イスラムアート紀行

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中央アジア人・アトラスと駆けるウズベキスタン

秋は展覧会、展示会、イベントが、いつもにも増して多い時期。個人的には、土寄りの時間が多いのですが、写真がないこともあり、今回もアトランダムな内容。後半は、「中央アジア人・1 〜アトラスと駆けるウズベキスタン 川端良子さん(東京農工大学)」です!

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まず、青のFBよりサマリー少々。
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(ティラカリ・マドラサ(サマルカンド)〜宇宙のようなカリグラフィーと幾何学模様/ホジェ・アハマド・ヤサヴィー廟(トルケスタン)〜彩釉レンガとタイルを駆使した壮麗な装飾/シャーヒ・ズィンダ(サマルカンド)〜幾何学模様を立体化)

釉薬クラス。知らなくてはと義務感のような気持ちで始めたのですが、意外なことに釉の調合にハマってます。無謀なチャレンジをサポートしてくれる白金陶芸教室さんに感謝しつつ、今回もオリジナル青に向けて走ってます♪
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(青系調合テストピース/基礎釉作り/トルコ青釉調合/この青が憧れ)

インドの布を紹介しているkocariさん。明るい色使い、斬新な色の組合せ、美しい手仕事のカンタや刺繍が女性に人気。
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(西早稲田の民家ギャラリー。きれいな手仕事とチャイでなごませていただきました)

中央アジアのテキスタイルや工芸を紹介するカンノ・テキスタイル。滝野川の展示。スザニやキリムバッグも。
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(左段3点=カンノ・テキスタイル/中〜右の4点。ウズベキスタンの絣布アトラス、アドラスで作られた小物類=テディベア、捻り香合、ネクタイアなど、2012年のハンディクラフトコンテスト入賞作品、現地での製品化第1弾。ウズベキスタンでの販売がスタート! 〜写真はコカリさん、カンノ氏空間にて〜)

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<中央アジア人・1 >
「アトラスと駆けるウズベキスタン」川端良子さん(東京農工大学)


ウズベキスタン、キルギス、カザフスタンなど、中央アジアを駆け巡るひと。数十キロの荷物、スーツケース2個持ちでもニコニコ。中央アジアメニューなど、おいしい料理を手早く作る料理上手でもあります。ウズベキスタンでのアトラスプロジェクトも興味深いステージに。聞いてみたいこと、たくさん。

(* 夏のインタビューからタイムラグがあるため、少々補足している点があります。また録音はしていますが、このまとめは取材時の入力を基にしています。細部のニュアンスが多少違う点があるかもしれません。この点、ご了解ください。)

まず、東京農工大のウズベキスタンプロジェクト。趣旨、経緯、現状など、詳細はこちらに。

<参考:フェルガナプロジェクト>=JICA の草の根支援プロジェクト。ウズベキスタン共和国の国立養蚕研究所、ビジネスウーマン協会と協力し、フェルガナ地域農民を対象に、養蚕を主体とした農家副業技術の改良・向上に向けた普及活動をおこなう。生産物の販売モデルを確立し、ウズベキスタン国内の養蚕地域において活動発展と高品質蚕糸の安定生産につなげることを目指す。

<参考:ウルゲンチプロジェクト>=2013年3月より新プロジェクト。「ウズベキスタン共和国シルクロード蚕業復興計画−辺境農村における副業収入向上のための技術移転モデルの確立−」を開始。

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—— アトラスプロジェクト、いまの様子を教えてください。
この秋、ヒバ市イチャンカラ市場に外国人向けの販売拠点を作る予定です。目的はお土産物としてアトラス商品を定着させること。サマルカンドやタシケントには、いろんな店ができていて、品質も向上しています。ヒバはまだ入る余地があります。世界遺産なので外人観光客も来ます。女性の自立化とアトラスの普及をめざしています。

—— 今後、ハンディクラフトコンテストの優秀作品が販売されるのですか。
地元の人を雇用し、日本の皆さんのアイデアであるコンテストの優秀作品などを販売します。プロジェクト開始以降、ウズベキスタン側のアイデアで作られたアトラスのシュシュやポーチは、日本国内でも販売しており好評です。メインの市場はあくまでウズベキスタンだと考えていますが、日本でも売れる商品だということは自信になります。農村の女性は日本や日本人を知っていて、いまだに「おしん」と言われるんですよ。日本に悪い印象はないですね。

—— 風土や慣習も違いますし、いろいろと大変なこともありそうです。
ビジョンは長期です。このプロジェクトで終わるつもりはない。成果を出したい。私の専門は環境問題ですが、その分野のプロジェクトは現実的になかなか難しい。農工大は養蚕研究の長い歴史があり、養蚕復興はウズベキスタン政府の意向とも重なりました。双方に良かったと思います。

—— やりがいがありますね!
目に見えて成果が出ていることは喜びです。農家の人が喜んでいること、同じ労力でも日本の繭を買うと収量が増し、収入も増える。基本はカイコの品種です。ウズベキスタンは旧ソ連だったので日本品種が行っていなかった。品質を良くして、製糸会社に働きかけています。そしてプロジェクト拠点は、フェルガナからウルゲンチに移動しました。フェルガナでの成功を点から面にしていかなくてはなりません。フェルガナには養蚕の伝統がありましたが、養蚕が気候条件的に困難と言われているウルゲンチで成功したいのです。ウズベキスタンの西と東の端で成功することは、全土での展開に重要だと考えます。ウズベキスタンでは、ロシアなどに出稼ぎに行く男性が少なくありません。シルクの製品化と販売を通して、副業による収入向上につなげたい。

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—— 中央アジアとの縁、どのようなきっかけだったのですか。
専門は、中央アジアの環境問題、水質と土、養蚕です。京大大学院時代はアラル海の水質をやっていました。中央アジアの環境問題で、理系の博士号は初めて。足抜けはできません。元々、NHKのシルクロード番組が好きでした。民族学者である片倉もとこさんの『アラビアノート』などの著書や辺境をフィールドワークする生き方にも影響を受けました。青池保子さんのロシアを題材とする漫画にも魅せられていました。いろいろなことが重なっていますね。

—— 中央アジア、ウズベキスタンと日本、ここがいちばん違うという点は。
計画的に動く日本人と、前もって準備しない傾向のあるウズベキスタン。でも、ギリギリに帳尻を合わせるのがすごいです。

—— 中央アジア、ウズベキスタンの、ここが好きと思うことは。
人情味がある。ウズベキスタンの人は親切。日本人が失いつつあるものがあると思う。お役所仕事は腹が立つけど地方は親切。最初にカザフに行ったとき、田舎に行くとものがないので、カップ麺とか食べていました。そんなとき、村長が羊をふるまってくれました。ゴミ箱に落ちていた箱、そこに日本語が書いてあったのですが、それを拾って飾り棚に飾ってくれたこともありました。

—— 中央アジアでの最高の時間は。
真っ平な地平線に沈む太陽。自然の大きさを肌で感じます。中央アジアの自然は本当に魅力があります。

—— 中央アジア、ウズベキスタンでおすすめの食べ物は。
ナンが一番好きですね。窯で焼くナン、焼きたてのナンほどおいしいものはない。とくにタシケントの安いナン、卵が入っていない薄いナンがいい。フェルガナのナン、ピザパイ、ラグマン、カザフのロシアパンもおいしい。メロン、ドライフルーツなど、果物ははずせません。タシケントには各国の料理店がいろいろあります。現地のチェコビールはおいしいですよ。グルジア料理も安くておいしいです。

—— お気に入りの場所は。
ヒバは好き。いまは都会になっていますが、こじんまりとして観光しやすい。時期は5月か9月ですね。

<追記> 2013年10月よりヒバのイチャンカラにてテスト販売開始。タシケントのいくつかのショップでもコンテスト作品第1弾商品の取り扱いが始まっています。ウズに行かれた折には、お土産にどうぞ!

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川端さん、どうもありがとうございました!これからも中央アジアパワー、分けてくださいね〜!

アトラス製品、日本での展開も楽しみです。いつもウズベキスタンでお土産選びに苦労しているので、興味津々。川端さんおすすめのヒバ、私もホレズムのタイルとやきものを巡る旅をしたいのに、好適な9月も10月も行けずじまい。冬は極寒、夏は極暑。いつ行けるだろう。ご縁を待ちます。
by orientlibrary | 2013-10-15 00:26 | 中央アジア人

ティムール朝時代の陶器 染付への憧れと中央アジアのおおらかな美

ウズベキスタン陶器、18〜20世紀、14〜16世紀、9〜12世紀、、どれも簡単には書けないです。そう言っていたら何も進まないので、ティムール朝時代のごく一部のみの今回。文章は、いくつかの資料より、抜き書き、あるいは要旨抜粋です。自分でまとめる力はまだなし(悲)。いつか自分の言葉で書きたい!

