンドのこのプロフは今まで食べた中で一番さっぱりしていて美味しくいただけました。品のいい味。唐辛子とうずら卵がかわいい☆)


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(家庭料理は野菜が多くて助かります。しかも野菜がものすごく美味しい!!野菜の味がきちんとします。うれしいです。あっさり塩味で)


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(家庭料理その2。お父さんが調理&焼き担当の「シャシリク」。ウズといえばこのシャシリク。なんたって炭火でじっくり愛情こめて、ですからねえ。贅沢な料理だと思います)


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(家庭といえば、部屋。と強引に話をつなげていますが、、こちらはウズの家庭のダイニング&リビングルーム。明るくて清潔なお部屋でくつろぎます。床に座るところが和むんだな。靴も脱ぎます。お布団で寝ます。食事は違うけど、暮らしぶりは近いです)


暑さが少しおさまった頃に行きたいなと思うこの頃です。
サッカーも見なければ。(ちなみにアルゼンチンが好みです。サッカー、全然知らないけど。なんかカッコいいじゃないですか!?)
by orientlibrary | 2010-07-02 00:28 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

ウズベキスタンの宝物、「マハラ」

●以前、「トルクメンの座布団(絨緞をカットしたもの)のせいか、ちょっとした不思議体験をしました」と書いたところ、「何があったの?」「座布団はどんな柄?」などのご質問が。また、「苔玉作りました」では、「その後、どうなった?」というメールも。合わせてここにご紹介します!、、、こんなので〜す↓。トルクメンファンにはおなじみのギュル。強いです。赤が濃いです。苔玉、元気です。ウズベキスタンの青の陶器の中で、とっても元気です。ウズじいちゃんも写真に入ってくれました。不思議体験は、一種の幽体離脱系。ヨガの後だったので、ごく自然な現象かもしれません。ヨガで体が空っぽになる感じって、いいものです。日々の中で、心身ガチガチになってるので。

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●ガチガチの心身、ほぐしたいですね〜。そんなときには中央アジアに思いを馳せて、こんな話題はいかが?ウズベキスタンの「マハラ(マハッラ)」です。写真もマハラにちなんだものを選びました。

●ウズベキスタンのことが語られるときに、時々登場する言葉マハラ。たとえば、中央アジアでの日本語弁論大会で優勝したA君のスピーチの中に、こんな一節がありました。

「ウズベクには“マハラ”という、日本の町内会のような、組織があります。“マハラ”が親代わりになったり、結婚式、お葬式など、めでたいことや困ったことなどを、お互いに助けあいます。ひとつのマハラは3 Km 四方ぐらいの広さで、約 2,000 人ぐらいの人が住んでいます」

「マハラにもルールがありますが、厳しいものではありません。 どこかにお葬式や “ハシャール”という町の共同作業があるとき、手伝いに出なかったことを恥ずかしいと思って、マハラの仕事があるときは、どの家でも必ず誰かが手伝いに行きます。 私は、マハラはウズベクの、大事な宝物だと思います」

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(生活の匂いあふれる路地歩きが好き)

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(ぶらぶら歩きしたいな、土の道)

●A君、これを書いた時は二十歳。若者も「ウズベクの宝物」と思っているマハラ、別の本で見てみましょう。『社会主義後のウズベキスタン 〜変わる国と揺れる人々の心』(ティムール・ダダバエフ/アジア経済研究所発行)、この本はウズベキスタン出身の著者自身の経験や人々へのインタビューによって構成されている新書。ソ連邦崩壊後の人々の価値観の変化や夢や悩みが、具体的に紹介されています。このなかでも「人々のアイデンティティを形づくるもの」として宗教、郷土意識と並ぶ3本柱の一つとしてマハラが紹介されていました。以下「 」内は同書から引用させていただいています。

「マハッラと呼ばれるコミュニティは、ウズベキスタンの人々のアイデンティティ形成において重要な役割を果たす人的ネットワークの代表例である」

「マハッラとは、アラビア語で都市の住宅地域に見られた街区あるいはいくつかの街区を合わせた行政単位を意味する。これは、いわゆるイスラーム世界の伝統的な都市に広く見られる。8世紀以降、徐々にイスラーム化の進んだ中央アジアでも、この語は都市の街区や農村地域の地区などの意味で用いられてきた」

「マハッラは、都市社会のもっとも基本的な単位であり、都市の住戸はいずれかのマハッラに所属しているのが普通であった」

「中央アジア南部のオアシス地域では、個々の住宅は高い粘土壁で囲まれたスペースに中庭を設け、その周りに住居空間を配置するのが一般的であり、これらの住宅を細い路地で結びながら、生活と行政の側面で近隣コミュニティとして機能してきたのがマハッラである」

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(路地沿いに土壁。素朴な土味がある)

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(土壁の中には広々とした中庭のある住まい。庭には果樹や畑があり生産的でもある)

●マハラってアラビア語だったんですか。勉強不足でした。それにしても、、オアシス、中庭、土壁という言葉、それだけでイメージが広がり、和む私です。ほわほわ〜〜。

「その主な機能は、相互扶助的な隣人ネットワークであり、住民は一つのモスクやパン焼き釜を共有しながら、冠婚葬祭などの儀礼を共同で実施し、また必要に応じて労力を提供しあい(ハシャル)、用水地や道路の清掃に当たってきた。非金銭的な相互支援の仕組みであったとも言える」

