イスラムアート紀行

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キルギス映画「山嶺の女王クルマンジャン」「アンダー・ヘヴン」

9月下旬から10月上旬にかけて、「中央アジア+日本」対話 第9回東京対話ウィークリーイベント 「知られざる中央アジア:その魅力と日本との絆」(外務省主催,独立行政法人国際交流基金,筑波大学,東京大学,東京外国語大学の共催)が開催されています。

音楽祭やシンポジウムは、なぜか平日の日中という多くの人にとっては行きにくい日程ですが、「中央アジアミニ映画祭」は夜間開催。「明りを灯す人」(キルギス)、「True Noon」(タジキスタン)は以前観ており、今回観たかったのはキルギス映画「山嶺の女王クルマンジャン」(2014年)、「アンダー・ヘヴン」(2015年)。東京・駒場会場にて観ることができました。ずっしり見応えがありましたよ〜。内容を忘れないうちに、備忘録的なブログアップにて失礼します。


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(キルギスにて。クルマンジャンでも、馬と人は常に一体だった/orientlibrary)


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<重厚!キルギス歴史スペクタクル 「山嶺の女王クルマンジャン」>

・・・・・ 19世紀、中央アジアにおいてキルギス人の誇りを貫いた高地民族の女王クルマンジャン。山岳地帯に生まれ育ち、「神と長が決めた」男と結婚するも婚家の男達の情けなさ、酷さに我慢ならず脱出。運命の出会いからクルグズタン南部アライ地方のダトカ(部族長)、温厚で聡明なアルムベクと結婚。しかし部族間抗争は絶え間なく、コーカンド・ハン国によりアルムベクが暗殺される。指導力と人望のあったクルマンジャンがダトカになる。ロシアは中央アジアに南下、やがてアライを支配する。これに抵抗する部族民の抗争が続くなか、クルマンジャンは二人の息子を喪う。それでもなお、キルギスの部族の誇りを守り抜き、96歳で逝去。その波乱万丈の一生を実話を基に製作した映画。

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アジアフォーカス・福岡国際映画祭上映後のQ&Aより
・国家的プロジェクトで政府の支援もあり、キルギス社会全体の後押しがあって出来た作品
・予算は150万ドルあり、メインプロデューサーを務めたのは現役の女性国会議員
・クルマンジャン生誕200周年に向けて、彼女にちなんだ映画をつくろうと社会的に影響のある文化人の間で動きがあった
・91年の独立後、あまり映画は製作されていなかったので、今作は大きな挑戦だった
・監督は以前、キルギスの首相だった人物。しかし、監督のプロではないのでロシアの映画学校で一から勉強した

・19世紀の中央アジアの女性の地位は男性よりもはるかに低く、周辺の国々もそうだった
・キルギス国民なら誰でも知っている女王クルマンジャンはキルギス南部で生まれた初の女王
・キルギスでは昔から男性は息子を教育する、女性は国民を教育する、と言われている。クルマンジャンはまさにその一例
・ドキュメンタリーではなく実話を基に製作されたものであり、映画化にあたっては脚色もあるが抽象的な表現も見てほしい
・激動の時代を生きたクルマンジャンダトカの肖像はキルギスの紙幣にもなっている


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(映画の中でのコーカンド・ハン国は衰亡期。写真は現在のコカンド/orientlibrary)


■イスラムアート紀行 感想
* 2時間超、緊張感が高いまま、ドキドキハラハラ。濃厚な歴史スペクタクル。国をあげての総力製作、守り抜いたキルギスの誇り、美しくも峻険な自然の景、役者さんたちの渾身の役作り。見応え。次回機会があれば、天幕や生活用品などじっくりと見たい。もう一度見たい!

*映画中、 唯一ホッとできたのは、天幕の中でのコムズ(キルギスの弦楽器)の演奏シーン。それだけ。想像するに、クルマンジャン、というよりも当時のかの地の人々の暮らしは、同様に緊張感の高いものだったのでは。部族間抗争は絶え間なく、周辺のハン国、大国の影も常にある。戦と隣り合わせの日々は、さぞやきびしいものだったでしょう。

* 「男の子を授けてください」と夫婦がシャーマン(?)に願う冒頭シーン。続いて、でっち上げの姦通を名目に女性への石打刑あわやという場面では「女の証言など当てにならん」。「女は家畜じゃない!」というクルマンジャンの叫び。部族社会での女性の地位の低さ、というか、男達のやりたい放題。いい加減にしろよ!と怒鳴り込みたくなります。イスラームは女性を差別する、と言われますが、元々の部族社会の慣習という面は大きいと感じます。

* ハラハラの合間には、画面の中のフェルトや山岳民族の衣装を楽しみました。青のスッキリした衣服がカッコいいと思ったらブハラからの使者、赤のチャバンはブハラのアミールでした。ブハラの衣服が都会的?でカッコ良く映りました。&口琴の響きはなぜか崖のシーンに合う。ウエスタン映画連想?

* 激動の日々を生き抜き、96歳という長寿を全うしたクルマンジャン。まさにキルギスの母ですね。女性も活躍する市民社会、民主主義の国をうたう現在のキルギス。英雄の中でも女性をテーマにすることは、内外へのメッセージなのかなとも感じました。


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(タイル主役のブログなので、こちらを。コカンドのパレス、ファサードのタイル装飾/orientlibrary)



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<キルギスの自然の中、息詰る心理劇 「アンダー・ヘヴン」>

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016WEBサイトより(下記のあらすじ↓)

・・・・・  中央アジアの荒涼とした大地を舞台に描く、キルギス版「カインとアベル」。反抗的なケリムと良心的なアマンの二人の兄弟は、石工の仕事をしながら母と暮らしている。父親はケリムの借金のため、出稼ぎに出ていた。二人が一人の少女サルタナに恋をしたことから、悲劇が起こる。『エデンの東』のモチーフにもなったと言われている、旧約聖書「創世記」に登場する人類最初の殺人の加害者と被害者とされるカインとアベルのストーリーを、キルギスの広大な地で墓石の採石をする兄弟の物語に置き換えた、女性監督ダルミラ・チレプベルゲノワの野心作。

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(映画でも重要なモチーフであった石人、映画にも登場したイシククル湖/orientlibrary)


■東京・駒場での上映後のQ&Aより
・石人とは=戦で負けた人を讃えるために作られるもの。映画のラストでは善と悪という意味ではないか。

・旧約聖書のカインとアベルがモチーフとのことだが=キルギスにもキリスト教徒(ロシア正教)はいる。 (*イスラムアート紀行思うに、普遍的なテーマであり、採石場という光景と合ったのかな?)


■イスラムアート紀行 感想
* 心理劇は苦手と思いましたが、最後まで緊張感を持って観ました。石人について、鉱物資源、冠婚葬祭の慣習、地方と都会の格差、ロシアへの出稼ぎなど、ストーリーの中で臨場感を持って伝わりました。

* 民族衣装は多くないけれど、フェルト、キリム、葦の工芸、石彫りなどを、たっぷり見ることができました。

* イスラムアート紀行のテーマである「タイル」が、かの地では富裕層向けの商品であり、ケリムが「街に行ってタイルを作れるように稼いで来る(お父さんにタイルの仕事をさせてあげたい)」というようなことを言っていたのが印象的。

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(映画では荒涼とした採石場の景色が多かったけれど、自然がゆたかなキルギス/orientlibrary)



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中央アジア関連イベント、この間、グッと増えてきました。「中央アジア文化祭」をおこなった2年半前はまだまだ、なかった。検索しても「中央アジア文化祭」(イベント及びfacebookページ=現在非公開=)がトップに出てきてしまって、、複雑でした。今はいろいろあります!!状況、変わりましたね!!


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(コカンドのタイル/orientlibrary)
by orientlibrary | 2016-09-30 00:11 | 美術/音楽/映画

「ソング・オブ・ラホール」〜全世界に知ってほしい。パキスタン人は芸術家でテロリストじゃないことを〜

音楽の興奮と希望に満ちたドキュメンタリー映画「ソング・オブ・ラホール」(SONG OF LAHORE)。8月13日から渋谷ユーロスペースにて公開中。キャッチフレーズは「スィングしなけりゃ“あと”がない」。観て、その意味がわかりましたが、公開中の映画なので、内容がわかるような感想を書けないのが、とても残念。



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一度だけじゃもったいない。何度も観たくなる映画。いろんな発見があると思う。


● ストーリー 要約 (公式サイトより) ● 
「パキスタン映画産業の中心都市、ラホール。数々の映画が作られるとともに、伝統楽器を使った映画音楽も数多く生み出された。しかしイスラーム化の波、タリバンによる歌舞音曲の破壊によって映画界は衰退。音楽家たちは転職を余儀なくされる。そんな中、ラホール出身の実業家イッザト・マジードが私財を投じて音楽スタジオを作り、往年の音楽職人たちを集めて楽団“サッチャル・ジャズ・アンサンブル”を結成。彼らは古典楽器を用いた、世界で類を見ないジャズのスタンダードナンバーを生み出し、名曲「テイク・ファイヴ」をカバーしたプロモーションビデオは100万以上のアクセスを記録。ウィントン・マルサリスが、彼らをニューヨークへと招待。そこで彼らは、音楽家である誇りを取り戻していく」

ドキュメンタリー映画なのだけれど、良質なドラマのようでもあります。キャストの個性が際立ち魅力的なことに加え、音楽家たちの窮状からニューヨーク公演までの展開がスリリングで、感情移入し、ヒヤヒヤドキドキ、なのです。

それほどに音楽家たちを応援する気持ちが沸き上がるのは、それぞれの音楽家が語る音楽への尽くせぬ愛と敬意、伝統の継承者としての使命感が、ていねいに描かれているから。

何代も続く伝統音楽一家の継承者として、誇りを持ち精進を続けてきた凄腕の音楽家たちが、社会変化の中で音楽で生計をたてられなくなり、ウエイターやリキシャドライバーをしなくてはならなかった日々の葛藤、子孫に音楽を伝承できない苦悩。どうぞ誇りを取り戻し、存分に活躍して欲しいと思わずにいられません。


● 監督のことば 要約 (公式サイトより) ● 
「私は祖父からパキスタンの昔の音楽のことを聞いて育ちましたが、私が育った1980年代頃にはそれはすべて過去のものとなっていました。2012年ごろ、ラホールの音楽家たちが一丸となり、パキスタンの伝統楽器を使った音楽をレコーディングしているという無謀とも思えるような話を聞いた時、それが私の伝えたい物語だと気づきました。その時は彼らの旅がどこへたどりつくのか想像もつかず、ただ彼らの声や音楽を残したいと思いました」

監督はシャルミーン・ウベード=チナーイさん、女性です。いい映画撮るなあ。「ただ彼らの声や音楽を残したいと思った」、これがモチベーションというものですよね、理屈ではなく、ただただ撮りたいと思う。そして展開は思いがけない方向に。ニューヨークでの4日間のリハーサルシーンは白眉、そして感動のラストへ。


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< トークイベント  「パキスタンから世界へ!超絶演奏楽団サッチャルの魅力を語る」 >

サッチャル・ジャズ・アンサンブル、数年前にサラームさんが、某研究会で紹介されたとき、そりゃあもう驚きましたよ。白い民族衣装のおじさんたちがヴァイオリンを奏で、シタールやタブラは超絶技巧で、それでいて曲目が「テイク・ファイヴ」、、。今回その背景を知り、私も一緒に旅したような気持ちになりました。

