イスラムアート紀行

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魂のタンブール/青の実験/蚊帳の美

9月になりました。今年も暑い夏でしたね。ウズから戻った後のことなど、話題はいろいろに飛びますが書いてみたいと思います。

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クルド系イラン人音楽家一家「ラアナーイー・ファミリー」のライブを聴くことができました。

<ラアナーイー・ファミリーについて 主催者解説より>
イラン・クルド族の住むケルマンシャー州サハネ市は、古代よりタンブールという楽器が宗教的な場において用いられてきた代表的地域の一つです。タンブールは、その原型が約6000年前の壁画にも描かれ、すべての撥弦楽器の先祖とも言われています。古くより聖なる楽器と考えられてきたタンブールの音色と調べは、音楽と精神の結びつきが知られていた古代より現代まで、人々の尊重と共に伝えられてきました。

同市には家族全員がそのタンブールを奏でるクルド族のラアナーイーというファミリーがいます。彼らはクルドの音楽のみでなく、ペルシア古典音楽にも造詣が深く、ケルマンシャー地方の大自然に育くまれるとともに、首都テヘランでも活動を続けてきました。彼らの奏でるタンブールの調べは、素人から音楽の巨匠まで、イラン国内外を問わず、聴く人に深い感動を与えることで知られています。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

なんて繊細、なんてスピリチュアル!同時に人間らしく、かつ自然を感じさせる。宇宙そのもののような音楽。タンブールと歌唱に圧倒されながら浸りました。さらに驚愕なのは一家の息の合い方。何代も長い長い時間をかけて引き継がれてきた音楽が、もう家族の身体と精神になっているようであり、荘厳とも言える空気がありました。

ただ、あのような音楽を味わう場としては相当に不向きな会場であったことが残念です。しっかりと聴きたかった。次の来日がありますように。

会場で写真は撮れませんので、ライブ後の一枚を。

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(下北沢「永利」のちびラム。めくるめくスパイスの香り、、)

肉類が苦手な私、ラムと聞いて引いていましたが、一口サイズ爪楊枝付きのかわいい形状とスパイシーな匂いにひとつ食べてみたところ、、うまい〜!何これ?!テイクアウトもできるようなので、「エスニック系宴会用お持たせ」は、これからコレだな〜。

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このブログでは、これまで中央アジアや西アジアの青の陶器やタイルを何度も何度もご紹介してきました。
でも、どうしてタイルは青が多いの?青の陶器は世界的に多いの?
そもそも、どうして青なの? 
、、そう考えられたことはありませんか?
私も青のタイルの世界にハマって以来、何度も思いました。
タイルや陶器の青って、何かの象徴?何かの意味があるの?それともシンプルに、青を発色する材料が豊富だったから?
世界最古のタイルと言われるエジプトのファイアンスタイルはターコイズブルー。トルコ石のような色合いのタイルがピラミッドの地下壁面を飾っていました。

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(「世界のタイル博物館」ホームページより引用/エジプト古王国時代の第3王朝期のネチェルケト・ジェセル王の「階段ピラミッド」の地下にあったもの。BC2650年頃のものといわれています)

青い陶器やタイルと「空」「水」は関連があるのでしょうか。
そもそも水はどうして青いの?空はどうして青いの?ということで、こんな実験が。

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(一定の長さを通過してくると水が青く見える。種も仕掛けもない普通の水です)

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(水のゆらぎ。いろんな模様ができて、見ていて飽きません。癒し〜、、)

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(空が青く見える実験。この場合は、夕焼けの赤の方が強く見えていますが、、)

これがどういうことになるか、晩秋頃にご紹介したいと思います☆

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日本の美です。蚊帳。夏、虫を防ぐため室内に吊るして使うもの。虫は通さず風は通す必要があるため、古来、麻が主に用いられてきました。けれども、化学繊維の蚊帳に代わった後、網戸や空調設備により次第に姿を消していきました。

その蚊帳の美に注目した展示が東京神田であり、拝見してきました。

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(藍色の蚊帳。内部は安心できる空間、かつ藍色につつまれて心は安らか)

生活の道具、防虫などの用途のために織られたもの。でも、なんて美しく、センスがいいんだろう!色合い、透け感、シャリ感、蚊帳っていうか、もう反物。

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(色合い、縞が素敵です!)

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(透け感、ゆったりした気持ちに。光がやさしい)

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(これは場所を変えての飲み会で見せて頂いた他の方のコレクション。木綿の蚊帳。冬に防寒として木綿の蚊帳を吊ったそうです。糸が織りなすストライプが魅力的!)

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(クタクタした触感がたまらない。ショールにしたいような蚊帳)

蚊帳の涼しげな美しさに惹かれました。新しい出会い、発見、モノの奥行き、好きな人同士の濃い語り合い、こういうのって最高の贅沢だと思います!これからも、そういう機会や場に出会っていけますように。
by orientlibrary | 2011-09-01 17:27 | 日本のいいもの・光景

シルクロードの実り、ブドウ&陶器と一緒に

昨夜、ウズベキスタンから無事戻りました。

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ほとんど2日がかりの帰り道でした。長かった〜!旅をともにしたのは、なんとブドウ。そして陶器。まずはブドウのお話から。

帰国時、陶器の町リシタンからタシケントへは乗り合いタクシーで。同乗する方(知らない人)のお宅にピックアップに。立派な門構えからチラッと見えた庭に惹かれ、ついつい門の中に入ってしまった私。赤系の木の家の魅力、その広さ、そして庭を包み込むようなブドウ棚とたわわに実ったブドウに「わ〜!!すごい!大きな家ですね〜!」と感動。

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すると、家のご主人が息子さんに何か言い、息子さんは「ブドウ取りタワー」(と勝手に名づけている台)に乗りブドウを摘み始めました。

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手際良く籠(ブドウ用?)が用意され、どうするのかと思っていたら、なんと私に、、。
いえいえ、と(日本人の)遠慮をしていると、タクシーの後ろ、スーツケースの横に入れてくださり、、 一瞬「これ(野菜や果物)って持って帰れるものだっけ」と思いつつ、ブドウの魅力とご家族の笑顔に、つい「ラフマット(ありがとう)!!」。

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それにしても、いきなり現れたまったく見知らぬ外国人に、立派なブドウをたっぷりとわけてくださるなんて、、シルクロードのもてなしだなあ、、私はこういうウズベキスタン、真っすぐで邪気のない人たちが好きだったんだよなあ、、と、久々に初心に帰る思いでした。本当にラフマット!

