イスラムアート紀行

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モザイクタイル in JAPAN

●日本にも、すごいモザイクタイルの空間がある。それはスペイン料理のレストラン。埼玉県の川越市にある「西班牙市場」。初めて訪れたのは98年だからもう7年も前になる。その後2000年にもお邪魔している。しかし、それから時間がたっているので、内装や店には変化があったかもしれない。それを前提に、今回は当時の驚きをご紹介したい。

●店の広さは体育館くらいある。事情あって、その内装すべてをオーナーとスタッフで手作りで仕上げることになった。材料はほとんどが瓦、土管、古材、料理に使った貝殻など「不要になったもの」である。テーブルや椅子もすべて手作り。そのスケール、ディテール、独創性など、すべてがぶっ飛んでいた。

●床や壁はモザイクで仕上げていた。近所の人やお客さんも手伝ってくれた。2回目に訪れたときは、カンカンカンカンと外で瓦を割っていた。オーナーとスペイン人のシェフたちだ。暑い昼下がり、腰に蚊取り線香を下げてひたすらカットしていた。店は進行形で作り続けており、当時は銀座に出す店の準備もしていたのだ。料理を作ろうと思ってきたシェフたちも、タイル作りに精を出していた。

●また料理が旨い。それもそのはず、オーナーは本場スペインのパエリアコンテストで日本人で初めて優勝した人で、内装の資金を捻出するために、当時もイベントに出かけては大鍋でパエリアを作っていた。圧倒されつつ、心地よく食と空間を楽しんだ。

●あと日本のタイルの聖地、愛知県常滑市のINAX「世界のタイル博物館」周辺には貝殻や木の葉を埋め込んだ小道のあるトイレパークがあります。大好き!!!タイル博物館。ガラスケースに顔をくっつけて必死で見ました。そろそろ再訪したいな〜。
by orientlibrary | 2005-09-28 23:59 | タイルのデザインと技法

おおらか!アジアン・モザイク

●タイルのご縁で当ブログに遊びに来てくださったvanillaleafさんが、皿や陶器を使ってモザイクしてみようかな、と楽しそうなプランを書いてくださっている。

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●それで思い出したのがアジアのお寺。タイの寺院などでキラキラ輝く陶片の壁面装飾だ。「今こそスタディ」カテゴリー・05年2月の「汎アジアの陶磁交易」(講師:坂井隆さん)、先生の講義を私なりにまとめたのだが、その中にこんなお話があって、タイル好きの私は耳をそばだてた。

●「突然登場したベトナムタイルの発注とプレ・イズニークとの関係は、まだ不明である。西ジャワ寺院の”皿の壁面装飾”(デルフトや肥前も使われている)、19世紀から始まった”陶磁片モザイク”、東ジャワのトウバン聖人廟には四角いタイルが貼ってある。イズニーク職人がシリアなどに拡散したのは17世紀。インドネシアでのタイルはまだ不明な点が多い」(メモを元にしているので正確さは確実とは言い切れません。ご了承を)。

●イスラム世界で華麗に展開したタイルモザイク、同じイスラム国であるインドネシアも何らかの影響を受ける可能性がある。そしてそこでタイルを細かく刻むのではなく、身近な皿を使ったのだとしたら、そのこともまた興味深い。しかし、タイの寺院やベトナム等との関連は私には現在わからない。

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●ただ、皿を壁面装飾に使うというアイデアは、世界各地に散見するのではないかと思う。陶器はアジアの明るい陽光にキラキラ光る。精緻なモザイクタイルは王侯貴族や富裕層の権力の象徴でもある。庶民が陶器で壁面を自分流に飾るのは、自然な流れのようにも思える。実際のところ、どうなんでしょうね?!?