映画公開に先立ち、映画『ソング・オブ・ラホール』公開記念 トークイベント 「パキスタンから世界へ!超絶演奏楽団サッチャルの魅力を語る」が開催されました。出演は、サラーム海上さん、村山和之さん、ヨシダダイキチさん。秘蔵映像を見ながらパキスタン音楽の魅力をスタディしておくというもの。

会場は満員でびっくり。2時間半、疾走しつつ濃厚なトークと演奏が繰り広げられました。サラームさんのサッチャル・ジャズとの出会い、村山さんのタリバーンの音楽(メロディはダメ、聖句などを吟ずるのは問題ないとのこと)などパキスタン音楽の紹介、ヨシダさんのグルーブ感ある「テイク・ファイヴ」シタール演奏、すべて素晴らしかったです。愛と熱がありました。

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「ソング・オブ・ラホール」、、とにかく、オジさんたちがいい。ウィントン・マルサリスが、またいい。

音楽がいい。音楽はいい。

こんなに人を繋ぐものを、こんなに時を繋ぐものを、こんなに空間を超えるものを、禁止したり弾圧したり、それはイスラームの教えではない。原理主義はあくまでも原理主義。現実が、伝統が、思いが、それに押しつぶされることがありませんように。パキスタンの圧倒的な音楽伝統が、卓越したセンスが、代々の技術が、これからも伸びやかに継承されていきますように。


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< TILE IN LAHORE AND INDIA >

最後に、タイルオタクから少々。前述のトークイベントで、ラホールの光景がスライドで紹介され、「あ、タイルだ!」と喜んだのですが、もしかしてタイルと認識されていないかも、、という弱気の想像も。たぶん、このタイルだったと思う。違ったらゴメンナサイ。でも似たものです。

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(MOSQUE OF WAZIR KHAN, LAHORE, COMPLETED IN 1634-35 /cut tile mosaic panel with an inscription in Persian in the nastaliq style on a blossom strewn ground/『The Art of the Islamic Tile』より引用)


このタイル、トークの中で「中央アジアの印象がある」とのお話がありましたが、タイルに限定して言えば中央アジアではあまりないタイルの様式だと思います。中央アジアは青が主で、こちらは黄色と緑がメイン。中央アジアの印象を持たれたとしたら、アトラスなど色鮮やかな布のイメージと重なったのかも、、。印象すごく強いですものね!


黄色と緑はイランやモロッコのタイルでも使われますが、ムガル時代のタイルの特徴を示す色だと思います。まさに、ムガルのタイル。ムガルインドの都・ラホールらしいタイルですね。参考までに、ラホールのタイルを写真だけですが少々。

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(LAHORE FORT, LAHORE, COMPLETED IN 1631 /the parrot perching on the upper cornice seems to be peering down at the little scene showing horsemen in the middle register/『The Art of the Islamic Tile』より引用)


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インドにはタイルがない、というイメージがありますが、ムガルインドの建築物をよ〜〜〜く見ると、少しあるのです!その写真を少々。インドは石造建築が主なので、装飾もタイルに走りませんでした。石の象嵌の美しさはよく知られるところです。だからタイルも、どこか石っぽい。
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(orientlibrary)


パキスタンのタイルということでは、時代を遡り、デリースルタン王朝時代の、ムルタンやウッチュのタイルが圧巻です。こちらは青、青、青。濃い青、強い青。そして幾何学の構図が素晴らしい。インド亜大陸タイルの傑作です。写真を少々。
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(orientlibrary)


文章を推敲するより、とにかくアップ、を目指します。気持ちがフレッシュなうちに。
そうしないとなかなかアップできないので。ことば足らず、乱文、ごめんなさい〜。



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<リンク>

  『ソング・オブ・ラホール』 公式サイト
http://senlis.co.jp/song-of-lahore/

  『ソング・オブ・ラホール』 facebook
https://www.facebook.com/songoflahore.jp/?fref=ts

  『ソング・オブ・ラホール』予告編
https://youtu.be/fSepumfQkd4

  Sachal Studios' Take Five Official Video
https://youtu.be/GLF46JKkCNg

  映画『ソング・オブ・ラホール』公開記念「パキスタンから世界へ!超絶演奏楽団サッチャルの魅力を語る」
https://www.facebook.com/events/1702373750024046/

  クラウドファンディング 「パキスタン伝統音楽×ジャズ!? サッチャル・ジャズ・アンサンブルの初来日公演にご支援を!」(9月来日決定!!
https://motion-gallery.net/projects/song_of_lahore

 レヴュー「劇映画よりドラマチック!な ドキュメンタリー『ソング・オブ・ラホール』」(ブログ「アジア映画巡礼」/パキスタンの状況も含め詳細な解説)
http://blog.goo.ne.jp/cinemaasia/e/16f9c1c2fd5baf856f50150788b2175f

 レヴュー「Song of Lahore (Pakistan)」(HP「バハールドゥルシャー勝」/ラホール、パキスタンの歴史から、音楽家のカースト、宗派について、映画の紹介など、さすがのレビュー!!勉強になりました!)
http://www.bahadurshah.com/film/song-of-lahore
by orientlibrary | 2016-08-13 22:45 | 美術/音楽/映画

音楽、美術、料理、そして多治見からヒヴァへ。

こんなに間があいて、、しかも大急ぎ、、。遊びに来てくださっている皆様、ごめんなさい!いろいろなところに行ったり、見たりはしていたんですが、アップできていませんでした、、。今回は久々なのにざっくりです。本当にこれではいけません、、次回にご期待ください!!

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モザイクタイルのまち笠原で工場見学!


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(多治見笠原タイルの製造工場とタイルの原料工場を見学会に参加。なかなかできない体験です。関係者の皆様に感謝!工場内は安全面から写真撮影は禁止で、写真がないのが残念ですが、たしかに集中して見学することが必要と感じました)

工場見学なんて、めったにできないことです。見学して感じたのは、タイルは人が作っているということ。これまでイスラーム装飾タイルオタクとしては、製品のタイルはもっと「工業製品」だと思っていました。けれども、冬でも暑さを感じる工場、多治見の暑い夏はどんなに大変かと思いました。多くの行程で人の手がかかっていました。本当に発見でした。原料工場も興味津々。「土からできるタイル」を実感しました。

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(多治見の晩秋。いいなあ、多治見!)

多治見、笠原、意識して見ていると、街の各所にあるタイルが目に入ります。レトロなショーウインドウの中、製作中のモザイク作品、モザイクの工房などなど。今回の工場見学や、このところの活発なタイル談論に触発され、タイルを見る視点が少し変わってきました。

モザイクタイルの生産量では日本一を誇る多治見市笠原町。町は建設中の「モザイクミュージアム」オープンに向けて、モザイクやタイル愛で盛り上がっている様子。いいですね〜。

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ウズベク料理教室で、ナン、ソムサ、ショルヴァづくり!


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(ウズベク料理教室です!主催するのはSATVALDIEVA香織さん。3回目(ナンとコゴルマショルヴァ)と、4回目(トイショルヴァとかぼちゃソムサ)に参加しました。トイショルヴァは結婚式の日、朝ごはんとして来客をもてなす重要な料理だそうです。)

ショルヴァはスープ。コゴルマショルヴァもトイショルヴァも、やさしい味わいでおいしかった!化学調味料などはまったく使わないのに、旨味があるのに驚きました。とにかく玉ねぎをよく炒めること、長時間ゆっくり煮込むことがコツのようです。

そして、、ナンのおいしいこと!お持ち帰り分を冷凍して、温めて食べれば、ウズだ〜!!上に乗せるゴマ状のもの=セドナのちからがすごい。一気にウズです。ソムサも中央アジアならでは。野菜好きなので安心して食べられてうれしい。編み込み包みがうまくできなかったけど、焼き上がればどんなかたちでも許される感じで、ほんと楽しい!ハマります。

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イラン音楽、幽玄のなかのパッション、虹色の不死鳥


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(クーフザード・シューレシュ・ラアナーイー( Koohzad Shooresh Ranaei)さん。1986年生。10代前半期より数々の音楽フェスティバルで優勝し、2010年のイラン若者音楽フェスティバルでは、イラン古典音楽、地方伝統音楽、西洋音楽を合わせた全部門より最優秀の座を獲得。ケルマーンシャー州出身秀才リストに名が掲げられる)


「25年間音楽をやっている28歳」「16の楽器をプロフェッショナルに演奏できる」音楽家。間近にその演奏に触れ、感動!!初めての楽器でも数分で把握し、演奏がなめらなにかたちになっていく。音楽が何よりも好きだという、その心持ち、魂が熱く伝わってきました。

シューレシュさん、機会を作ってくださったチェシュメさん、セッションの音楽家の皆さん、すばらしい音楽体験を、どうもありがとうございました!イランの音楽状況が変化し、素晴らしい音楽を国内外の多くの人々に届けられますように。

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ユーラシア・トラディショナル・ミュージック


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(トゥバ音楽演奏家寺田亮平さんが企画実施する「ユーラシア・トラディショナル・ミュージック」。4回目を迎えた今回は、「イラン・トゥバ・南インド  ~ユーラシア・トラディショナル・ミュージック」と題して、中東・インド・シベリア - ユーラシア大陸各地に伝わる伝統音楽の歌唱と演奏を愉しむことができました。寺田さん、出演者の皆さん、ありがとうございました)

寺田さんのホーメイ、イギルなどの演奏から始まり、南インド、イランへ。世界の音楽好きにはうれしい時間です。個人的には、南インドのガダムという壷のようなパーカッションを用いた演奏が衝撃でした。パーカッション系が好きな上に、土族には壷というのがたまらない。口琴モールシンもエレクトリック。カルターナカ音楽、食わず嫌いでした。すごいです、この世界。

イラン音楽でゲスト参加したKEIKUさんのセタール、その間、私、息をしていなかったかも。スピリットが伝わってきました。これが音楽を聴く真髄のような気がします。

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「曖昧な景色」の眼差し


インドネシアの蒼い空の下での時間、経験。その濃厚な土地の息吹を芳醇な表現に昇華し続け、鋳造彫刻で追求する梶浦聖子さん。中央アジア、烈風のオアシスで、民族造形の息吹を求めて楽器職人として過ごした日々を糧に、土地の特性と文化。その背景への考察を漆芸で試みる中村真さん。お二人の展覧会「曖昧な景色」がありました。

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(展覧会にて。自作の!ドゥタールを弾く中村さん)

人を、時間を、経験を、大事に、温かく、やさしく、包容する世界。独特な空気でした。そして、心地よいものでした。そのことを私はうまく表現できません。中村さんがブログの中で語ってくださっています。「Ambiguous Horizon、記憶の記録:」。ことばも深いです。

中村さん、昨年ウズベキスタンでの貴重な経験のお話をうかがいながら、原稿化が遅れていて本当にごめんなさい!今回の展覧会、オープニングの時間の質、深いのです。私のチャチャチャとやってしまうやり方というかクセというか、そういうものと違う深さがあるのです。でも、きっといつか書けると思います!

