イスラムアート紀行

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ウズ行き2013年冬。寒さと温かさと美しさと

ウズベキスタンから戻りました。たくさん見て、いろんなことを感じた旅でした。やはり旅行はいいなと思う。行くことができて幸せです。感謝しています。

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ウズには何度も行っているけれど、自分が見たいものをゆっくりと見ることは、なかなかできなかった。自分の足で歩き、自分のペースで、タイルや工芸に心ゆくまで触れてみたかった。これまでいろんな状況からできなかったことをしてみたかった。陶器を持ち帰らないと決めたので、スーツケースではなくバックパックに。これなら列車やバスに乗ったり、安宿利用もしやすい。

結果、楽しかった!!この年になって、こんな旅をしていいのかなと、もっと年相応の落ち着いた旅行をすべきなんだろうなと思いつつ、、でも、ひとつひとつが楽しかった。ルートを決め、値段を(いちいち)交渉し、ぎゅうぎゅう詰めの乗り合いタクシーやバスに揺られ、部屋は寒くても大規模ホテルにはない温かさに触れ、、いろんな人が助けてくれて、、

ウズベキスタンに複雑な気持ちを持ち始めていた昨年後半。また初心に戻れた。旅だから、短い期間だから温かくしてくれるということはわかってきているけれど、それでも、それでもいいと思う。
タイルやテキスタイルや工芸も、発見があり、出会いがあり、うれしかった。動いてみること、大事だな。
いつまでも未熟で、世間をわかっておらず、取り柄のない私。そこからしかできないのだから、ここからしかできないのだから。愚かでも一歩一歩あるいていきます。

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 今回は概観編です 

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(初日の午前、両替後、最初に訪れたタシケントの陶芸家ラヒモフ氏の工房。じつはアポなしでした。まず一度お伺いし、追って正式にと思っていたのですが、、快く受け入れてくださり感激。いろいろなことをお話できて、本当にうれしかった。多彩な技法が素晴らしい。新たな技法やデザインにチャレンジし続ける精神に感銘を受けた。そして、、『ARCHITECTURAL CERAMICS OF UZBEKISTAN 』『ARTISTIC CERAMICS OF UZBEKISTAN 』(ともに2006年/UNESCO)の資料本をいただいた、、卒倒しそうにうれしい。素晴らしいファミリー、、資料を自分なりに読んでいきたい。また「正式に」訪問させていただきたいと思っています)

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(今回、完全燃焼したブハラ。とにかく見た。素晴らしい装飾タイルの世界。またゆっくりと)

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(サマルカンドは曇、雨、雪。青空とタイルが撮れなかった。でも晴れていたら体力を顧みず動き回っていたかもしれず、休みの時間を取れてよかったのかも。また行けばいい、ということなのかな!?)

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(タシケント。晴天。これまでになく、ショップやカフェなども見て歩いた。地下鉄もあり動きやすい街。とにかくよく歩いた。一日中、永遠に歩けるような気がしていた、、(そのぶん後からきました、、))

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(帰国後編/(左上から右下へ)/近所のスーパーで見かけて「これはスム(現地通貨)バッグにいい!」と直感したポーチ。100ドル両替するとパンパンになるスム。このポーチはドル、スムの仕切りができ、電卓も入って完璧。ウズ語ができなくても電卓でOK!/溶けそうな小額紙幣たちとレシート。最近はレシートをくれる。手書きで時間がかかるけど、いいことだと思う/いただいたザクロ。日本に持ち帰り。ザクロ模様のスザニの上で記念撮影/ウルグットで買ったスザニ/ブハラで買ったスザニ/サマルカンドデザインのスザニ(大型)/手前がウルグットのバザール、奥がブハラのショップ。手前の方がややざっくりしていて色もキツいけど力があると思う/ブハラで熱狂した「かけら」たち。後先顧みず、短時間の交渉で購入に至る。偽物だという人もいると思うけど、私は本物だと思っています。陶芸家のショップで、年代が私の知る限りですが適合していた。ティムール時代のものだと思います。左真ん中の水色のは角度によってラスター彩のような輝きを放つ。購入を後悔していない/サマルカンド某所にて。ここにいては踏まれてしまうと思い、偶然持っていた袋に入れてきた。ここは修復がされていない。修復時のタイルではないのです。偶然ですが。本当に)

最後に、いくつかインフォを

物価上昇。スーパーで買物しても、デフレ日本の感覚では、日本よりも高いと感じるくらい。この数年で、すごいと思う。昨夏からでも上がっていると思います。きびしいですね。