その後、無事に朝10時頃に出発したものの、途中のガソリン補給の列、たしか4回もあったパスポートチェック(私より地元ウズベクの人たちの方が厳しいチェックにあっていた。独立記念日近し。ふ〜、、)、昼食休憩、同乗の方の用事、交通違反(右折に際してのほとんど問題ないことだった。運転手さんがかわいそうすぎる!罰金かな、免停かな、、)等々で、空港についたのが、なんと午後5時半頃。

チェックインで問題になったのは、ブドウ、かと思ったら、陶器。多すぎるんですよね。わかってます。そこをなんとかクリアして、陶器とブドウに気を使いながら乗り継ぎの韓国インチョン空港へ。

朝9時半について、午後5時発の飛行機待ち。インチョン空港は広々として快適で便利(成田、、)。シャワー(生き返る〜!)とリフレクソロジー(^^)、店見学、カルチャー体験、でもまだまだ時間あり。今回はPC持参だったので、wifiでネット。夜、成田着。

必死に運んできたブドウ、ついに税関で没収か!?無理ですよね、、いい思い出だけでも、それでいいです、、

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(入手した刺繍と一緒に。日本にて記念撮影)

って、、うちに着いちゃいました〜!^^検疫、問題ないですよ!取ってるところから見てるし、最高のオーガニックなんですから。

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(今回購入の青い大皿&アドラスと記念撮影)

でも、ブドウの籠を洗ったらオレンジやら赤やら、絵具の色がめちゃ落ちた。この方がコワイ、、でもブドウよく洗ったから大丈夫でしょう。。

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(運んできた陶器たち。かわいい〜♥ この模様、デザイン、絵付けがナイス!今回は鉢類が良かった)

↑ もしかして、同じものばかり買っていると思われる方、あるのでは?いえいえ!ひとつずつが手仕事なので、ひとつとして同じものはないんですよ。そして、いつもの茶碗ではなく、これは深鉢。

今回は、フェルガナの町を小旅行したいと思っていましたが、所用があり、結局一日しか出かけられなかった。でも、とっても良かった。アンディジャン。以前、暴動が報道され、そのイメージから誤解されがちな町。でも、ここでもウズベキスタンのハートを感じました。そのあたり、また書きますね〜!
by orientlibrary | 2011-08-26 00:36 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

海の町「ガザ」の凧揚げ大会/ウズ話とラマダン男子/トルコ人情旅CoC

暑さが戻った週末、某レストランで、ウズベキスタン関係の会がありました。この会、若者参加率が高まっている印象。リピーターだけでなく、これからウズに行きたいという人も参加します。今回もリアルな情報交換の場となっていました。

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(こちらは土の町。ウズベキスタン、フェルガナにて)

イスラム諸国では、現在ラマダン中。ウズ出身者は元々お酒を飲まないのですが、今回初参加の男子大学生(日本人)はお酒を飲まないどころか、レストランでの会なのに、参加費を払いながら何も食べず飲まず。ラマダンをしているのだそうです。

大学で、イスラム法学、イスラム神学を専攻しているとのこと。アラビア語も大好きだとか。「いつから、どういうきっかけでイスラムに興味を持つようになったの?」と聞いてみたところ、、

「911がきっかけです」「・・そうなんだ!何歳だった?」「小学4年でした」「・・・・」

「今は勉強以外に興味はない」と言いつつ、行動的で今どきのイケメン風男子。シリアを2か月間一人旅した女性(楚々とした雰囲気!)とシリア話で盛り上がっていました。こういう世代が育っているんですね。私も久々にアラブの風を感じていました。

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帰宅後、「パレスチに届いた天旗」とのメールと写真が!

何回かご紹介している気仙沼の「天旗」(伝統的凧)、その保存会・Kさん手づくりの天旗の一つが、支援団体の方の手で、パレスチナのガザの親子のもとに届けられたそうです。
6月、横浜での「東北の手仕事」イベントにKさんから送って頂いた色鮮やかな天旗がガザへ。Sさん、皆様、本当にありがとうございました!
また、写真と文章のブログでのご紹介許可をいただきました。ありがとうございます。

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・・(Sさん)・・ 
Kさんが作られた天旗ですが、一つが、パレスチナのガザの親子のもとに届けられました。揚げ方がわからないながらも、大喜びをしている写真を同封いたします。糸が余りにきれいに結んであるので、ほどいてはいけないと誤解しているようです。

パレスチナというのは、中東に位置し、1948年のイスラエル建国によって住んでいた土地を追われ、難民となっている人々であり、その地域のことです。

ガザは、エジプトに隣接し、イスラエルに囲まれている小さな町です。イスラエルの「生かさず殺さず」という方針により、飢えることはありませんが、生活物資や医薬品などの流通は最低限以下に制限され、ガザから外に出る(海外に行く)自由はありません。イスラエルの攻撃を定期的に受けるため、街の半分は常に瓦礫状態、爆撃による死者も減ることはありません。希望が奪われているのです。

ガザは、地中海に面し、気仙沼のように漁業が栄えた所。(今は、イスラエルによって禁止され、海に船を出すことはできませんが)。
また、凧上げも盛んで、夏は毎年、国連主催による大凧揚げ大会が催されます。日常でも、凧は自由を感じさせるからか、空と風があれば楽しめるからか、遊び場がないガザの子供たちに人気です。

気仙沼もガザも、子供たちが海で凧上げに興じる日が一日も早く来ることを願っています。
・・・・・

2枚の写真、、一見平和な海岸の印象。でも、何か違和感のある写真。なんだろう、という思いがありました。補足として教えていただきました。(一部抜粋)

・・(Sさん)・・
<ガザについて>  
写真で見ると、海が光り輝いて素晴らしいでしょ。ガザは、地中海に面し、古代から海の豊かな恵みと共に生きてきた町なのです。
この時は、国連主催のサマーキャンプなので、パレスチナの人も寛いでいる様子です。しかし、普段は、海に漁業にでることも、海岸で遊ぶこともできません。漁船を出すと、イスラエルが爆撃するのですよ…。
サマーキャンプは、国連が毎年主催して、「ギネスに挑戦」といったイベントをします。ギネスに記録されることによって、パレスチナ難民の子供達も自分の存在を確認でき、一時的に達成感も得られると…。