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益子でリシタン&銀座の中東キッチン


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(上=益子陶器市でのリシタン陶器/下=銀座ミシュミシュ)

益子です。秋の益子陶器市。ウズベキスタン・リシタンの陶芸家ディヨルさんが来日して出品しているとのことで、バスで出かけてきました。秋葉原から益子への高速バス、早朝から長蛇の列。人気ですね。

土色の陶器市の中に、青。ディヨル君とお父さんのバフティヨルさんの作品。なつかしいな。左上の鉢が好きで入手。バフティヨルさんの絵付けが好きなんです。ディヨル君は構図のセンスが抜群です。

下の写真は、銀座にこの夏オープンした中東キッチン「MishMish」。アンズですね!シェフが一人で調理や接客。志の店づくり。日本人に食べやすい味付けになっていて、リーズナブルなお値段。女性客で満員でした。

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オスマン朝陶器とタイル&19世紀のタイル


青のfacebookで、オスマン朝タイルの花模様から始まり、オスマン朝シリーズをちょこっとやっていました。

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(ブルー&ターコイズの皿、イズニック、1535〜1540/縁のない皿、イズニック、16世紀中頃。白地にコバルト青とターコイズ青の絵付け、透明釉。センターに三房の枝付き葡萄、大きな葉と蔓/円筒形多彩大型ジョッキ、イズニック、16世紀後半/イズニックのタイル、多彩下絵付け・白地に透明釉、オスマン朝16世紀後半/トプカプ宮殿壁面タイル。五弁花と比べると自然派的で落着いた印象/オスマン朝、16世紀半ば、初期のブルー&ホワイト様式から多彩色の時代への過渡期で「ダマスカス手」と呼ばれるグループに属する)

その後、リンクがきっかけで19世紀のタイルに。こちらはコーカンド。

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(19世紀ウズベキスタンのタイル一例。当時のウズベク3ハン国のひとつ、北東部のコーカンド・ハン国。南進するロシア帝国に押され、1868年ついにロシアの属国に。コーカンドの君主となったフダーヤール・ハンは、1863年、コーカンド市内にロシア様式を取り入れた新たな宮殿を造営。多色で独特な色彩感覚、大振りなデザイン)

そしてブハラ。

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(19世紀後半、ブハラ郊外にあるシトライモヒホサ宮殿のタイル。ブハラ伝統様式にヨーロッパ様式を加えた建築と装飾)

ヒヴァ!

そんなわけで、19世紀、ロシアやヨーロッパに押され、その影響を受けたタイル、ということで書いていたのですが、、ウズベキスタンらしい発展をしたもうひとつのハン国があります。ヒヴァ・ハン国。17世紀前半からヒヴァに遷都し、遷都後の首都の名前に由来する「ヒヴァ・ハン国」の名称で呼ばれます。

と、ここまですごいスピードで書いてきましたが、、行ってきます! ヒヴァ、ウルゲンチに。MAXマイナス30℃。寒がりなのでドキドキですが、ここまできたら覚悟をきめました。人生最寒。青いタイル、ホラズム陶芸、ウズベキスタン工芸に会いに。行ってきます!
by orientlibrary | 2014-12-07 22:22 | 世界の陶芸、工芸

<中央アジア人・3>トゥバ音楽演奏家・寺田亮平さん「トゥバと出会い人生がゆたかになった」

中央アジア人シリーズ、1回め=ウズベキスタンの絹織物アトラスのプロジェクトに取組む川端良子さん、2回め=カザフ遊牧民の刺繍布に魅せられた廣田千恵子さん、中央アジアの伝統的な手工芸に関わる、パワー全開のお二人をご紹介しました。

今回は音楽。ロシア連邦を構成する共和国の一つであるトゥバ共和国の伝統音楽演奏家である寺田亮平さんにお話を聞きました。「中央アジア出身の留学生」と言われても自然な感じの大陸系容貌&おおらかな人柄。トゥバ音楽への熱い思いあふれるインタビューは2時間半。「中央アジア人」の皆さん、のびのびとおおらかで、そしてホントに熱いです! (*今回も長文です。皆さん、よろしく☆*)

 写真は特記したもの以外は寺田さんに提供頂いたものです。ご協力に感謝します。

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<中央アジア人・3 >
大自然と遊牧文化が、育み織りなす、ゆたかな詩情と旋律
「トゥバの音楽の素晴らしさを知ってほしい」寺田亮平さん(トゥバ音楽演奏家)


■ ■ ■ トゥバで音楽修行 ■ ■ ■

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(地図はGoogle mapからクリップ/トゥバの切手は有名だそうです=写真はwikipediaから)

--- 寺田さんのライブや報告会に参加するたびに、トゥバ音楽への強い思いが伝わります。日本では情報が少なく触れる機会があまりないトゥバ共和国。トゥバの音楽と関わるようになったきっかけから教えてください。
1999年、山梨県白州町で開催されたアートフェスティバルに参加したのがきっかけです。ここで基本的な発声を習いました。まだ20歳くらい、大学生でした。喉歌というものは知っていましたし、喉歌独特の声や発声に興味があり、まねごとでやってみてもいましたが、ちゃんと発声を習ったのはこのときが最初です。独特の発声だけでなく、トゥバの音楽には、何かとても琴線に触れるものがありました。その後も、CDを聴いたりライブに行ったり、日本人の先生に習ったりしながら喉歌の練習を続けていました。「病気」になったのは2010年、初めて3ヶ月間トゥバに行ってからです。

--- 「病気になる」、熱中感、わかります。それまでは、どのような音楽生活を送っていましたか。元々音楽少年だったのですか。
音楽はずっと好きでした。子どものころから音楽オタク。家はCDやレコードで埋め尽くされていました。小学2、3年からラジオ番組をエアチェック。中学からバンドを始めました。高校時代は、地元の長崎でメタルやハードコアのようなバンドをやっていました。大学入学で長崎から上京。大学には音楽に詳しい人たちがたくさんいて刺激を受けました。2000年前後はクラブ音楽シーンに勢いがあり、僕もダンスミュージックに面白さを感じていました。野外パーティに行ったり、自分でイベントをオーガナイズすることも多かった。就職してからも、打ち込みでダンスミュージックを作ったりDJしたり。海外から12インチのレコードをリリースしたこともあるんです。音楽での収入はあまりなかったけど、けっこう本気でやっていました。そして並行して喉歌も続けてました。

--- ロック少年が大人になりダンス音楽も作っていた。そしてトゥバに行く。背中を押したものは何?
会社員しながらお金を貯めて、喉歌を通してずっと興味のあったトゥバに行きました。2010年の夏、会社を辞めて行った。30歳でした。音楽制作にちょっと疲れていて、最初は半分くらいバカンスのつもりでした。それから毎年、夏の3ヶ月間、トゥバ共和国の首都クズルに滞在し音楽修行する生活を続けています。

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(トゥバには美しい湖がたくさんある)


■ ■ ■ 神様みたいな人たちがそこにいることに感動 ■ ■ ■

--- 空港に降り立って最初の印象は?音楽の先生とはすぐに出会えましたか。
一年めはアバカンという街から車で5〜6時間かけてトゥバの首都クズルに降り立ちました。トゥバの空港は小さくて不安定なので、利用したことはありません。トゥバがどういうところか、行ってみるまで想像できませんでした。大草原なのかな、とか思っていた。クズルは小さいけれど街でした。最初は、CDの中で知っていた神様みたいな人たちがそこにいることに感動。その人たちに楽器や歌を教えてもらえることに感動。でも、コミュニケーションはけっこう大変でした。先生の携帯の番号を聞き出して、謝礼金の交渉もして。習えない人もいるし、恐れ多くて頼めない人もいる。正直、苦労しました。いろんな人に助けてもらいました。

--- コミュニケーションは現地の言葉でおこなうのですか。
行く前にトゥバ語を1年くらい勉強しました。現地に行った人にレッスンを受けたり、教材をアメリカから取り寄せて勉強したり。それでも、一年めはほとんど歯が立たなかった。英語がほぼ通じないことも知りませんでした。向うでは買物は対面式が多くて、欲しいものを言う。でも「オレンジジュースください」さえ通じなかった。もう必死です。トゥバでも毎日夜まで勉強。最初のトゥバ行きからの帰国後は、当時は時間があったこともあり、毎日10時間くらいロシア語とトゥバ語を勉強しました。それから今に至るまで、あいている時間があれば語学の勉強をしています。

--- 音楽修行はどのような感じでおこなうのですか。修行に来ている外国人は他にもいるの?
トゥバの伝統楽器・イギルとドシュプール、そして喉歌を習っています。ショールという笛とブザンチュという弦楽器も少し。基本的に先生と対面し、先生が楽器を弾いて、自分がそれを真似する。先生の歌を聴いて、自分が真似する。一回2時間ほどですが、集中力がもうパンパン。歌詞の意味がわからないときは、書いてもらって、クズルの図書館に行って辞書で調べる。歌詞は古い言葉が多いし、地名とか人名も多く、辞書に載っていない単語もたくさんありますから、また先生に聞く。現地に習いに来る外国人はけっこういますよ。アメリカ人がいちばん多く、フィンランド、ドイツ、ノルウエー、スペイン、日本人もいるし、世界中から来ています。トゥバの音楽は欧米では知名度が高いのです。

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(トゥバの女性たち)


■ ■ ■ 遊牧生活に根ざした豊穣な音楽世界 ■ ■ ■

--- トゥバの音楽について基礎的なことを教えてください。
トゥバの音楽世界は多様です。なかでも喉歌ホーメイ(フーメイ)が有名。元々はソロパフォーマンスが主体でしたが、1980年代以降は舞台化が進み、多くのアンサンブルが生まれました。伝統的な民族楽器としては、擦弦楽器の「イギル」と撥弦楽器「ドシュプール」などが知られています。口琴も盛んです。

--- イギルの音を聴き、喉歌を聴いていると、草原の風、空、空気を感じます。そして馬が駆け抜けていく。なんとも雄大で骨太で颯爽とした印象を受けます。遊牧文化の影響は大きいのでしょうか。
遊牧文化と音楽は密接だと思います。遊牧民の土地は基本的に農業に適していない。遊牧民は麦くらいは作ってきましたが、土の表皮が薄いため耕すと土地が消耗してしまう。現在トゥバでは農業も行っていますが、近年ロシア人が伝えたものです。それに比して、トゥバの遊牧形態は多様です。気候風土が変化に富んでいるので、北のトナカイ遊牧から南のラクダ遊牧まで、家畜の種類が多いのが特徴です。変化に富む気候風土、遊牧生活の歴史は、音楽に影響を与えていると思います。小さな共和国で、あれだけ豊穣な音楽世界がある土地はそんなにないと思います。推測ですが、トゥバは山脈に囲まれた盆地で不便な地ではあったが、盆地の中は遊牧には適していた。そこに遊牧民族が入れかわり立ち代わり入ってきた。ある種閉ざされた地域の中に遊牧文化が濃厚に残り、音楽にも影響を与えたのではないでしょうか。

--- 気候風土や地形とも関わっているのですね。今でも遊牧に携わる人が多いのですか。遊牧とはトゥバの人たちにとってどのような存在なのでしょう。
現在は街に定住している人が多いですが、田舎で親戚が遊牧していたりする。週末や夏休みに田舎に行って仕事を手伝ったりしています。彼らには「自分は遊牧民である」という誇りがある。それはとても大きなことだと感じます。地方に住むホーメイジ(喉歌歌手)は「街に住んでる奴にホーメイはできない」と、しばしば言います。彼らの歌にトゥバの様々な文化が凝縮されているからだと思います。遊牧生活のことは歌の中にも入っています。例えば、国境ができたことで故郷に帰れなくなった人の歌があるけれど、歴史を理解していないと歌の意味がわからない。たくさんの地名が出てくるので、地理を知らなくてはらない。しかも古い言葉が多い。だから、勉強せざるを得ない。彼らの歌を理解するためには、彼らの民族文化や歴史を勉強し理解することが、とても重要だと思います。