空港!!空港がすごい、、、、「最後の階段」の横にエスカレーターがついていた!!!なんということ、、これでものすごくラクになった。そして、、搭乗待合室ができていた!!!搭乗アナウンスがあった!!!普通に待合室から飛行機に入れる!!!、、あのヘンな狭い空間、どこに行けばいいのかわからず彷徨う乗客たちの姿、地下への階段、それらがないんですよ!しかも「アシアナですか。こちらです」と教えてくれるスタッフが立っていた。こんなことで大丈夫だろうかと思うくらい、変わっていた。いい変化だからいいんだよね、、いや、夢だったのかな、、妄想かもしれない、、疲れてたからな、、 でも税関と出国は相変わらずだったから、夢ではなかったと思う。

変化してます。
またアップしますね〜!!^^
by orientlibrary | 2013-03-03 23:43 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

ウズ放浪記 〜自転車騒動、独立記念日、肉ジャガ、桃、タイル絵付け

今回のウズベキスタン、いろいろあったけど、カラッとした空気はいいな。雑談風の軽いエピソード編です。舞台はタシケントからフェルガナ地方へ。

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(自転車編/上段の白いのが今回購入の韓国製高級中古車/下段左の黒いのはドイツ製超高級中古車)

マルギランのバザールに出かけ、自転車を買いました。といっても、自転車売場はメンズの場らしく、自分では行けなかったのですが、私がアトラス売場、日用品売場をブラブラしている間に、Gさんが代理購入してくれました。Gさん、上機嫌。車には、すでに白い自転車が積んでありました。

自転車買おう、と思ったのは、リシタンでの足として、「歩き、または車に乗せてもらう」以外の選択肢が欲しかったから。炎天下に長時間歩くのはきつくても、自転車なら楽勝ですからね!そして、他の物価から考えて、自転車なら数十ドルくらいかなと(軽く)考えてました。そんなにすごい自転車、見たことないし。

が、なんと、自転車、高い!安くても100ドルくらいとのこと。わ〜、下手したら日本より高い。私の(日本の)チャリ、8000円くらいだし。
でも、買いたいと言ったので覚悟を決めました。結果、80ドルだったとのこと。写真上段の白い自転車です。韓国製の中古。「すごくいい、しっかりしている」とGさん大絶賛。
新品同様のチャリが放置されている日本に慣れていると、微妙、、ハンドルは大きく曲がり、なんかバネみたいのが飛び出ているし、あれ?ライトない。鍵もない。

ところが、、80ドルはけっして高くなかったんです。写真右列の中段に、車の外に鋭い目つきのメンズたちがいる写真があります。この方々、自転車を食い入るように見ていたんですが、、「300000スム(約1万円)で売ってくれ」と交渉してきたそうです。80ドルで買い1万円で売れば転売で利益が、、いやいや、買うのが大変なのに、そんなことしてる場合じゃないです。

さらに、80ドルの韓国製中古がお買い得だとわかったのは、下段左の自転車を見たとき。ドイツ製の中古で200ドルだったとか。え〜〜〜!、、、 どなたか日本の放置自転車を輸出するビジネスすれば?!?輸送費と商習慣で、ほぼ無理かな。。

バザールでチェーンの鍵を4000スム(140円くらい)で買い、ライトはないけど、後ろには荷台があってこれは荷物を積みやくなってます。Uさんの工房で買った陶器を積んでもらいました☆便利!

リシタンでは、大人の女性は自転車に乗りません。外人で帽子を被り(地元の人は被りません)自転車に乗っていると、、どこにいつ頃いたか、バレバレ。「自転車に乗ってましたね」(苦笑しながら)と、どれだけの人に言われたことか。「〜の場所を人に聞いていたでしょう」、そんなことまで、、(教えてよ、その場で、、)。

ちなみに、下段真ん中の光景は、川の水汲み。リヤカーにバケツで水を汲み、家のタンクに収納し、今回はそれが洗面用^^ 重い水汲み、M君、お世話になりました。


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(ウズベキスタンの独立記念日は9月1日、地方では早めに祝賀行事。たくさんの地元民が集結!)