<凧とパレスチナについて>
凧は「自由の」象徴として、パレスチナに関する様々の映画で重要な役割を演じています。例えば、「凧」(邦題『ラミアの白い凧』)という映画。
そういうことを別にして、海に面し、風があるからか、昔から凧が根付いていたようです。どんな凧だったか、調べる必要がありますが、三角っぽい凧みたいです。

海の町、気仙沼とガザで交流できるようになれば…夢にようなことにも思えますが、諦めてはいけませんよね。 
・・・・・

* 参考 * サマーゲーム ”Summer Games 2011”の様子 〜UNRWA (the United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East) サイトより。凧揚げで「ギネスに挑戦」の様子が紹介されています。(Gaza kids grab kite-flying Guinness World Record back from China)。そして中国の記録(同時に凧を揚げる数を競うようです)を破ってギネス記録に!冒頭の「Thirteen thousand children(13000人)が参加した」って、、「え!?!」と思いましたが、すごいですね〜。「とっても嬉しい」「来年はもっと!」と記録達成を喜んでいますが、子どもたちの日常は、安全に泳ぐことや友だちと遊ぶという「子どもらしい日々」を奪われたまま。このような子どものイベントでさえ何者かが施設破壊などをおこなったとのこと。かけがえのない「普通の暮らし」ができる日を!!
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(UNRWAサイトより引用)

「海の町、気仙沼とガザで交流。夢にようなことにも思えますが、諦めてはいけませんよね」、カラフルで力強く、時空を超えた文様を持つ天旗。世界のどこでも、このような美しい凧で、子供たちがのびのびと凧揚げができますように。。

〜〜〜 (参考) パレスチナのイスラム建築/エルサレム・岩のドーム 〜〜〜
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(エルサレム・岩のドーム/青のファイアンスタイルはオスマン朝時代に加えられたもの。幾何学模様の大理石の部分はビザンチン様式/『イスラム 初期の建築』(TASCHEN)より引用)

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(岩のドーム。アラビア語でクッパ・アル・サフラ。伝説ではムハンマドがここから天馬プラークにまたがり天に昇った/『イスラム 初期の建築』(TASCHEN)より引用)

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<ユーラシア横断近況報告/4月にロカ岬をスタートし、ユーラシア大陸を自転車で横断中のCoCの加藤君、田澤君、トルコを満喫中!トルコの人情の濃さに驚いている二人、たくさんの出会い、最高!/(メールより一部を引用させて頂きます。了承済み)>

・・(加藤さん)・・
トルコ、特に内陸部は人々が人懐っこすぎる!10キロおきに呼び止められ、お茶を飲み、3時間近くトルコ語と日本語のやりとり笑 昨日は走行時間6時間半、道草5時間。笑 トルコ大好き!

先週は一週間、イスタンブールに滞在中していました。イスラムの美しい街並み、温かい人々。まだまだとどまっていたかった。また必ず 
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(おっ、プチ有名人!ミサンガも長くなってきたようです)

・・(田澤さん)・・
一週間ほど前にイスタンブールを出発してから、東に向かって内陸の険しい山道を進んできました。途中、切り立った崖に囲まれた世界遺産の町、サフランボルでは、日本語を話せるツーリストインフォメーションの職員の方に大歓迎され、滞在中とてもお世話になりました。彼が僕たちのことをメディアに紹介して下さり、地元のテレビに出演したり、トルコの全国紙に掲載されたりしました。

僕たちの出会うトルコの人々は相変わらず心優しい人ばかりで、みんな日本人の僕たちを温かく歓迎してくれます。災害に見舞われた日本に対して涙を流すトルコ人もいます。そんなトルコ人がいることを日本人としてたいへんうれしく思いますし、感謝の気持ちでいっぱいです。

今後は黒海に沿って東に進み、グルジアとの国境を目指します。くれぐれも安全に心がけて進んでいきます!! 
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(サフランボル。いいなあ!)

トルコ、いいなああああ、、、、
と思う私ですが、来週から気温42度というウズベキスタンに行ってきます。今回はちょっと旅っぽく、フェルガナ盆地のいくつかの町に行ってみたい。お土産に、世界堂で筆を少し買いましたが、足りないかな、ドキドキ、、
by orientlibrary | 2011-08-08 18:14 | 社会/文化/人

哀悼 野上郁哉さん / 自らの両足で立ち上がる 何度でも

音楽雑誌「Oar」を作っていた野上さん、ウルドゥー語を情感ゆたかに訳していた野上さん、スーフィズムを熱く語った野上さんが、いない。

311のあとも、何も書けなかった。今も、言葉が出てくるけれど、どれも違うように感じる。でも、知っていることは少しだけれど、野上郁哉さんを、少しでも書こうと思う。これからたくさんのことをする人だったのだから。それができるのは彼以外にいない、そんなことをしていく人だったのだから。

野上郁哉さんのブログ。「白山駅のブログ」
音楽が好きで好きで、日々幅広い文献を読み語学を精進し、人と会い語り、バイトで自らの暮らしをまかない、睡眠時間も生活費もギリギリまで押さえながら、自分のテーマ、すべきことにに真っすぐで一心だった日々のこと、思い。自己研鑽とたゆまぬ努力に頭が下がる。

音楽雑誌を、自らの力で立ち上げ、企画し、取材し、原稿を書き、販売をする。そんなこと、誰が考えるだろう。考えたって、誰が実際に作る、いや、誰が作れるだろう。でも、2008年に20歳ほどの学生が本当に立ち上げ、これまでに3号発行していた。

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「なんというか、こう、よーするに、体張ってるんです。命削ってるんです。そうまでしてでも、私にはやらなければならないことがあるんです。」「なんとかなる、というよりも、なんとかするんです!この世の中のことどもというのは、一見不可能に見えることでも、ほとんどのことは、努力次第では実現可能だと思うのです。」(「白山駅のブログ」より引用させて頂きました)

「聖者の宮廷講」で、「パキスターニー・ポップ・ミュージック 〜イスラームとスーフィズムのパースペクティブから見たジュヌーン登場以降の発展とその課題〜」を語った野上さん。(「聖者の宮廷講 イスラーム、スーフィズム、ジュヌーン」

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(uch)