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(皿/牡丹模様/15世紀/ウルグベクマドラサ、サマルカンド、ウズベキスタン/『ARTISTIC CERAMICS OF UZBEKISTAN』より引用)

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「中央アジアのイスラーム陶器と中国陶磁器 序章」(杉村棟さん/『シルクロード学研究7 (1999)』 より

「中央アジアにおけるティムール時代の建築遺構と装飾タイル」、今も何度も読み返している杉村棟先生の論文。掲載されているのは『シルクロード学研究7 中央アジアのイスラーム陶器と中国陶磁器』。この資料集を奈良で見つけたときは狂喜しました。その発行から十数年経ち、海外や日本での中央アジア陶器研究もきっと進んでいるでしょう。今後、資料見つけていきます。

<概論>
・ 中央アジアにおけるティムール支配時代の工芸品は、建築遺構や写本挿絵に比較して現存資料が少ない。 北米を中心に過去(1999年の論文)10年ほどの間に北米を中心にした研究者たちによりティムール朝時代の文化の再評価が行われ、まず建築に関する総合的な研究成果が発表された。史書や研究も活発になり、ティムール朝美術工芸の展覧会も開催されるに至った

・ ユーラシア間の文化交流は、近世大航海時代に活発化した。陶磁器類は海上ルートにより大量に運ばれるようになった。 当時中央アジアと明の間の交易が陸路を通じて行われていたことは明らかにされているが、内陸の中央アジアで発見されている陶磁器が陸路からもたらされたものか海路からか定かではない

・ 中国とイスラーム世界の陶磁器が相互に刺激を与え合って発展を遂げてきたことは言うまでもないが、その顕著な例が、14世紀のモンゴル支配時代以降、盛んにイスラーム諸国に輸入された中国の青磁や青花磁器で、これを契機として一種の中国趣味をイスラーム世界の支配者層の間に引き起こしたのである
・ 白地にコバルトの青で施文したローカル性の強い釉下彩陶器が各地で盛んに製作され、こうした状況は、15世紀ペルシアの写本挿絵に青花風の陶磁器が盛んに描写されていたことによって立証されている

・ 中央アジアにおけるイスラーム期の遺跡の調査と研究については、少なくともソ連時代には数例を除いて西側にほとんど紹介されなかった。 15世紀の東方イスラーム世界の陶器の技法と装飾様式に関する研究は、イラン、トルコ、アラブ諸国等地域的に偏ったものとなり、中央アジアを含めた総合的研究がおこなわれていないのが現状である

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(皿/15世紀/サマルカンド、ウズベキスタン/『ARTISTIC CERAMICS OF UZBEKISTAN』より引用)

<ティムール時代の陶器>
・ 東方イスラーム世界の15—16世紀の陶器に関しては、中央アジアのサマルカンドやシャルリサブスの遺構に見られる通り、タイルが突出して発達した事実があるにも関わらず、陶器の現存資料がきわめて少なく、それがこの分野の研究の顕著は遅れの一因になっていた

・ 欧米ではイランの15世紀の陶器の研究、とくに中国の青花磁器の影響を被った白釉青彩陶器などの研究が進められており、ティムール帝国(中央アジア、イラン、トルコ、アラブ諸国の一部)全体に共通した「国際的なスタイル」の存在が明らかにされている

・ このタイプは、トルクメニスタンなどにおいて出土例が若干あるが、中央アジア、主にウズベキスタン(サマルカンド、ブハラ、タシケント)やカザフスタン(オトラル)を中心にしたローカル性の強い「地方的スタイル」が存在したことが確認された

<中国陶磁器に関する調査研究>
・ イラクのサーマッラ、イラン北東部のニシャプール、シリアのハマ、トルコのイズニック等、イスラーム世界各地から、唐・五代の白磁、青磁、元・明の青磁、青花磁器など各時代に陸路と海路によってもたらされた中国陶磁器が出土しているように、それが中東各地の支配者層に珍重され、陶工に大きな影響を与えてことはすでに知られている通りである

・ 中国の陶磁器が中東のみならず中央アジアにも達していたことは、1988年から10年計画でおこなわれた調査によって中央アジア各地の博物館に中国陶磁器及びその断片が収蔵されている事実が確認された

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(鉢、陶器、緑黒色で魚を青釉に下絵付け/イラン、ソルタニエまたはカシャーン/13世紀/見込みは左回りの魚が底部に向かう。鋸歯状のボーダー。側面は一つの大胆な植物モチーフ。魚は豊穣と良き未来のシンボル/『UZBEKISTAN』より引用)

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(左:染付魚藻文輪花盤/中国清時代/『トプカプ宮殿秘蔵東洋陶磁の至宝展』より) *右:皿/リシタン/1990年代/魚藻文 *リシタンで今も見る「双魚と藻」。中国の典型例写真がなくトプカプの清時代のもの。いかにも中国の文様がリシタンに?長く疑問だった。ウズベキスタン東部の陶芸の町リシタン、伝統の継承の証だろうか)

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(同じくリシタンの皿と鉢。左は1990年代、右は2010年代/西のイスラーム世界とも中国染付とも異なる東方イスラーム世界のテイストを感じる)

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(リシタン、2010年代/リシタンでは魚のモチーフが多い。多彩で自由にのびのび製作されている印象。魚と唐辛子やアーモンドが一体になったようなデザインも見かける。清らかな水に棲む魚は清浄と平和の象徴と聞いたことがある)

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「中央アジア美術の至宝」(アクバル・ハキモフ/ウズベキスタン芸術研究所所長/『偉大なるシルクロードの遺産』より)

<ティムール時代の陶磁器>
・ 14、15世紀になり、ようやく国土を再建し、巨大な帝国を築きあげたアミール・ティムールが政治の舞台に踊り出たとき、中央アジアの民衆は再び創作活動を始めた
・ それは、都市建設、建築、芸術、文芸、工芸が勃興した時代として特筆される
・ 肖像画、精巧な織物、豪華な刺繍、鋳造容器、武器、宝石などの手工芸も繁栄した

・ 陶器制作においては、白地にコバルト絵具を用いて自由奔放な絵を染め付けた中国の陶磁器の影響を受けてまったく新しいスタイルが形成された
・ 中央アジアの職人により制作された陶器はカシナと呼ばれる土着の陶土を素材として、ブハラ、シャフリサブス、ウルゲンチなどで制作されたが、その中心はサマルカンドであった

・ サマルカンドの碧青釉鉢はティムール朝陶器を代表するものであるが、輸入陶器の装飾方式を複製することから脱却し、独自の文様を探求した段階に相当した
・ 施釉陶器を制作した職人はティムール朝期の建築物に広く用いられた建築用装飾タイルの制作にも携わっていた

・ 14〜15世紀の工芸美術の発展は現地の職人と中東の職人の技に負うところが大きかった。この時期の装飾文様は絶妙の域に達していた
・ 陶器では多彩陶が残り続けるとともに、青地、もしくは白地の器面に黒色で画を描く、色調を押さえた単彩画も用いられた
・ 植物文と文字文を持つすべての模様構成は、驚くほど見事に器形とその分割に従っている。器面にはりめぐらされた幾何文、縁、縞模様は、バランスを保ちながら、連続した動きを見せている

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(タシケントのティムール博物館。ティムール朝時代陶器断片。中国染付に憧れながらも、伸びやかで自由な中央アジアのスタイルを感じる)

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(同じくティムール博物館。中国の実物も展示。陶器好きには熱狂の内容。ガイドブックでも個人の旅レポートでもほとんど紹介されないのはなぜだろう。陶器は一時的な展示だったのかもしれない?)

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(ティムール博物館。15世紀。東西が入り交じった印象。白地に青が美しく、とても素敵ではないですか!?)