■ ■ ■ 喉歌は心。トゥバを学び歌詞を大事にしたい ■ ■ ■

--- 喉歌というと発声法が注目されがちですが、歌はトゥバの歴史や文化を語るものなのですね。
当初、喉歌の発声の面白さに関心はありました。が、僕は歌に、より関心があった。喉歌はたしかにファーストインパクトとしてはすごいものがあります。トゥバの音楽世界ではもちろん重要な要素です。でも、やはり大切なのは歌だろうと思っていました。トゥバの歌詞世界、歌の内容をちゃんと理解しないといけない。彼らの精神世界の中に喉歌があるわけだから。行く前からそう思っていた。だからホーメイジたちに歌を教えてくれと頼んだ。テクニックも、もちろん重要なことだし、彼らの音楽の特徴でもあるのですが、大事なのは「心」じゃないですか。歌は彼らの気持ちを表現している。複雑な感情や文脈があって、それを表現している。だから自分のライブでは、トゥバの歌を日本語に訳してプリントアウトしてお客さんに渡す。それがないと伝わらないだろうなと思うから。

--- 遊牧の心を歌う伝統的なトゥバ音楽。現代の社会では海外からの情報もどんどん入ってきます。変化が見られますか。
外の世界の情報や影響は大きいと思います。すごく動いている。ポップスやロックも人気があり、トゥバ語のラップもあります。伝統音楽はソロからアンサンブルへ。フンフルトゥなど世界的なグループが活躍し、アラッシュなど若手グループは毎年アメリカツアーをしています。向うのミュージシャンと共演して、どんどん吸収している。外界の影響をあまり受けずに熟成されてきたものが変化していて、それが面白いともいえる。ただ、昔の音源を聴くと、本当にすごいんですよ。平均律とかじゃない。自分の先生は楽譜を読めない最後の世代ですが、僕はそこが面白いと思っている。謎なんですよね。先生の演奏を見ていると。なんでそんな動きするの?と思う。西洋音楽のロジックからいうとわけがわからない謎の動き。若い世代の楽譜を読めるミュージシャンのほうが、演奏がかっちりしている印象です。トゥバ語がもっとうまくなったら地方に調査に行きたい。失われかけている伝統的な歌を聴いてまわりたいと思っています。

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(トゥバの秘境 トジュ地方のタイガ)


■ ■ ■ おすすめ!トゥバ音楽 ■ ■ ■

--- トゥバ音楽で、まずはこの人(グループ)を聴いて欲しいというおすすめミュージシャンを教えてください。
やはり、フンフルトゥ(Huun- Huur-Tu)チルギルチン(Chirgilchin)、アラッシュ(Alash)あたりですね。もちろん他にもたくさんのおすすめはありますが。フンフルトゥはロックの影響を受けていると思います。その前の世代の歌とは結構違います。それでもトゥバの音楽の基礎と言えるものが詰まっています。

寺田さんおすすめはこちら!
huun-huur-tu




Chirgilchin




Alash




--- この一曲は絶対聴いて欲しい!というトゥバの歌をあげるとしたら何ですか。
「チュラー・ホール」でしょうか。自分の友人のような馬、チュラー・ホールとの思い出を歌った曲。曲自体も美しいけれど、歌詞が本当に好き。トゥバの若手ミュージシャンと一緒に酒を飲むと、多くの人がこの歌をうたう。若者に影響を与えた、切ない曲。淋しさとか人生の喜びとかが凝縮されていて、本当にいい歌です。翻訳してみて泣きました。「ある男が風に吹かれながら馬と一緒に旅し、ある土地で暮らし始めた。その美しい土地で相棒のチュラー・ホールと競馬に勝ち、美しい恋人から隠れて泣いた」。自分がトゥバに行ってトゥバの文化を理解することによって、その感動が初めてわかりました。トゥバの心、いつか自分も歌えるようになりたい。

Huun Huur Tu - Chiraa-Khoor





■ ■ ■ テレビも捨てた、デジタル音は要らなくなった ■ ■ ■

--- トゥバの心を理解し、自分の音楽として歌いたい。本当にトゥバから学んだものが多いのですね。
トゥバで、いろんなことをすごく考えさせられた。本当に勉強しなければいけないと思った。知的な刺激を強く受けました。だから余計なことをするヒマがなくなりました。トゥバから帰って来て、テレビとか全部捨てて、DJみたいなレコードも聴かなくなった。そして、勉強すればするほど、どんどん面白くなった。いろんな人に会いに行って、研究者などの知り合いも増えた。本当はもっと勉強したい。もっと書かなきゃいけないしライブもしなきゃいけない。日本ではトゥバの情報がほとんどないから、とりあえず地道に継続してやっていこうと思っています。納得できることを一つずつ積み上げて、理解してくれる人を増やしたい。

--- 全部要らなくなった、それってすごい。出会っちゃったんですね。
音楽オタクだった自分が、今では全然音楽を聴かなくなった。毎日練習している自分の演奏で満たされるんです。聴く音楽もガラッと変わった。デジタル音が要らなくなりました。今から考えると、以前の自分は音楽を消費していたんだなと思います。毎週、渋谷のレコード店に新譜チェックに行き、ホクホク顔で何枚か買って家に帰って針を落とす、それが楽しかった。膨大な音楽を浴びるように聴いていた。けれど、もうトゥバ音楽だけでいい。自分と音楽の関わり方自体が完全に変わったし、人間と音楽のあり方というものを考えさせられることになった。トゥバに行ってから人生観が変わりました。

--- 出会った年齢もあったのかも?
自分が行った時は30歳すぎていた。20代前半くらいで行っていても、あの面白さに気づけなかったと思う。社会に出て働いて、本読んだり社会事象とか自分なりに考えたり経験したりたからこそ、いろんなことが見えた。それで自分の中で好きだったものが引き出された。トゥバには自分の好きなものが全部あったんです。

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(トゥバのシャマン)


■ ■ ■ トゥバが自分の人生をゆたかにしてくれた ■ ■ ■

--- それにしても2010年からの熱中がすごい。今後どうなっていくのか、とても楽しみです。
ここ4年くらいですよ。今はまだ基礎をやっていると思っています。これからです。音楽家としてやりたいこともあるし、書かなきゃいけないし。熱中から、だんだん落ち着いてくる。たしかに今までの多くの情報がいらなくなるんだけど、今まで好きだったものと今の自分とだんだん混ざってきている感じです。それを少しずつ形にしていきたい。今は自分で考えた事をちょっとずつ達成している感じで、毎日が面白いですね。

--- トゥバに出会って、自分自身でいちばん変わったと思うのはどんなところですか。
ネガティブなところが、あまりなくなった。面白くなった、人生が。自分の人生がゆたかになりました。トゥバの人たちにいろいろなことを教えてもらった。トゥバやトゥバの人たちが、自分の人生をすごくゆたかにしてくれた。だから恩返しがしたいんです。「中央アジアの音楽」などのイベントもそういう気持ちでやっています。返さなきゃいけない。ただもらっているだけじゃダメなんですよ。そういう役割があると思っています。

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(2013年トゥバ共和国滞在報告&ミニライブより)


■ ■ ■ 「中央アジアの音楽2」、2月16日開催 ■ ■ ■

--- 寺田さんの企画で実現した昨年1月開催の「中央アジアの音楽 テュルク・ミュージック・イン・トーキョー」、とても盛り上がりましたね。出演者の演奏の素晴らしさはもちろんのこと、雰囲気がとても暖かかった。良いイベントでした。
「テュルク・ミュージック・イン・トーキョー」は、盛り上がりがすごくて、予約申込みを何十人もお断りしなくてはならないほどでした。“チュルクでまとめたコンサート”は珍しく、インパクトがあった。けっこう成功したと思うし、あのようなコンサートの必要性を感じました。これまで中央アジアの音楽に触れる機会がなかっただけで需要はあった。留学生などからは「またやってくれ」という声が多かった。そして自分が心から信頼しているとあるチュルクの人から、「あなたにあの仕事を続けて欲しい」と言われた。現地の人からそう言われて感無量です。音楽を通して文化を知ってもらおう、民族文化そのものを愛してもらいたい、という気持ちが通じたと思います。また、カリマンさん(クルグス)やイナーラさん(カザフ)など、素晴らしいミュージシャンを紹介できたことがうれしい。

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(中央アジアの音楽 テュルク・ミュージック・イン・トーキョー。チラシも。写真の右3枚はorientlibrary)

--- 来る2月16日には「中央アジアの音楽2 テュルク&アフガンミュージック」が開催されますね。2回めとなる「中央アジアの音楽」について、また今後のイベント企画について教えてください。
今回は、アフガニスタンの伝統音楽を演奏する「ちゃるぱーさ」をゲストに迎えます。テュルク遊牧世界のクルグズ(ウメトバエワ・カリマン)、トゥバの音楽(寺田)、そしてシルクロードの十字路、アフガニスタンの音楽をお楽しみください。今後、イベントのテーマとしては、シベリア、北方(北方民族)にも広げていきたいと考えています。情報がないところ、例えば、サハ、ハカス、チュクチ、エウェンキ、ナナイなど。現地の音楽フェスで彼らを見ていて、面白いと思っているんですよ。アイヌの人とのコンサートも企画中です。日本での活動にも意義を見いだしています。

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(中央アジアの音楽2 テュルク&アフガンミュージックのチラシ。2月16日です!/写真上段右:トゥバのフェスティバル、ウストゥー・フレーにて子供たちと/下段左:カルムイク共和国のシャラエフ ディーマ アラッシュのメンバーと/下段右:ミュージシャンたちとトゥバ相撲フレッシュで鷲の舞を踊る)


■ ■ ■ トゥバの人たちに恩返しがしたい ■ ■ ■

--- トゥバに旅したい、滞在したいという人も増えそうです。注意点、アドバイスはありますか。
興味を持つ人は増えて欲しい。でも正直に言って、バックパックでも旅行でも、簡単に行ける場所とは言いづらいのも事実。一人で行く場合、やはりある程度のロシア語をやった方がいいでしょう。残念なことですが、日本ほど治安がいいわけでもないので。たしかに一人旅をする人もいるけれど、ちゃんと準備をしてきています。日本トゥバホーメイ協会が毎年ツアーを企画していますし、最近は少し高いけれど一般的な観光ツアーも出てきています。そういうところを利用するのも方法だと思います。

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(上段左:2013年国際ホーメイシンポジウム ソロ部門にて名人芸賞受賞/下段左:山頂や峠のような高所に建てられるオバーにて/下段右:フェスティバル ウストゥーフレーにて、チベット仏教の音楽隊の行進)

--- トゥバ音楽を好きになった日本人として、今後への思いを教えてください。
トゥバと日本との間にある関連性に興味を持ちます。トゥバで「お前、地元の歌を歌え」とかよく言われるんですが、「日本人の歌」をパッと歌える人は少ないのでは。彼らが自分たちの歌として、音楽の表現しているのを見ると羨ましいと思うし、日本人は何かをなくしたと考えざるを得ない。彼らとは、人と音楽との関係性が全然違う。だけど、共通する部分も多いんです。僕は日本人だけど、彼らの音楽を聴くとすごく懐かしいと思ったりする。その間にあるものをよく考えていきたい。今後やって行きたい事は、これからも現地に通いながら彼らの音楽と向き合い、その上で自分のスタイル、自分の音楽を作っていくこと。そして先々、トゥバの友人たちや先生に、「お前は、俺たちの音楽を勉強して、俺たちの文化を深く理解して、その上でお前の音楽を作ったね」と認めてもらいたい。考えていることはいろいろあり、今後少しずつ形にしていくつもりです。僕はトゥバ人になれるわけじゃないんです。トゥバの音楽を愛した一人の日本人の音楽家として、自分の音楽を作っていきたいと思っています。