「このようなマハッラに寄せる人々の帰属意識は濃密であり、ブハラ人やサマルカンド人という個々のオアシス都市への帰属意識と並んで重要なアイデンティティのよりどころであったと考えられている。政治権力は頻繁に交替したが、中央アジアのオアシス都市社会の持続性を支えてきたのは、このマハッラだったと言える」

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(マハラのモスク。整然と清掃され種々の花が咲く庭がある)

●日本の町内会と同じようなものと説明されることの多いマハラですが、より深く強い紐帯のように思えます。暮らしの中の道徳も教えられます。長老や老人の存在は重要だったそうです。

「(マハッラの)長老は、万引きをする、タバコを吸う、家出をする、親の言うことを無視するなど、行動に問題のある子どもを厳しくしつけ、二度とそのようなことをしないように見守った」

●ウズベク人以外の民族も積極的にマハラに参加していたそうです。あるロシア女性は語ります。

「(洗濯後の水の始末のことなど)私に注意をしてくれた人は怒ることもなく優しく説明してくれました。私が出産のために入院していたとき、マハッラの人たちが私の親戚がロシアからお見舞いにくることができないことを知って、毎日のように順番に病院まで料理を持って来てくれました。とても温かい気持ちになり、ありがたかったです」

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(ハシャールで守り維持する聖者廟)

●長い歴史と伝統を持つマハラですが、ソ連邦崩壊後の暮らしの変化や人々の揺れる心に焦点を当てる同書、マハラの変化にもリアルに迫っていきます。

「独立後の政策によって、マハッラはさまざまな権限を与えられ、非公式かつ伝統的な組織から公式な準行政機関へと変貌した。(略) しかしマハッラの公式化は、事実上、新たな行政機関を作り上げることになってしまい、マハッラに対する住民の信頼と期待は裏切られる形になった」

●変化にとまどい、こんな感想を述べる人もいました。

「昔(公式化以前)のマハッラではお互いに対する思いやりがあり、個々人の問題は住民全体の問題として考えていました。当時の(現在のような犯罪防止隊は存在しなかった)マハッラの方が泥棒も少なく、みんな家のドアを閉めずにドアにカギをかけずに暮らしていて、住民同士の信頼度は高かったのです。今のマハッラの状態を見ていると、生活が良くなって(さまざまな支援の仕組みが制度化されて)いるにもかかわらず、人々のお互いに対する優しさはどんどん減っています」

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(フェルガナの立派なマザール=聖者廟。タイル装飾が美しい)

●複雑な気持ちになりますね。こんな発言、見つけました。(「ウズベキスタンと中央アジア:安定と持続的発展の実現」
/アブドゥジャバル・アブドゥバキトフ/ウェストミンスター大学タシケント校学長/2008年10月/中央ユーラシア研究会公開シンポジウムにて)

「今、わが国の政治体制は再構築の真只中にある、現在、国家建設のために政治エンジンとして4つの政党があるが、その構築の基盤は伝統的末端共同体マハラと直結している。マハラというのは英語ではネイティブ、あるいはコミュニティ、ネイバーフッド、アドミニストレーション、コミュニティの自治会などと訳すことができる。今われわれはこれを、新しい近代的なわれわれ自身の制度に編成替えしようとしている。そしてさらに、アジア型の市民社会の特徴を高めていきたい」

●編成替え、、、う〜ん、、『社会主義後のウズベキスタン』の筆者であるティムール・ダダバエフさんは、マハラの項を次のように結んでいます。

「人々の多くは公式化された行政機関の機能を果たしているマハッラの姿にそれほど親近感を抱いていない。むしろ、昔の非公式なコミュニティ内にあった人々の関係が壊れていくことを気にしているように思われる」

●ティムールさんは慎重に言葉を選んでいますが、その奥にある多くの人々の声の声が聞こえてくるような気がします。

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(Fさん撮影/ナン焼き釜を積んだロバ車。窯はマハラで共有の場合もあるようです)
by orientlibrary | 2009-11-11 22:33 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

シリアのタイル、ペルシャ料理、中央アジアが舞台のコミック

◆ 爽やかでイキイキ、シリアのタイル ◆
前回の「シリア料理」にちなんで、シリアのタイルを少し見てみましょう。石造建築が特徴的なシリアの建物ですが、16世紀オスマン朝時代のモスクの壁面やミヒラーブなどで美しいタイル装飾が見られます。

同時代のオスマン朝・イズニクタイルの影響を受けていますが、ダマスカス独特の爽やかな色合いで、葡萄や糸杉など多彩な植物模様がみずみずしく描かれています。イキイキとしたデザインはのびやかで洗練されており、個人的にはオスマン朝トルコの華麗なタイルよりも、むしろこちらが好みです。

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(爽やかなセージグリーンがダマスカスタイルの特徴。青や白とのバランスも良く明るい/DARWISHIYYA MOSQUE・ ダマスカス/1571/『THE ART OF THE ISLAMIC TILE』より引用)