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(ティムール博物館。1996年建設とのこと。青いドームの外観はお札にも描かれている。写真は1階。豪華と言われるこのキラキラの内装で、展示が誤解されているような気がする)

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「like porcelain : fourteenth to sixteenth century ceramics from Uzbekistan」(Gisela Helmecke/磁器のように:14世紀から16世紀のウズベキスタンの陶芸)/『UZBEKISTAN』)は、さすがに長くなるので、次の機会にします。

「多治見・瀬戸 陶芸とタイルに出会う旅」に出かけます。しっかりしたレポートを書けるようにお話聞いてきます。
by orientlibrary | 2013-08-24 00:43 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

ウズベキスタン・18世紀から20世紀の陶芸の味わい

猛暑でバテていたわけではないのですが、時間が経つのが速いです。タイルのデザインや幾何学模様の6、8の形で圧倒された後、気がつけばお盆。静かなこの時期、読まねば!と思っていたウズベキスタンのやきものの資料を読んでみました。
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(ウズベキスタン陶芸についての本や写真集。今回参考にしたのは右下の『UZBEKISTAN』。下真ん中の『ARCHITECTUAL CERAMICS OF UZBEKISTAN』『ARTISTIC CERAMICS OF UZBEKISTAN』は未読。たぶん宝の山。時間かかります、、)

S先生から「ちゃんと役立てるなら」という条件でいただいた(実質はS先生の研究室で発見、抱えて離さなかった絶版本)『UZBEKISTAN』(THAMES AND HUDSON)。古代から現代までのトルケルタン(ウズベキスタン)の工芸〜染織、金属加工、陶芸等について研究者の論文+豊富な写真がすばらしく、充実した内容。

陶芸については、次の3つのパートがあります。
1:「ceramics from the ninth to the twelfth century」(Johannes Kalter/9世紀から12世紀の陶芸)
2:「like porcelain : fourteenth to sixteenth century ceramics from Uzbekistan」(Gisela Helmecke/磁器のように:14世紀から16世紀のウズベキスタンの陶芸)
3:「ceramics of the eighteenth to twentith century」(Johannes Kalter/18世紀から20世紀の陶芸)。

ウズベキスタンの陶芸について、9〜12世紀とティムール朝が繁栄した中世については、わりと資料を見つけることができます。わからなかったのは近代。ソ連からの独立後については、少ないけれどもなにがしかの情報があるけれど、その「間」がわからなかった。ブハラ・ハン国、ヒヴァ・ハン国、コーカンド・ハン国の3つのハン国時代後期からロシア帝国支配下、ソ連邦時代の陶芸。

結論から言うと、読んでもまだストンとはわからない。ウズベキスタン陶芸の基本的な理解が自分に足りないのだと思います。けれども、近世のウズ陶芸もまた、独自のすばらしい発展を遂げていたようです。

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(リシタンのウスマノフ工房プライベートミュージアム展示作品)

そして写真などをあらためて見直して、、私は本当にウズベキスタン陶芸が好きだ!と叫びたい気持ちになりました。

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(リシタンのウスマノフ工房プライベートミュージアム展示作品)

細密で繊細な絵付け、味わいのある土もの、好きな陶芸作品は多いですが、ウズ近世、1800年代、苦難のソ連時代、独立後伝統復興に苦労のあった時期、その後の隆盛。いろんなレベルのものがあったでしょうけれど、いいものも多い!独特の味があります。土の味、手の味、素朴でイキイキしたかわいらしさ。とても好きな世界です。

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「ceramics of the eighteenth to twentith century」

「ceramics of the eighteenth to twentith century」(Johannes Kalter/18世紀から20世紀の陶芸)の概略は下記のようなものです。

* 概要は箇条書きです。しっかりと正確に和訳していませんので、この点をご理解下さい。あくまでご参考のためのレベルです。
* 手持ちの写真(リシタンの工房附属プライベートミュージアム、ウズベキスタン内博物館等)+書籍内の写真で補足します。

・ 陶芸に必要な資源に恵まれたトルケスタンでは、陶芸が非常に成熟しており、鉢、皿、杯等、多くの量が生産されてきた。図案はアラブの影響を受けている。
・ 裕福な人たち地元産の茶碗を使わず、中国からの輸入ものか、磁器風のものを使用したが、これらは非常に高価で地元産の25倍もした。

・ 18世紀から20世紀の陶芸は、4つの代表的なスタイルに分けられる。
* 第1のスタイルは、地元固有のモチーフによる純粋にウズベキスタンらしいもの。いにしえの美が素晴らしいものがある
* 第2のスタイルは、中国的なもの。あるいは中国とウズベキスタンを一体化、融合したもの
* 第3のスタイルは、(筆者の私感だが)オスマン朝の美意識の影響を受けたもの。キュタヘヤと並行して作られたかのように見えるもの
* 第4のスタイルは、ペルシア様式の影響を受けたもの

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(『UZBEKISTAN』より引用)〜
〜(左上)皿/リシタン/18〜19世紀/施釉、下絵付けのティーポット、脇に護符と推定されるナイフの図柄  
(右上5点)茶碗と皿/ターコイズ青とコバルト青で下絵付け/左の皿はトルケスタンで発展したこの地独自の様式/右の皿は、中国の影響を強く受けている/中央のものはイランからの感化に由来する軽やかな植物文様/18〜19世紀/リシタンか?/The Museum Fur Islamic Kunst in Berlin 
(左下) 皿/白のスリップ(泥漿)の上に下絵付け染付。15世紀のデザインを踏襲しているが、釉薬のグレーの色合いが、この皿が15世紀以降のものであることを示している/17〜18世紀/ブハラ博物館|皿/下絵陶器/絵付けの様式は明時の中国の染付磁器と関連している。ただし、ギリシア十字で4分割するスタイルはトルケスタン独自のものである/リシタン/18〜19世紀/The Museum Fur Islamic Kunst in Berlin  
(右下)茶碗とボウル/白のスリップ(泥漿)の上に下絵付け/高台内に中国の印を似せたものがある。富裕層は好んで中国磁器を使用した。トルケスタンの陶芸家たちは中国が輸出した磁器を正確に真似た作品を作った/リシタン/18〜19世紀/The Museum Fur Islamic Kunst in Berlin | 皿/白のスリップ(泥漿)の上にコバルト青とマンガン茶で透明釉に下絵付け/泉を分割するスタイルはティムール朝に遡る/サマルカンドか?/18〜19世紀/The Museum Fur Islamic Kunst in Berlin)

・ (以下、写真を例示しつつ) 地場産陶器を中国の陶磁器のレベルにまで高めようとする。これに似た試みは、サファヴィー朝イランでもおこなわれた。中国様式と共通する植物文様、中国の印を模した高台内は進歩的な様式だった
・ 最も成功した例は、茶碗内部底面にギリシア十字(クリアブルーの地に白い十字)が中央アジアが起源であることが明らかである皿である。18世紀後半から19世紀前半のものと思われる。
・ すばらしい染付の器は、主にフェルガナ盆地のリシタンで生産された。皿はコバルト青、トルコ青、黄土色で絵付けされ、緑の縁には中国と中央アジアの要素がある
・ 異質なものは、内部底面のチェックボードのパターン、S字形の留め金のボーダーの皿に顕著だ。1縁は、菊の花を表し、中国にインスピレーションを受けた幾何学文様とともに小さな円形模様と交互にある
・ 純粋な中央アジアの伝統は、ギリシア十字、円花飾り、縁は斜線の菱形の皿だ
・ トルケスタンの伝統は、おそらく三日月形の刀がティーポットに寄り添うように描かれた皿の上に、最もすばらしく表現されている。ティーポットは、もてなしの象徴と推測され、三日月形の刀は権力と力を表している。大きなサイズは、かつて宴会で使われたことを示唆する。リシタンで作られたものと思われる
・ バラ水の瓶と水差しは双方とも、肩の部分に大胆な唐草文が渦巻く。サマルカンド産のものであろう
・ サマルカンドやヒヴァで作られた多彩彩色陶器は、主に、黄色、赤、茶、緑、白の花が描かれている。ヨーロッパの農民芸術を連想させる
・ 白地の水差しは、水玉と縞模様が首部分にあり、持ち手と注ぎ口に簡素な円花模様があるものは、キュタヘヤをモデルにしたものと思われる。これらの多くはブハラで作られた
・ 繊細で軽やかな樹木が絵付けされた小皿はイラン様式の影響があり、たぶんリシタンのものだろう

・ イスラム世界のすべての隣国とは異なり、トルケスタンは、ティムール朝とそれ以降とが明確に定義されるすばらしい個性を持つ。そして18世紀から19世紀に輝かしい成熟に達した

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(リシタンのウスマノフ工房プライベートミュージアム展示作品)

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(大崎・所澤コレクションより。1990年代のリシタン陶器)

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「中央アジア美術の至宝(陶芸)」

「中央アジア美術の至宝(陶芸)」(アクバル・ハキモフ ウズベキスタン芸術研究所所長/『偉大なるシルクロードの遺産』展カタログ)にも、少しですが説明があります。(以下、箇条書き)

・17後半〜19世紀初頭、ブハラハン国、ヒワハン国、コーカンドハン国が形成されたが先行する時代の芸術水準には至らなかった。孤立状態は閉鎖性を高め地方性の強さを増大させた。細密画は停滞し建築技術は下降した。工芸のみが発展した。伝統的手法と技術を基礎としつつ、陶器の他、木、骨、石を素材とした工芸など。

