イスラムアート紀行

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<タイル人 ・1> タイルは華。イスタンブルで暮らし描き発信するトルコタイルの魅力

タイルがご縁をつないでくれた鬼頭さんは、トルコのイスタンブル在住のタイル絵付け作家。タイル、なかでもイスラムの装飾タイルへの熱い思いを共有できる貴重で大切なタイル友です。

日本ではタイルが工芸文化の面から語られることが少ないだけでなく、残念なのはイスラムのタイルの存在感があまりにも薄いことです。タイルはヨーロッパで生まれたと書かれたタイル関連サイトを見たときは驚愕しました。日本にもタイルの書籍はあるし、英語に広げればインターネット時代の今では膨大な情報に触れることが可能です。

このブログは2005年9月スタート。中央アジアを主体に、イスラム圏のタイルについて素人の実感で書いてきました。が、あまりに非力。けれども、心強くうれしく頼もしいのは、ネットや生産地で出会ったタイルに関わる人たち、そしてタイルを愛する人たちの存在です。以前とは違う!<タイル人>、始めます。

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(「青の魅惑」展@INAXライブミュージアム、2011年11月〜12年3月。鬼頭さんにトルコ作家のコーディネートと情報監修をお願いしました/左:アディル・ジャン・ギュヴェン氏展示と作品/右:メフメット・コチェル氏展示とタイル作品部分=後半に出てくる「サズ様式」)

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<タイル人 ・1> 
「いつまでも色褪せない艶やかさがタイルの魅力」鬼頭立子さん(アトリエ・チニチニ)


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(チニリ・キョシュキュ。トルコ装飾タイル博物館にて)

—— タイルの絵付けをトルコで専門的に学んだ、そのきっかけ、経緯を教えてください。
日本の大学では、アジア・オセアニア文化コースでインド思想哲学を専攻していました。中でもイスラム神秘主義哲学に興味を持つようになりました。そして、文献の挿絵として使われていたテズヒップ(書や写本の彩飾)や細密画に深く魅せられ、細密画を学びたいという気持ちが高まりました。細密画を大学で学べる国としては、トルコ、インド、イランなどがありましたが、自分にとって暮らしやすいところ、という面でトルコを選んだのです。

—— 最初は細密画だったのですか?それがタイルに変わったのは、なぜ?
トルコへ渡り、イスタンブルで細密画を学び始めました。ミマルシナン芸術大学へ入学してからも細密画を続けていましたが、次第に細密画のスケールが自分に合っていないことに気がつきました。細密画は小さすぎる。ものすごく細かい。やってみて初めてわかりました。そして、タイルの迫力とスケール感が自分にぴったりだと気づきました。ルールに基づきながら構図を考えたり、モチーフを描き込んでゆくのが自分に合っていると思ったのです。細密画に比べてタイル画では、モチーフ一つ一つが大きい分、そのモチーフの中に色々模様を盛り込み描くことが可能です。それが楽しくて、魅力です。

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(鬼頭さんとトルコのタイル作家を訪ねる旅、イズニックへ。歴史的建造物と湖のある静かで心地良い街)
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(アディル・ジャンさんのアトリエにて。家族全員がタイル作家。形成、絵付け、焼成をこなす。トルコタイル談義。右下はイズニック湖の夕暮れ)

—— ミマルシナン芸術大学は国立の芸術大学ですね。どのようなことを学ぶのですか?
私が入ったのは、トルコ伝統芸術学科です。装飾タイル、アラビア書道、製本、写本装飾、絨毯織やキリム織などを学びます。1年生はすべての工芸に共通するデザインを学びます。デザインを起こすのです。2年生から専攻を選択します。私はチニ(タイル)を選びました。チニ専攻の同級生は3人でした。

—— チニ専攻では、どのようなことを学ぶのか興味津々です。
テュルク系(トルコ民族)全体の美術史から、トルコ(現在のアナトリア)におけるチニの歴史〜セルジューク朝、ベイリク(君候国)、オスマン帝国〜を学びます。その中で、圧倒的に時間が多いのは、16世紀(オスマン朝古典期)のタイルについてでした。オスマン帝国のシリアやエジプトまで広範囲に渡る技法や色彩の特徴なども丹念に学びました。実技では、主にデザイン画を描きます。土を練ったり、形成したりはせず、デザインのみです。ナッカシュ(デザイナー)としてのデザイン起こしを、しっかりと学ぶのです。

—— 日本だと土から始まるような気がしますが、デザインが主なのですね。
伝統工芸学科のチニ専攻は仰る通り、デザインが主で、材料、土捏ねからの工程は知識として学ぶのみで、実技はセラミック学科で学ばれます。オスマン朝の職種で言い置けば、チニ学科=デザインを描くナッカシュを養成、セラミック学科=土から絵付けまでの実技を学ぶ学科になります。ただ、これはミマルシナン芸術大学だけに当てはまることで、他の大学ではチニ学科でも実技を学んでいるところもあります。

—— 授業はきびしかったですか。
単位を取るために課題は多かったですね。週に数日は徹夜していました。4年で卒業するには、そのくらいしないとダメ。学費が安いこともあり、7〜8年かけて卒業する人が多いのです。トプカプ宮殿やアヤソフィアのタイル、ステンドグラスの修復や天井部の金箔張りもやらせてもらいました。炎天下で大汗かいて、もう修行でしたね。でも楽しい経験でした。昔のタイルは違います。

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(イズニック。タイルと陶のある光景。上段は陶芸の職業訓練を終えた女性たち専門のショッピングセンターにて。多彩な商品作りに感心。「自信」で突き進むパワーを感じました。下段:トルコは食も魅力)

—— トルコの学生気質について印象は。日本人の学生気質と違いや共通点はありますか。
トルコの学生は完璧を求めます。まずは完璧さの印象が強いです。集中力はすばらしい。また自己表現欲求が強い。そのぶん自信も強い。伸びる原動力は自信だと感じました。でも、時間は守らない、ルーズというかいい加減。日本だと、課題は必ず締め切りに間に合うように仕上げますよね。トルコの学生は締め切りを延ばす。でも良いものを作ってくるんです。こちらは締め切りを守っていますから、そんなあ、と思いました。が、期限を守ると小さくまとまるのかも、とも思ったり。日本人学生との共通点はない、ですねえ。

—— 自信と集中力。熱いですね。
自信を持って突き進む。トルコではそれが一番大事と考えられている。表情にも出てくるような気がします。

—— チニを学んで、その後はどのような活動をする人が多いのですか。
就職先として多いのは、講師でしょうか。絨毯のデザインをする人もいるし、グラフィック方面や美術系に行く人もいますね。基本的にお金持ちの人が多いので、ゆとりがある感じ。私は2010年2月に卒業。ミマルシナン芸術大学大学院でトルコタイルを専門に学んだ窪田さんといっしょにイスタンブルの新市街に工房を開き、タイル画を制作しています。絵付け教室もやっていますが、日本人の生徒さんが多く、皆さんとても上手ですよ。

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(トルコのタイル作家を訪ねる旅、キュタヘヤへ。メフメット・コチェルさんのデザイン室と工房にて。宝物のようなデザイン帳を見せて頂き、タイル製造工程を見学)
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(キュタヘヤの博物館にて。タイルと陶器の展示)

—— 個人的な好みでは、どんなタイルがお好きですか。
サズ様式が好きです。サズ様式タイルの傑作と言えばトプカプ宮殿にある5枚のパネル。宮殿の一番奥にある割礼の間前壁にある、麒麟が描かれた4枚のパネルと、花瓶から溢れ出す植物が描かれた1枚。素晴らしいです。

—— トルコのタイル、ここは見たほうがいいという場所を教えてください。
セルジューク朝のタイルはコンヤ。コンヤではすべて見て欲しいですね。ベイリック時代とオスマン朝はブルサ。エディルネは、ムラディエモスクの他、すべておすすめです。イスタンブルは、まずトプカプ宮殿を押さえて、次はリステムパシャでしょうか。

—— トルコの工芸で、おすすめのものは。
細密画、オヤ(刺繍)、絨毯やキリムですね。

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(キュタヘヤにて。青の館と青の陶芸家。下段はハーブティー、キョフテ、お家訪問での手作りお菓子とチャイ)

—— おいしいものがたくさんありそう。
まずエフェスビール!食べ物は絞れませんが、、ビールやラクを飲みながらの、メロンとチーズ、トピック(玉ねぎを炒めたものをゴマ+ひよこ豆のペーストで包んだもの)。マントゥ(ラビオリに似たもの)、クルファスリエ(白インゲン豆の煮込み)といったトルコのお母さんの味がおすすめです。

—— 今後の活動、イメージを教えてください。
しばらく大きなタイルを作っていなかったので、大きなパネルを数枚描きたいです。目標として、イスタンブルで作品展を開きたいと思っています。

—— 鬼頭さんにとってタイルの魅力、存在とは。
着物で言えば振り袖のような美しさ、いつまでも色褪せない艶やかさ。それが好き。華やかさ。花ですね、タイルは、やっぱり。

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この夏、多治見旅をご一緒した鬼頭さん。二人で多治見の熱い方々にお会いしてお話を聞き、たくさんの美しいタイルとやきものに出会いました。さらに鬼頭さんには、朝の喫茶店、夜の居酒屋でもノートPCを開いて、お話を聞いてメモ(それがこの「タイル人」)。無粋でゴメンナサイ。

鬼頭さんは、ミマルシナン芸術大学チニ専攻を主席で卒業。2010年には「サークップ・サバンジュ芸術賞」(サバンジュ財団による芸術賞。1994年より毎年ミマルシナン芸術大学の絵画、彫刻、伝統トルコ芸術、3学科の卒業生上位3名に授与)を受賞。タイルの本場で日本女性が、技術と感性を発揮して活躍。なんてうれしいことでしょう。温かく謙虚でちょっとお茶目な人柄も大好きです。どうぞこれからも、タイルの魅力を伝えてくださいね!