ありがとう。
さまざまなかたちで、スーフィー音楽やパンジャーブの詩の魅力を、全力で伝えてくれて、ありがとう。
映画「神に誓って」を紹介してくれて、本当にありがとう。(「神に誓って(Khuda Kay Liye)」

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上映会で冒頭いきなり「Allah Hoo」を歌った野上さんにみんな驚いた。でも快い驚きだった。

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(Lahore)

7月10日、下北沢「ジプシーを追いかけて」。(「ジプシーを追いかけて バローチスタン&パンジャーブ」)。この日、笑顔で会場にいた野上君。ブログでCoke Studioのこの歌を紹介している。当日の「白山駅のブログ」

「Lambi Judaai HD, Komal Rizvi, Coke Studio, Season 4」






「こういう映像を見ていて、というか、彼らの歌を聴いていてとにかく思うのは、この声の深みと歌の表現力は一体どこから来るのであろうか、とそんなことばかりが気になってしまう。一体彼等はどんな人生を送ってきたのか、どうしたらこんな風に歌が歌えるようになるのか、そんなことばかりがとにかく気になって気になって仕方がないし、そう思えば思うほど、自分自身ももっと様々なことを見聞きし、経験し、学んでいかなければならないなぁと思う今日この頃。」(「白山駅のブログ」より引用させて頂きました)

〜〜
真っ暗な暗闇が私の目の前を塞いでも
大きな空が私の頭の上に降って来ても
どんな重圧が私の背中に重くのしかかっても
自らの両足で立ち上がる
何度でも
自らの意志で  自らの足で
(「白山駅のブログ」より引用させて頂きました/「1013hPa」/2011-07-05)
〜〜

これからの人、この分野でかけがえのない人が、突然理不尽に命を奪われた。
年齢を超えて、彼を知る多くの人が悲しみ、重い思いとともにいる。
その重さは深まるばかりだけれど、それぞれが何かに昇華しなければならないし、きっと皆、そうしていくだろう。

もっと話をしておけばよかった、なんて後悔、もうしたくない。
人と話そう。思ったことは伝えよう。行けるときには行こう。できるときにはしよう。笑えるときには笑おう。
本気で一心に精一杯生きよう。自分のテーマがあるならば全身全霊で追いかけよう。二本の足でしっかり立って。

野上さんが絶賛した「Lambi Judaii」、邦題は「長い別れ」。
野上郁哉さん、24歳。駆け抜けていった。でも、忘れない。
どうぞ、やすらかに。

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(multan)
by orientlibrary | 2011-07-30 23:21 | 社会/文化/人

春の不思議系特集(wonder photos)

イスラム教の巡礼時の旗、というものを見せてもらいました。デニムのような色合いの生地に白地を切り抜くかたちでアラビア文字が表されています。シンプルでキリッとしています。たくさんの人がこの旗の元にメッカに向かったのでしょうね。

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今回は、ちょっと不思議なニュアンスのモノや写真を集めてみました。

↓ はかなり不思議。ゲルが密集しています。しかも最近のウランバートル近郊というのではなく、1930年代頃の写真と聞きました。

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この3枚は、20代(推定)のSさんのお祖父さんが所蔵されていた写真で、いつ頃何のために誰が撮ったものかわからないそうです。先日の羊毛イベントの際に、「何か手がかりがあれば」とお持ち頂きました。

↓ モンゴル人のダリさんにもお話を聞きました(服装からの類推)が、メモしていなかったため正確に覚えておらず、記載はやめておきます。

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↓ この写真も不思議。右奥の棟はミナレットのように見えなくもないのですが、拡大してみると下部中央に彫られているのは仏像のようでした。中国の町のようです。

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緊張感を感じるモノクロ写真を見た後は、ちょっと息抜き感覚で。この表情、和み系。

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(顔面把手/縄文中期、前3000年〜前2000年/東京国立博物館にて撮影)

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(土偶/縄文後期/前2000年〜1000年/縄文時代における土偶や各種の土製品は、縄文人の精神世界を反映した宗教的遺物として古くから研究がおこなわれてきた。しかし、いまだこれらの明解な用途・性格といったものは解き明かされていない/東京国立博物館にて撮影)

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(子持装飾付脚付壺/古墳時代、6世紀/東京国立博物館にて撮影)

↑ この子持装飾付という容器(?)、トーハクにいくつか展示されていましたが、どれもユニークでした。装飾の方向として面白いなあと思いました。

↓ こちらはアンデス、チャンカイ文化(人型を模した素焼きの土器で有名)。土偶人形にはいろんな思いが込められているのでしょうね。

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(yamamotoコレクション)

↓ エジプトの布です。今のもの。ヒエログリフのアップリケと鳥の大胆な構図が面白いです。

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↓ 日本です。金色のカエルさん、どこにいるのかな、と思ったら、、

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(薩摩焼/沈壽官15代/ひねりもの/TV番組を撮影)

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(古薩摩古池水盤/TV番組を撮影)

繊細な中に洒落た遊び心。「ひねりもの」、凝ってますね。

最後に、あれ??と思ったもの。「えびせんの袋って白黒だっけ?!」と一瞬記憶を辿りましたが、、これは会員制ホールセールクラブのえびせんらしいです。コスト削減、それも良し、ですね。^^

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そんなわけで、春の不思議系特集でした☆
by orientlibrary | 2011-03-04 23:11 | 社会/文化/人

ウズガールズと行く、お正月トーキョーツアー (tokyo outing with uz girls)

連休中の某日、ウズ留学生や旅好き仲間と「お正月プチツアー」をおこないました。その模様をご紹介します☆

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(留学生の出身地サマルカンド/シャーヒズインダ墓廟)

原宿駅集合後、スタートは明治神宮。動けないくらいの原宿駅周辺の雑踏を思えば、ゆったりと歩けることが不思議なくらい。人が多くても、やはり清々しい。樹々の威力ですねえ。そして木漏れ日が、それを中和するように何かのんびりした気分をもたらしてくれます。

今回はウズ女子トリオだったので、賑やかでした。
最初の質問は、「鳥居にはどうして赤いものと赤くないものがあるんですか?」。
さっそくN君、モバイルからwiki。でも「書いてない」とのこと。今PCで見てもよくわからずです。