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◆ オシャレなペルシャ料理の本 ◆

次は、「シリア料理」から料理つながりでペルシア料理へ!リンク先の記事で知ったサイト「カフェペルシャ」。日本在住のイラン出身のアーティスト・レザさんのサイトがオシャレ。私はイランのタイルや建築が大好きですが、やはりどちらかというとササン朝とか中世頃とか、古い時代のペルシアに中心に見ることが多くなります。

でも、以前ご紹介したイランの子ども向けの工芸紹介本を見ても、あるいは独特の世界を持つイラン映画を見ても、イランの人の美的・芸術的感性というのは突き抜けたものがあると感じます。最近は、とてもチャーミングなイラン出身の女優(サヘル・ローズさん)や、芥川賞候補になったイラン人女性(シリン・ネザマフィさん)など、日本でもイラン出身の方が活躍中。うれしいことです。

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レザさんが最近出版した料理本『家庭で楽しむ ペルシャ料理 〜フルーツ、ハーブ、野菜たっぷり』(河出書房新社)。野菜たっぷりのレシピで、おいしそう&見た目にも軽やか。絨緞や刺繍、タイルなども紹介されていました。オシャレなイランです。

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◆ 描き込まれた情熱!チュルクの嫁入り物語 ◆

最後に、当サイトではめずらしいコミックの話題です。今朝、新聞の書評欄で「中央アジアの嫁入りを描いたコミック本『乙嫁語り』(森薫)」を知りました。さっそく書店へゴー!といっても、コミック本売り場に足を踏み入れることがほぼない私、どう探していいかもわからず結局店員さんに探してもらうことに。発見したこのコミック、平積みで、しかも売れてたんですよ!「中央ユーラシアが舞台のブライド・ストーリー」、いいですね〜!

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(『乙嫁語り』/森薫/エンターブレイン)

帰って即読みましたが、「19世紀中央アジア、カスピ海周辺の地方都市」とされる地域の民族衣装や装身具、暮らしの濃密な描きこみがすごい!驚きです。その緻密かつ迫っていくような描写から、溢れるような対象への関心の強さを感じます。天幕の中、陶器、絨緞、食べ物、、いやあ、もう中央アジア好きには、たまりません!!作者はいったいどんな人!?

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(木彫り装飾や住居作りにふれた一節も。多彩な木彫りの描写が素晴らしいです)

作者の森薫さん、「そもそもこの中央アジア、コーカサス地域にはまったのは、中学〜高校の頃。当時盛り上がっていたシルクロード関連書を図書館で読みあさったのがきっかけで、馬、羊、幕家、じゃらじゃら、じゅうたんじゅうたん、むしろじゅうたん!!!」、「まあそんな暑苦しい何やらが竹の地下茎のごとく、ここに来てまた芽を出して出来上がったのがこのお話です」とのこと(あとがき=これもマンガです=より)。やはり積年の思いがあったんですね〜。

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(こんな絨緞も登場してます)

ネットで調べてみると、おもしろい紹介がいくつもありました。「“民族衣装描きたいいいい!”という作者の叫びが紙面から聞こえてきそうな、恐るべき描き込みの細かさです。本人の気のすむまで描いて描い描き倒す(後略)」。このサイトでは描かれた民族衣装がどこのものかを調べています。こういう関心の道筋、中央アジア好きとしては、とってもうれしいです。

「森薫の新連載『乙嫁語り』に出てくる“チュルク系民族”を追う」という記事もおもしろかったです。筆者は外国語学部のトルコ語専攻。この物語に出てくる民族が誰なのかを調査するために大阪のみんぱくで衣装をチェックし、チュルク研究者にもヒアリング。結果、この物語は「チュルク系民族の複合的なイメージ」ではないかと結んでいます。

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(舞台はこんな風景かな。カラカルパキスタンのカラ周辺)

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中央ユーラシアへの関心の入り口、私はタイルでした。そして現地の人の温かさに出会い、暮らしに触れました。「〜スタン」の国や中東の国々、入り口は、料理でも映画でもコミックでも。いろんなところから、どんどん入ってみて欲しいな!&、、最近、このような話題を書ける機会が増えてきました。なんだか「来てる」感じがします!☆
by orientlibrary | 2009-11-01 22:13 | 絨緞/天幕/布/衣装

世界の郷土料理・シリア編にチャレンジ!

●インドや南アジア世界、そしてイスラムのタイルや建築〜西アジアや中央アジアの生活文化というあたりを好きになって17〜18年くらいたちます。でも90年代の始め頃には、まだまだあのあたりの情報が少なく、というより情報に接すること自体ができず、イベントやセミナーなどに参加する機会もあまりありませんでした。国際交流基金の図書館などでアジアの情報誌を見つけて定期購読し、そこに出ているイベントに行ったり、国際交流基金のアジアセミナーに通ったりしていました。さらにイスラムについては、私のような一般人がどうやって近づいていけばいいのか、方法が探せませんでした。

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(中東を紹介する本や写真も)

●90年代半ば頃からアジアのインテリアや雑貨が流行し、音楽や映画でもアジアのものに接することが増えてきました。そしてやはりインターネットは大きいです。今やネットで検索すれば様々な情報を得ることができます。マイナーで自分だけかなと思っていたことでも、同じ嗜好、志向の人がいることを知りうれしくなるときもあります。