*本文中でも何度かリンクしていますが、寺田さんのブログはこちらです=「トゥバ日記」

取材場所は吉祥寺の「Cafe RUSSIA」、満員でお店自体が熱気。その中でさらに熱く思いを語る語る寺田さん。トゥバの音楽を紹介してくれてありがとう!自らの演奏活動はもちろん、多様な音楽を伝えてください。中央アジアを盛り上げていきましょう☆
by orientlibrary | 2014-02-08 18:31 | 中央アジア人

トゥバのホーメイ、遊牧民の染織、ラスター彩故郷に還る

トゥバ共和国のホーメイ

「アルタイ共和国のカイ、トゥバ共和国のホーメイという、シベリアの喉歌における二大潮流が一堂に会するコンサートが、今年9月に東京と大阪で開催される。両共和国の歌手が同じステージに立つのは本邦初のこと。あわせて、その前後にもアルタイ、トゥバの歌手によるツアーがそれぞれ実施される」(Realtokyoより)

各地で連日盛況かつ感動のコンサート、そのなかの一夜、横浜で開催された「ホーメイの夕べ〜トゥバ共和国の超人的な倍音喉歌」(出演:モングンオール・オンダール、アヤス・クーラル
、ドスタイ・オトクン
、アンザット・クーラル
/横浜みなとみらいホール小ホール)へ。喉歌ワークショップとバックステージツアー付きという貴重な機会でした。

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(上段:ホーメイの夕べ。コンサート写真がないので、バックステージツアーの様子を少々/下段:東京駒場の日本民芸館、「特別展 柳宗理の見てきたもの」11月21日まで)

ロックやスーフィー音楽、そのフュージョンが今も好きだけれど、一方で喉歌や口琴系、パーカッション系に惹かれてきています。じつは、自分がこちら系に来るとは思っていませんでした。年齢とかいろんなことがあるのかな。ギリギリまでそぎ落とした音世界ならではの豊穣、電子音楽と紙一重のトランス感に巻込まれている感じです。

<ホーメイとは>
「
ロシア連邦トゥバ共和国に伝わる喉歌(のどうた)。声に含まれている倍音を、声帯の力で強調させ

て口笛に似た音を出す。非常に低い倍音を出したり、音を細かく震わしたりと、発声法が7種類以上

(28種類という説も)ある。また、この他にもアルタイ山脈周辺地域には類似した「喉歌」が伝えられ、

モンゴル国ではホーミー、アルタイ共和国ではカイ、ハカス共和国ではハイと呼ばれている」



(「ホーメイの夕べ」のワークショップ「ホーメイの魅力 トゥバ共和国発祥の奇跡の歌声」資料〜講師:巻上公一さん〜より)

音の響きの良いホールで、4名それぞれの個性あふれる生歌を堪能。低音の喉歌カルグラー、高い音の出る喉歌スグットなど圧巻。南シベリアの草原、自然の中にいるよう。全体を通して「風」を感じます。それが根源的な気持ち良さにつながっているのかもしれません。

モングンオール・オンダール(スグット)



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柳宗理の見てきたもの

特別展 柳宗理の見てきたもの」=「2011年のクリスマスの日に他界した柳宗理(1915~2011)。世界的な工業デザイナーとして活躍する一方、約30年間にわたり日本民藝館の三代目館長として活動しました。本展では、宗理が蒐集した当館コレクションの逸品をはじめ、柳家から遺贈された陶磁器や染織品、仮面などを展示。また、父宗悦から受け継いだ食器類も併せて展観し、柳宗理がどのようなものを見つめながら生活し、デザイン活動の糧としてきたのかを紹介」する展示。日本民芸館にて11月21日まで。

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ひとりの人が好きで集めたもの、いろんな地域、いろんな領域、でも一貫した「好き」が見えてくるようで興味深い。柳宗理さん、生命力がありながらどこか端正な感じ。繰り返す模様が織りなす妙味、色や色合わせの一歩引いたようなシックさ、などを私は感じました。


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西アジア遊牧民の染織

「アジアの染織 西アジア遊牧民の染織」(東京国立博物館・東洋館/~ 2013年12月1日)

「遊牧民研究家、松島清江氏が1960年代から1980年代にかけて現地で収集したコレクションを展示します。インド西北部からパキスタン、アフガニスタン、イランからトルコにかけて遊牧を営んだ部族が染め、織り、制作したハンドメイドの衣類や袋物、テント用敷物。家畜の毛をつむいで織り、あるいはフェルトにして作られた、各部族の特色ある色と文様の世界を紹介します」

松島きよえさんについては、トライバルラグディーラーのTRIBEさんが、これまで熱心に紹介しています。「トルコ~イラク~イラン~アフガニスタン~パキスタン~インドと西アジア~西南アジアを駆け巡り、
遊牧民と行動を共にしながら彼らの生活に溶け込み、同時に毛織物を収集された貴重な日本人である。
今生きていらっしゃればどれだけ話が弾んだであろうと思う。
特に野蛮(遊牧民らしい魅力溢れる)な部族に惹かれ、昔ながらの部族らしさを残した人々に
魅せられていたようである」(TRIBEさんHP)

* 遊牧民に魅せられて。松島きよえさんの物語
* 遊牧民に魅せられた人 松島きよえさん
* ブーラーフィー族 『Josephine Powell&松島きよえ』2

おかげでコレクションの実物も何度か拝見していました。東博のガラスケースの中、さすがに大作、状態の良い絨緞や塩袋が揃っていました。

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(アジアの染織 西アジア遊牧民の染織/東京国立博物館・東洋館)

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(左:アフガニスタンとのこと。トライブ名不明/右:イランのバフティアリ族)

「ブロイ族」とあったので、初めて見る名前だと思いましたが、どうやらブラーフィー族のようです。アルファベット記載は「BRAHUI」。「バルチ族」「バクテアリ族」なども、ちょっと違和感。カタカナでの記載は難しいですね。東博さんはアカデミックな影響力があるところ。少しリサーチしてみてもよかったのでは?

東博ついでに。東博は、じつはモザイクタイルがけっこう使われているんです。有名なのは本館1階の壁面モザイク。外からの光の具合で色や光沢が変化して、とてもきれいです。表慶館の床はビザンチンっぽいモザイクが一面に施されています。表慶館はなぜか現在レストスペースのみ。もったいない!展示したい人が山のようにいると思う。貸出しも一法では?

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(東博のモザイクタイル。左:表慶館、右:本館1階)


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ラスター彩、故郷に還る

京王百貨店の「七代 加藤幸兵衛茶陶展<併催>ラスター彩イラン里帰り展」、もう一度じっくり見たかったな〜、、どこか心残りだったところに、21日放映のテレビ番組「ラスター彩、故郷に還る」。1年間の密着取材での製作光景、展覧会までの道のり、イランでの展覧会の様子など、75分しっかりとラスター彩に浸れて、これで満足しました。いい番組でした。

製作の日々には、圧倒されました。とくに焼成。本当に発色が難しいのですね。いくつもの失敗作もあっての、あの美しさ。感動です。また絵付け前の段階、八角星と十字からご本人が作っていらっしゃるとは、、分業なのかと思っていました。

好きだったシーンは、幸兵衛氏がイランの村で、「土はいいなあ」と土壁にヒタとくっついているところ、そして青い壷を抱えるようにして道ばたに座っているところ。イランの人たちも土への思いは共通するものがあるはず。気持ちは通じますね。

そんなわけで、まだラスター彩気分が続いています。写真もラスターで!すべて「幸兵衛窯」にて。

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(靴、そして描かれた人の絵がかわいい。金や銀と青、これがまた合うのですよね。右は正統派)

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(左:ラスター彩駱駝人物文大皿/右:ラスター彩楽人文茶わん、いずれも加藤卓男氏)

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(左:この青が好きです/右:ラスター彩神鹿文茶わん、いずれも加藤卓男氏)

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(右がテレビで追っていた「生命の樹」ですね。ペルシアのモチーフと日本の感性)

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(加藤幸兵衛氏作品のディテール。遠目にはとても繊細だけど、アップで見ると麒麟や龍が力強い。生きているよう。八角星と十字もきっちり整って緻密で丁寧。素晴らしい)

虹色の陶の光こそ
匠らの 生き死にの果てに
輝けり けふも           天山草


季節は、黄金色の実りの秋に。
by orientlibrary | 2013-09-24 01:41 | 中央ユーラシア暮らしと工芸

「遊牧のチャラパルタ」/「幸之助と伝統工芸」/「HandMade In Japan」

装飾タイルの「8」、写真は準備済みですが、今回はその前にいくつかの話題を。

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遊牧のチャラパルタ

まずは映画、「遊牧のチャラパルタ」。音楽ドキュメンタリーが大好きな私。しかもタイトルに「遊牧」が入っていては、もう絶対外せない。

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4年の月日をかけて撮影されたロードムービー&音楽ドキュメンタリー。2006年の公開で、世界の国際映画祭で受賞14、各地で熱い支持を受けてきた。日本では、ようやく先日が初上映(しかも上映は7月1回、8月1回のみ)。渋谷の会場はファンの期待で熱気にあふれる。

思った以上に惹き込まれました。大好きな「ラッチョ・ドローム」に匹敵すると言っても過言ではないとも思う。たぶん相当な低予算とギリギリの少人数で制作されたと思われる映画。丹念にていねいに、だが時には強く対象に迫っていく。

バスクの伝統の打楽器チャラパルタは、木の板を木の棒で叩くというシンプルな楽器だが、素材の音と音階と二人で会話するようなリズムが素晴らしい。その奏者の男性二人(オレカTX、撮影時20代前半)は、故郷バスクを飛び出し、世界のノマドのコミュニティを旅する。暮らすように滞在し、土地の材料でチャラパルタを作り、ノマドたちと共演する。灼熱の砂漠、極寒の北極圏、大草原。過酷ながら大自然は土地の人も旅人も包み込み、折々に美しい姿を見せてくれる。

ライブ演奏の熱。バスクの二人の単独演奏も、ノマドとの共演も、ノマドのパフォーマンスも。最高!!