手と口をゆすぐのはイスラム教と同じ。境内では結婚式も見られてラッキー。ウズ女子たち、「おめでとうございます」と声をかけていました。
お賽銭を用意して、「どうして五円玉には穴が開いているんですか?」。(考えたことありませんでした)。いろいろと説明するN君。

一番難しいのは、神社や寺の説明の中での明治神宮の位置づけ。「江戸時代が終わって」と言いかけたら「1868年」。わお!
彼女たちは日本語の勉強を2年前に始めました。わずか2年なのに自然な会話ができることには、いつも驚くばかり。語学だけでもすごいと思っているのに、歴史や文化もしっかり勉強してきています。さらにロシア語、英語、タジク語はできて普通。トルコ語やペルシア語あたりまで大丈夫な人も。みんな二十歳前後ですよ。本当に優秀だと思います。

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二拝二拍一拝、絵馬、おみくじ、破魔矢、神社建築などの説明。N君、Yさん、ありがとう。
皇族の和歌を見つけたので、今度は私がちょっともったいをつけて声に出して読んでみます。「どんな意味ですか?」→「・・え〜と、新年になって〜の光と影が水に映っている」→「それだけですか?」→「・・・」。
こういう会話って海外の人との間でけっこうあるんですよね。日本の余韻、余白の感覚は独特のもののような気がします。

玉砂利をザクザク踏みしめながらの散策後、竹下通り、表参道。ペットショップの品揃えに驚くウズ女子。わかります。ウズの犬は、とことん犬らしい犬。番犬の役割を十二分に果たす用心棒です。かわいい服着て犬用ケーキなんてあり得ません。

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(竹下通りで「こういうのウズにもある!」)
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(ウズのチャバン)

次は、代々木の東京ジャーミーへ。彼女たちの様子が少し変わります。正座して静かにミヒラーブを見ています。

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ここでSさん合流。静かなモスクで時をすごした後、1階のトルコ文化センターへ。彼女たちは日本語訳のコーランを買いました。「静かできれいなモスクですね。来れて良かった」と、とても喜んでくれました。

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次はシルクロード代表、新宿の「タリムウイグルレストラン」へ。ここで新たにウズ女性と日本女性合流&ワールド音楽好きのナイスな皆様と合流。賑やかです!
ウイグルとウズベクはまったく会話に問題なし。ポロ、ラグメン、シャシリク、サラダなどをいただきました。

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(シャシリク)
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(タリムラグマン)
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(ポロ/ウズベクではプロフ)

その間もウズ女子たちは流れる音楽に興味津々。ついにDJエリアにも進出。音楽を聴くのと踊るのと同意語のように、体が動いています。今回は種々の事情でダンス時間が少なかったのは残念。次回ね!

留学生のみんな、かわいいんだよなあ。「明るい」「礼儀正しい」と初対面の人たちにも好印象で良かった。ウズ(近辺)料理と日本語の会話の機会、また企画するね〜☆

この後、大人チームは吉祥寺で、マリの楽器「コラ」のライブ。繊細で植物的な音の響きにリラックス。

さらに、アラビアンカフェ(シリアテイスト)でシーシャ(水タバコ)とハーブティータイム。アロマ効果のまったりした空気、くつろいだおしゃべり。お酒抜きの安らかな語らいっていいなあと開眼したのでした。

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(マッテというハーブティー。細い銀のストローで。草そのものなんだけどハマる味)

明治神宮からシリアまで、盛りだくさんの一日でした。皆さん、どうもありがとう!
by orientlibrary | 2011-01-10 22:02 | 日本のいいもの・光景

パフレヴァーン(ペルシア騎士道)の伝統に連なる「ズールハーネ」見学記

先日、「イラン伝統スポーツ“ズールハーネ”と音楽の鑑賞」と題した催しがありました。会場(文京シビックホール)は、イラン好きやスポーツ好きで満員。皆さん身を乗り出すようにして見学し拍手喝采。おおいに盛り上がりました。

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(ズールハーネパンフレットより/デザインもイランらしい優美&神秘の雰囲気)

ズールハーネ、一度イラン旅行の際に見ましたが、「!!何これ??」絶句状態。「マッチョな人たちがジムとダンスと体操を合わせたようなものを音楽に合わせておこなう」というふしぎ〜な世界。しかも観客も男性がほとんどで、とにかく濃いことこの上ありませんでした。

でも今回、「英雄のスポーツ(ヴァルゼシェ・パフレヴァーニー)」とも言われている由緒正しい伝統的な肉体訓練法であることを知りました。解説には、「イラン文明の象徴のひとつで、詩、文学、音楽、建築美術、道徳心、神秘主義思想を芸術的な動きで表現するパワースポーツです」とあります。(=文章だけでは??ですよね)

頂いたパンフレットなどを参考に、写真と合わせ、イランのふしぎの世界をご紹介しましょう。

まず現れたのが、今をときめくこの女性。サヘル・ローズさん。(ご存知の方も多いと思いますが、いちおうwikipediaのリンクをつけました)イラン民族衣装をまとい、とてもきれいです。明るいトーンのハキハキとした司会進行で、場を盛り上げていました。

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ちなみに、今回の後援に「ダルビッシュギャラリー」の名前も。ダルビッシュ有選手のお父さんのお店。こういうかたちでイランの名前が出るのは、いいですね。

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(こちらは在日イラン大使アラグチさん。イランのナイスミドルって感じ。フォトジェニックです〜^^)

まずは音楽演奏から始まりました。これが良かったんです!!打楽器だけなのに、様々な楽器とスタイルで多彩。素晴らしい。大胆にリズムを刻むものから、指が魔法のように滑るように動く繊細なものまで、イラン打楽器の音の世界に魅せられました。
さらに楽器の形も装飾も美しい。さすがイラン!これらは、伝統打楽器音楽(ダフ、ダマム、トンバクなど)だそうです。

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(全体のリズムを刻み迫力。テクニックも素晴らしい。中央にザングと呼ばれる鐘もあります。右側の方の朗唱に聞き惚れました)

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(様々な楽器はそれぞれに魅惑の音。左の人の横にあるものも打楽器。きれい!)