<鬼頭さんのブログ> 「—イスタンブル発— トルコタイル通信
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by orientlibrary | 2013-11-05 22:13 | タイル人

中央アジア人・アトラスと駆けるウズベキスタン

秋は展覧会、展示会、イベントが、いつもにも増して多い時期。個人的には、土寄りの時間が多いのですが、写真がないこともあり、今回もアトランダムな内容。後半は、「中央アジア人・1 〜アトラスと駆けるウズベキスタン 川端良子さん(東京農工大学)」です!

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まず、青のFBよりサマリー少々。
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(ティラカリ・マドラサ(サマルカンド)〜宇宙のようなカリグラフィーと幾何学模様/ホジェ・アハマド・ヤサヴィー廟(トルケスタン)〜彩釉レンガとタイルを駆使した壮麗な装飾/シャーヒ・ズィンダ(サマルカンド)〜幾何学模様を立体化)

釉薬クラス。知らなくてはと義務感のような気持ちで始めたのですが、意外なことに釉の調合にハマってます。無謀なチャレンジをサポートしてくれる白金陶芸教室さんに感謝しつつ、今回もオリジナル青に向けて走ってます♪
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(青系調合テストピース/基礎釉作り/トルコ青釉調合/この青が憧れ)

インドの布を紹介しているkocariさん。明るい色使い、斬新な色の組合せ、美しい手仕事のカンタや刺繍が女性に人気。
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(西早稲田の民家ギャラリー。きれいな手仕事とチャイでなごませていただきました)

中央アジアのテキスタイルや工芸を紹介するカンノ・テキスタイル。滝野川の展示。スザニやキリムバッグも。
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(左段3点=カンノ・テキスタイル/中〜右の4点。ウズベキスタンの絣布アトラス、アドラスで作られた小物類=テディベア、捻り香合、ネクタイアなど、2012年のハンディクラフトコンテスト入賞作品、現地での製品化第1弾。ウズベキスタンでの販売がスタート! 〜写真はコカリさん、カンノ氏空間にて〜)

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<中央アジア人・1 >
「アトラスと駆けるウズベキスタン」川端良子さん(東京農工大学)


ウズベキスタン、キルギス、カザフスタンなど、中央アジアを駆け巡るひと。数十キロの荷物、スーツケース2個持ちでもニコニコ。中央アジアメニューなど、おいしい料理を手早く作る料理上手でもあります。ウズベキスタンでのアトラスプロジェクトも興味深いステージに。聞いてみたいこと、たくさん。

(* 夏のインタビューからタイムラグがあるため、少々補足している点があります。また録音はしていますが、このまとめは取材時の入力を基にしています。細部のニュアンスが多少違う点があるかもしれません。この点、ご了解ください。)

まず、東京農工大のウズベキスタンプロジェクト。趣旨、経緯、現状など、詳細はこちらに。

<参考:フェルガナプロジェクト>=JICA の草の根支援プロジェクト。ウズベキスタン共和国の国立養蚕研究所、ビジネスウーマン協会と協力し、フェルガナ地域農民を対象に、養蚕を主体とした農家副業技術の改良・向上に向けた普及活動をおこなう。生産物の販売モデルを確立し、ウズベキスタン国内の養蚕地域において活動発展と高品質蚕糸の安定生産につなげることを目指す。

<参考:ウルゲンチプロジェクト>=2013年3月より新プロジェクト。「ウズベキスタン共和国シルクロード蚕業復興計画−辺境農村における副業収入向上のための技術移転モデルの確立−」を開始。

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—— アトラスプロジェクト、いまの様子を教えてください。
この秋、ヒバ市イチャンカラ市場に外国人向けの販売拠点を作る予定です。目的はお土産物としてアトラス商品を定着させること。サマルカンドやタシケントには、いろんな店ができていて、品質も向上しています。ヒバはまだ入る余地があります。世界遺産なので外人観光客も来ます。女性の自立化とアトラスの普及をめざしています。

—— 今後、ハンディクラフトコンテストの優秀作品が販売されるのですか。
地元の人を雇用し、日本の皆さんのアイデアであるコンテストの優秀作品などを販売します。プロジェクト開始以降、ウズベキスタン側のアイデアで作られたアトラスのシュシュやポーチは、日本国内でも販売しており好評です。メインの市場はあくまでウズベキスタンだと考えていますが、日本でも売れる商品だということは自信になります。農村の女性は日本や日本人を知っていて、いまだに「おしん」と言われるんですよ。日本に悪い印象はないですね。

—— 風土や慣習も違いますし、いろいろと大変なこともありそうです。
ビジョンは長期です。このプロジェクトで終わるつもりはない。成果を出したい。私の専門は環境問題ですが、その分野のプロジェクトは現実的になかなか難しい。農工大は養蚕研究の長い歴史があり、養蚕復興はウズベキスタン政府の意向とも重なりました。双方に良かったと思います。

—— やりがいがありますね!
目に見えて成果が出ていることは喜びです。農家の人が喜んでいること、同じ労力でも日本の繭を買うと収量が増し、収入も増える。基本はカイコの品種です。ウズベキスタンは旧ソ連だったので日本品種が行っていなかった。品質を良くして、製糸会社に働きかけています。そしてプロジェクト拠点は、フェルガナからウルゲンチに移動しました。フェルガナでの成功を点から面にしていかなくてはなりません。フェルガナには養蚕の伝統がありましたが、養蚕が気候条件的に困難と言われているウルゲンチで成功したいのです。ウズベキスタンの西と東の端で成功することは、全土での展開に重要だと考えます。ウズベキスタンでは、ロシアなどに出稼ぎに行く男性が少なくありません。シルクの製品化と販売を通して、副業による収入向上につなげたい。

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—— 中央アジアとの縁、どのようなきっかけだったのですか。
専門は、中央アジアの環境問題、水質と土、養蚕です。京大大学院時代はアラル海の水質をやっていました。中央アジアの環境問題で、理系の博士号は初めて。足抜けはできません。元々、NHKのシルクロード番組が好きでした。民族学者である片倉もとこさんの『アラビアノート』などの著書や辺境をフィールドワークする生き方にも影響を受けました。青池保子さんのロシアを題材とする漫画にも魅せられていました。いろいろなことが重なっていますね。

—— 中央アジア、ウズベキスタンと日本、ここがいちばん違うという点は。
計画的に動く日本人と、前もって準備しない傾向のあるウズベキスタン。でも、ギリギリに帳尻を合わせるのがすごいです。

—— 中央アジア、ウズベキスタンの、ここが好きと思うことは。
人情味がある。ウズベキスタンの人は親切。日本人が失いつつあるものがあると思う。お役所仕事は腹が立つけど地方は親切。最初にカザフに行ったとき、田舎に行くとものがないので、カップ麺とか食べていました。そんなとき、村長が羊をふるまってくれました。ゴミ箱に落ちていた箱、そこに日本語が書いてあったのですが、それを拾って飾り棚に飾ってくれたこともありました。

—— 中央アジアでの最高の時間は。
真っ平な地平線に沈む太陽。自然の大きさを肌で感じます。中央アジアの自然は本当に魅力があります。

—— 中央アジア、ウズベキスタンでおすすめの食べ物は。
ナンが一番好きですね。窯で焼くナン、焼きたてのナンほどおいしいものはない。とくにタシケントの安いナン、卵が入っていない薄いナンがいい。フェルガナのナン、ピザパイ、ラグマン、カザフのロシアパンもおいしい。メロン、ドライフルーツなど、果物ははずせません。タシケントには各国の料理店がいろいろあります。現地のチェコビールはおいしいですよ。グルジア料理も安くておいしいです。

—— お気に入りの場所は。
ヒバは好き。いまは都会になっていますが、こじんまりとして観光しやすい。時期は5月か9月ですね。

<追記> 2013年10月よりヒバのイチャンカラにてテスト販売開始。タシケントのいくつかのショップでもコンテスト作品第1弾商品の取り扱いが始まっています。ウズに行かれた折には、お土産にどうぞ!