・ 18-19世紀には各地に施釉陶芸の主要な流派が形成された
* リシタン、グルムサラエなどを中心とする碧青釉陶のフェルガナ流派(タジキスタンのホージェント、カニバダム、チュルク、ウラチュベも含まれる)
* キジュドゥヴァン、ウバ、ブハラ、ウルゲンチ、サマルカンド、シャフリサブス、キタブ、デナウを中心とする黄釉陶のブハラ・サマルカンド流派
* ヒワ、カッタバグ、ハナカ村を中心とする碧青釉陶のホラズム流派
・ これらの流派はその伝統を20世紀まで残したが、その後秘伝の多くが失われた

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(コーカンド博物館展示品)

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(フェルガナ博物館展示品)

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『UZBEKISTAN』の陶芸パートの中で、内容的には、「like porclain: fourteenth to sixteenth century ceramics from Uzbekistan」(Gisela Helmecke/磁器のように:14世紀から16世紀のウズベキスタンの陶芸)が、非常に興味深かった。これまでも多少読んでいましたが、中国磁器のインパクト、影響の大きさを、リアルに感じました。とくに模様の解説が興味深かった。内容については、またの機会に紹介します。

またしても写真をたくさん準備してしまったので、、こちらもテーマを変えるか、続編としてご紹介します。「8」写真も出番を待ってます。
夏は陶芸のお勉強!今月下旬には、日本一暑い町の座を四万十に(一時的に)譲った多治見に行きます。炎の41℃台でしょうか!?こちらもたぶんいろんなご報告ができると思います!♪
by orientlibrary | 2013-08-15 15:10 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

土祭展覧会/ほんとの水/リシタンの青い魚たち

渋谷に土を。益子の土・森・祭の情景を伝える展覧会「土祭」が渋谷ヒカリエ8階でスタート(6月10日まで)。栃木県益子町「アース・アート・フェスタ土祭」の世界観をベースに「土」「森」「人と祭」の情景を伝えるもの。

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(デジカメ忘れたのでiPadmini写真です/土オブジェ。アートな急須たち。閑かな色合いのやさしい益子泥だんごが生る樹。益子の森とさえずり)

「益子の土の豊かな表情、窯出しの時に生まれたばかりの器が奏でる澄んだ音、里から分け入る深い森の静謐な空気」。思い切った会場構成。そぎ落とした情報の精度と強さ。勉強になります。

土祭(ヒジサイ)」(リンクは音が出ます。自然の音なので気もちいいですが、仕事中の方はご注意を)。今年は行きたい。いや行こう。

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『民俗と民藝』(前田英樹著/講談社選書メチエ)。民俗学の柳田國男と民藝運動の柳宗悦。「それらを生み出し、成長させた土壌はひとつのものだ」との認識のもと、「二人の仕事をして輪唱のように歌わせたい」という願望から書かれた本。新聞書評で知りました。そして、そこには最終章の河井寛次郎の言葉が「土壌」の核心であると記されていました。

陶芸素人の私、民藝運動の頃の作家作品も多少見る機会を持ってきましたが、この頃感じるのは、どうも私は河井寛次郎作品が好きなようだ、ということ。

著者は河井寛次郎の文集『火の誓ひ』の短章に「感嘆するほか言葉もない」と書きます。「”民藝”というものが、おのずから止めどなく産まれるのに必要な社会の情勢、人と自然の結びつき、暮らしの仕組みと道徳、そして何よりも底知れない信仰の土台が、活き活きと、心の眼に映し出すように描かれている」。

寛次郎さんの郷里、出雲安岐の町での少年時代。明治中期の山陰の小さい町の暮らし。「陶と農とか分かれていない暮し」。『六十年前の今』のなかの「ほんとの水」のくだりは、ゾクゾクするくらいに瑞々しい。一部のみですが引用。

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(写真は多治見市之倉町)

「子供達はここで初めてほんとの水を見た様な思ひがした。井戸の水や海の水や川の水とちがって、ここの水はずっときれいで、生きていた、動いていた、光っていた、ものを言っていた。そしてありとあらゆる物の形の本質ー連続する変化の形態を、ここは子供達に見させた。そしてこれがまぎれもない水の気質であり、体温であるとでも思われるものをじかに彼等のからだに書き込まれた」

本全体も読まなくては。

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暑くなって、そして梅雨入り。水つながりで?ウズベキスタンの青の魚たちをご紹介!

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(2012年夏、リシタンのアリシェル工房にて)

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(同。白地が涼しげ。新しいデザインの傾向のようだ)

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(同。のびのびと描いているところが好き。素焼き後、白化粧土をかけ乾燥させた魚皿、鉛筆でササッと下書き。イメージができているのか迷いがない。絵付けも集中しつつスピード感がある。若い職人さんは今どきの音楽でリズムをとったり、ときにはスマホで話も。でも集中度が高い。自由な絵柄はやはり魅力がある)

なぜ魚?ウズベキスタンには海がなく、魚といってもチョウザメの干物をみかけるくらい。雨も少なく水がとても貴重。水に棲む魚は清浄で幸福の象徴と聞きました。

青ですねえ。白とのバランス、緑系の青との組合せも個性。余白が多くなってきたこと、個人的好み。幾枚かの魚さんといっしょに帰って来たのですが、今のところしまったまま。夏に向けて出してみようかな。

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話は全然違うんですが、、 サウジアラビアであった出来事がネット等で話題になっています。「イケメンすぎて国外追放」。なにそれ!?

「事件」が起きたのは、サウジアラビアの首都リヤドで年に1回行われる「Jenadrivah Heritage & Cultural Festival」というイベント。このイベントにUAEも出展。が、サウジアラビアの宗教警察がUAEの出展者の男性3名を会場からだけでなく、国外へ強制退去したというのです。その理由が、、「3人があまりにハンサムなため、女性たちが魅力に感じ、夢中になってしまうのではないかと恐れた」。は〜!!??なにそれ!?大きなお世話だよっ!!と誰もが思うじゃないですか。

が、ネットの力おそろし。その「イケメンすぎる」という理由でサウジアラビアから国外退去させられた人が特定されて、逆に盛り上がってしまってます。

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(出典:いずれもkimasoku.doorblog.jpより)

UAE・ドバイのカメラマン兼モデルのOmar Borkan Al Galaさん。た、たしかに!、、、Omarさんのfacebookやtwitterにファンが殺到。国外退去は驚いたと思うけど、モデルでもあり、世界的に知名度が上がったことはよかったのでは?

あ、私がこの話題を載せた理由はですね、、これまでイケメンというような話題では欧米中心。中東メンズとかはあまり登場しなかったように思うんですよね。それがバリバリの民族衣装でスマイル。腕には鷹まで。経済力のあるところに話題が生まれる、ということもありそう。

この流れで、ハリウッドではなくボリウッド映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』について書こうと思っていましたが、長くなりすぎました。いつか機会があれば。キング、シャー・ルクさん、こちらもすごい!
by orientlibrary | 2013-05-30 00:53 | 日本のいいもの・光景

春のアトラス/アジアな手仕事/ウズフード

黄、赤、紫、色とりどりの花々、まだ少し肌寒いけど、春の明るさって、やっぱりいいな。というわけで、布も花咲きます!明るい色の布、ウズベキスタンの絣布「アトラス、アドラス」。

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(「シルクロードの贈り物」展示品より。サテンが入ったような光沢のあるもの。以前は引いていたけれど、最近はこういうのが好きになってきた。左下の白地系のアドラスの手触りもいいです。アドラスは日常使いできるのがいい。夏にサラッと着られそうです)

以前は、日本人には派手すぎ、実用には無理、と私も思っていました。でも、見る機会、触れる機会が増えるにつれて、だんだんこの明るく強い色合いに親しみを感じるようになりました。
いろんな経緯から、すでに相当な数のアトラス&アドラスを持っているにも関わらず、またどんどん増えています。こうなったら、ふだんも使いますよ〜!

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(同/モワレがきれい。光沢が魅力的。そして大きな文様。色!なかには日本の着物の柄のようなものも。きれいは世界をつなぐ)

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(同/色合わせがすごい。原色だけでなく、微妙な色を使って意外な組合せをしている。本当に魅力的な布)

ウズの青い陶器が止まらない時代を経て?、アトラスが止まらない?陶器は郵送の事情などもあり、止まってます。それが健全かも、、

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友人が骨董市で「これは昭和のものだから!」と強調されたと、複雑な顔。昭和って、すでに骨董?ま、それもまた良し。だって、こんなにいい感じですもん!