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(優美さ、繊細な演奏に聞き惚れました。魂を揺さぶるようなパキスタンのスーフィー音楽と相当に違う世界だと感じました)

演奏を堪能した後は、いよいよズールハーネ選手たちの登場。「イラン・イスラム共和国国立ズールハーネチーム」。わあ、、国立ですか。これはまたすごいですね。

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(ペイズリー模様が気に入りました)

*ズールハーネ=神聖なる場所であり、力と礼節、強さ、精神力、芸術の家である。肉体と精神を同時に鍛錬するための、世界でも最古の公式なスポーツジムである。

*扉=男性の身長より低く作られている。礼節と謙虚を常に同時に尊ぶように、このような設計になっている。

*リング=メインホール階よりも低いところに作られ、格闘場のシンボルである。非常に神聖かつ高貴な場所であり、身を清めなければ誰人も入ることを許されない。選手たちは敬意の証として、手のひらでリングに触れ、リングに入るときにはその手に接吻をする。

*モルシェド(師)=叙事詩・道徳詩を歌いながら太鼓や鐘をたたくことによって選手たちを導く、精神的指導性を兼ね備えた芸術家。

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(このミールは40キロだそうです)

*ミール(こん棒)=古代の格闘技、さらには悪との戦いの武器の象徴。通常は木で作られ、重さは2キロから40キロの間である。*ミール・バーズィー=投げ上げキャッチする。

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* パー・ザダン=足を使った踊り。非常に迅速かつ巧みな、様々なスタイルでの、足を使ったリズミカルな動き *チャヒルダーン=旋回すること。戦場へと向かう勇士たちの象徴であり、ズールハーネにおけるもっともアクティブでエキサイティングな鍛錬法の一つである。(全般に動きが早すぎてコンデジでは写真撮れず。特に旋回は無理でした)

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*キャッバーデ=鉄やメタルの鎖でできており、重さは6キロから20キロほどである。

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(レスリングのパフォーマンス)

*ドアー 祈り=練習の最後に、全ての選手と観衆は、全能なる神に、全世界の人々に平和と友好が訪れるよう祈る。

*ズールとは「力(ちから)」、ハーネは「家」。すなわちズールハーネで「力の家」という意味になる。イランでは各街区にこのズールハーネがあり、その数は現在600カ所と言われている。

*パフレヴァーン(イスラム的騎士道)の伝統に連なるものであって、神のため、来るべき日に備えるという思想がある。

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(ズールハーネパンフレットより/なぜに黄色、、。回りには真剣に見る人たちが)

ズールハーネ、その深い背景や歴史も知り、寒さも忘れる熱いひとときでした。出演者の皆さん、企画してくださった大使館の皆さん、どうもありがとう。
by orientlibrary | 2010-12-08 23:06 | 社会/文化/人

「アジアンスマイル」にリシタンの陶芸工房が登場!

このお知らせができる日を楽しみにしていました。本日10月26日に放送です!☆

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(工房光景)

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NHK アジアンスマイル
「輝け! サマルカンドブルー 〜ウズベキスタン リシタン〜」


◆本放送 BS1  10月26日(火) 23:30〜50
◆再放送 総合  10月 31日(日) 05:30〜50 
◆再放送 BS1  11月1日(月)  9:20〜40(休止の可能性も)                          
<内容>
ウズベキスタンは古くから陶器の盛んな国。かつてシルクロードの要衝としても栄えた古都、サマルカンドは、モスクをはじめ街中の建物が美しい青色のタイルでおおわれ600年以上に渡って人々を魅了している。2001年には世界遺産に指定された。
独特の青の色は“サマルカンドブルー”といわれ、世界中に知られている。
サマルカンドブルーは陶芸家の中で代々、師匠から後継者に伝えられる秘伝の色。今、ウズベキスタンでサマルカンドブルーを扱うことの出来る陶芸家は20人に満たない。

ナジロフ・ディヨール(22歳)は、伯父であり国を代表する陶芸家のナジロフ・アリシェルさんに弟子入りして7年がたつ。この夏、ディヨールは師匠から新築中のモスクに貼るサマルカンドブルーのタイル作りを任された。
師匠の厳しい指導に耐え、伝統を引き継ぐために奮闘するディヨールを追った。

◎ 番組の紹介サイトはこちら
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ウズベキスタンの土の文化が好き、リシタン陶器が好き、なかでもその青が好きな私に、このテーマはなんとも魅力的。
そして、これまで「D君」ということでこのブログでもご紹介していたディヨル君がテレビでお目見え、主役です!

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(工房にてタイル制作。後ろがディヨル君)

ディヨル君は15歳で有名な陶芸家である伯父さんの工房に弟子入り。以来、一生懸命に陶芸に取り組んでいます。そして、地元リシタンの暮らし、家族、仲間を、いつも大事にしています。このことに、本当に感動します。

日本語も上手です。この工房やリシタンは日本人と縁の深いところではあるのですが(これを書き出すとすごく長くなるので割愛します)、とくに習ったわけでもないのに、会話くらいは全然問題なし。メールの日本語(アルファベットですが)も丁寧語を駆使。今どきの日本の若者より丁寧です。ライティングって一番難しいのに、、、どうやって勉強したんだろう。
「ウズベク語、ロシア語、タジク語、ふだんからいろんな言葉を使っているから、語学は簡単です」と言っていました、、。はあ、、(頭を垂れる)

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(伝統を大事にしたリシタン陶器。この枯れた植物、じつは青の秘密と関係あり)

この「アジアンスマイル」という番組、ご存知の方もあるかと思いますが、アジア各地で自分らしく生きようとがんばっている若者たちをじっくりと取材するドキュメンタリー。若者たちを通して、その土地の暮らしや文化に触れることができます。
もともと気に入っていた番組で、リシタンが舞台になるなんて、とてもうれしいです。

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(青、茶色と並んで緑も伝統的なリシタンカラー)

番組では、現代における伝統工芸の継承と、そのために重要な「子弟制度」もテーマ。その伝承として「青」が登場しそうです。どうやってリシタンの青(番組紹介ではサマルカンドブルーとなっていますが、、、)を輝かせていくのか。どんな青が登場するかなあ。ドキドキ。

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(かわいい小皿もたくさんあって、、こうしてリシタン陶器がどんどん増えていきます。。)

最後に、リシタン独特の子弟制度について、菊田悠さんの素晴らしい論文から一部引用させていただきたいと思います。(菊田悠/「変化の中の『伝統』解釈と実践 ーポスト・ソヴィエト期ウズベキスタン陶工の事例よりー」/『アジア経済』2005年9月号)