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(材料の一部)

●「東京アラウンドザワールドプロジェクト 〜音楽とともに世界の伝統・郷土料理をめぐるシリーズ〜 第1回;アラブ・中東編」(1部:料理教室、2部:パーティ)に行ってみて、時代は変わったと感じました。最近そう思うことが多いです。マイナーだろうと思う場所や催しにも、たくさんの人が参加しているのです。それも若い世代がたくさん。なんというか軽々とした感じで楽しそうにしています。いいことだと思います。世界はいろいろ。まずはいろんなことに好奇心を持ち、参加し体験し、そこから共感も生まれてくると思います。

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(ひきわり小麦ブルグル)

●そんなわけで、今日はシリア料理に挑戦してきました(といっても野菜を切った程度ですが、、)。まず驚いたのは野菜の量。パセリのみじん切りが大きなボールに3杯。豆もすごい。もどしたひよこ豆をあんなにたくさん見たのは初めてです。(2部のパーティでサーブする「ホンモス」用でした。フードプロセッサーの音が絶えることなく続いていました。大変な量です。2部は80名くらいでしたから、、)

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(シリア料理シェフ、ムハンナドさん。弟さんの名前がムハンマドさん)

●教えてくれるのは、吉祥寺のシリア料理&カフェのイケメンシェフ・ムハンナドさんです。いちばん驚いたのはクミンパウダーの使用量。パセリ、タマネギ、オリーブオイル、レモン汁、トマトもドカドカと大量に使います。ミントやコリアンダーパウダーも重要。

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(レンズ豆。赤い方が皮を取ったもの)

●メニューは、「レンズ豆のスープ」(皮を取った赤いレンズ豆。クミンやたくさんのスパイスをどんどん入れ、、いいのかなあと思っていましたが、食べてみると超ウマイ!栄養もありそう)/「タブーレ」(パセリのサラダ。「ブルグル」というクスクスに似た形状の挽き割り小麦を使います。パセリが主役のサラダですが、日本のパセリは強いので苦みを取った方が良いようです)/「ファラフェル」(ひよこ豆やタマネギをペースト状にしたものを油で揚げます。円形にする道具がおもしろくて、買いたくなりました。絶対入手しよう!)/「アラブ風ムサカ」(じゃがいも、ナス、トマトやタマネギと野菜だけのムサカ。ナスがおいしいんですよね〜)など。

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(1部の試食。どの料理もとってもおいしかったです。スープのコクのある味わいはかなりイケました。スープの上のがじゃがいものホンモス風。これもおいしかった!奥に見える納豆汁のようなものは酸味がある爽やかな料理。ライスに添えて)

●これにパン、サフランライス、じゃがいものホンモス風、などもあり、おなかいっぱい。飲み物は、甘いミントティー、カルカレ(ハイビスカスのガクを煮出して砂糖を加えたもの)などいろいろな味を楽しみました。お菓子もヴァクラバとチェニジアのスイーツ(デーツの餡入り揚げ菓子)がありました。

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(サウジアラビアのドリンク「サウジシャンパン」、その正体は!?)

●おもしろいのは、サウジアラビアのノンアルコールドリンク「サウジシャンパン」。アップルジュースをサイダーで割ったものにリンゴの薄切りとミントを浮かべています。味は、、アップルジュースが薄まったもの。爽やかなので夏にはいいかも。

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(展示品。左がデーツのジュース、真ん中はチェニジアの酒、右はキプロスのトルコのラク、だそうです)

●中央アジア好きなのに肉が苦手な私、現地ではナンと果物があれば問題はないのですが(肉料理ばかりの中央アジアでも家庭ではサラダやスープなどの野菜メニューもいろいろあっておいしいです)、やはり本来はベジタリアン系や地中海料理系がうれしい。中東の料理は野菜や豆類が多くて、とっても助かります。前菜類がおいしいですよね。

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(パーティにはたくさんの参加者が。いいですね〜)

●でも、ホントにこんなに使うんだ、、とスパイスやオリーブオイルの使用量の多さを実感できたのは、料理教室ならでは。日本ではハーブ&スパイスがあまり安くないので材料費が多少かかるかなとも思いますが、シリア料理、一度自分で作ってみなくてはと思いました。その前に吉祥寺にも食べに行こうっと。中東料理、機会があればぜひトライアルを。おすすめします。

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(ウードとヴァイオリンの共演。中東音楽について専門的な質問も。この他シリアの農業についての専門家のトークもあり盛りだくさんのプログラムでした)
by orientlibrary | 2009-10-26 01:06 | 中央ユーラシア暮らしと工芸

月を愛でる日本の感性、そしてイスラムの月と星

「発掘!かっこいいニッポン」をテーマにする『COOL JAPAN』(NHK)という番組で、「月」を特集していました。月・・当たり前にあるもの、毎日何気なく見ているもの、、これが特別?と思い、見ていましたが、月に親しい感情を持ち美しさを愛でる日本独特の感性に気づき、また各国から来日して日本で暮らす人たちの視点がおもしろく、いろんな発見がありました。そして、月といえばイスラムだよね!日本と近い感覚なんだよね!と調べた結果、意外なことに、、

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(クニャウルゲンチ(現トルクメニスタン)・トラベクハニムモスク天井のタイル装飾。宇宙を表すと言われている)