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川端さん、どうもありがとうございました!これからも中央アジアパワー、分けてくださいね〜!

アトラス製品、日本での展開も楽しみです。いつもウズベキスタンでお土産選びに苦労しているので、興味津々。川端さんおすすめのヒバ、私もホレズムのタイルとやきものを巡る旅をしたいのに、好適な9月も10月も行けずじまい。冬は極寒、夏は極暑。いつ行けるだろう。ご縁を待ちます。
by orientlibrary | 2013-10-15 00:26 | 中央アジア人

シリアのタイル、釉薬づくり、新訳『わたしの名は赤』

シリア。2002年に、いわゆる「ツアー」で行きました。笑顔で接してくれる人懐っこい人々、重厚な歴史や文化を感じさせる建築と街、迷路のような路地、広い中庭のある住宅、五感を刺激するバザールの活気、イスラム世界独特の濃い空気。たった一度のツアーだけど、シリア、好きになりました。また行きたいと思っていました。

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(オスマン朝シリアのタイル <左>施釉タイル。糸杉と葡萄が描かれる。セージグリーンとマンガンの色がダマスカスの特徴 <中>六角形のタイル。花瓶と花が描かれる <右>施釉絵付けタイルの一部。カーネーションが描かれる/DARWISHIYYA MOSQUE, DAMASCUS,1571/『The Art of the Islamic Tile』〜DAMASCUS, SYRIA, AND PALASTINE, IN OTTOMAN TIMES〜より引用)

オスマン朝シリアのタイル。ザクッとした絵付けが愛らしい。深みのある青に爽やかなセージグリーン。白地に糸杉や葡萄の模様が好みです。

ずっと何も書けずにいました。今も何もできない。あまりなことに、報道を見るのを避けてしまっています。どうぞ早く安定しますように。家族の暮らしを取り戻せますように。必要な医療を受けて教育の場も保障されますように。写真は私が出会ったシリア。(スキャンではなくアルバムを撮影しており不鮮明です)

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(ウマイヤド・モスク、アゼムパレス)

 ウマイヤド・モスク=ウマイヤ朝、705年。現存する世界最古のモスクであり世界最大級のモスク。「古代地中海世界を継承したイスラーム建築。高さ20mを超える豪壮な石造りで威風堂々、外観はまるで小さな要塞のように見える。歴史の痕跡を観察しながら外回りを一周するだけで小一時間を要してしまうほど、巨大かつ興味深いモスクである」〜『世界のイスラーム建築』(深見奈緒子)より

 アゼムパレス=1749年、オスマン朝ダマスカスの知事だったアスアド・パシャの邸宅として作られた。ダール・アラビーエ(伝統的アラブ住宅)の粋と言われる。

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 古代都市ダマスカスは、シリアの首都ダマスカスの旧市街に残る歴史的な構造物が登録されたユネスコの世界遺産(文化遺産、1979年登録)。エジプトとメソポタミアを結ぶ交通の要衝であり、紀元前3000年ごろから都市が形成しはじめたと考えられている。2013年にシリア騒乱による被害のため、シリア国内の他の5つの世界遺産とともに危機遺産に登録された。(wikipediaより)

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(マルーラ。キリスト教の村。BC6世紀頃から東アラビアやイランで広く使われていたと言われる古代アラム語が残っていることで有名。とてもきれいな村だった。岩山に立つ聖サルキス教会でスタッフの説明を聞いた)

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国境なき医師団への寄付(←クリックでリンク先に飛びます)
 「国境なき医師団は、シリア政府の活動認可を得られないまま、シリア国内で人びとに直接援助を提供している数少ない国際NGOとして北部で6ヵ所の病院と4ヵ所の医療センターを運営しています(2013年8月末日現在)。また、シリアから周辺国に逃れた難民に対しても、緊急援助活動を実施しています。国境なき医師団では、シリアに関連する活動の完全なる中立・公平性を確保するために、民間の皆様からの寄付金のみを活動財源としていますが、2013年に予定している活動予算の6割が不足している状況です」

 山崎やよいさんのブログ
長引くシリア紛争で生活基盤のすべてを失いつつある女性たちに『針と糸』で収入の道を開くプロジェクト「イブラ・ワ・ハイト」発起人。

 イブラ・ワ・ハイトfacebook
「かつて平和なシリアの家庭で女性たちがたしなんできた手芸。シリア女性達は、美しい、独特の刺繍の伝統を日常生活の中で守ってきました。今、悲しいことにシリアでは、家、仕事、一家の大黒柱、そして社会インフラも含めた、生活基盤の全てが失われつつありますが、女性たちの手には、まだその独特の刺繍技術が残っています。『針と糸』があれば、社会インフラが破壊された街でも、避難先の仮住まいでも、刺繍ができるのです」

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青のfacebook、復活

青のfacebook、しばらくお休みしていました。ヤマイのように青、青と思っていたのが、2ヶ月ほど憑物が落ちたような感じに。まあ、この夏が暑すぎて体力がついていかなかっただけかもしれません。ささやかに復活しています。この間の更新画像をアトランダムに少々。

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(上段上から順に::色絵三壺文皿、鍋島、17世紀/瑠璃釉青花楼閣図稜花大皿、明時代、17世紀/青花唐花文大皿、ベトナム、15世紀/九谷焼五彩呈色試験版 初代徳田八十吉)

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(上段上から順に::ナディール・ディヴァン・ベギ・マドラサ (ブハラ)/ブハラ旧市街の観光名所ではないモスク。ここがすごい!オリジナルタイルが見られる/ナディール・ディヴァン・ベギ・マドラサ (ブハラ)/ザンギアタ廟(タシケント))

facebookは、「インサイト」というかたちで、見た人や気に入った人の数等、いろんなデータが、ビジュアル的にわかりやすく表示されます。人気上位は、青のタイル装飾。これはうれしいです。

日本でタイルの話が思い切りできる機会は少ない。とくにタイル装飾の華、イスラムタイルの認知度が低いのは残念。こういう状況、もう長いですから、かなり諦めていましたが、もしかしてイスラムタイルを好きな人も少なくないかも。ちょっとだけ希望の灯が。小さなことしかできないけれど、コツコツ続けていこうっと!

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釉薬づくり

釉薬づくりのクラス受講を始めました。青、青と騒いでいるのに、あまりに何も知らない。基本の基本は知っておきたい。そして、自分の青を作りたいという野望がフツフツと。お世話になるのは、タイル作りを習った白金陶芸教室。

透明釉づくり=福島長石、赤坂石灰石、マグネサイト、韓国カオリン、福島珪石。
青の釉薬づくり=基礎釉+酸化コバルト、炭酸銅、酸化銅。

不器用な私、手仕事系がダメという残念人間ですが、人には何か取り柄があるはず。それが、「粉を量ること」だったことが、このたび、わかりました。妙に速いらしいのです。取り柄って、数が限られているものでしょうか。そしたら、そのカードの一つが「粉量り」って、どうなんだろう。摺ったり混ぜたり塗ったりも好き。楽しい釉薬づくり。今後が楽しみです。

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『わたしの名は赤』

コラージュの下段右は、、『わたしの名は赤』(オルハン・パムク)。文庫サイズの新訳版=右側の2冊。旧訳『わたしの名は紅』の難解な訳に対して、わかりやすいと評判の新訳。読むのが楽しみです。

以前のブログ記事で、旧訳の一部、好きなパートを、勝手に自分流に書いてみたことがあります。
 細密画師の幸福の闇 無限の空白の頁
 手が記憶だけで描く。黒羊朝細密画師アリの物語

「盲目は全生涯を美しさに捧げた細密画師にアラーの神が賜(たまわ)る最後の幸せである」「盲目の細密画師の記憶がアラーの神に到達したところには、絶対的な沈黙、幸福な闇、そして空白のページの無限がある」。オルハン・パムク氏、すごい作家です。


今回も、まとまりのない内容に。「中央アジア人」「タイル人」シリーズも、スタートしたいと思いつつ。陶芸家でありデザイナーであった日根野作三さんの展覧会図録も届いたし、日本のタイルもスタディしたい。銭湯のタイルも見に行きたい。ホレズム(ウズベキスタン)のタイルを見に行きたい。少しずつです。こんなブログですが、また遊びに来てくださいね〜♪
by orientlibrary | 2013-10-05 02:25 | 中東/西アジア

多治見旅。五月の風、光、空、水、、心の底からリフレッシュ!

「多治見小さな旅編2」、その名の通り旅の2日目。この日も五月晴れで歩くのが気持ちいい。朝から絶好調です!
5月初旬の愉しみは(行ってみてわかったのですが)藤の花。名古屋からの車窓に次々と見えた山藤、品のいい薄紫色ながら大きく揺れてワイルド。街歩きでも、各所で満開の藤の花。引き寄せられました。

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(まずは駅前のながせ商店街を散歩。街にも住宅にもお花がいっぱい。小さなカフェや雑貨店が点在)

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(上左:え?神棚?二つ?こちらではこのように祀るのでしょうか/右下のタイル、日本的ないい色あい)

古い木造の商家。店先の花々や杉玉や貼り紙やらで、吸い込まれるように中に。オーディオがいい音。やきものと花、古い家具類もいいな。気さくな玉木商店ご主人、商店街のイベントのことや多治見のおすすめショップなど、いろいろ話してくださいました。朝からおじゃましました〜!