* (リシタンで高級陶器作りの工房を持つAさんは)、伝統的なウスタ(職人)とショーグルト(弟子)の関係の下でこそ、高度な技能や礼儀作法、仕事に愛情を込めるという陶工として望ましい態度が養われると主張していた。
* それは以下の言葉に表現されている。「こんな一文がある。『最も新しく、美しいものは、古いものである』と。何かするときは伝統を残していかなくてはならない。新しいスタイルを考えるときも基礎に伝統がなければ、何も出てはこない」
* 「リシタンの残したい伝統はもうひとつ、ショーグルトを育てる過程、これを残さないといけない。これ(が残らないこと)は、伝統が消える主な理由のひとつだ。ウスタは自分の知っている芸術をショーグルトに伝えること。ショーグルトを伝統の精神のもとでしつけることは、基本的なことと考えられる」
* A氏は「リシタン陶業の伝統」に色や文様、形といったソヴィエト民俗学者やアカデミー会員の解釈と同じ要素のみならず、アンジュマン(ショーグルトが昇進する時の集会)やウスターショーグルト関係をも含めて想定している。そして「伝統的な」ウスターショーグルト関係を再構築することが、リシタン陶器の質の向上と発展に役立つと考えているのである。


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(リシタン陶器を伝承してきた陶芸家たち)

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(ソ連時代)

独立後のウズベキスタン、リシタンに関わり、その人々を愛し、陶芸を見つめてきた方々と、リシタンの人々との長い交流、信頼関係が太い幹となり、今、様々に若々しい葉を広げているように感じます。
そのことを尊敬し、感謝します。

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(これがサマルカンドブルー。空より青く輝きます/グルエミル、サマルカンド、1404)
by orientlibrary | 2010-10-21 22:44 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

ハイタッチしたり、四股を踏んだり☆

◆ 上虚下実 ◆

伝統的なヨガにフィットネスの要素を加え、ハリウッド女優やマドンナが取り入れたことで、アメリカで人気が高まった「ハリウッドヨガ」や「パワーヨガ」。日本でも、教室やテレビや雑誌、すっかり人気が定着しています。

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(リシケシのヨガ道場)

以前、伝統的ヨガや太極拳を少し習い、その後ジムのヨガにハマって4年ほどたちました。ミーハー心満載で、インドのリシケシ(ヨガの聖地と言われるところ。ヨガマット持参の日本女性もたくさん)にも行ってきました。

先日のヨガクラスでのことです。先生が「実験してみましょう」。まず座って腰を左右にひねってみます。その感じを記憶した後で足の中指を1〜2分伸ばしたり回します。そのあと同じように腰をひねると、なんと柔軟性が3割くらいアップ!股関節と手の指も同様(親指を開くと、その後全然違う)。「沖ヨガといって日本のヨガの教えです」とのこと。

そして首の実験。柔軟性だけはある私ですが首は固く、首を使うポーズでは途中でキツくなってしまうのですが、やったのは「四股(しこ)」を踏むこと。左右数回踏んだだけで首を後ろに傾けるのが格段にラクになり、びっくり。
首や頭に上ってしまっている力を下に降ろすのだそうです。え〜!そんなにシンプルなことなの〜?
どうしても首や肩に力が入りガチガチになりがちですが、四股で改善するなんて。これなら家でできるじゃないですか。

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(リシケシの夜明け。ガンガーに映る朝陽、今もふっとよみがえります)

「“上虚下実”という言葉があるように、上は虚にして力を抜き下半身がどっしりと安定していた方がいいんです」と先生。エネルギーが入ってくるんですね。
首が固く重い皆さん、ドスドス四股を踏みましょう!足腰を強くするスクワットや、上半身を(まるで液体のように)揺らしたりほぐしたりすることも良さそうです。

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(リシケシのヒンドウー寺院、夕方の祈りの時間)

◆ ハグとハイタッチ ◆

話は少し違うのですが、日本では挨拶の際に「ハグ」(腕で抱え込む)をほとんどしませんよね。気恥ずかしくて、とてもできません。握手することも稀。他人との身体接触が少ないお国柄です(満員電車以外は)。

ところが、そんな私もウズベキスタンに行った途端、がっつりハグモードに入ります。こんにちわもさようならもハグ&ハグ(女性同士)。ハグしないと物足りない感じがします。男性たちもガシガシ、ハグしています。ときには男性同士、頬もくっつけ合ってます。
ハグは親愛の情が感じ取れて、いいなあと思います。身体的って大事。日本もハグ習慣があればいいのに、とそんなときに思います。

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(機嫌良さそうなもの/アンデスの人形?/Yさんコレクション展示会にて)

けれども日本も、どうやら少しずつ変わり始めている気配。スポーツ選手などがする「ハイタッチ」、一般の人も抵抗がなくなっているようです。
アップルストアでは開店前から行列する客を店員がハイタッチで歓迎。一気にイベント会場の雰囲気になり、皆で盛り上がっているとか。
ある介護施設では、「ハイタッチすれば気分が盛り上がるんじゃないか」と始めたところ、「仕事を楽しむ雰囲気が生まれ施設内が活気づいた。円陣を組むなどアレンジする人も出始めた」そうです。

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(元気良さそうなもの/ウズベキスタンのスザニ/美しい世界の手仕事プロジェクト2008展示より)

都内などで街頭ハイタッチ活動をするグループ「ハイタッチ隊」も登場。「お互いテンションが上がり言葉以上に伝わるものがある。年配層にも受け入れられるようになった」。
最近は営業がうまくいったときなどに「行列握手」をしたり、目標達成するとハグで祝い喜びを共有するオフィスもあるようです。スキンシップに対して、以前のような抵抗感はだんだんと薄れているのかも。

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(テンション高そうなもの/日本、火焔土器、縄文中期。本来ただの煮炊きの器である深鉢だが全体を覆い尽くす躍動的な装飾がスゴい/東京国立博物館にて撮影)

数多くの著書がある明治大学の斉藤孝さん、大学の講義(コミュニケーション)でハイタッチと拍手のトレーニングをおこない、「人に対してオープンな構えを作る」「上機嫌を技化する」にあたって「絶大な効果」があったそうです。
パチパチパチ、イエイイエイ、パンパンパン。ほとんど祭り状態。「突き抜けたような祭り感覚、日常とは違う枠組みの中で、自分をどれだけ曝け出せるかが大切」と説きます。やはり、オープンとか循環とか開くとか、そういうことって大事な気がします。

このハイタッチ、ウズ(フェルガナ)では女の子たちがやってました。毎日会う友だち同士でハグもヘン、でも何か親愛感を確認しあいたいのかな。女の子のハイタッチ、元気でかわいい。朝からイキイキしている感じがして、いいです。

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(明るい感じのもの/ウズベキスタン・コーカンド宮殿ファサードのタイル。この色使いは独特。東のカシュガル方面やスラブ等々いろいろ入ってる?)