*壁面に皿(光ることを活用し目印等何らかの目的で使用?)。シリアにて。
by orientlibrary | 2005-09-28 00:58 | タイルのデザインと技法

フェズのアラベスク

[タイルフォトギャラリー(4) モロッコ-1]

●パキスタンがイスラム・タイル世界の東の端だとすると、モロッコは西の端。精緻なタイル装飾が素晴らしい。
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●北アフリカのイスラム世界、いわゆるマグレブでは、中世のナスル期とマリーン朝の時代に、幾何学模様やモザイクタイルが発展した。宮殿やマドラサはカラフルなタイル装飾で目も眩むよう。しっくい装飾との組み合わせも独特。

●タイル装飾は精緻だが、赤や黄なども用いて色が明るく豊富であり、幾何学模様のバリエーションも多彩。アラベスクのリズミカルな展開もどこか軽やかで、お洒落感がある。

●素晴らしいタイルを見るなら古都のフェズ。フェズは9世紀に北アフリカ初のイスラム国家の都として建設が始まった。この時期の旧市街は世界一複雑な迷路と言われ、ユネスコの世界遺産にも登録されている。また13世紀にできた新市街には王宮や多くのモスクがある。

●フェズのタイルの白眉であるムーレイ・イドリス廟、カラウィン・モスク、アッタリーン・マドラサ、ブー・ジュルード門などのタイルは、西方イスラム世界の洗練と都市の活気を今に伝えている。
by orientlibrary | 2005-09-26 02:42 | タイルのデザインと技法

モザイクの構成

[タイルフォト・ギャラリー(3) 「シャー・ルクネ・アーラム」-2]

●青のタイル装飾が壁面を覆うムルタンの「シャー・ルクネ・アーラム」ディテール。無彩色の煉瓦とその中にはめ込んだ青緑(ターコイズ)釉タイルとを組み合わせた幾何学模様。デザインに合うようにカットしたものを組み合わせている。(右下図参照・『ISLAMIC ARCHITECTURE OF PAKISTAN』)

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(Mausoleum of Rukn-i-Alam /Multun/ 1320-24)

●日本でもタイルの本が出版されている。『イスラームのタイル』(INAXギャラリー)は、私にタイルへの目を開かせてくれた大事な本。タイルへの愛情や敬意といったものが底流にある本だと思う。またTOTO出版の『タイルの美 イスラーム編』も日本の研究者の方が書かれた貴重な本。ただしイランとトルコがメイン。パキスタンについて書かれた日本の資料を見つけるのが困難。

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●しかし、英語の本にはかなりいいものがある。
*『ISLAMIC ARCHITECTURE OF PAKISTAN』(NATIONAL HIJRA COUNCIL PAKISTUN)
*『The Art of the Islamic tile』(Flammarion)
ただ、こういう原稿の参考にしょうと思うと、用語も独特で、キツイものがある。違っていたらスイマセン! やりながらスタディしてるので、1年後くらいには何とかなってると思う今日この頃です。ふ〜〜〜・・・・
by orientlibrary | 2005-09-21 01:46 | タイルのデザインと技法

ムルタンの精華 シャー・ルクネ・アーラム

[タイルフォト・ギャラリー(2) 「シャー・ルクネ・アーラム」-1]

●昨日の「ビービー・ジャヴィンディ」は、ムルタンの代表的なダルガー(聖者廟)である「シャー・ルクネ・アーラム」を真似て作られた。そしてシャー・ルクネ・アーラムは、イランや中央アジアの煉瓦造の建造物に影響を受けて作られたという。

●八角形のプラン、白いドーム、小塔とその頂上の装飾、青と白を強調したタイル装飾、というムルタン様式の代表的な廟。土の味わいが高く、かつ優雅で洗練されている。

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<Mausoleum of Rukn-i-Alam (Multun/ 1320-24)>

●名前のシャー・ルクネ・アーラムは、ムルタンの聖人シャー・ルクヌッディン・アブル・ファタに授けられた称号で、「世界の柱」を意味する。カースィム・バーグの丘の上に建っており、今もなお多くの人々が訪れて熱心に祈っている。

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(=写真をクリックするとさらに拡大されますので、大きくして見てください)

●上の写真は、ターコイスとコバルトの青、そして白のタイルをカットして多辺形に組み合わせたパネル。白地には花が描かれている。よく見るとものすごい手の込んだ仕事であることがわかる。
by orientlibrary | 2005-09-15 01:32 | ムルタン・蒼のタイル