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(上段:老舗の鰻屋さん、和食店など。黒塀がいい感じ/下左:たじみのキャラクター「うながっぱ」、こちらはモザイクタイル。かっぱとうなぎが融合した生き物のようです/下中:館内に置いてあったマンガ冊子、「やくならマグカップも ね、陶芸やろ?」、、、多治見に引っ越してきた女子高生が主人公らしい。第5話は陶芸部に入部を決意!/下右:自販機コーヒーもちゃんと器で提案)

町の中を川が流れている光景、好きです。空が広くて気持ちがいい。橋を渡って、ウワサのオリベストリートへ。まずは「たじみ創造館」。美濃焼など、ショップいろいろありました。

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(創造館3階、多治見市文化工房ギャラリーヴォイス。「やきものの現在-牛田コレクションを中心に-」展示。広いっていいな、とまず思いました。やきものはこのくらいの広さがあると、しっかり見られますね〜。映えますね。広さは大事。日本の澄んだ青、水のような青がすてきでした。

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(オリベストリート界隈にて。カフェなど/上段:カフェ店内/下右:氷屋さん、白壁とロゴ、カッコ良し!)

カフェもいろいろあって迷います。流れていたノラ・ジョーンズが決め手になって、こちらでランチ休憩。あふれんばかりの家具や食器での演出、いいじゃないですか〜。贅沢!東京のレトロ風カフェとは重厚感、パワーが違いますね。

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(土岐川。新緑と青空が最高!そこにパカパカと、、/下段左:修道院/中と右は虎渓山あたり)

ゆっくり見たいけれど、先を急がねば。ということで橋を渡ります。幹線道路を歩いていると、背後からパカパカという音が、、これは?!、、いやまさか、、振り向いてみると、そのまさか!でした、、馬車でした、、、なんで馬車が幹線道路を、、、多治見七不思議、、たじろいでいる私の横をポコポコと走り抜けて行きました。乗客一人ありました。

目的地の神言会多治見修道院に行ってみると、さっきの馬車。なるほどね。試験運行中なんだそうです。中世ヨーロッパを思わせる修道院と、ビジュアル的に合うかも?修道院は昭和5年設立。小高い丘には葡萄畑やログハウスも。修道院ワインも販売されており、11月にはワインフェスタもあるそうです。

爽やかな風のなか、どんどん歩きます。虎渓山へ!!永保寺へ!!山道を下りるかたちで歩いていきます。けっこう急な坂道、本当にこの先にお寺が???、、すると、、わ〜〜〜!!!!

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(臨済宗南禅寺派 虎渓山永保寺。鎌倉時代末期、夢窓国師が開祖、仏徳禅師を開山として創建)

こ、これは!極楽?!いきなりパラダイスが現れたかと思いました。山を登っていってお寺というのはあるけれど、どんどん下りていってお寺があるとは。

永保寺は鎌倉時代(1313年)開創。「虎渓」の名前は夢窓疎石がこの地を訪れた際、中国 蘆山の虎渓の風景に似ていたことに由来するとのこと。鎌倉末期に建てられた「観音堂」と「開山堂」は国宝。自然の岩山を活かし心字池を配した回遊式庭園は国の名勝。2003年の火災で本堂と庫裏が全焼。2007年に庫裏、2011年本堂が再建されたそうです。心洗われるような景観と古刹、多治見の宝物ですね。

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(青空と風と光と水の音と。ここでの時間が忘れられません)

心残りますが、虎渓山から次の目的地(若い人に人気のギャラリー&ショップ)に。が、地図を見てもよくわからず、参道入り口のお茶屋さん若松屋に入り尋ねてみました。そこには、頭巾をまとった昔話に出てくるようなおじいちゃんが!親切に地図を見ながら考えてくださるのですが、若い人のお店でもあり、、「すいませんでした。下で聞いてみます」とお礼を言って出ようとしたところ、、話を聞いていたお店のお嫁さんが、車のキーを持って「行きましょう」と。結局、図々しくも乗せて頂くことに。おじいちゃん、どうもありがとうございました。また来ます!

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(上段は辿り着いたギャラリー/下左:カリフォルニア、じゃないですよ/下右:パリのカフェ、じゃないですよ)

ところが、、「ギャラリー百草」、ぜんぜんわかりませ〜ん!ようやく辿り着いた場所、これはわからないよ〜!旅行者には難しすぎる!でも、なんと他県ナンバーの車がズラリ。若いカップルなどで賑わっています。人気なんですね〜!驚きました。古民家に、アパレル、雑貨、やきもの、カフェなど。
若松屋お嫁さん、「地元にいても来たことない。私も」と、一緒に見学。二人でおしゃべりしながら楽しい時間でした。なんだかお嫁さんと別れるのが淋しくなってくる。親切に、多治見市美濃焼ミュージアムまで送ってくださって、、どうもありがとうございました!

美濃焼ミュージアムでは、「平安のやきもの 美濃灰釉陶器の世界」や常設展示を見学。写真禁止なので撮っていないせいか、記憶もあいまいになってしまってます。
立派な博物館でした。ただ展示演出がオーソドックスで、ちょっともったいないという気がしてしまいました。昨今は、展示構成や見せ方のレベルがどこもすごく高いので、観る方も贅沢になってしまい、、スイマセン!スタッフの方々は親切でした。ここから土岐プレミアムアウトレットに行きたいという私に、タクシーを呼んで頂き、アウトレットからのバス時間も教えて頂きました。

多治見駅にタクシーで戻るなら、隣の市だけど近いというアウトレットに行ってみようかと、緑の山道をドライブ。アウトレットは、、アウトレットでした。バスで駅へ。JRで多治見に。また歩いてオリベストリートへ。夕暮れのカフェは、おーっと、すでにクローズ!旨い蕎麦で、一日をしみじみ振り返り、多治見いいなあ、と浸っていたのでした。長い一日でした。皆さん、本当に親切で感激です。ありがとうございました。
多治見編、第3弾はセミラックパークMINOの予定です♪

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<訂正>  下記3点、訂正しました。
1:多治見創造館 → たじみ創造館
2:「やきものの現在ー土から成るかたち」展示 → 「やきものの現在-牛田コレクションを中心に-」展示
3:多治見美濃焼ミュージアム → 多治見市美濃焼ミュージアム


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(写真が終盤にないので、チベットフェスティバル2013@護国寺から。写真上段:ファッションミュージアム、ナイス企画。が、マネキンがブーツを履いていないのはなぜ?柄杓を持ってるのは?ツッコミどころ多くて楽しかった!お寺が会場っていいですね。音楽ライブ、ライトアップ、砂絵、食など盛りだくさんの企画で、連日たくさんの人出だったようです。バター茶飲んで、まったりしました。写真下段右は購入品。というのもノルブリンカインスティチュートの洗練をご紹介したくても撮影禁止だったので。相当にデザイン性の高いオシャレな品揃え。チベタンエレガンス。エプロンのラッピングもオシャレ=黒い巻物状態のもの=で感心しました)
by orientlibrary | 2013-05-13 23:45 | 日本のいいもの・光景

中央アジアの踊り、布、タイル、着こなし、料理

ブログ更新できず、、時間が経つのが早い!今回もまとまらない内容ですが、日々のことなどを。
まず、青のfacebook、「青の陶器とタイル好き * blue ceramic museum」よりサマリーです。↓ テキスタイルの青もピックアップしてみました。青のアトラスは友人から「初めて見た」「キレイ」と好評でした。青のスザニもいいねが多かったです。

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(左上より/「青の魅惑」展出展作品。ムハンマド・マフディ・アヌシュファル氏(イラン)/タブリーズ・ブルーモスク(イラン)/ミル・アラブ・マドラサ(ブハラ)/ウズベキスタンの刺繍布、青のスザニ/シャーヒ・ズィンダ(サマルカンド)/ウズベキスタンの絣布、青のアトラス)

↓ 以前、2月のウズ行きのところでご紹介した「ブハラで購入したかけら」(写真上段)。青のfacebookで調べてみました。やはりティムール博物館所蔵品(写真下段)の文様や構成との共通点を感じます。素朴な植物文様が愛らしい。青がイキイキしていると思います。

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↓ 音楽はもちろん、ダンスも、ユーラシア各地の個性ある表現や衣装に惹かれます。これまでなかなか見る機会がなかった中央アジアの民族舞踊ですが、先日、ウイグル、カザフ、ウズベク、キルギスのダンスが一堂に披露されました。木場でおこなわれた国際フェスティバルのプログラムのひとつ、「DANCES OF TURK 2013」。衣装も華やかでテンポも良く、とても楽しかった。「みんなで踊れそう感」があるところが、中央アジアダンスの魅力かも。

1月には、「中央アジアの音楽 チュルク・ミュージック・イン・トーキョー」が開催され、盛況。キテますね〜!