ムンバイ。いきなりソウルな口琴でガツンときた。インド西部のノマドの村。カースト制には属していないという。儀式と芸能が暮らしに息づく。

モロッコサハラ、ベルベル人のノマドの村。近隣国の内戦や貧困化など社会の変容の中にある。暮らしはきびしい。そんななかでも、女性たちの歌と踊りは強烈。「家族を失って難民キャンプにいるけれど、これからも自分らしく生きていく。顔を上に上げてね」。

北極圏のサーミは氷の世界。氷を切り出しチャラパルタを作っての演奏。透明で天上から聴こえるようだ。サーミの音楽家が、中央アジア・トゥバの音楽家との交流を語る。距離は離れていても、北方の音楽はつながっている。

モンゴル。草原の遊牧民。馬を愛しホーミーを歌う。さらに、なんとトナカイ遊牧で知られるツアータンまで。極寒の中を旅するバスクの二人。温かく迎える土地の人の表情がいい。

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(モンゴルイメージ/orientlibrary/左上はポストカードのスキャンだったかも?記憶があいまい)

口琴、喉歌、打楽器、原初的な音世界の圧倒的な伝達力、迫力。総勢でたたみかけるようなラストが圧巻。




(nomadax tx trailer、「遊牧のチャラパルタ」より/口琴と喉歌、予感があり入れない。帰って来れない気がする。びよ〜んという口琴がとくにヤバい。自分でも意識していない「どこか」に響いてくる。まだ入れない)

映画すべてを通して、人と人、人と自然、素材と素材、文化と文化、時と場所が、奏で合う。音楽は対話。奏でる人たちの幸せな表情、聴衆の高揚。

「僕らがノマドのコミュニティーにフォーカスしたのは、音楽が「動き」であり、また「新たな音を探し続けること」だからだ。ノマド達は移動するし、だからこそ、そのコミュニティーのサウンドはスペシャルに違いないと僕らは思ったんだ。彼らは本当に必要なものだけを持って移動しなくてはならず、それは音楽も同じなんだよ」
「僕らの最終的な目的は、(一つの文化によって引き起こされる)サウンドを彼らの起源から理解することだったんだ。そのためには彼らの生き方まで分かち合う必要があったんだ」 (主催者の資料/演奏家オレカTXインタビューより) 

単発上映2回のみは残念ですが、今回、貴重な機会を作ってくださった主催者の皆様に感謝致します。ありがとうございました。

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幸之助と伝統工芸


「幸之助と伝統工芸」展(パナソニック汐留ミュージアム)。経営の神様と工芸?そもそも松下幸之助さんについて、ほとんど何も知らないまま、会場へ。

「松下幸之助が我が国の伝統文化に理解を示し、その普及を支援していたことはあまり知られていません。
美術品を見る目は持ち合わせていないと言いながらも、実際には、多年にわたり絵画から工芸作品にいたるまで美術品を収集したり、公益社団法人日本工芸会などの団体の役員を務めるなど、文化支援活動を続けていました」(開催趣旨より)

会場で最初に目に入ったのが、幸之助氏自身の書でした。とらわれのない筆運び。誠実、簡素、温かみ。どうしたらこのような線が書けるのだろう。しばらく動けず、ずっと見ていました。

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(松下幸之助《心》
  パナソニック株式会社蔵)

幸之助氏の一貫した「好み」で蒐集された、日本を代表する作家の各分野の工芸作品が多彩に展示された会場。そのなかでも、最初に見たこの書に最も感動しました。作品の上手い下手、完成度ではなく、こういう文字を書ける人がいるんだ、ということを不思議にさえ感じました。

「松下幸之助は「素直な心」を生涯大切にしていましたが、その「素直な心」を育てる道が茶道にあると考えるようになりました。
そして茶道具に触れるうち、その関心は工芸家に向けられるようになったのです。陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、截金(きりかね)など、さまざまな素材を駆使し、伝統のわざを絶やさず時代の息吹を取り入れることによって成立する日本の工芸作品。松下幸之助は「伝統工芸は日本のものづくりの原点である」と確信し、このような作品を作り出す工芸家を支援することで、「ものづくりの心」を未来に伝えていきたいと考えました」

「素直」ということ、茶道との出会い、ものづくりの原点としての工芸への共感、伝統文化への生涯にわたる支援。骨太で本質的で一貫した態度。使命感と品格。器が違いますね。
あらためて年譜を見てみると、平成元年に逝去されている。昭和という時代を全身全霊で全うした経営者なのかもしれません。

素直が大事なんだと反省し、『素直な心になるために』という著書を買って帰りましたが、パラパラ見ただけで挫折。素直は遠い。

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HANDMADE IN JAPAN FES 2013

同じ「ものづくり」でも、こちらは昨今大人気の「ハンドメイド」。カタカナになっているところが軽やか。主役は一般人。
さらに、ハンドメイド作品を売買できるポータルサイト(Creema、iichiなど)が、日本でも盛り上がりを見せています。そんな「ハンドメイド」が一堂に介するイベントが開催されました。 “HANDMADE IN JAPAN FES 2013”。

「オンライン・クリエイターズマーケット「Creema」ではクリエイターが作りたいものを作り、 
自ら値付けして売り、 今や日本中から10万点以上の作品が集まっています。 
その多くは、この世にひとつしかないハンドメイドです」「ハンドメイドにはかつての “MADE IN JAPAN”の 精神がいきています。 
そして、その独自性やユニークさ、きめ細やかさは世界に誇る一つのカルチャーになりえるもの。
そんな思いを「HandMade In Japan」という言葉に込めました」(主催者挨拶)

東京ビッグサイト会場に参加した作り手2400名、来場者は2日間で26000人だったそうです。

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(わりとゆっくり見られてよかった/会場の造作、もっとハンドメイドであって欲しかった/ワークショップも多数開催/出展者は様々で面白かった。気軽に会話もしてくれる。交流が一番の魅力かな/虫が出てくる本/朱肉入れ付き印鑑入れ/タコ/知多半島から素焼きのお人形の窯元。通常問屋さんとの取引、この機会に出てみたとのこと/すごいバッグ。バッグメーカー勤務。仕事では作れないものをプライベートで作っているとのこと/さおり織とのコラボ人形/キャンパス地のポーチ。色がキレイ/オブジェ。目を引く/マトリョーシカロウソク/カワイイので人気だったディスプレー/ヘアバンド!/きれいな青の陶器/同じ作家さんの星座湯のみは光を当てると星座が浮かび上がる。素敵!)

正直、玉石混淆かと思っていましたが、全体のレベルは高かった。皆さん、器用!発表と交流の場としては良い機会なのでは。イベントや展示は、出展者がいちばん楽しいんですよね、大変ではあるけれど。

それにしても、アクセサリーやポーチは、今や使う人より作る人の方が多いかも。日本に「クリエーター」は2000万人くらいいそうですね。(「プロデューサー」は1500万人くらいいますね)。一般人のクラフト、ハンドメイドは、今後も確実に定着していく分野だと思います。

以前、同好の仲間とおこなっていた展示イベント「美しい世界の手仕事プロジェクト」は、西アジア中央アジアなどの工芸、手仕事(毛織物、テキスタイル、陶芸等)を紹介するのが趣旨。遊牧民の暮らしに根づいた手仕事、職人たちの匠、超絶手技、研ぎすまされた美的感性。

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(美しい世界の手仕事プロジェクトより)

趣味の手作り、プロの手技、魅力はどちらにもあり。個人的には、完成度の高いものとの出会いが嬉しい。ハンドメイドの後に松下の展覧会に行って、正直、ホッとしました。極めた人の仕事を見る幸せがあります。

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長くなりました。ペシャワール会のことも書きたかったけど、、。次回は「8」にいきます。

また今後、タイルや工芸、中央アジアに関わる方々へのインタビューをおこない、まとめていければという野望?を持っています。取材につきもののテープ起こしに戻る覚悟。
取材のお願いの連絡をさせて頂くこと、突然訪問などの失礼もあろうかと思います。どうぞ温かく見守ってください!!がんばります。

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by orientlibrary | 2013-07-23 23:20 | 日々のこと

「もののあはれ」&「パキスタンバザール」

晴天のゴールデンウイーク。熱烈なファンが多いコンデジ「GR」(リコー/単焦点レンズ/タイルきれいに撮りたいなとウズ前に購入も、オート撮影の私ではどうも微妙で、置いたままだった)、気を取り直して持って出かけました。
大正期の重要な和式住宅として国の重要文化財に指定されている「旧朝倉家住宅」(渋谷区猿楽町/ヒルサイドテラスの裏手)。2008年6月から一般公開。

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(回遊しながら庭園を観賞できる「回遊式庭園」。春はツツジ、秋は紅葉などが楽しめる/青葉がまぶしい/木製レールのあるガラス戸/開き窓、 折上格天井など洋風意匠/杉の間。杉の木目を意匠のテーマにした趣味的 な数奇屋座敷/日本画家らが描いた板戸)

蔵や庭門、当時の車庫なども臨める敷地内の面積は約5,400㎡。主屋は木造2階建てで、ほぼ全室が畳敷き、屋根は瓦葺、外壁は下見板張、一部が漆喰塗り。明治時代から 昭和30年頃までに建設された大きな邸宅の特徴を顕著に表している、とのことです。
見所の多い住宅にもかかわらず、観覧料は100円!代官山散策の折によいかもしれません。海外からのゲストの案内にも、代官山のショップやカフェと合わせ、いいかも、と思いました。

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「もののあはれ」と日本の美』(サントリー美術館/6月16日まで)。驚いたり頷いたりしながら、しみじみと見た展覧会でした。日本すごいな!

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(すべて美術館のサイトから引用/ポスター/寝覚物語絵巻/扇面法華経冊子/月に秋草下絵新古今集和歌色紙 本阿弥光悦書・俵屋宗達画/色絵龍田川文皿 鍋島藩窯/銹絵染付金彩薄文蓋物 尾形乾山)

「もののあはれ」とは「自然の移ろいや人生の機微にふれたときに感じる情趣」を意味するのだそうです。なんとなく見聞きしてきた言葉ですが、平安時代から近現代に至る美術工芸品に脈々と流れるその感覚に共感しました。そしてその感性を表現する技法、技巧の匠に心動きました。

<構成>
1:「もののあはれ」の源流〜貴族の生活と雅びの心
2:「もののあはれ」という言葉〜本居宣長を中心に
3:古典にみる「もののあはれ」〜『源氏物語』をめぐって
4:和歌の伝統と「もののあはれ」〜歌仙たちの世界
5:「もののあはれ」と月光の表現〜新月から有明の月まで
6:「もののあはれ」と花鳥風月〜移り変わる日本の四季
7:秋草にみる「もののあはれ」〜抒情のリズムと調和の美
8:暮らしの中の「もののあはれ」〜近世から近現代へ

源氏物語、やはり読まなくては、、日本の工芸、もっと知りたい、見ていきたいです。

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空気がガラリと変わって、こちらは上野公園で開催された「パキスタン・ジャパン・フレンドシップ・バザール2013」。昨年の代々木公園から、上野に戻ってきました。快晴で暑いくらいの日和。ステージプログラムも盛りだくさんで、パキスタンの雰囲気を満喫しました。

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(ムガル宮廷舞踊・カタックダンス。型の決まり方がピシッとしてステキでした!/屋台もいろいろ)

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(昨年もおこなわれ人気だったパキスタンのイケメンコンテスト、ミスター・ハンサム・パキスタン・コンテスト。自薦なのか他薦なのか30数名がステージでダンスなどのパフォーマンスを繰り広げます。入賞優勝は会場の拍手で決まるので、関係者の多い人有利。そこは司会者が軽妙に判断し、結局若手の3名がファイナリストとなり〜下段真ん中〜、優勝はパシュトゥーンのお兄さんでした〜下段右)

昨年大きな反響を呼んだカウワーリーのバダル・アリー・ハーン楽団。今年も来日し、大学やギャラリーなど各地で連日演奏を披露しています。5月1日は中野の驢馬駱駝での公演です。(予約受付ほぼ終了の模様。また来年!!)
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(カウワーリー(パキスタンより来日のバダル・アリー・ハーン楽団による伝統音楽の演奏/熱狂のダンス、パキスタン男子、踊ります!/ドル札を撒くスーツ姿の男性はミスターハトヤマ、なぜかパキスタンバザール。今年もたくさんのドル札が舞いました)

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青のfacebook、「青の陶器とタイル好き * blue ceramic museum」よりサマリーです。

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(チャルバクル/鍋島 色絵青海波鶺鴒文皿/トゥラベク・ハーヌム廟/バラハウズ・モスク/ウスマノフ工房作品/ミル・アラブ・マドラサ)

「チョガ・ザンビルの青」は、かなり発見な青だったんですがマイナーな話題だったようです。ウスマノフ工房の青い皿、支持が多かった。強い青ですが、印象的ですよね。「いいね」を通しての、このような反響が興味深いです。