◆ 月見、ウサギ、かぐや姫、月の砂漠、月光写真、、◆
番組は、<月にまつわる商品や習慣><日本建築の中の月><月光写真>の3部構成。「月は形が変わるからおもしろい」と言う男の子。「月に見守られているような気がする」という女性。連想するものとして「月の沙漠」「ウサギ」をあげる人等々。日本人は月について違和感なくスムーズに語ります。建築に月を取り入れる工夫にはびっくり。

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(月見に見立てた座敷。丸い部分が月を表す。富士山の掛け軸と。丸い部分には黒い絹布が貼ってあり夜には後ろにロウソクを灯して月らしさを演出するという懲りよう。この建物では月を庭の池に映しその光を反射させ天井に水のゆらぎを写すという工夫も。とことん月に魅せられたのかも/テレビ番組を撮影)

印象的だったのは、月についてのイメージの違い。日本では、月は身近な存在で親しまれており、良い印象。ところが欧米では、狼男、魔女を連想するなど、悪いイメージなのだそうです。たとえば、「不吉、孤独のイメージ。ネガティブで悪いイメージ」(スペイン)、「満月の夜には警察や病院が満員になると言われ悪いイメージ」(アメリカ)。

アジアでは違いました。インドネシアでは「女性を褒めるときや女性の名前に使う。たとえばチャンドラという名前は夜の月(暗闇を照らす美しいもの)という意味」。マケドニア(アジアではないけれど古代的センス)では、「古代マケドニアでは女性は月の形のイアリングをしていた。月は女性を守ってくれる」。なるほど、月が女性と関連するのは、なんとなくわかります。日本でも「かぐや姫」は月に帰っていきますし。

月見も日本だと当たり前の感覚ですが、月夜には「満月を照明として踊り明かすパーティ」(ニュージーランド)、「月と炎でキャンプファイアー」(ブラジル)、「満月の夜の闘牛」(スペイン)などアクティブ。「外を歩いていれば見えるのに、どうしてわざわざ月見をするの?」という率直な疑問も。

一方アジア組は、すんなりです。「庭で少人数で月を見ておしゃべりする」(マケドニア)、「バリヒンドゥーでは毎月、新月と満月の夜にお祭り。宇宙から良いエネルギーをもらう」(インドネシア)と、月への憧憬や親しみが感じられます。

日本の「月見そば」・・卵の黄味が月、白身がおぼろ、かまぼこが雲、海苔が大地等、絵画的な見立て。こういうの得意ですよね〜、日本って。在日外国人ゲストたちは、「普通は蕎麦と卵としか言わない」「ユニークな想像力」。さらに”月にはウサギ”を切り口にしたお菓子や雑貨については、「クールというよりキュート」「子どもっぽい」「かわいいものが好きな日本人らしい」と、繊細さに驚きながらも、少し引いてました。

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(月見そば。月や周囲の自然を表す日本的な見立ての世界/テレビ番組を撮影)
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(月から連想するのはウサギ。かわいさもあって人気のモチーフに/テレビ番組を撮影)

月見バーガーも日本独特。英語では目玉焼きは「sunny side up」。欧米は太陽が身近、日本〜アジアは月が暮らしの中では、より身近なのかも?「月は満ちたり欠けたり自然のリズムがある。魔法的な力があり昔はどんな国の人も惹かれていたはず。農耕民族の農業のリズムと関連があり、日本人は月との関係が深い」と番組の解説がありました。たしかに昔の暦も太陰暦で月の満ち欠けが基準。本来は月のリズムが人に合うのかもしれないと、ふと思いました。


◆ 月はイスラムのシンボル? ◆
月の番組を見て、よし!ブログのテーマは月!イスラムも月と星がシンボルだし、と考えた私。さっそくタイル装飾やイスラム美術の中の月のモチーフや表現を求めて、手持ちの写真集、本をどんどん見ていきました。

ところが、、ない、、ないのです。タイル〜建築関係でも、トルコのモスクなどの尖塔に三日月があるのを見るくらいです。タイルにはなくても細密画にはあるよね?ない。布や衣装は?ない。壁画は、ミラーワークは、漆喰装飾は、庭のデザインは?金属器や現代のアートまで見ましたが、少なくとも私の持っている本では、月は発見できなかったのです。月はイスラムのシンボリックなモチーフではないのかも、、。むしろ、中央アジアの刺繍やタイル等では、太陽モチーフの方が例があります。 (miriyunさんのブログで、以前東京モスクのカリグラフィーの中の三日月が紹介されていました。貴重な例に感謝)。

では、どうしてイスラムって「月と星」というイメージがあるのかな。 ・・・「イスラム教のシンボルは、三日月と星、緑と赤である。イスラム国家40カ国の内、18カ国の国旗は三日月と星を使っている。月は満月ではなく、必ず三日月である。三日月は発展を表し、星は知識を表す」、「国旗に三日月と月をデザインしているのは、トルコ、アルジェリア、チュニジア、シンガポール、マレーシアなどのイスラム国である。これらのもとになったのは、トルコの旗である」。そうか、国旗でした

さらに、「イスラム諸国は国際赤十字の十字のデザインの旗を嫌い、1876年にトルコの提案で別の旗として赤新月を作った。赤十字加盟178ヵ国のうち30ヵ国がこちらを使用している」。ニュースなどで見る「赤新月」。国旗と赤新月、、なるほど。、、ということは、わりと新しい概念なのかも?