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(「DANCES OF TURK 2013」)

↓ 先日の、東京農工大「シルクロードからの贈り物」展でのイベント、「ウズベキスタンの布と旅」と題した講演会(菅野陽氏)、「ウズベキスタンの歌と踊り」(ANYAさん)も盛況でした。ウズベキスタンの布についてのレクチャーというのも珍しいと思います。現地の画像、バザールの映像を交え、臨場感のあるお話でした。

ダンスは、各地の踊りの披露のあと、手の動かし方など簡単な振付けを習い、みんなで体を動かします。その後音楽に合わせてダンス大会。振付けの後なので、恥ずかしがらずに前に出て踊る方が多く、楽しい雰囲気!ウズベキスタンからの留学生は、さすがに動きが違う。踊りの国の人ですね〜!

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↓ そんな日々のなか、折り込みチラシにも目が止まりました。
上段左:通販カタログの宣伝。全体に値ごろな商品のようです。こういうところにも「旬エスニックで夏美人」。柄が中央アジアっぽい。インドネシアとかアフリカともいえるけど、微妙に中央アジア感がある。こういうの多いですよね、このごろ。日本のファッションは無地が圧倒的ですが、こういう大胆柄も時々はいいかもしれません。

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上段中も、チラシか広告でした。どうして目に留まったかというと、、ヘッドスカーフとウエストスカーフ。これぞ中央アジアの得意分野じゃないですか!!ヘッドスカーフはこのごろ少し普及しているような気もしますが、ウエストスカーフはこれからでは!?この写真では、柄に柄を合わせてますね。いいですよ、これ。

上段右は、数年前のエルメスのカタログ。この頃からカジュアルなストール使いが増えてましたね。
で、下段は、本場中央アジアの着こなしです!さすがですね!カッコいいですよ。右のスザニドレス風のものにストライプのパンツ。帽子に大判のストール。最高です!

↓ そんな日々のなか、トルコ料理を習いに行きました。メニューが野菜だったので、これならと思い参加。4種類、どれも大正解。それぞれ美味しかった。一部、通販か新大久保あたりに買物要な材料もあるけど、それもまた楽しいかも。

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(メニューは、フェタチーズとパセリの春巻き風。ブルグルというクスクスみたいな材料を使うkisirというお料理。トマトペーストやチリ、レモンなどでスパイシー。好みでした。セロリとニンジンとクルミのサラダ。すりおろしニンニク入りのヨーグルトで合えます。デザートはゴマペーストとクルミのクッキー。サクサクでゴマの風味とクルミのカリカリ感がいい感じ)

教室といってもトルコ人のご自宅でアットホームな雰囲気。先生の子どもたちもいっしょに、チャイといっしょに、みんなでいただきました。

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最後になりましたが、今回のウズベキスタン行きのタイルを少々。全体で1700枚強の写真あります、、随時ご紹介したいと思います。

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(ブハラのマゴキアッタリモスク。このターコイズブルーのタイルは11世紀頃?他の部分も、色は落ちていても優れた幾何学模様が展開されていたことがわかる。イスラムの数学、幾何学は素晴らしいですね。内部は「絨毯博物館」というかたちに。以前はお土産物屋さんだったけど。入館料要。ラビハウズ近く、タキ手前)

モザイクタイル、一部です。ナディル・ディヴァンベギ・マドラサ。幾何学模様と花模様。

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(16世紀後半、ウズベク人のシャイバーン朝が都と定め、その後ブハラ・ハン国の首都として長く繁栄したブハラ。中央アジアにおけるイスラム教学の中心地であり「聖なるブハラ」とも。中世の面影を残す旧市街や青いタイルで装飾された建造物群も有名。太陽に向かう二羽の鳥の構図で有名な「ナディール・ディバン・ベギ・マドラサ」のタイル)

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(同)
by orientlibrary | 2013-04-08 00:16 | 中央アジア5カ国

中央アジア、土の仕事と土の景/15世紀の土とタイル、イシュラトハナ廟

ウズ旅、怪しい動きの私がいます。

・装飾タイルの壁にくっついている
・くずれかけた土壁を覗き込み、触ってみている、写真を撮っている
・青空の日も下を見て歩いている。一つの理由はウズの道路は穴が多く、冗談じゃなくアブナいこと。そして建造物近辺では「かけら」との出会いを求めて、、
・工事している人がいると近寄っていき、見せてもらっている

自分では何もできないのが残念ですが、工事、手仕事、匠の技を見るのが好き。今回のウズ旅で出会った工事シーン、土がらみの写真を少々集めてみました。
空港が変わっていたと前回驚いて書きましたが、サッカー場やモール、歴史的建造物の修復まで、各地で工事がおこなわれていました。活気があります。職人さんたちは一所懸命に取組んでいました。工事内容のご説明はまったくできません。すいません!
このような写真にご興味ない方もあると思いますが、今回はこれでいきたいと思います。よろしくお願いいたしますね。

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(ブハラの「バハウッディン」で出会った工事光景。ナクシュバンディ教団教祖の廟を中心に様々な施設があります。崩れているものも多く修復工事中。親方のような人が図面をみながら高さ等の調整をしていました。鏝でしょうか)

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(同じく「バハウッディン」。以前、「左官的塾」にて当ブログをご紹介いただきました。素晴らしい資料もいただき感謝しております!)

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(上の2枚はブハラにある「ナショナルハウス博物館」。ガイドブックにも紹介されていないところです。修理後宣伝して集客するのかな。この奥にある貴族の館のようなところで、ブハラの生活シーンを再現し、道具などを紹介していました。下2枚はバハウッディン」)

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(ブハラ旧市街、民家の壁が崩れた部分。焼成レンガとスサみたいなものを土で固めて、その上にコンクリとか土を塗っているようですが、壊れたものをよく見ます。レンガの中はモロモロで触ると崩れてきました)

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(ブハラ旧市街、民家の土壁。スサの量が多いように感じるのですが、こんなものなんでしょうか?)

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(道具類は展示で見ることがあるのですが、ガラスケースの中なので反射して写真が撮れません。こちらは左官関係かと思い、いちおう撮ってみました。ブハラにて。下の右はリシタン(ウズベキスタン)の陶芸工房の掃除用具です。ふつうのお家にもこのような箒があります。バザールでも売っています)

土、土ですね。久々に土の景を。

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(中央アジアの土の景。民家のレンガ壁。かまど。室内土壁。日干しどろだんご積み壁。路も壁も土。下3枚はトルクメニスタンの遺跡にて。紀元前数千年前の壺が山のように眠る。修復もしていた。こちらも遺跡の土壁)

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今回のウズ旅、感動したところは多数あって、本当に行って良かったと心から思っています。そのひとつ、サマルカンドのイシュラトハナ廟。タシケントの陶芸家アクバル・ラヒモフ氏が、幾度となく通い勉強したとおっしゃっていた廟。15世紀(1464年)そのままの姿で、一部を除き修復されていません。サマルカンドでもブハラでも、主要な建造物は立派に美しく修復が進められており、当時の姿に触れることは難しい。この廟は、タイルやレンガを知りたい人にはたまらないと思います。

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(地下にはティムール家の女性や子どもたちが葬られているそうです。地震で崩れたままになっています)

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(アーチやドームの構造が、製法が、わかる人にはわかるのでは!?)

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(当時のままのものが残る青いタイル。圧倒的に素晴らしいタブリーズのマスジドキャブード〜ブルーモスクと同時期の建造。この時期は装飾タイルが花咲いた時代だったと思います。土味を生かした押さえ気味の青のタイル使いがとても美しい廟でした)

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(宇宙的と思える幾何学模様。こうして飾りのない状態で見ると、よりその趣旨のようなものが伝わる気がします。下2枚はなぜか修復中の内部壁画一部。このような色だったということでしょうか。サマルカンドの多数の建造物を思うと、こちらまでは手が回らないでしょうし、ぜひとも回さないままでいて欲しいと思う、土好き、タイル好きなのでした)

ウズの職人さんたちの熱心な姿に打たれる一方、写真はアップしませんが、ウズベキスタン各地の舗装道路にある大小とりどりの穴(深いですよ、けっこう)の多さは、何なのか不思議です。レンガ敷きの歩道もはがれがすごく、下を見て歩いていないと転んでしまいます。穴になったところがゴミ箱状態になっていたりもします。
最近の建物では、美しいタイルが剥がれ落ちてきています。修復されたものも、ズームレンズで見ると、デコボコしてきており、剥がれ落ちるのではないかと気になります。
昔のものはよく耐えて持っていると思います。最近のものが問題が多いような印象です。その理由は、素人の私にはわかりません。素材なのか、気候風土なのか、製法、施工なのか。基礎部分に問題があるような気が、、、

久々、土話でした。少々風邪気味でもあり、このあたりで、、
by orientlibrary | 2013-03-10 21:49 | タイルのデザインと技法

モンサント、イラン式料理本、これは映画ではない、スケッチ・オブ・ミャーク

矢継ぎ早に見た映画4本。こうしてみると、観るものはドキュメンタリー(〜的なもの)ばかり。トニー・ガトリフ作品や、「ジプシー・キャラバン」など音楽系ロードムービー、中東やインド・パキスタンの文化や人々を描いた映画等が好きな私。今回も、その路線でした。


① モンサントの不自然な食べもの 〜公式サイト

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*** 公式サイトより ***  
私たちに身近な食品、豆腐や納豆、ポテトチップなどのラベルにかならずある 「遺伝子組み換えでない」という表記。当たり前のように食卓にのぼる遺伝子組み換え作物、「不自然な食べもの」。果たしてそれはどこから来るのだろうか?