またウズで驚くのが、見知らぬ人同士でもどんどんおしゃべりしていることです。たとえば乗り合いタクシーの客同士、運転手と客、ずっと前からの知り合いのように親しげに会話。退屈しませんね。楽しいし情報も得られるでしょう。昔からの知恵でしょうか。会話力、高い。別れ際には固い握手で、しっかり挨拶。

いろんな文化や習慣、いいところは取り入れて、前向きで機嫌のいい国日本になっていったらいいなあと思います。
by orientlibrary | 2010-10-18 00:24 | 社会/文化/人

10代のウズガールと行く、今どきタシケント

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こちらに行ってきました。高層ビルに緑、広々としたプール。どこでしょう!?

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水しぶきが気持ちよかった〜。「ジャングル・クルーズ」的なものでは?と思われた方、正解です。

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象も数匹。ここはアフリカ!?

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ジェットコースター的なもの。私は見るだけでいいです。園内にはこの系統が多く、しかも人気があります。キャーキャー叫びながら乗っているわりには、皆何事もなかったように降りてきます。

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こちらはウズベキスタンの首都タシケントにある、通称「ディズニーランド」と呼ばれる遊園地です。

都心にあり、近くには放送局や日本センターの日本庭園も。文化エリアという感じでしょうか。
説明がむつかしいのですが、遊園地付近をぐるりと一周する”水平ロープウエイ”のような乗り物があり、眼下にプールや日本庭園(的なもの)を見ることができます。所要時間は10分くらいだった気がします。ロープウエイのようなものといっても、オープンエアで椅子はなく立ったまま。雨が少ない国ならではの発想かも。

ここに行った理由は、タシケントの女子高生・17歳のGちゃんといっしょだったから。バザールや美術館は何度か行っているし、若い子の行くところに行ってみたいと思いました。
「ディズニーランド、今年の夏は行ってない!」と大喜びのGちゃんでした。スタイルが良くて、すっごく可愛い。

ディズニーランドの前に、まず、チョルスーバザール近くのショッピングモールをブラブラ。
地下のスーパー(日本でいうと成城石井みたいな感じ?プラス日用品もあるのでジャスコなどの雰囲気も)で私はナッツなどのお土産を購入。Gちゃんは新学期用にオシャレなノートを4冊購入。ぬいぐるみのコーナーで「かわいい〜」と大騒ぎしている様子があまりに可愛くて、ちっちゃなクマさん人形をプレゼント。ふわふわなものが大好きな女の子、万国共通ですね。(ここで盛り上がっていたせいか、警備員さんが何回も私たちのところに来て、「この人、日本人?」とGちゃんに聞いていました。何度も来る意味がよくわかりませんでしたが、、。私、怪しくないですよ。。)

それから遅いランチ。「ファストフード、行きましょう!」とのことで、たしかdemというような名前のお店へ。人気店のようです。
たしかに、ラマダン中だというのに広い店内が満員。都会ですねえ。コーカンド(信仰篤い人が多いと言われる)の食堂はガラガラでしたが、、。
驚いたのは、女性の一人客がけっこういたこと。ウズで女性が一人で外食する!?タシケントとそれ以外の町って、ずいぶん違うんですね〜。びっくりしました。
この店は、1階と地階があり、地階奥にはレストランスペースもありました(ディナー専用なのか誰もいませんでしたが)。
Gちゃんはバーガーセット、肉苦手の私は野菜のピザを注文。「家ではウズベキスタン料理ばかりだから」というGちゃん、時々はハンバーガーにコーラ、フライドポテトみたいなのがいいみたい。

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Gちゃんの携帯。写真を見たりネットをしたり(パソコンでのネットは高いので携帯でするそうです)が楽しみなのだとか。世界共通ですね。日本の携帯の絵文字に興味津々でした。

ディズニーランドでは、Gちゃんの高校のクラスメートの男子たちとばったり会いました。男子だけ4人で来てました。全体に男女とも純朴な感じです。毎回ウズ各地で思うのですが、、情報や消費に妙に毒されていないところが、なんだかいいなあ。。

今年のフェルガナ、ラマダンをしている若い子、けっこういました。昨年はサマルカンドでも大学生や専門学校生がラマダンをしていました。「いいことだから」「イスラム教徒だから」と、ごく自然な感じでした。

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(ウズらしい三つ編みの女の子。ウズ全域、女の子は髪が長いですね)

タシケント、あまり縁がないのですが、たまにはいいですね。次回はボウリングに行く約束をしてGちゃんとさよならしました。

● さて最後に、忘れないうちに、物価情報を少し。(2010年8月下旬。レートや物価は変わることが多いと思いますので、ひとつの参考程度にしてください)

*ドルと現地通貨スムの公式レート=1ドル:1620スム(町中は2000程度〜)
*ディズニーランド=12000スム/1名
*水平ロープウエイみたいなもの=3000スム/1名
*ファストフードのバーガーセット=6400スム
*ミネラルウオーター(1ℓ)=500スム(フェルガナ)
*コピー代(1枚/片面)=200スム(フェルガナ)
*ガソリン(1ℓ)=3000スム(フェルガナ/異常な価格高騰。しかもガソリンスタンドがクローズして買えない状態。一時的に海外に輸出してドルを稼ぐからとも、綿花摘みの時期は上がるとも聞きましたが、とにかく高い!)

● もうひとつタシケント情報、地方空港からタシケントに着いて夜まで時間がある、でもスーツケースや荷物があって街歩きできない、、そんなときに便利なのが空港近くの荷物置き場。国際線空港を背にして右手に少し歩いたところにあります。値段の基準はよくわかりませんが、スーツケース1個8000スムでした。これは便利!^^
by orientlibrary | 2010-09-04 11:48 | ウズベキスタンのタイルと陶芸