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(西早稲田の昭和な路地の一角にあるギャラリー。イベント時にはカフェも)

先日、西早稲田の「もくれんげ」という一軒家ギャラリーでの展示「彼方の手 此方の手 Vol3」に。アジアの藍染め衣料Ogさん、インドの刺繍などの手仕事Kocariさん、諸国アンティークFUCHISOさん。個性とセンスのゴールデントライアングルのような組合せ。「もくれんげ」さんも、昨秋一目惚れしたギャラリーです。

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(Ogのアジア服。陽射しが似合う。アジアの風を感じる時間。右下は「まかない」のランチ、いい感じなのでパチリ)

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(Kocariさんのラリーキルトは女性の憧れ。気持ちが華やぎます。ワクワク。お客さんたちも皆さん、ふんわりのいい笑顔)

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(FUCHISO。写真で伝えられないのが残念ですが、ディスプレー、素晴らしかった。さすがです。徹底したものが伝わってきました)

ついつい長居してしまった、心地いい展示会でした。ありがとうございました。

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冬のウズ旅、タシケントから少しずつ、と写真を準備していたのですが、なんか中途半端になりそうなので、今回はバザールやその周辺の食をご紹介したいと思います。

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(冬が過ぎ春になると野菜が出てくるウズ。バザールもフレッシュな色合いに。野菜のサモサ、食べたかった)

緑で爽やか!から、こちら不思議系!バザールの総菜売場、独特の陳列。にんじんサラダ山。積み上げますね〜。中央アジアのバザール、この積み上げ系が多いですが、いつ頃からこのような形式に?
疑問なのは、どうやって売っていくのかということ。下の方はどうなっているんでしょうか。売れていくと下に洗面器を置いて底上げするんでしょうか。謎です。

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(にんじん山のミニバージョンに挑戦しましたが、あえなく挫折。にんじんをこの量切るのは大変なことだと実感/馬の腸詰めと聞きましたが、、/麺と馬肉というウワサ/魚のフライらしい/ウズ名物クルタ。真ん丸だけでなくいろんな形があって楽しい。味は、、塩辛く酸っぱい/お醤油色のはよくわからない食べ物だった。タケノコを軟らかくしたような食感。謎。ウルグットのバザールで。地方の食べ物なのかなあ)

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(スーパーマーケットのレジに突然魚があってビックリした。干物よりもレアな感じ。チキンのオレンジ色もすごい/ノウルーズの定番スマック/飾りなのかドライなのか今も不明、リンゴ/これは食べる用のブドウと思われた/不思議なもの。不明/哀しい食事。肉類苦手な私、たまには温かいものを食べたいと。ラーメンは韓国製インスタント麺。これで15000スム。750円くらい。。。日本はすばらしい。外食もスーパーも何でもあるし、値段もこなれている)

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青のfacebook、「青の陶器とタイル好き * blue ceramic museum」よりサマリーです。

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(ウズの青い食器/イランの絵本の青/カシュガイ族の絨毯/カラーン・モスク(ブハラ)/ウルグベク・マドラサ(サマルカンド)/グール・アミール廟(サマルカンド))

更新が遅い上に、まとまらない内容ですが、このへんでアップします!

イランの地震、心配です。
by orientlibrary | 2013-04-16 23:37 | 絨緞/天幕/布/衣装

中央アジアの踊り、布、タイル、着こなし、料理

ブログ更新できず、、時間が経つのが早い!今回もまとまらない内容ですが、日々のことなどを。
まず、青のfacebook、「青の陶器とタイル好き * blue ceramic museum」よりサマリーです。↓ テキスタイルの青もピックアップしてみました。青のアトラスは友人から「初めて見た」「キレイ」と好評でした。青のスザニもいいねが多かったです。

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(左上より/「青の魅惑」展出展作品。ムハンマド・マフディ・アヌシュファル氏(イラン)/タブリーズ・ブルーモスク(イラン)/ミル・アラブ・マドラサ(ブハラ)/ウズベキスタンの刺繍布、青のスザニ/シャーヒ・ズィンダ(サマルカンド)/ウズベキスタンの絣布、青のアトラス)

↓ 以前、2月のウズ行きのところでご紹介した「ブハラで購入したかけら」(写真上段)。青のfacebookで調べてみました。やはりティムール博物館所蔵品(写真下段)の文様や構成との共通点を感じます。素朴な植物文様が愛らしい。青がイキイキしていると思います。

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↓ 音楽はもちろん、ダンスも、ユーラシア各地の個性ある表現や衣装に惹かれます。これまでなかなか見る機会がなかった中央アジアの民族舞踊ですが、先日、ウイグル、カザフ、ウズベク、キルギスのダンスが一堂に披露されました。木場でおこなわれた国際フェスティバルのプログラムのひとつ、「DANCES OF TURK 2013」。衣装も華やかでテンポも良く、とても楽しかった。「みんなで踊れそう感」があるところが、中央アジアダンスの魅力かも。

1月には、「中央アジアの音楽 チュルク・ミュージック・イン・トーキョー」が開催され、盛況。キテますね〜!

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(「DANCES OF TURK 2013」)

↓ 先日の、東京農工大「シルクロードからの贈り物」展でのイベント、「ウズベキスタンの布と旅」と題した講演会(菅野陽氏)、「ウズベキスタンの歌と踊り」(ANYAさん)も盛況でした。ウズベキスタンの布についてのレクチャーというのも珍しいと思います。現地の画像、バザールの映像を交え、臨場感のあるお話でした。

ダンスは、各地の踊りの披露のあと、手の動かし方など簡単な振付けを習い、みんなで体を動かします。その後音楽に合わせてダンス大会。振付けの後なので、恥ずかしがらずに前に出て踊る方が多く、楽しい雰囲気!ウズベキスタンからの留学生は、さすがに動きが違う。踊りの国の人ですね〜!

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↓ そんな日々のなか、折り込みチラシにも目が止まりました。
上段左:通販カタログの宣伝。全体に値ごろな商品のようです。こういうところにも「旬エスニックで夏美人」。柄が中央アジアっぽい。インドネシアとかアフリカともいえるけど、微妙に中央アジア感がある。こういうの多いですよね、このごろ。日本のファッションは無地が圧倒的ですが、こういう大胆柄も時々はいいかもしれません。

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上段中も、チラシか広告でした。どうして目に留まったかというと、、ヘッドスカーフとウエストスカーフ。これぞ中央アジアの得意分野じゃないですか!!ヘッドスカーフはこのごろ少し普及しているような気もしますが、ウエストスカーフはこれからでは!?この写真では、柄に柄を合わせてますね。いいですよ、これ。

上段右は、数年前のエルメスのカタログ。この頃からカジュアルなストール使いが増えてましたね。
で、下段は、本場中央アジアの着こなしです!さすがですね!カッコいいですよ。右のスザニドレス風のものにストライプのパンツ。帽子に大判のストール。最高です!

↓ そんな日々のなか、トルコ料理を習いに行きました。メニューが野菜だったので、これならと思い参加。4種類、どれも大正解。それぞれ美味しかった。一部、通販か新大久保あたりに買物要な材料もあるけど、それもまた楽しいかも。

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(メニューは、フェタチーズとパセリの春巻き風。ブルグルというクスクスみたいな材料を使うkisirというお料理。トマトペーストやチリ、レモンなどでスパイシー。好みでした。セロリとニンジンとクルミのサラダ。すりおろしニンニク入りのヨーグルトで合えます。デザートはゴマペーストとクルミのクッキー。サクサクでゴマの風味とクルミのカリカリ感がいい感じ)

教室といってもトルコ人のご自宅でアットホームな雰囲気。先生の子どもたちもいっしょに、チャイといっしょに、みんなでいただきました。

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最後になりましたが、今回のウズベキスタン行きのタイルを少々。全体で1700枚強の写真あります、、随時ご紹介したいと思います。

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(ブハラのマゴキアッタリモスク。このターコイズブルーのタイルは11世紀頃?他の部分も、色は落ちていても優れた幾何学模様が展開されていたことがわかる。イスラムの数学、幾何学は素晴らしいですね。内部は「絨毯博物館」というかたちに。以前はお土産物屋さんだったけど。入館料要。ラビハウズ近く、タキ手前)

モザイクタイル、一部です。ナディル・ディヴァンベギ・マドラサ。幾何学模様と花模様。

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(16世紀後半、ウズベク人のシャイバーン朝が都と定め、その後ブハラ・ハン国の首都として長く繁栄したブハラ。中央アジアにおけるイスラム教学の中心地であり「聖なるブハラ」とも。中世の面影を残す旧市街や青いタイルで装飾された建造物群も有名。太陽に向かう二羽の鳥の構図で有名な「ナディール・ディバン・ベギ・マドラサ」のタイル)