ようやくのブログアップ。日本の工芸を訪ねて、ちょこっと出かけてきます。

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<コメント欄をしばらく閉じています> いつもコメントありがとうございます。コメント欄へのジャンクメール(海外から?)が増加しています。ご了解頂けましたら幸いです。

facebook応援ありがとうございます!^^

 
by orientlibrary | 2013-04-30 22:49 | 日々のこと

北斎、青で描く日本の自然美、そして生命

◆ 北斎の青 ◆

西アジア、中央アジアの装飾タイルや陶器の青の興味があります。けれども日本美術に疎いので、日本の絵画や版画での青の表現は知らないままです。

テレビでの青の番組がありました。「青の宇宙史〜フェルメールから北斎へ〜」(BSTBS)。フェルメールは日本で大人気ですが、私はあまり興味が湧きません。そんなわけで、あまり期待せず、いちおうチェックするというスタンス。「フェルメール・センター銀座」という施設があり、現在青を軸とした北斎の展示を開催中。その館長でもある生物学者・福岡伸一氏が番組のナビゲーターでした。

番組はすっきりとまとまっていて、浮世絵の知識のない私にも流れがよく理解できました。そして北斎の青と、青への思い、構図や表現の斬新さ、ベロ藍という当時の最先端の青のインパクト、そしてフェルメールブルーをイキイキと「動かした」北斎の力量の凄みに、心が動きました。

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(「青の宇宙史〜フェルメールから北斎へ〜」(BSTBS)、テレビ画面を撮影)

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<出演者のコメントなどをメモした中で、個人的に印象に残ったこと>
《北斎の青、日本の青》
・ 北斎の青の魅力は、白(〜余白)がきれいなこと。潔く身を引いている。藍色は白のためにあると思えるほど、白がより良く見える

・ 日本の色の感性は素晴らしい。日本ほど色の名前が多い国はない。それは日本の風土、花や海や空からきているのだろう。水や空など青が自然の中にある日本だから、様々な青に挑戦する。いろいろな青が出るように工夫する

《ベロ藍の使用、刷の技術》
・ ベロ藍はそれまでの日本になかった色。ハイカラで知的で品がいい。空気感、湿度感が違う。立体感、奥行が出てくる。自然の美しさがイキイキしている。これを使った北斎は、自分だけの色をだしたかったのだろう

・ 当時は長崎の出島にオランダの物産を売る場所があった。フェルメールともつながる。フェルメールは青に身も心も奪われているが、北斎はそうではない。突き放している

・ 北斎はこのベロ藍を使って「冨嶽三十六景」を描き、青の濃淡で名所の水や空を表現した。日本の刷師は、絵の具を紙の表面でなく芯に滲み込ませる。独自の高度な印刷術もあり、「冨嶽三十六景」は爆発的な人気となった

《青は生命の色、その青を動かすことで生命を描いた北斎》
・ 青は生命にとって大切な色。生物は海で生まれた。最初に見た色は青だったのではないか。生命の色である青には生命の美しさがある。大きなもの、母性、限りなく生命的なもの。雄大なすべてを包み込む色

・ 北斎は青と生命の関係に自覚的だった。生命は流れでありエネルギーである。北斎は晩年の傑作「怒涛図」の「男浪」「女浪」で青を動かした。止まっているが絵は動的であり動いているものとして表現している。青は動いているから美しい。あらゆるエネルギーのうねりが込められた、宇宙にまで届くかのような青。北斎は生命の色である青を使って、生命の存在を描いてみせた
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ベロ藍は、紺青(こんじょう、プルシアンブルー)。1700年頃、プロシア(当時)の都市ベルリンにおいて初めて合成に成功した人工顔料で、日本では、ベルリン藍がなまってベロ藍と呼ばれたそうです。

「冨嶽三十六景」の青の濃淡、互いに引き立て合う青と白、生きているかのような波、さらには晩年の螺旋状にうねる青。日本の青の表現、驚きでした。

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(日本の青を東博写真の中から探してみました。左は18世紀江戸時代の被衣。染分麻地松皮菱菊蕨模様。藍を基調にした染が人気/右は型染木綿地に刺し子を施した火事羽織です。粋ですね!)

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◆ パキスタン映画「BOL~声をあげる~」 ◆

パキスタン映画「BOL~声をあげる~」、2011年にパキスタンで公開。2012年に福岡での「アジアフォーカス・福岡映画祭2012」で上映され観客賞を受賞。その後、映画祭等で上映されましたが、すべて合わせても計6回と、観る機会がとても少ない映画でした。

「BOL」の監督であるショエーブ・マンスール氏は、2007年に公開された「Khuda Kay Liye/神に誓って」で世界的に高い評価を受けています。「神に誓って」は9.11後のアメリカでのイスラーム諸国出身者への非道、厳格なイスラム教徒の結婚観、過激派に引込まれて行く若者の心理などを丹念かつ重厚に描き、圧倒的。主人公がミュージシャンの兄弟という設定もあり、音楽も素晴らしい。上映会は08年でしたが、今も強く心に残っている映画です。

そんなマンスール監督の「BOL」ですから、観られる機会を待望していました。そして先日、ついに観ることができました!しかも、日本語字幕付きで。さらに当日は、日本語字幕の監修をされた麻田豊先生から、映画の背景となる考え方、風土、慣習などについての解説がありました!

ストーリーが複雑というよりも、登場人物たちの考え方や行動に「どうして?」という疑問符でいっぱい。観る前に解説頂いたおかげで、なんとか話についていけました。わかりやすく具体的なお話が聞けたこと、とても有り難かったです。

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(HP「アジアフォーカス・福岡映画祭2012」等から引用/妻と7人の娘たちは家に幽閉状態。お隣さんはシーア派、リベラル家庭。隣の長男役がcoke studioにも出演するアーティフ・アスラム:伝統医療は衰退し収入は減るばかり。売春地帯の親分がコーランの先生の話を持ちかけ、なんと親分の孫娘〜高級娼婦〜とこの厳格親爺が結婚することに!やがて女の子が生まれます:両性具有の末息子。純真)

父親を殺害した罪で死刑を宣告された伝統医療医の長女。最期の望みとして絞首台で記者会見を行うことを要求。自分の身の上を語り出すところから始まります。

インド・パキスタン分離独立、衰退する伝統医療、父親の圧倒的な権力、男性が女性を養うという考え方、男児願望、両性具有、女子に教育は不要という考え、外に働く場がない女性、警察の汚職と賄賂、パキスタンの売春地帯、教養があり礼儀正しい高級売春婦タワーイフ、スンニ派とシーア派の対立、宗教への妄信など、様々な問題が2時間半の中に盛り込まれていますが、最も大きいのは女性の生き方、人権ということかと思います。長女は「産む罪」を問いかけました。

家族に暴力をふるい恐怖支配する父親ですが、俳優の演技があまりに秀逸なせいか、感情移入してしまう面も。ラホールのモスク、古い住居が美しく、農村の風景も憧れます。パキスタン女性はクラクラするくらいの美しさ!世界一綺麗では?また、パキスタンの福山雅治とも言われるアーティフ・アスラムのシーンは明るく、音楽もいい感じでした。

(重厚で様々なテーマが織り込まれた映画。感想を書くのが難しく、なかなか書けません。日を改めて書ければ、、と思っています)

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◆ 青のfacebook、サマリー ◆

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<リシタン古皿 ウズベキスタン〜フェルガナ郷土史博物館展示品> <仁清が描く波の青 日本 色絵波に三日月文椀〜仁清/江戸時代、17世紀東京国立博物館所蔵品> <イズニック陶器 トルコ〜赤い素地の上に白い化粧土を掛け、コバルトブルーを主に、ターコイズブルーを効果的に用いながら、蓮、三つ葉模様、螺旋状の花模様等を描く> <フダーヤール・ハン宮殿のタイル ウズベキスタン>

今回写真が少ないので、フダーヤール・ハン宮殿のタイルをこちらでご紹介!

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<フダーヤール・ハン宮殿のタイル ウズベキスタン/コーカンド・ハン国は、18世紀後半から19世紀前半にかけてフェルガナ盆地を中心に栄えたチュルク系王朝。最盛期には清朝、ロシアと通商関係を結び、中央アジア最大の交易国に。しかし19世紀半ば過ぎにロシアが侵攻、やがてロシアの属国に。君主フダーヤール・ハンはロシア様式を取り入れた新宮殿を造営し国の再建と専制の増強をはかりますが、ほどなくして国は滅びました。14世紀から続く中央アジアの装飾タイルの伝統ですが、19世紀も後半になると周辺地域の色やデザインの嗜好が入り交じり、青よりも多彩色のインパクトが大。宮殿内のタイルの中にはロシア正教を思わせるモチーフもあり独特/mosaic tile on the gate of Khan's Palace=the Palace of Khudoyar Khan, built between 1863 and 1874/ Kokand is a city in Fergana Province in eastern Uzbekistan>
by orientlibrary | 2013-02-03 23:05 | 美術/音楽/映画

中央アジアが熱い!音楽、踊り、コミック、人々

◆ 陸前高田の「みんなの家」 ◆

中央アジアで埋め尽くす前に、ひとつだけ展示の話題です。「ここに、建築は、可能か:第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本帰国展」(TOTOギャラリー・間/3月23日まで)。

第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で、日本館は「金獅子賞」を受賞。東日本大震災後の建築のあるべき姿を世界に問いかけたことが高く評価されました。岩手県陸前高田市に建つ「みんなの家」は、建築家伊東豊雄氏の呼びかけにより3人の建築家が共同作業によってひとつの建築をつくるという課題を担います。日本館では、その制作過程と地元出身の写真家畠山直哉氏が撮影した、震災前、震災直後、現在の陸前高田の写真を展示しました。「みんなの家」は、現在実際に地元でコミュニティ再生拠点として活用され始めているそうです。

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模型が興味深かった。ゼロから家という形にしていく思考と作業のプロセスが、可視化されていました。共同作業には困難もつきまとうけど、同じ頃に同じイメージが見え始める、(イメージが降りてくるように)、その感じが面白かったです。方向が見えてくれば、ブレが少なくなる。苦労があっても質が違いますよね。また模型自体も、小さいなかに思いが込められていて、見ているのが楽しかったです。

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◆ 『乙嫁語り』 ◆

『乙嫁語り 5』、先日発売になりました。舞台は中央アジア、カスピ海周辺の地域という設定。中央アジアが舞台のコミック、それだけでもモチベーションが上がるのに、作者森薫さんの途方もない描き込みが圧倒的に素晴らしい。中央アジア愛が伝わりまくりです!