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(トルコ国旗。三日月と星の組み合わせ。その後のイスラム国の国旗に影響)
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(トプカプ宮殿(イスタンブール)内壁面・イズニクタイルのパネル。聖なる巡礼地を描き巡礼を促す。尖塔に三日月/『THE ART OF ISLAMIC TILE』より引用)

こうなったら、もとになったというトルコ国旗になぜ月と星がシンボルとして使われ始めたか調べようと思ったのですが、諸説あってよくわかりません。(なんだか後からつけたような感じが、、)。
・「三日月と星の組み合わせはオスマン・トルコ帝国を築いたオスマンベイが見たという“三日月と星が空に大きく広がる夢”からきている」
・「1448年のコソボの戦いで流された血の海に三日月と水星が映って見えたとされ、それを皇帝が国旗とした」
・「三日月と星は古代ギリシャの都市ビザンチンのシンボルとして使われていた。1453年オスマン帝国に滅ぼされたが、月と星のシンボルだけは命脈を保ち、オスマン帝国のシンボルとして採用された」
・「オスマン帝国初代皇帝の夢の中で彼の胸から出てきた三日月と星が拡大し、オスマン帝国のコンスタンチノーブル征服の予言を知らせた」
・「三日月と星の組み合わせはイスラム教のシンボルとされるが、小アジアではイスラム教の普及以前から使用されていた」  、、う〜ん。

イスラム美術の中の月と星を探した私が気づいたこと、「イスラムって科学なんだ」。天文学へのあくなき追求や成果への言及、天文学をテーマとした細密画のゆたかな創造性、天文台や天球儀の美しさ、、イスラムは月を淡く情緒的に愛でるよりも、天体を探求し、それを美しく表すことに情熱を傾けたのでは?

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(16世紀オスマン朝の細密画。解説をみると、実際におこなっていた天文学実験の様子のようです/『THE WORLD OF ISLAM』(THAMES&HUDSON)より引用 )

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(左上=9世紀の天体観測儀、右上=サマルカンドにあるウルグベクの天文台、下3点=星座の本のイラスト、10世紀/『THE WORLD OF ISLAM』(THAMES&HUDSON)より引用 )

その意味では、月への愛好も充分にあり得るのでしょう。でも、国旗等ではアンチ欧米が前面に出ている気がして、どうも引いてしまいます。「日差しが強烈なので太陽を嫌う、だから月なのだ」という見解も、どうもピンときません。

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(ブハラタイル。八角星。レンガの中の青が印象的!)

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(シャーヒズインダ(サマルカンド)。星の形がクリアなタイル装飾。星はけっこうあるが月は見ない)

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(ブハラのウルグベクマドラサのタイル装飾。太陽と人面が有名。月ではない)

月光写真の石川賢治さんが、「月の見え方は国によって違う。日本では少し黄色くてやさしいイメージ」と語っていました。月、月とイスラム美術、、まだまだわからないことが多いですが、、ひとまずは、きれいな月でも見ましょうか!
by orientlibrary | 2009-09-30 16:52 | 社会/文化/人

日本の景、秋の彼岸頃

あまりのすごさにネタにするしかなかった私のウズベキスタン・ダニ禍騒動。皮膚科の薬を3週間塗っていましたが、全体にますます赤くなり一部は化膿して噴火口状態に。ずっと長袖&パンツで、もう一生スカートは無理と思っていました。

そして今回、薬をたくさん持って向かったのは福井県池田町。有機農業やファームハウス経営、「農村力デザイン大学」、直営の産直店舗など、斬新な取り組みを続けている人口3400人の町です。真っ青な空、きれいな水、蕎麦の白い花が満開の秋真っ盛り。新米ちょっと手前という時期でした。

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(蕎麦の花が満開)

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(毎年律儀に彼岸頃に咲く彼岸花)

日本の原風景のような純朴できれいな景色。が、その中で、異様な私の赤い手足。「ずいぶんひどいね〜。以前スズメバチにさされたとき、”これは万能だから!”ともらったものがあるよ。つけてみたら?」とYさん(池田に移住)が出してきてくれたのが、「まむししょうちゅう」でした。マムシを焼酎に入れて毒をはかせたものとのことです。なんだか効きそうです。さっそくお風呂上がりにペタペタつけてみました。

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(感謝!まむししょうちゅう)

そして翌朝、、、なんと痕の大きさは小さくなり、真っ赤だった色が薄くなり、乾いてきています。すっかりうれしくなって滞在中、毎日つけさせてもらっていました。その結果=涙の劇的改善です!うれしいです〜!(感動、、) <ウズベキスタンのダニ vs 日本のマムシ>の勝負は、日本のマムシの勝ち〜!?!