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(同)
by orientlibrary | 2013-04-08 00:16 | 中央アジア5カ国

中央アジア、土の仕事と土の景/15世紀の土とタイル、イシュラトハナ廟

ウズ旅、怪しい動きの私がいます。

・装飾タイルの壁にくっついている
・くずれかけた土壁を覗き込み、触ってみている、写真を撮っている
・青空の日も下を見て歩いている。一つの理由はウズの道路は穴が多く、冗談じゃなくアブナいこと。そして建造物近辺では「かけら」との出会いを求めて、、
・工事している人がいると近寄っていき、見せてもらっている

自分では何もできないのが残念ですが、工事、手仕事、匠の技を見るのが好き。今回のウズ旅で出会った工事シーン、土がらみの写真を少々集めてみました。
空港が変わっていたと前回驚いて書きましたが、サッカー場やモール、歴史的建造物の修復まで、各地で工事がおこなわれていました。活気があります。職人さんたちは一所懸命に取組んでいました。工事内容のご説明はまったくできません。すいません!
このような写真にご興味ない方もあると思いますが、今回はこれでいきたいと思います。よろしくお願いいたしますね。

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(ブハラの「バハウッディン」で出会った工事光景。ナクシュバンディ教団教祖の廟を中心に様々な施設があります。崩れているものも多く修復工事中。親方のような人が図面をみながら高さ等の調整をしていました。鏝でしょうか)

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(同じく「バハウッディン」。以前、「左官的塾」にて当ブログをご紹介いただきました。素晴らしい資料もいただき感謝しております!)

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(上の2枚はブハラにある「ナショナルハウス博物館」。ガイドブックにも紹介されていないところです。修理後宣伝して集客するのかな。この奥にある貴族の館のようなところで、ブハラの生活シーンを再現し、道具などを紹介していました。下2枚はバハウッディン」)

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(ブハラ旧市街、民家の壁が崩れた部分。焼成レンガとスサみたいなものを土で固めて、その上にコンクリとか土を塗っているようですが、壊れたものをよく見ます。レンガの中はモロモロで触ると崩れてきました)

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(ブハラ旧市街、民家の土壁。スサの量が多いように感じるのですが、こんなものなんでしょうか?)

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(道具類は展示で見ることがあるのですが、ガラスケースの中なので反射して写真が撮れません。こちらは左官関係かと思い、いちおう撮ってみました。ブハラにて。下の右はリシタン(ウズベキスタン)の陶芸工房の掃除用具です。ふつうのお家にもこのような箒があります。バザールでも売っています)

土、土ですね。久々に土の景を。

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(中央アジアの土の景。民家のレンガ壁。かまど。室内土壁。日干しどろだんご積み壁。路も壁も土。下3枚はトルクメニスタンの遺跡にて。紀元前数千年前の壺が山のように眠る。修復もしていた。こちらも遺跡の土壁)

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今回のウズ旅、感動したところは多数あって、本当に行って良かったと心から思っています。そのひとつ、サマルカンドのイシュラトハナ廟。タシケントの陶芸家アクバル・ラヒモフ氏が、幾度となく通い勉強したとおっしゃっていた廟。15世紀(1464年)そのままの姿で、一部を除き修復されていません。サマルカンドでもブハラでも、主要な建造物は立派に美しく修復が進められており、当時の姿に触れることは難しい。この廟は、タイルやレンガを知りたい人にはたまらないと思います。

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(地下にはティムール家の女性や子どもたちが葬られているそうです。地震で崩れたままになっています)

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(アーチやドームの構造が、製法が、わかる人にはわかるのでは!?)

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(当時のままのものが残る青いタイル。圧倒的に素晴らしいタブリーズのマスジドキャブード〜ブルーモスクと同時期の建造。この時期は装飾タイルが花咲いた時代だったと思います。土味を生かした押さえ気味の青のタイル使いがとても美しい廟でした)

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(宇宙的と思える幾何学模様。こうして飾りのない状態で見ると、よりその趣旨のようなものが伝わる気がします。下2枚はなぜか修復中の内部壁画一部。このような色だったということでしょうか。サマルカンドの多数の建造物を思うと、こちらまでは手が回らないでしょうし、ぜひとも回さないままでいて欲しいと思う、土好き、タイル好きなのでした)

ウズの職人さんたちの熱心な姿に打たれる一方、写真はアップしませんが、ウズベキスタン各地の舗装道路にある大小とりどりの穴(深いですよ、けっこう)の多さは、何なのか不思議です。レンガ敷きの歩道もはがれがすごく、下を見て歩いていないと転んでしまいます。穴になったところがゴミ箱状態になっていたりもします。
最近の建物では、美しいタイルが剥がれ落ちてきています。修復されたものも、ズームレンズで見ると、デコボコしてきており、剥がれ落ちるのではないかと気になります。
昔のものはよく耐えて持っていると思います。最近のものが問題が多いような印象です。その理由は、素人の私にはわかりません。素材なのか、気候風土なのか、製法、施工なのか。基礎部分に問題があるような気が、、、

久々、土話でした。少々風邪気味でもあり、このあたりで、、
by orientlibrary | 2013-03-10 21:49 | タイルのデザインと技法

Atlas Today、色使いと模様が魅力、ウズベキスタンの絹織物

アトラスです。大急ぎにて。ウズベキスタンの絹の絣布アトラス。大胆な模様と目の覚めるようなイキイキした色使いで、近年は欧米や日本のデザイナーにも注目されています。

まとめる余裕がないので、そのまんまですが、、「University of Nebraska - Lincoln DigitalCommons@University of Nebraska – Lincolnより。“Atlas Today: Patterns of Production, Bazaars and Bloomingdales Uzbekistan and Xinjiang, China”(Mary M. Dusenbury/2007〜2008年の調査による)」を意訳してみました。そのままの正確な訳ではないので、その点、ご了解くださいね。

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(マルギラン〜ウズベキスタン、フェルガナ〜の専門職家庭/2011夏)

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19世紀、中央アジアのハーン国、オアシスの街々では、統治者や富裕な商人、経済的な余裕のある男女は、大胆な模様の経絣、ベルベットの式服を纏っており、そのデザインの多彩さは驚くべきものであった。19世紀の絣(ikat/イカット)の衣装、織物は、今日の博物館や個人のコレクションとして記録や写真が残っている。1970年代以降は、蒐集家、ディーラー、研究者の関心の的となっている。

この大胆なイカットは、19世紀初頭より富裕で洗練された美意識を持つ人々の支持を得て、素晴らしい多彩さを見せている。19世紀末には、この「アトラス atlas」は富裕層だけでなく、簡素なタイプのものならば中央アジア中の人々(さらにはチュルク系のウイグルの人々)が着るようになっていた。

1865年、フェルガナ盆地コカンド・ハーン国の指揮官がパミールの山々やその周辺を行進したが、フェルガナの職人が作る豪華な彼のコートはしっかりと地元の人々の印象に焼き付いたようだ。数年後にはウズベクスタイルの絹絣のガウンが、かの地を訪れた商人や冒険家に提供された。今ではそれがロンドンのビクトリア&アルバート美術館の重要なコレクションとなっている。

ロシアの中央アジア支配、ハーン国統治者の死後には、安価な工業製品の布が広まり、絣織アトラスの豊かな伝統は荒廃した。本物のイカットは、安価な模造の絣に取って変わられ、模様はプリントとなった。ロシアと中央アジアの起業家たちがタッグを組んでフェルガナ地方を商業的なシルクの生産地に替え、今日に至っている。商業的とは、手織りと機械織りの両方を含む概念として理解されよう。

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(マルギランの著名な生産現場/2012夏)

中央アジアでの今日における手織りイカットの心臓部は、ウズベキスタンのフェルガナ地方にある。ソ連崩壊後、織物を家業とするいくつかのファミリーがアトラス織の復興に取組んでいる。その主役は、ファミリーの4代め、5代め、6代めの世代である。

復興に取組む若手世代は、数十、いやそれ以上の複雑な行程を要する絣布製作の主要なメンバーでもある。また製作の行程に欠かせない専門の技を持つ数百もの職人の家々を束ねているものもいる。デザインやマーケティングも重要であり、インターネットで国際的な市場を調査する担当もいる。

最高の製品の多くを仕入れるのはトルコのディーラーである。父親世代はトルコに何度となく出向いたものだが、今の世代はインターネットで商売する。繊維産業には、監督官や財務の担当者も必要だ。多くの工房を見回り進捗状況を監督する。若手世代は、商人であり主要な制作者であり、プロデューサーでもあるといえる。