世界の胃袋を握ること---それがモンサントのビジネス戦略。アメリカに本社を構えるアグロバイオ企業「モンサント社」、世界の遺伝子組み換え作物市場の90%を誇るグローバル企業の、クリーンなイメージに隠された裏の姿をカメラは追う。
遺伝子組み換え作物から、過去に発売された枯葉剤、農薬、PCB、牛成長ホルモン。1世紀にわたるモンサント社のヴェールに包まれた歴史を、貴重な証言や機密文書によって検証していく。


自然界の遺伝的多様性や食の安全、環境への影響、農業に携わる人々の暮らしを意に介さないモンサント社のビジネス。本作は、生物の根幹である「タネ」を支配し利益ばかりを追求する現在の「食」の経済構造に強い疑問を投げかける。 「世界の食料支配、それはどんな爆弾より脅威である・・・」と作中で語られる、世界の食物市場を独占しようとするモンサントの本当の狙いとは?
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「1ドルたりとも儲けを失ってはならない」という”社訓”から始まり、「種」を通じて世界の食をコントロールしようとするモンサントの容赦ない姿勢が様々な角度から描かれます。世界各地でモンサントに脅かされ苦しむ農を担う人たち。グルメ等々、食の恩恵を受けている日本の私たちにも、重い問いが投げかけられているように感じます。各地で自主的な上映会も広がっています。


② イラン式料理本 〜公式サイト

早く観たいと思っていた「イラン式料理本」、あれからあっという間に3か月も経ってしまいました。

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舞台はキッチンと食卓のみ。7人の女性が料理を作り、家族等に食事を供します。「宝石ピラフ」など素敵なネーミングにワクワク、「おいしそうでした!」という感想を書くだろうと予想して観た映画でしたが、印象はもう少し複雑です。

料理自体が詳しく紹介されないこともありますが、作りながら語る作る女性たちの来し方や状況、服装や発言、そしてできあがった料理を食す家族の様子や発言に、いろいろと考えさせられました。
「缶詰シチュー」が簡単(手抜き)料理代表のように映りますが、夜の10時半に大勢のお客が突然来たという設定でもあり、日本ならばそれほど批判されない光景でしょう。むしろ他のメニューの時間のかかり方の方が、すごい。5〜6時間も昼食や夕食作りにかけるとは、、一日が食事作りですぎてしまいます。

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手間をかけた伝統料理、家族の健康や幸せの軸となるお母さん、そのことの幸福、という価値観もあり、それはわかっていても、あまりに理解のない男性の姿との狭間で葛藤する若い世代も。(書き出したらいろいろ書いてしまいそうなので、このへんにしておきます)

台所と料理という見近なテーマ、リアルなドキュメンタリーなのに、どこか不思議で壮大な物語のようでもある、こういう映画を作ってしまうイラン映画の感性は、やはり別格です。


③ これは映画ではない 〜公式サイト

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*** 公式サイトより ***    
映像は、テヘランのとあるアパートメントの一室で始まる。失業中の男の日常? いや、これは軟禁中のパナヒ監督自身の一日を映しているのである。かといって語り口はあくまでユーモラス。限られた空間と時間にも関わらず、見る者を飽きさせない様々な創意工夫に溢れている。ラース・フォン・トリアーの『ドッグヴィル』ばりに絨毯にテープを貼り、そこを舞台にして脚本を再現してみせたり、なぜかタイミングよく上の階の住人が吠えまくる犬を預けに来たり、パナヒが警察に連行された日のことをゴミ回収の青年が知っていたり。どこまでが偶然でどこまでが演出なのか!?
黄金期イラン映画を彷彿させるスリリングなスタイルで周到に組み立てられた映像は、映画のラストでふいに建物のエレベーターを「自由」への逃走の場へと変えてしまう!
観客はパナヒ監督のユーモアにひとしきり笑い、そしてやがてその状況の重さに慄然とするのである。

タイトルの『これは映画ではない』は、20年間の映画製作禁止を申し渡されたパナヒ監督の、映画でなければ何をつくっても違反にならないだろう、という痛烈なブラック・ユーモア。逞しきプロテストが日常をエンターテインメントに変える。数々の映画祭や映画ベストテンで絶賛され、映画レビューサイト“ロッテン・トマト”で驚きの好評価100%を記録したユニークな傑作である。
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キアロスタミ監督の「オリーブの林を抜けて」が、イラン映画との出会いでした。マフマルバフ、ゴバディ、マジディ監督など、強い印象を受けた映画に出会ってきました。
無垢な子どもを主人公にして、役者には素人を使いながら、人生の深淵を描くような、また重い現実をとことん描きながら透明感があり、どこかにユーモアさえ漂わせるような、独特の世界に惹かれてきました。

「これは映画ではない」は、「完成した映像のファイルをUSBメモリーに収め菓子箱に隠したうえで、知人を介して国外に持ち出した」というスパイ映画顔負けのエピソードもあり、軟禁という特殊な状況下にある監督の日々を描く社会性の強い映画では、と思っていましたが、、またしても単純すぎる想像でした。

「これは映画である」、、かなり周到に考えられ練られ作られた映画では?、、製作を禁じられているのに大丈夫?と心配になるくらい、撮っている!ドキュメンタリーのように見えて、かなりシナリオがあるのでは?
すごい。やはりイラン映画はただ者じゃありませんね。


④ スケッチ・オブ・ミャーク Sketches of Myahk 〜公式サイトfacebook

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宮古諸島(ミャーク)、重税や理不尽な治世の中で、神とともに、歌とともに生きてきた人々とその暮らし。伝承の危機と今。
美しい海と緑と風、サトウキビを刈るサクサクという音、深い皺、腰が曲がっていても現役の80代、90代、人間味のある宮古のイントネーション、代々の民謡一家の血を継ぐ少年。
歌い継がれてきた神歌、ブルースのような古謡が、どこか血液のような部分に響いて、心がザワザワしながらも、穏やかでずっしりと落ち着くような、根源的なところで何か懐かしい感じにも包まれる。うまく書けませんが、、
原案・監修の久保田麻琴さんや製作陣の集中と熱に共振する。

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*** 公式サイトより ***  
沖縄県宮古諸島
ここに沖縄民謡と異なる知られざる唄がある。それは、厳しい島での暮らしや神への信仰などから生まれた「アーグ」と「神歌」だ。その唄は宮古諸島に点在する集落の中でひっそりと歌い継がれてきた。特に御嶽での神事で歌われる「神歌」は、やむことのない畏敬の念をもって、数世紀に渡り口承で熱心に伝えられたものである。
ことは音楽家の久保田麻琴が、島でそれら貴重な唄に出会ったことに始まる。
本作は、その唄を生んだ人々の暮らしを追うなかで、失われようとしている根源的な自然への怖れと生きることへの希望を見出したドキュメンタリーだ。監督の大西功一は、秘められた島の神事を追い、生活と信仰と唄がひとつだった時代を記憶する最後の世代である老人達を温かく見守りながら、かつての島の暮らしをスクリーンに鮮やかに浮かび上がらせた。

老婆達が神唄を歌う時、不思議な懐かしさがすべての人々の心を打つ
ミャークには、今まさに失われようとしている大切な「記憶」がある。老婆達は語る。かつて厳しい生活と信仰と唄が切っても切り離せないひとつの時代があったことを。そして今も老婆達の心を映すかのように、この島の御嶽では、神事の火が数百年に渡り人から人へと受け継がれ、神女達が生きる願いとともに「神歌」を神に捧げている・・・。
2009年、九十歳を超えた車椅子の老婆達が島を出て東京へと渡る。コンサートホールの舞台に立ち、禁断の神歌を歌うために。満場の観客を前に彼女らは力を振り絞り、歌う…。ミャークの老婆達が歌い継ぐ神歌に触れられた貴重な機会は、おそらくこれが最初で最後となるであろう…
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久保田麻琴さん。「宮古の言葉の中には万葉時代、上古代の日本の言葉の含有率がとても高いんです。するとおそらくその頃のヤマト的、日本的な心が宮古には残っているのではないかと。(中略)きっと色んな漂着なり、混血なりがあったはず。それと同時に古い日本性が残っている。このことに対する驚きというか、切なさというか、サウダージ(郷愁)を感じたんです。(中略)私が宮古にたどり着いたのは、誰も教えてくれない、そういうところに手を突っ込んで自分で触ってみたかったという希求があったからです」(公式サイト内コラムより)