あまりに私が騒いでいたので、「マムシ教になった」と言われたくらいです。おまけにある木工作家のお宅にうかがったら、作家さんがいきなりマムシ2匹をペットボトルに入れて登場。「さっき3匹つかまえて1匹は逃がしてやったよ。これから水に入れて毒だしをするんだ」とのこと。ペットボトルのマムシは、水の中でも鎌首を上げて意気盛んです。かなりコワイですが、私にはありがたい恩人。感動の遭遇でした。

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(ペットボトルの中には、、)
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(大きさを変えています。クリックで4倍に。でも苦手な人は見ないでくださいね)
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(ネコの本能が炸裂?近寄って行きます)

そんなわけで、個人的には大ニュースなウズダニ治癒への物語でした。

池田にはある仕事で行ったのですが、イベント等で各地から個性的な人たちが集まっており、援農ボランティアの大学生も来ていて、賑やかでした。

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(援農の大学生も旧家見学に)

池田の家は、どの家も大きく立派で、囲炉裏の煙出しなど風情があります。屋根の飾りも各家で個性を競うように見事でした。

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(屋根の飾り。家の顔のように存在感がありました)

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(巴紋)

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(蓮?宗教的な模様のようにも見えました)

見学した旧家では、軒平瓦にも模様があり、田の字形の部屋のレイアウト、檜の大黒柱、囲炉裏の煙出や欄間の見事さ、重厚な作りに感心しました。それに比して、新建材の天井ははがれ、洋風家具はレトロな雰囲気で良かったですが、長く使うという点では、古いものが圧倒的に優れていると感じました。
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(旧家。屋根手前の突起した部分が囲炉裏の煙出し。実用ですが家のアクセントになっています)

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(軒平瓦)

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(囲炉裏の煙出。左上の袋状のものが気になりました。遊牧民の持っている袋に似ています)

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(田の字形レイアウト。大人数の集まりなどには襖をはずして広くして使用。こういう柔軟さが日本家屋のいいところ)

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(旧家屋根裏の土壁)

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(新建材は、、 これデザインでこうなってるんじゃないですよ)

ウズベキスタンでも、タシケントなどの都会よりも、地方や田舎に興味深いものがたくさんあります。日本や世界のきれいなもの、見事な手仕事に、これからもたくさん出会いたいなと思います。

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(ヤマボウシ)

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(地酒)
by orientlibrary | 2009-09-24 19:41 | 日本のいいもの・光景

横浜お家探訪。中央アジアの工芸が暮らしに息づいて

手仕事つながりでご縁ができたWさんのお宅におじゃましました。遊牧民の感性と暮らしをこよなく愛するSさん、手仕事界のクイーンTさんといっしょです。

横浜の閑静な住宅地にある南欧風のWさん宅、庭にはレモンも生っていて、洗練されたおしゃれな雰囲気いっぱい。が、、玄関に入ると、いきなり「ウズベキスタンじいちゃんず」の一団!一気に、アジアンなテイストに。

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一般のお宅で、こんなにたくさんのじいちゃんを見たのは初めてです。さすが、タシケントに2年在住されていたご夫妻、玄関にじいちゃんを、、、(感涙)

ふと見上げれば、吹き抜けを彩るのは、インドネシアはスンバの布、ウズベキスタンのスザニ。私たちのテンションも次第に上がってきます。リビングは、さらにめくるめく趣味の世界!世界の工芸がところ狭しと飾られています。

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(ウズベキスタンのティーセット。デザインが洒落てます。高級なものですね。ステキです)

ソファには、、わ〜!ウズベキスタンのアトラス柄クッション!手作りですね。さらにアトラス柄をキルトにした掛け布が!奥様のK子さん作品、すごい〜!

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ウズベキスタンの細密画、筆箱になっていて、細工も見事。ウズの細密画は世界一だと私は思っていますが、こちらには、その中でも素晴らしいものが揃っていて見応えありました。

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テーブルにはウズベキスタンの陶器が。リシタン、ヒヴァ、キジュドゥバンなど各地のものが揃っています。ドライフルーツがよく似合います。ウズ陶器って、ホントに味がありますねえ。こんなふうに普段使いで上手に使っていらっしゃって、(感涙)。

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(タゲスタンの木製小物。象嵌細工が見事です)

工芸的な家具やカリグラフィー、絵画など、お二人が好きで集められた品々のある空間には、あたたかい空気が流れています。ヨーロッパのアンティークのティーカップで(=こういう世界知らなくて説明できない私)紅茶をいただき一息ついたところで、次はコレクションの布と衣装を拝見!

中央アジアの衣装やスザニ(刺繍布)、帽子など、大胆でカラフル。興味深かったのは、ウズベキスタンの西部にあるカラカルパクスタンの衣装。(写真下は胸の部分の刺繍)

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三角形の不思議な形をしていましたが、その着方はこちら。ポスター(右側に電話番号みたいなものが書いてあるのがジャマ)です。強くて可愛い女性の顔立ち、くるんくるんした模様、炎のような赤、ジャラジャラした飾り、、ウズベキスタン的でもありトルクメニスタン的でもありカザフスタン的でもあり、、不思議のカラカルパクです。超魅力!