フェルガナ盆地とウイグルは生産において連動したネットワークを有しているが、それは複雑であると同時に流動的である。例えば、織り機は自分のものだが、経糸はすでに作られたものを購入する人もいる。フェルガナ盆地では多くの織り手は自分の設備を持たないが、仕事と糸は監督者から提供される。シルクの糸繰り機は動力のある設備により速度が向上した。手紡ぎ、手染めの糸は小さな織機で良く織りあげられる。

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(マルギランのアトラスをリードする工房にて/2012夏)

現在、アトラスのテーマは、他のシルク製品といかに差別化するかという段階に来ていると考えられる。ウズベキスタンでもウイグルでも、バザールには数えきれないほどのアトラスが売られている。売り手は、販売が好調で伸びていると話す。プリントのイカットは、中国や韓国で生産されている。街角で見られる大半の「アトラス」は高価ではないが化学繊維のものだ。ギラギラしたベルベット風プリントのアトラスにも魅力はある。

マルギランの木曜市、そこには多様な図柄の手織アトラスが登場する。ウズベキスタンだけでなく隣国からの商人たちが、きらびやかな模様と色の素晴らしい、このアトラスを仕入れに来る。デザインは季節ごとに変わり、ディーラーや蒐集家の購入意欲をそそる。

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(アトラスにまつわる写真/工芸博物館の絵画、お土産物、バザールの人形、ホテルの部屋のカーテン)

ウズベキスタンでは、現在、女性用の絣布の衣装は種類豊富になり、デザインや材質、シルエットも様々だ。アトラスは文化遺産であり、国や民族のアイデンティティの象徴にもなっている。

アトラスは、国際的なデザイナーたちにも注目され取り上げられている。例えば、オスカー・デ・ラ・ルンタは、いち早くマルギランのベルベットイカットとアドラスを使った。ラルフ・ローレンもコレクションで、手織り、プリント両方のアトラスを紹介した。

21世紀に入り、アトラスの大胆な柄や目の覚めるような色合いは、ソ連時代も伝統技術を脈々と守り抜いた幾世代もの職人たちの忍耐を賞賛し、アトラス新世紀に向けて復興し、子孫代々隆盛させようとしている彼らのビジョンと決意を示している。

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青のfacebookから、サマリー。一部です。

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(イラン90年代街角の青/サマルカンドのグール・アミール/カシュガルのアパク・ホージャー廟/キュタフヤのラスター彩/ブハラ・青の輝き/サマルカンドのシャーヒズインダ墓廟古写真)

ウズベキスタンに行ってきます。厳寒装備です。ではまた!毎日寒いですが、ご自愛くださいね!
by orientlibrary | 2013-02-18 23:33 | 絨緞/天幕/布/衣装

中央アジアが熱い!音楽、踊り、コミック、人々

◆ 陸前高田の「みんなの家」 ◆

中央アジアで埋め尽くす前に、ひとつだけ展示の話題です。「ここに、建築は、可能か:第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本帰国展」(TOTOギャラリー・間/3月23日まで)。

第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で、日本館は「金獅子賞」を受賞。東日本大震災後の建築のあるべき姿を世界に問いかけたことが高く評価されました。岩手県陸前高田市に建つ「みんなの家」は、建築家伊東豊雄氏の呼びかけにより3人の建築家が共同作業によってひとつの建築をつくるという課題を担います。日本館では、その制作過程と地元出身の写真家畠山直哉氏が撮影した、震災前、震災直後、現在の陸前高田の写真を展示しました。「みんなの家」は、現在実際に地元でコミュニティ再生拠点として活用され始めているそうです。

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模型が興味深かった。ゼロから家という形にしていく思考と作業のプロセスが、可視化されていました。共同作業には困難もつきまとうけど、同じ頃に同じイメージが見え始める、(イメージが降りてくるように)、その感じが面白かったです。方向が見えてくれば、ブレが少なくなる。苦労があっても質が違いますよね。また模型自体も、小さいなかに思いが込められていて、見ているのが楽しかったです。

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◆ 『乙嫁語り』 ◆

『乙嫁語り 5』、先日発売になりました。舞台は中央アジア、カスピ海周辺の地域という設定。中央アジアが舞台のコミック、それだけでもモチベーションが上がるのに、作者森薫さんの途方もない描き込みが圧倒的に素晴らしい。中央アジア愛が伝わりまくりです!

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(5巻揃った『乙嫁語り』/衣装の描き込みがすごい/5の双子の衣装がかわいいので少しアップに/やんちゃだった双子。アトラスの模様がいいですね〜!質感が伝わる/婚礼衣装。髪もきれいに整えて/婚礼部屋の様子。スザニが、、/6点すべてコミック本自体の撮影)

4巻では、漁師の家の元気すぎる双子ちゃんたちが主役。玉の輿婚を夢見ていましたが、幼馴染みの漁師の兄弟と結婚することに。5巻では結婚式前後のドタバタが描かれ楽しいストーリー。でもその中に、結婚式の準備の様子や風習が織り込まれています。婚礼衣装や結婚式の食べ物等の描き込みが今回もすごくて、堪能しました。

*以前の関連記事(20091101):「シリアのタイル、ペルシャ料理、中央アジアが舞台のコミック

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◆ 中央アジアの音楽 ◆

「中央アジアの音楽 テュルク・ミュージック・イン・トーキョー」、満員御礼。キャンセル待ち多数という盛況。企画から当日まで準備をしっかりされていた主催者の方々の思いが伝わりました。

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この地域には、まだまだ日本に十分に紹介されていない豊かな音楽世界が広がっています。近年、日本においても少しずつ中央アジア出身の音楽家や、現地で長期にわたりその音楽を学んできた日本人の音楽家が活躍し始めています。また、リスナーとして中央アジアの音楽を愛好し、実際に自分でも演奏する人たちも少しずつ増えはじめています。今回は、キルギス・カザフ・ロシア連邦内の共和国であるトゥバ、テュルク系民族では最も東に住むサハの音楽家が集まり、その地域に伝わる伝統的な楽器を用いて歌や音楽を演奏し、その豊かな音楽文化を紹介したいと考えています。(企画趣旨)
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(寺田亮平さん(トゥバ〜イギル、ドシュプルール)/直川礼緒さん(サハ〜口琴)/イナーラ・セリクパエバさん(カザフ〜ドンブラ)、高橋直己さん(カザフ〜民謡研究者・歌手)/カリマン・ウメトバエワさん(キルギス〜コムズ&口琴))

中央アジアの音楽というテーマでしたが、中央アジアでこんなに人が集まるなんて、ちょっと驚きでした。留学や仕事、海外協力、趣味興味などで関わってきた(いる)人たち、多いんですね。なんだか心強いというか、うれしかったです。

草原の風と大地を感じるトゥバのイギルとホーメイ、驚くほどに多彩で宇宙のような口琴の魅惑、素晴らしい演奏技術と迫力ある歌唱のカザフのドンブラ&民謡歌唱、右手を自在に動かしての演奏パフォーマンスが楽しいキルギスのコムズ等、内容もじつに素晴らしいものでした。

また、奏者たちの人柄がにじみでるような温かいパフォーマンス、おおらかさも、本当に素敵でした。会場の「気」もとても良かったです。ね!中央アジア、いいですよね!!

繊細優美の極致のような北インド〜ペルシア古典、トライバルとロックが融合したパキスタンのフュージョンなどに惹かれている私、草原系の音楽をちゃんと聴いたのは初めてです。草原の音楽は、楽器も2弦とか3弦で楽曲もシンプル。口琴はさらにシンプル。でもシンプルだからこそ、奥行が無限に深い。そぎ落としているからこそ広がっていくものがある。自分にとっては新しい音の世界、魅力と出会えたことをうれしく思います。関係者の皆様、どうもありがとうございました。

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◆ シルクロードの舞 ◆

「中央アジアの音楽」開催日は中央アジアデー。昼は「~シルクロードの調べと舞~ Silkroad music & Dance Azerbaijan,Uzbekistan,Uyghur,etc」へ。ANYAさんの舞踊と大平清さんのドタール&サズ演奏と歌を楽しみました。
ANYAさんの踊り、好きです。心がこもっているから。謙虚で明るく素直な人柄が表れています。

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(画像はクリアに撮れたものもあるんですが、雰囲気メインにぼわんとしたものを選びました。アゼルバイジャン、ウズベク、ウイグルの衣装も素敵です/下段は=レイアウトの関係で食べ物を、、、チーズと干し葡萄、名前を忘れましたがウズベキスタンから持ち帰ったという牛肉のなんらか&リシタン皿、ウズベクのチェブレキ屋台@東京農工大学園祭)

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今回も、青のfacebookのサマリーです。

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<ブハラの青のマドラサ ウズベキスタン/トゥラベク・ハーヌム廟 クニャ・ウルゲンチ(トルクメニスタン)/東京ジャーミィ 日本>