CD、即Amazonで購入です。宮古上布もいいなあ。
by orientlibrary | 2012-09-23 00:21 | 美術/音楽/映画

ウズ放浪記 〜自転車騒動、独立記念日、肉ジャガ、桃、タイル絵付け

今回のウズベキスタン、いろいろあったけど、カラッとした空気はいいな。雑談風の軽いエピソード編です。舞台はタシケントからフェルガナ地方へ。

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(自転車編/上段の白いのが今回購入の韓国製高級中古車/下段左の黒いのはドイツ製超高級中古車)

マルギランのバザールに出かけ、自転車を買いました。といっても、自転車売場はメンズの場らしく、自分では行けなかったのですが、私がアトラス売場、日用品売場をブラブラしている間に、Gさんが代理購入してくれました。Gさん、上機嫌。車には、すでに白い自転車が積んでありました。

自転車買おう、と思ったのは、リシタンでの足として、「歩き、または車に乗せてもらう」以外の選択肢が欲しかったから。炎天下に長時間歩くのはきつくても、自転車なら楽勝ですからね!そして、他の物価から考えて、自転車なら数十ドルくらいかなと(軽く)考えてました。そんなにすごい自転車、見たことないし。

が、なんと、自転車、高い!安くても100ドルくらいとのこと。わ〜、下手したら日本より高い。私の(日本の)チャリ、8000円くらいだし。
でも、買いたいと言ったので覚悟を決めました。結果、80ドルだったとのこと。写真上段の白い自転車です。韓国製の中古。「すごくいい、しっかりしている」とGさん大絶賛。
新品同様のチャリが放置されている日本に慣れていると、微妙、、ハンドルは大きく曲がり、なんかバネみたいのが飛び出ているし、あれ?ライトない。鍵もない。

ところが、、80ドルはけっして高くなかったんです。写真右列の中段に、車の外に鋭い目つきのメンズたちがいる写真があります。この方々、自転車を食い入るように見ていたんですが、、「300000スム(約1万円)で売ってくれ」と交渉してきたそうです。80ドルで買い1万円で売れば転売で利益が、、いやいや、買うのが大変なのに、そんなことしてる場合じゃないです。

さらに、80ドルの韓国製中古がお買い得だとわかったのは、下段左の自転車を見たとき。ドイツ製の中古で200ドルだったとか。え〜〜〜!、、、 どなたか日本の放置自転車を輸出するビジネスすれば?!?輸送費と商習慣で、ほぼ無理かな。。

バザールでチェーンの鍵を4000スム(140円くらい)で買い、ライトはないけど、後ろには荷台があってこれは荷物を積みやくなってます。Uさんの工房で買った陶器を積んでもらいました☆便利!

リシタンでは、大人の女性は自転車に乗りません。外人で帽子を被り(地元の人は被りません)自転車に乗っていると、、どこにいつ頃いたか、バレバレ。「自転車に乗ってましたね」(苦笑しながら)と、どれだけの人に言われたことか。「〜の場所を人に聞いていたでしょう」、そんなことまで、、(教えてよ、その場で、、)。

ちなみに、下段真ん中の光景は、川の水汲み。リヤカーにバケツで水を汲み、家のタンクに収納し、今回はそれが洗面用^^ 重い水汲み、M君、お世話になりました。


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(ウズベキスタンの独立記念日は9月1日、地方では早めに祝賀行事。たくさんの地元民が集結!)

リシタンのスタジアムでおこなわれた独立記念日の催し、日本語を勉強している子どもたちや先生たちと一緒に行ってきました。
すごい人、人。リシタン、人口多い。そして、日本人に好意的というか、手を振ってくれたり、笑顔で挨拶してくれたり。ありがとうございます。こんな光景、はじめてだ〜、、
地元テレビが取材に。先生の一人にインタビュー。とってもいい感じのやりとり。良かったな〜。

祝賀祭の内容は、よくわからないけど、スタジアムの中で、ひたすら踊りや歌やスピーチがあったような印象です。観客席の子どもたちが踊り出すのがすごかった。うまい!この踊りのセンスは何!?さすがシルクロードの子どもたち!かわいいし〜。ほんとにかわいい子どもたちなんです。


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(日本語や英語を勉強している子どもたち。おにぎり&肉じゃがパーティの様子など/事情があって牛も飼ってます/下段右はお箸の練習!)

独立記念日、ランチはたまたま日本からの短期ボランティア先生の発案と調理による、肉じゃが&おにぎり会。プロパンガスでお鍋いっぱい。和食は子どもたちには微妙なものもありますが、牛肉とじゃがいもは定番食材。おにぎりと合わせ、大好評で元気に食べてました。M先生、どうもありがとうございました☆


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(フード編/桃!もも!モモ!おいしい。。道ばたで桃を売るおばさん、ほんとはもっと前に桃のバケツが出ていて危険だった、、/ブドウも最高/ナン屋さんにて。フェルガナのナンはおいしい!模様をつけたり、ペットボトルの後ろに穴をあけてゴマなどをスピーディにかけていた)

ウズベキスタンはフルーツ天国。いろいろあっても、フルーツを食べれば、シアワセに。今回の最高フルーツは、写真にある道ばた販売の桃。バケツがもっと中央に出ていて、あぶないくらいだった。そんなにまでして売る気満々だったのに、私たちを見ると、「外国人だから、タダで持って行っていい」と、、結局1000スムで(35円程)。バケツ一杯の35円の桃、この味が忘れられない。瑞々しく、自然な甘さ。日本の水密はまた別格だけど、こういう素朴な味の方が好きだなあ。

ブドウもおいしい!日本の果物の値段の高さに日々ショック受けてます。果物は、本当にウズがいいな〜。。

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(リシタンのウスマノフ工房にて)

自転車で行ってきました〜、「青の魅惑 イラン・トルコ・ウズベキスタンのやきもの」(INAXライブミュージアムにて開催)でお世話になったウスマノフ工房。ここの青はやや強くて、絵付けは細密で、巧いです。ウスマノフさんも、あったかくてやさしい人。

最近は、リシタン、このような(写真右下)タイルの絵付けの仕事が多いみたいですね。この装飾タイルパネルは、ウズ国内のお金持ちの家で使われるのだそうです。
伝統工芸は、やはり需要がないと維持発展できない。国内需要があるというのは、いいことですよね。工房は、いつも忙しそう。今は涼しくなったけど、最高に暑い時期は40度超えの日々。冬は寒いし。えらいな〜と思う。
「家には何時頃に帰るの?」と若い職人さんに聞いてみると、「夜の10時くらいになるときもあるよ。仕事が終わったときが帰るときだから」。16歳からこの仕事を始めたR君、巧い。「トランス音楽が好き」というイケメンなんだけど、あれ、写真に顔が映ってない。雰囲気のみですが。

今回は資料もたくさん入手してきたので、勉強しなければと思ってます。。。
by orientlibrary | 2012-09-17 00:56 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

タシケント編・2 〜墓参、陶器、絵画、職人

100均ショップに入ったら、来年のカレンダーがずらり。「季節」を感じました。夏のウズベキスタンも、早くアップしないと、、
というわけで、今回も前回に続き「タシケント編」です。ラフな写真が続きますが、ゆるゆるごらんください。

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(ショップなど。左:タシケントの「セブンイレブン」/右:バザールなど)

タシケントの「7-11」?、、果物にビスケット、レジにはナンも。スイカもころがってました。アルコールはないけれど食品から日用品まで、品揃え豊富!よろずやさんという感じもするけど、セブンイレブンなんでしょうか??ま、いいか。お店の人(若旦那?)、この秋から日本に留学するとのことでした。

ウズの扇風機、カバーなしで元気にブンブン。そうですね、たしかに使い手が気をつければいいことです。自然な日々の緊張感。

バザールの奥で洋服作り。足踏みミシンは偉大です。停電多い地域に電動ミシンを導入しても、実際困りますよね。支援もそのあたり細やかに、と思いますね〜、、。女性の衣装は華やか。美人が多いし、顔立ちがはっきりしてるから、こういう服がお似合いです。


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(左:タシケントの日本人墓地/右:タシケントの街の光景)

今回、行こうと決めていたところ、タシケントの日本人墓地です。
第二大戦直後、スターリンにより日本兵が強制的にシベリアに抑留され強制労働に従事、厳しい環境のなかで約6万人の命が失われたことは、歴史で習うなどしました。けれども、中央アジアのウズベキスタンに2万3千人が送られたこと、抑留され強制労働に従事したこと、817名がウズベキスタンで亡くなったことは、ウズベキスタンに行くようになるまで知りませんでした。
こんなに遅くなりましたが、ようやくヤッカサライ墓地を訪ね、お墓参りをさせていただきました。