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衝撃は、タジキスタンの衣装の資料。60年代ソ連時代に作成されたもので、部族〜民族ごとに、驚くほど細密に衣装、靴、アクセサリーなどが描かれていました。イラストは写真よりも資料的な側面があり、要素がすべて集約されていると感じました。

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(女性の後ろのスザニ!ムガルの花模様みたいなんですけど、、!こんなの見たことないんですけど、、!タジクに行けば見られるの?今もあるの?スゴい。こんなイラストが何十枚もあり、狂喜乱舞です)

さらに感動したのは、帽子(ターバンやスカーフ)の巻き方や、衣装のパターンが、詳細に紹介されていたことです。圧倒されました。

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この素晴らしい資料、どなたかにロシア語を訳していただき、描かれた部族〜民族が誰かを知りたい。そして本文部分の豊富な解説内容を知りたい!これだけで展覧会ができそう!と、おおいに盛り上がりました。

タシケント時代、住宅地に住んでいたWさんですが、隣の家から毎日ドンドンというすごい音が聞こえてきて何だろうと思っていたそう。ある日、それが牛が壁にぶつかっている音と知り驚いた、など、楽しいお話に、時間を忘れました。

先日のウズベキスタン滞在時、ダニにやられた痕(数十カ所)がまだ熱を持っている私、だるさが残ります。ダニにはまいりましたが、、でもウズ熱は冷めず。K子さんの資料やコレクションを拝見して、やはり魅力的とあらためて思いました。Wさん、楽しい時間を、どうもありがとうございました。
by orientlibrary | 2009-09-17 20:46 | 中央ユーラシア暮らしと工芸

フルーツ天国

フルーツ好きなら、夏のウズベキスタンへ。

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(シルクロードじいちゃんずも果物持って)

とりわけ、甘く、濃く、ジューシーな、メロン、スイカは、日本で食べているものと同じとは思えません。
日本のものも甘いけど、ウズベキスタンのは、したたるような、とろけるような、でもあくまでも自然な甘さ。太陽がくれた甘さ。
冬は零下数十度、夏は50度近くまでという厳しい気候、水の少ない乾燥地帯に、神様が授けてくださったような、まさに天の恵み。

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旅行者も、その大切な果物を、いただきます。
・・・ホントにおいしい!ラフマット(ありがとう!)

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こんな甘露のような果物が、バザールや道ばたで、ゴロゴロと売られているのもおもしろい。
こんなにあって、全部売れるのかなあと思うくらいの量です。
しかも1個が大きいんです。

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メロンやスイカは、車に積んで売りに出る人も多いようです。

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最初にウズベキスタンに行ったとき、サマルカンドのバザールでスイカを1個もらいました。
旅行者というのは一目瞭然なのに、、大きなスイカを「持っていきな」と、、遠慮していると思われたのか何度もすすめられ、ありがたくいただいて、ホテルに持って帰ったことがあります。
ウズベキスタンの人たちの明るさやたくましさ、ゲストをもてなそうとする気持ちに感動しました。

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今のサマルカンドは、ちょっと様相が変わっていると感じましたが、地方の町では、そんなメンタリティが今だ健在。
ブドウをいただきました。
このブドウがうまいんだな!本当においしいんです。

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普通のお家の中庭にも、リンゴ、ブドウ、ザクロ、ナシなどの木があり、枝がしなるほどのたわわな実りに驚きます。果物も密度濃いなあ!

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なにしろたっぷりな実りですから、家庭では果物をどんどん干していました。
干すとまた、甘みも増して、栄養価も高まってきますよね。
干し果物も名産です。
庭の様子、干している様子、などは、また別の機会にアップしたいと思います。

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(メロンにスイカ、リンゴにブドウ。このブドウは干しブドウ用のものでタネがなく、なんというか上質な甘さです)

フルーツ天国・ウズベキスタン。したたる甘さを、どうぞ!

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(じいちゃん持っているもの、ナシっぽい。全体に初秋の気配?!)
by orientlibrary | 2009-09-11 23:00 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

真夏のウズへ

ちょこっと残暑、そして朝晩は肌寒い、今年の夏は最後までよくわからない天候でした。
そんな日本から、パッキリ夏してる(はずの)ウズベキスタンに行ってきます。

ムガルの本、イランの庭の本、読みたい本を入手したものの、そのまま、という日々。
なんだかあわただしく、じっくりスタディできず、せっかく遊びに来ていただいているのに、すいません!
秋は落ち着いて、、と、といくかどうか。どんな秋になるのでしょうか。

またしても写真だけの更新になりますが、ウズベキスタンの雰囲気を味わっていただければと思います。


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(自分では好きな写真。ウズの林檎と赤いチェックがカワイイ☆)


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(ウズの杏の林。ゆりかごが風に揺れる)


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(職人さんの紹介。コーカンドの博物館にて。こういうのを見るとうれしくなる。さすがウズ!)


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(絹織物で有名なマルギランの工房。絣の織り模様のデザイン。先染めしたあと織っていく)


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(リシタンの町のはずれ。廟。コミュニティで守っている)


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(フェルガナに雨が降る。急な雨でも熱心に野菜販売。買う側も雨をものともせず、しっかり交渉。水の少ないフェルガナに雨は恵み)


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(リシタンの路地裏。生活感がしみ出してくるよう)


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(リシタン陶器。青と緑が鮮烈。大胆でおおらかな線が好き、いいですよねえ、、)


1週間ほどですが、行ってきます☆
by orientlibrary | 2009-08-25 17:57 | ウズベキスタンのタイルと陶芸