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<ベトナムの染付/青の館 キュタフヤ(トルコ)/リシタン青茶碗で抹茶 日本>

リシタン青茶碗で抹茶、東京ジャーミィ、ブハラの青のマドラサ、の「いいね!」の多さにびっくり。どうもありがとうございました。青のfacebookは週5回の更新をめざしています。

中央アジアは、これからも興味津々で追いかけます。これからもいろんな動きがありそうなんですよ〜!^^
by orientlibrary | 2013-01-28 23:28 | 中央アジア5カ国

謎の皿を巡る旅 〜 シンド(パキスタン)とリシタン(ウズベキスタン)

やきものの国日本だけれど、装飾タイルの歴史が浅いこともあり、タイルのイメージは限定的。装飾タイル=イラン、イスタンブル、アルハンブラ、がんばってサマルカンドあたりが、日本でのタイルのイメージではないかと思います。

パキスタンのタイル、、ムルタンやウッチュ(いずれもパンジャーブ州)の聖者廟の独特の濃い青と模様が強く印象に残っています。繊細とはいえませんが濃厚な世界があり、とても惹かれるタイルです。個人的にはデリー・サルタナット朝時代のものが好き!!(ムガル朝時代にもラホールやデリー、シンド州のハイデラバードでタイル装飾の建造物が作られました)。ペルシアの影響を受けつつインド的なテイストが強いという感じでしょうか。が、私が見ていたのはそこまで。

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(ムルタン、ウッチュ、ラホールの装飾タイル)

現地からのナマの情報が溢れるように発信されるインターネット(facebook、WEBサイト、flicker等)。すごいですね〜!夏に、ムルタンのアートギャラリー「Craft Galleria」のfacebookページを見つけて大喜び。現代の青の陶器の写真が豊富、興味津々で見ていました。(その後、同じ写真の繰り返しになってしまい残念)

インダス河流域の建築(青いタイルや日干しレンガ!)、伝統的服飾、自然が満載の「INDUS VALLEY CIVILIZATION」facebookページもカッコいいです。たくさんの建造物(遺跡化しているものも多いけれど)が素晴らしい!!

最近、知人経由で知った「Tradtional Sindh Kashi Tiles」。パキスタン・シンド(Sindh)州の「Nasarpur」(インダス文明の中でも最も古くから人が住みついた町のひとつ)にある陶芸ファミリーのfacebookページです。現地建造物のタイルのアップ写真(タイル模様をクローズアップした写真は書籍でもWEBでも少ない)や現代のタイル写真、タイル製作の様子など、興味深いです。

そんな日々、アップされた一枚の写真に目が止まりました。説明には、「Traditional Sindh Kashi Tiles pottery product round plate surface design with traditional kashi kari motives 」(伝統的なシンドの陶芸製品。現地の伝統的なモチーフが描かれている丸皿/「kashi kari」はインド・パキスタンで「施釉陶器〜タイル」)。

え?!ホント!?シンドの皿??あまりに似ている、ウズベキスタン(リシタン)の陶器に、、。こんなことってあるの!? (↓)コラージュ写真1段め左「これが問題のお皿」。他の皿(1段めの3点)と、これだけが違う気がしてなりません。でも「シンドの陶器」と明記してあります。

驚いて、コメント欄から、「ウズベキスタンの陶器とそっくりなことに驚きました。とくにボーダーの部分の模様とコバルト青の色が」と書いてみたところ、(英語の意味がよくわからないのですが)「働いている人々がいることは知っている。でも自分はパキスタンのシンドに属している/yes i know their is people working on but i do belong from Pakistan Sindh」とのコメントが。

これを読んで、さらに驚愕。ということは(Peopleが何を指すか不明ではあるけれど)、ウズベキスタンからパキスタンの陶芸産地に働きに行っているの!?これは自分的には、かなりの大ニュースです!

想像できないことではない。イスラム教が根づいた国同士だし、距離もそれほど遠くないし、中央アジア(とくに陶芸産地リシタンのあるフェルガナ地方)と北インド世界はムガル朝という縁があるし。ロシアや韓国に働きに行くと同様、パキスタンに行くこともあるのかなと。ウズベキスタンの社会状況等も考え合わせ、あり得るのかなと思いつつ、現代の工人の移動にワクワクドキドキ、思いを巡らせていました。

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(写真1段め左「これが問題のお皿」。謎解き遊びは、下記文章にて/コラージュで写真が小さくなってしまったかなあ、、/1段めの写真4点は「Tradtional Sindh Kashi Tiles」より引用)

でも、「問題のお皿」を見ていると、、、どうしても「よく見た模様、知っている色」と思ってしまうのです。
そこで、気になる点、色と模様を独断で検証してみました! 1段めの左から2,3,4はシンドのもの。この緑と青をよくごらん下さい。また模様もじっくりと。

2段め。リシタンの緑色と青です。緑色はリシタンの方がクリアでしっかりしている。シンドの緑色は黄色みがあります。青(コバルト青、ターコイズ青ともに)もリシタンの方がクリアで、シンドの青は黒みがあるように思います。

3段めは模様。「問題皿」のボーダーの蔓草のようなくるんくるんした模様は、リシタンのボーダーと共通していると思います。緑のライン(例:魚皿)も時々見られるパターンです。「問題皿」の見込みの模様は、知っている工房の作品よりやさしいタッチなので少し惑わされました。でも花びらを見ると、筆を先端から奥に押し付けながら花びらを描いていく描き方(リシタンの特徴)が同じ。模様も全体にシンドの方がざっくりした描き方。

4段め。わりと細密で白地の多いデザイン。花びらを全面に散らし細いラインで花模様の合間を埋めるデザイン、曲線で描く細いラインが似ている。さらに、今年の夏、「今年は白地を多くしたデザインを増やしている」と聞きました。実際、4段め右の2点は、今夏購入してきたものです。

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(NEW! ! 上の比較コラージュ写真が小さくて見えにくいため、4枚版を作りました!)

職人さん自身が移動してパキスタンで製作しているという考えは??独断ですが、皿は元々の産地(リシタン)で作られたと思います。職人さんは移動しても、土や釉薬や窯ごと持って行けない。模様は移動先で描けても、色は持って行けない

「問題皿」の化粧土の方が白くてクリア、シンドの白はクリームがかっているように見えます。
そして緑色。今回最大のポイントはこの緑色でした。緑色も明度や色味が微妙に違う。これはリシタンの緑だと思う。万が一、土や釉薬など、すべて持参したとしても、焼成温度や窯の特徴が違うのでは?
さらに、余計なことですが、シンドの皿は黒い紙の上で撮影されており、「問題皿」はコンクリ床。なんだかリシタンの工房の床を想像してしまいました。

そういえば、昨年の夏もリシタンの工房で、「ヒンドゥスタンから大量の注文があって」と一生懸命製作していました。行き来が活発になり、様々に交流もあるのでしょうね。購入されたり、サンプルとして運ばれたという線もあり??なんらかの経緯で、シンドの陶芸一家の手元に写真が、あるいは実物があったのでは??

上より、独断による結論=「(シンドの皿としてアップされた)問題皿」は、リシタンで、リシタンの職人が作った、リシタンのお皿。( (^_^;)))専門家の方、素人の推測なので、お遊びと思って見逃してください!)

すべて妄想かもしれません!!ホントにシンドの皿かもしれない。リシタンの職人さんがシンドできれいなお皿を作っていたらゴメンナサイ!それはそれで、すごく興味のあることで、マジでその点を調べたいんです。だからこそ、気になってしまったんです。大好きなウズベキスタンとパキスタンの「交差」を見て、とてもワクワクしている私です。

そんなわけで、、妄想につきあっていただいた皆様に、リシタンの青や模様をプレゼント 。(ね、やはり、「問題皿」と近いでしょう??)↓↓↓↓↓↓


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(リシタンの青の茶碗。クリアな青の発色。模様も多彩です。直径10cm程度)


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(リシタンの青の魚皿。青といっても多様です。個性的でのびのびした図柄が魅力。魚は幸福の象徴)


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(リシタンのタイル。「問題皿」の模様や色の参考になりそうなものを選びました。パキスタンの現代のタイルにも、ぜひともこれから注目していきたいと思います!興味津々です)


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(フェルガナの廟。リシタンの工房が装飾タイルを製作しました。緑色にご注目ください。この緑色なんです。だからお皿がどうしてもリシタンのものだと思ってしまうのです)

今回もご訪問ありがとうございました。年末近し。ちょっと慌ただしいですね。風邪などひかれませんように。
by orientlibrary | 2012-12-07 18:48 | ウズベキスタンのタイルと陶芸