何台もの個人タクシー(というか、白タクというか、自発的営業タクシーというか、、ウズ独特のタクシー的クルマ。要はメーターがなく交渉にて値段を決める)に尋ねましたが「わからない」と断られ、ようやく乗せてくれた車あり。親切なドライバーさんと一緒に「やぱーん まざーる(にほんじんのおはか)」と尋ね歩き、ようやく辿り着きました。
お墓は広々としたムスリムの墓地の一角にありました。緑のなか、きれいに整えられ、静かでした。鳥のさえずりが聞こえます。87人の抑留兵の方々がこの地に眠っておられます。

日本人抑留者は、道路、橋などの基盤整備に従事。大地震でもびくともしなかったナヴォイ・バレエ・オペラ劇場を建設したことは、タシケントの人たちに語り継がれていると聞きました。

ウズベキスタンの人は、親日的なことで知られています。実際、年齢を問わず多くの人が笑顔で接してくださり、好意的なことを肌で感じます。戦後日本の経済復興、優れた日本製品などもあるでしょう。しかし、それだけではなく、夏は50度にもなり冬は零下数十度にもなる厳しい気候風土のなか、立派な仕事をされた抑留者の方々と、それを語り継ぎ、墓地の維持にも協力してくださる地元ウズベキスタンの方々のおかげなのだと感じます。ありがとうございます。

時間をかけて一緒に探し、墓地の中まで案内してくれ、帰りも都心まで乗せてくれた自発的営業タクシーのドライバーの方、「受けとれない」と言って、どうしてもタクシー代をとってくれませんでした。ウズにもいろんな人がいて、ボラれることもあります。いろんな思いもします。温かくやさしい気持ちに触れると、宝物のように思います。原点に帰るような思いになります。

コカンドやフェルガナにも日本人墓地があり、多くの魂が眠っておられます。これからもお墓参りをさせていただきたいと思います。


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(タシケント絵画ストリート?の作品。ものづくりのものなど/左列の中と下:こんなのもありましたけど、、)

ウズのアートシーン、絵画が盛んだと感じます。アートギャラリーという立派な建物もあるし、美術館でも絵画展示が充実しています。絵画を見ることが少ない私ですが、写実的でシルクロードの光景を描いたものには吸い寄せられていきます。
毛織物が登場するキャラバンの光景、バザールの陶器商や陶器作りの光景、糸紡ぎや機織り。写真とはまた違って空気感があって、入り込みます。


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(工芸シーン。いくつかのメドレセ、職人さん工房になっています/上:細密画。幾何学模様と物語のシーンが図柄の中心でしたが、右のような生活光景を描いた新商品群登場!陶器のある光景のものなど購入。たくさんあるのに、、懲りない、、/中:ストローアート。バーナーで焦がすことで色をつけていく。立体的になっていて細部まで作り込まれています/下:木工など。少年たちも熱心に修行中)

ウズは工芸のくに。陶芸、テキスタイルを見ることが多いのですが、細密画のレベルもすごいと思います。木工も!細かい作業を黙々と。まだまだ職人スピリット!好きです。


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(ティムール博物館にて/下右はティムール朝時代の中国陶磁器、染付。こなれた筆運びの鳥の図柄)

最後に、ティムール博物館、鳥の図柄の陶器をいくつか。ティムール朝の陶器、ほんとにイキイキしていて、素朴で生命感があって、好き。のびのびしています。
by orientlibrary | 2012-09-13 00:35 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

タシケント〜緑と水、すご技ウズ刺繍、古い青の陶器

陽射しは強いけれど、カラッとしていて快適だったウズベキスタン。日中数時間の暑さ以外、朝夕は本当に気持ちよかった。背伸びして深呼吸。
全然写真撮っていないなあと思っていましたが、実際は1060枚も撮っていました。デジカメって無意識でバシャバシャ撮ってるんですね。フィルムカメラのときは、36枚を1日1〜2本、考えながら、でした。

今回はタシケントの写真を少しご紹介したいと思います。コンデジのオートですからメモ的な写真ですが、雰囲気がお伝えできればうれしいです。

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(左:整備された都心の公園、街路。散水もたっぷり/右:本屋の店出し光景(ダンボール箱が果物ですが果物屋ではなく本屋台?です。本は日本なら古本屋ですが、、。本屋さんが少ないし、本自体子どもの本以外少ない、、でも今回、欲しかった陶器やテキスタイルの本をゲットできて満足^^)。下は旧市街、水をあげないと花もカラカラ状態、、でも元気に空に向かって咲いてます。生命力ですね〜)

タシケント、これまではソ連の都市的な印象でちょっと苦手でしたが、今回朝から晩まで歩き回り、親しみを持ちました。ただ、石造りの重厚な建物は依然苦手なので、建造物の写真はほとんどなし。

街並が整っており、緑が多く、噴水や緑への散水など、水がふんだんに使われている印象。ですが、各所で水しぶきをあげる多彩な噴水については、複雑な気持ちもありました。ホレズム出身の人に「タシケントで噴水を見ると怒りを感じる」と聞いたことを思い出します。この水、どこからきているんでしょう。乾燥地帯では、一滴の水も貴重ですから、、。

新市街は歩きやすく、地下鉄(700スム、約25円程)を使えば、旧市街へも気軽に往復できました。
バスがわかるようになると、もっと歩きやすいだろうなと思いました。でも迷うのも、コミュニケーション。いろんな人に道を尋ね、親切に教えてもらいました。地下鉄の駅まで15分ほど、一緒に歩いてくれた少年も。


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(旧市街、チョルスーバザール近くのクカルダシュ・メドレセ。16世紀建立、独立後修復)

旅行の中で、「このために、旅行に出たんだ」と思える5分間が持てたとき、旅に出て良かったと感じ、幸せな陶酔感に浸ります。多くの旅で、そのような5分間があります。今回も数回ありました。

そのひとつが、クダルカシュ・メドレセの中庭でのひととき。このような感覚は、とても個人的なもので、この中庭が広大で著名なわけではなく、また違う状況だったらサッと通り過ぎたかもしれない。出逢い方次第ですよね。


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(上:工芸博物館近くのホテル。食器などもオシャレです/下:食や新しい感じのもの。メドレセ内のデザイン工房?)

今回は、booking.comで工芸博物館に近いこじんまりしたホテルを選びました。大規模ホテルは、どうも味気ないです。オープンから3か月ということもあり、クリンリネス、清潔さは信じられないほど。アメニティもしっかりでビックリ。ただ、タイミングが悪かったのか、スマイルゼロにもまたビックリ。スマイルなしがcool!と思っているのかと感じたほどですが、たまたま、だったのかもしれません。

新市街にはカフェもいろいろ。まあ、なかなかな感じでしたが、、。写真のセルフのカフェ、庶民的でいい感じ。賑わってました。
タシケントは飲み物の選択肢があるのがうれしかった。ミルクもあるし、桑ドリンクみたいなものも?ヨーグルトも買っていましたが、スプーンがついてこないので、飲んでました、、(^_^;)))


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(このタイルが見えてきたら、、ウズベキスタン工芸博物館☆ 企画展示の刺繍はアンティークではなく、伝統を生かした今のものがコンセプト。ウズ刺繍のすご技を堪能!各地の特徴も存分に見せてもらいました)

こじんまりとしてお気に入りの工芸博物館。スザニや陶器をゆっくりと見られます。
今回は、企画展示で刺繍を特集。しかも一つの最終日と次のオープニング日両方に行ったので、二つの企画展を堪能しました。
オープニングパーティにはテレビ局の人たちがきていて、急に喋るように言われ、ピンマイクをつけられ、、語ってきました。


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(工芸博物館のリシタン陶器。やはりこの青は格別ですね。上左:これはショップにあったもの。リシタンの1800年代中頃の乳製品作りの鉢)

左上の味わいのあるリシタンのアンティーク鉢。「チョルグーシャ」=4つの耳と言うと聞きました。紐で揺れるうちにヨーグルトクリーム的なものができるようです。
ふふふ、購入してきましたよ〜!^^重かった。ずっしり重いんです。もう一つ、同時代の深皿があり、それは軽かったんですが、この鉢に魅せられました。民具の質感が、とってもいいです。

やはりリシタンの青はいいですね。品があります。深みもあり軽やかさもあり、いろんな表情を見せてくれます。

陶器は年を経ると、ギラギラしたものがなくなるというか、ますます素敵になる印象。今持っているリシタンやトルコの陶器、年を重ねるごとにいい表情、質感、味わいになると思っています。
自分もそんなふうに年を重ねたいものです。なかなか難しいです。本当に。

タシケントだけでも、まだまだエピソードがあります。ウズ2012夏シリーズ、しばらく続くかも。よろしければ、また遊びにお立ち寄りください。
残暑きびしい日本、ご自愛くださいね。

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コラージュがラクなので、この形式ばかりですが、、インパクトで締めくくろうと思い直し、、ドカンと!!

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by orientlibrary | 2012-09-04 23:17 | ウズベキスタンのタイルと陶芸