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(5巻揃った『乙嫁語り』/衣装の描き込みがすごい/5の双子の衣装がかわいいので少しアップに/やんちゃだった双子。アトラスの模様がいいですね〜!質感が伝わる/婚礼衣装。髪もきれいに整えて/婚礼部屋の様子。スザニが、、/6点すべてコミック本自体の撮影)

4巻では、漁師の家の元気すぎる双子ちゃんたちが主役。玉の輿婚を夢見ていましたが、幼馴染みの漁師の兄弟と結婚することに。5巻では結婚式前後のドタバタが描かれ楽しいストーリー。でもその中に、結婚式の準備の様子や風習が織り込まれています。婚礼衣装や結婚式の食べ物等の描き込みが今回もすごくて、堪能しました。

*以前の関連記事(20091101):「シリアのタイル、ペルシャ料理、中央アジアが舞台のコミック

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◆ 中央アジアの音楽 ◆

「中央アジアの音楽 テュルク・ミュージック・イン・トーキョー」、満員御礼。キャンセル待ち多数という盛況。企画から当日まで準備をしっかりされていた主催者の方々の思いが伝わりました。

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この地域には、まだまだ日本に十分に紹介されていない豊かな音楽世界が広がっています。近年、日本においても少しずつ中央アジア出身の音楽家や、現地で長期にわたりその音楽を学んできた日本人の音楽家が活躍し始めています。また、リスナーとして中央アジアの音楽を愛好し、実際に自分でも演奏する人たちも少しずつ増えはじめています。今回は、キルギス・カザフ・ロシア連邦内の共和国であるトゥバ、テュルク系民族では最も東に住むサハの音楽家が集まり、その地域に伝わる伝統的な楽器を用いて歌や音楽を演奏し、その豊かな音楽文化を紹介したいと考えています。(企画趣旨)
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(寺田亮平さん(トゥバ〜イギル、ドシュプルール)/直川礼緒さん(サハ〜口琴)/イナーラ・セリクパエバさん(カザフ〜ドンブラ)、高橋直己さん(カザフ〜民謡研究者・歌手)/カリマン・ウメトバエワさん(キルギス〜コムズ&口琴))

中央アジアの音楽というテーマでしたが、中央アジアでこんなに人が集まるなんて、ちょっと驚きでした。留学や仕事、海外協力、趣味興味などで関わってきた(いる)人たち、多いんですね。なんだか心強いというか、うれしかったです。

草原の風と大地を感じるトゥバのイギルとホーメイ、驚くほどに多彩で宇宙のような口琴の魅惑、素晴らしい演奏技術と迫力ある歌唱のカザフのドンブラ&民謡歌唱、右手を自在に動かしての演奏パフォーマンスが楽しいキルギスのコムズ等、内容もじつに素晴らしいものでした。

また、奏者たちの人柄がにじみでるような温かいパフォーマンス、おおらかさも、本当に素敵でした。会場の「気」もとても良かったです。ね!中央アジア、いいですよね!!

繊細優美の極致のような北インド〜ペルシア古典、トライバルとロックが融合したパキスタンのフュージョンなどに惹かれている私、草原系の音楽をちゃんと聴いたのは初めてです。草原の音楽は、楽器も2弦とか3弦で楽曲もシンプル。口琴はさらにシンプル。でもシンプルだからこそ、奥行が無限に深い。そぎ落としているからこそ広がっていくものがある。自分にとっては新しい音の世界、魅力と出会えたことをうれしく思います。関係者の皆様、どうもありがとうございました。

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◆ シルクロードの舞 ◆

「中央アジアの音楽」開催日は中央アジアデー。昼は「~シルクロードの調べと舞~ Silkroad music & Dance Azerbaijan,Uzbekistan,Uyghur,etc」へ。ANYAさんの舞踊と大平清さんのドタール&サズ演奏と歌を楽しみました。
ANYAさんの踊り、好きです。心がこもっているから。謙虚で明るく素直な人柄が表れています。

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(画像はクリアに撮れたものもあるんですが、雰囲気メインにぼわんとしたものを選びました。アゼルバイジャン、ウズベク、ウイグルの衣装も素敵です/下段は=レイアウトの関係で食べ物を、、、チーズと干し葡萄、名前を忘れましたがウズベキスタンから持ち帰ったという牛肉のなんらか&リシタン皿、ウズベクのチェブレキ屋台@東京農工大学園祭)

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今回も、青のfacebookのサマリーです。

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<ブハラの青のマドラサ ウズベキスタン/トゥラベク・ハーヌム廟 クニャ・ウルゲンチ(トルクメニスタン)/東京ジャーミィ 日本>

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<ベトナムの染付/青の館 キュタフヤ(トルコ)/リシタン青茶碗で抹茶 日本>

リシタン青茶碗で抹茶、東京ジャーミィ、ブハラの青のマドラサ、の「いいね!」の多さにびっくり。どうもありがとうございました。青のfacebookは週5回の更新をめざしています。

中央アジアは、これからも興味津々で追いかけます。これからもいろんな動きがありそうなんですよ〜!^^
by orientlibrary | 2013-01-28 23:28 | 中央アジア5カ国

イランのパーカッション「ダフ」と多彩なイラン絵本に酔う&青の本ご紹介

イランのタイルや細密画の優美さ、緻密さ、奥行きには、いつもうっとり。さすがの伝統とアートセンスです。先日はうれしいイラン日和。イラン絵本とイラン音楽(打楽器の魅力)を堪能しました。まずは音楽から。

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イランの打楽器トーク&ライブ。「イランの打楽器にまつわる逸話や映像を交えつつ、日本ではなかなか聴くことのできないイランのパーカッション演奏をお楽しみください。当日はイラン在住のセタール奏者、北川修一氏をゲストにお迎えします」というイベント。これはもう行くしかないイベントです!

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(真ん中写真、3人が演奏している楽器が「ダフ」。円形の木枠にプラスチックあるいは皮を張った片面タイコ/上左がトンバク/弦楽器のタール、タンブールとのセッション、ヴォーカルもあり、堪能!/会場はイラン料理店。やさしい味の煮込み料理や好物のひよこ豆ペースト・モホス、ザクロジュースとワインのカクテルなども食にも満足)

イランのパーカッション、こんなにたっぷりじっくり聴いたのは初めて。そして、その豊穣の音世界に感動しました。

* ダフ *
いわゆるフレームドラムの一種。直径60センチから70センチほどの円形の木枠にプラスチックあるいは皮を張った片面タイコ。両手の手のひらで支えながら叩いて音を出す。枠の裏には無数の金属製の輪がつけられており、縦に振ることでジャラッという金属音を出すことができる。同系統の打楽器は世界各地に存在し、タンバリンなどはその最も有名なものとしてあげられる。
ダフは音楽演奏というより、もともと地方の神秘主義的な集会や儀式の為に使用される楽器で、ゼクルと呼ばれる詠唱とともに特定のリズムを打ち鳴らすためのもので、他の楽器が絡むことはなかった。ダフ奏者がイラン音楽のアンサンブルに参加するようになったのはごく近年の革命後になってから。革命後のイラン伝統音楽シーンは、ダフの参加により大きく変化。イラン伝統音楽はこれまでになかったグルーヴ感やスピード感を持たせることに成功した。
(「iran japanese radio」のHPより引用)

奏者の方々のトーク&映像にも引込まれました。各人がイラン音楽に関わるようになったきっかけやエピソードが、写真や音像を通して紹介されます。イラン音楽や楽器への敬意がベースに感じられ、その魅力を伝えたいという熱い想いが伝わってきました。こういう想いに感応するんですよね。イラン、相変わらず驚かせてくれる。芸術の国ですね。


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「誰も知らないイランの絵本展」など、気になるタイトルが魅力的なsalamx2さん。今回は「小さな部屋の絵本展」。どのくらい小さいかというと、「ギャラリー」の高さが1m。定員1名。こちらも行くしかないでしょう。

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(種を明かせば階段下のスペース利用ギャラリー。湯島の輸入雑貨店「NICO」内/大人になっても秘密の小部屋みたいな空間はみんな結構好き。靴を脱いで順番に入ってゆっくり絵本と戯れました。待ち時間の人はaikoさんとチャイを飲みながらのおしゃべり!)

「小さな小さな空間で今回展示するのは、初版が2000年までのイランの絵本たち。最近の絵本には見られないようなユニークかつ「濃い」表現の絵本が並ぶ予定です。革命(1979年)以前のもありますからね。どうぞお楽しみに!」(「salamx2の雑談」)。

aikoさん、コレクション持ってますね〜。さすが。なかなか見られないものを見せて頂きました。個人的には、薄いペラペラの紙質のささやかな絵本に惹かれます。


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この秋は、展覧会も充実、イベントや映画祭が多く、いい作品やモノとの出会いがたくさんありました。冬に入っても、展示会やイベントが多数。ネット等を通して情報に触れやすくなったことも一因でしょうね。いつどこに行こうか、迷ってしまうほどです。

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こちらは絨毯・キリム・テキスタイル系の展示。左半分がtribeさんの展示で見つけたウズベクもの。ブーツやスザニ、アトラス。ミラーワークのブーツがかわいい。履きこなされている古いものですが、愛らしさで鮮度感抜群。
右半分は、kannotextileさんの展示。こちらは夏の展示の写真なのですが、左とテイストを合わせてみました。ラカイ族(独自の刺繍で有名)のカラフルなブーツが目を引きます。

ウズベキスタンの伝統的な絣アトラスやアドラスによるモノづくりに取組むカンノさん。スキッとしながら主張のある衣服たち。センスの良さと確かな技術。このような若い層の登場が本当にうれしいです。
夏の旅で出会った布で作った衣服、現地からのバッグや小物、スザニなどを展示販売する「果て無き大陸と巡り廻る布」、現在川口市にて開催中(23日まで)。


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思うところあって、青のfacebookページを始めました。正確に言えば、2011年2月1日にちょこっと投稿して以来、放置していたページ。再開のきっかけは、週明けに判明した選挙結果。青をまじめにやろう、、、この思考回路、ヘンですが、自分のできることをコツコツしていかなくては、それって何?? タイルや陶器や青へとグルグル回ってきました。ヘンですが、やっていきます。

「青の陶器とタイル好き * blue ceramic museum」というそのまんまのページ名です。ご興味もって頂ける方は、どうぞごらんください。
facebookは、テーマを青に絞っての短い1トピック(1枚の写真と短いコメント)でデイリー(平日?)。内容は、<西・中央アジアの青の陶器とタイル><日本の陶芸><世界の青の工芸、染織、光景>予定。
ブログはやや長めで、装飾タイルやテキスタイル、イベントから日々の思いまでいろいろ。週1回更新(めざしてます)。

そんなこともあり、青の本なども紹介していこうかと、本をスキャン始めました。Amazonのリンクでももちろんいいのですが、表紙写真も大きいとやはりインパクトあります。
最近はネットばかりで本を見なくなっていたので、本を重く感じました。重いんですよね、この系統の本。それがキツくなってきてますが、久々に見るとなんか愛おしいですね。汚れ具合も。いくつかのコラージュをご紹介。

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(私の大事な大事なテキスト2冊。それぞれに特徴があり写真も美しい/「the art of the islamic tile」/「colour and symbolism in islamic architecture」)


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(青について詳細に書かれている(はず)、読み込んでいないです、、「and diverse are their hues color in islamic art and culture」/イスラム建築や装飾の草創期、魅力にあふれる時代、「islamic art and architecture 650-1250」)


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(アイユーブ朝シリアの陶器、青が魅力の表紙、「raqqa revisited ceramics of ayyubid syria」/表紙はシャーヒズインダの浮彫りタイルですね。美しい写真とともに技法やモチーフ、事例などについて詳細な解説。「splenders of islam」)


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(表紙がきれいなトルコタイル中心の2冊。ソフトカバーで軽め。写真中心/「turkish tile and ceramic art」/「islamic tiles」)


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(青の表紙の本を元々スキャン予定だったので惜しいと思って裏も取りました。裏表紙がすっごい青のタイル!セルジューク朝からベイリク朝のアナトリアのタイル。読もうと思っていてまだ全然です、、ネットに走ってます、完全に、、/「tiles treasures of anatorian soil tiles of the seljuk and beylik periods」)

この他もスキャンしたのですが、今回はこのくらいにしておきますね。facebookの方でもじょじょにご紹介予定☆♪
by orientlibrary | 2012-12-21 22:08 | 中央ユーラシア暮らしと工芸