リシタンのスタジアムでおこなわれた独立記念日の催し、日本語を勉強している子どもたちや先生たちと一緒に行ってきました。
すごい人、人。リシタン、人口多い。そして、日本人に好意的というか、手を振ってくれたり、笑顔で挨拶してくれたり。ありがとうございます。こんな光景、はじめてだ〜、、
地元テレビが取材に。先生の一人にインタビュー。とってもいい感じのやりとり。良かったな〜。

祝賀祭の内容は、よくわからないけど、スタジアムの中で、ひたすら踊りや歌やスピーチがあったような印象です。観客席の子どもたちが踊り出すのがすごかった。うまい!この踊りのセンスは何!?さすがシルクロードの子どもたち!かわいいし〜。ほんとにかわいい子どもたちなんです。


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(日本語や英語を勉強している子どもたち。おにぎり&肉じゃがパーティの様子など/事情があって牛も飼ってます/下段右はお箸の練習!)

独立記念日、ランチはたまたま日本からの短期ボランティア先生の発案と調理による、肉じゃが&おにぎり会。プロパンガスでお鍋いっぱい。和食は子どもたちには微妙なものもありますが、牛肉とじゃがいもは定番食材。おにぎりと合わせ、大好評で元気に食べてました。M先生、どうもありがとうございました☆


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(フード編/桃!もも!モモ!おいしい。。道ばたで桃を売るおばさん、ほんとはもっと前に桃のバケツが出ていて危険だった、、/ブドウも最高/ナン屋さんにて。フェルガナのナンはおいしい!模様をつけたり、ペットボトルの後ろに穴をあけてゴマなどをスピーディにかけていた)

ウズベキスタンはフルーツ天国。いろいろあっても、フルーツを食べれば、シアワセに。今回の最高フルーツは、写真にある道ばた販売の桃。バケツがもっと中央に出ていて、あぶないくらいだった。そんなにまでして売る気満々だったのに、私たちを見ると、「外国人だから、タダで持って行っていい」と、、結局1000スムで(35円程)。バケツ一杯の35円の桃、この味が忘れられない。瑞々しく、自然な甘さ。日本の水密はまた別格だけど、こういう素朴な味の方が好きだなあ。

ブドウもおいしい!日本の果物の値段の高さに日々ショック受けてます。果物は、本当にウズがいいな〜。。

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(リシタンのウスマノフ工房にて)

自転車で行ってきました〜、「青の魅惑 イラン・トルコ・ウズベキスタンのやきもの」(INAXライブミュージアムにて開催)でお世話になったウスマノフ工房。ここの青はやや強くて、絵付けは細密で、巧いです。ウスマノフさんも、あったかくてやさしい人。

最近は、リシタン、このような(写真右下)タイルの絵付けの仕事が多いみたいですね。この装飾タイルパネルは、ウズ国内のお金持ちの家で使われるのだそうです。
伝統工芸は、やはり需要がないと維持発展できない。国内需要があるというのは、いいことですよね。工房は、いつも忙しそう。今は涼しくなったけど、最高に暑い時期は40度超えの日々。冬は寒いし。えらいな〜と思う。
「家には何時頃に帰るの?」と若い職人さんに聞いてみると、「夜の10時くらいになるときもあるよ。仕事が終わったときが帰るときだから」。16歳からこの仕事を始めたR君、巧い。「トランス音楽が好き」というイケメンなんだけど、あれ、写真に顔が映ってない。雰囲気のみですが。

今回は資料もたくさん入手してきたので、勉強しなければと思ってます。。。
by orientlibrary | 2012-09-17 00:56 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

『絲網之路天空』〜駱駝の影、砂漠の足跡、込められた想い

今回は、NHK BSプレミアム『極上美の饗宴』「シリーズ平山郁夫の祈り(1)執念のシルクロード」からです。(*画像はTVより引用、またTV放送からのメモを参考にしています)

〜〜平山ほど、壮大なスケールの風景と悠久の時間を描こうとした日本画家はいない。40年にわたって、現地を100回以上も訪れ、ラクダに乗った人々が広大な砂漠を行く姿などを描き続けた。平山はシルクロードに何を見たのか? 膨大なスケッチなどを手がかりに、画家の執念を見つめる〜〜


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(平山郁夫氏は 15歳で原爆に合いその後貧血など後遺症に苦しみます。東京芸大に入学して日本画を学ぶも、何を描いていいか模索の日々。一枚でいい、自分だけの絵を描かねば死ねない。転機となったのは1958年の「仏教伝来」、玄奘がオアシスにたどり着いた場面。シルクロードを歩いて新しい表現をつかみ取りたい。1回目のアフガニスタンは38歳のとき。アフガニスタンの茶褐色の世界に戸惑います。「厳然と私を拒んでいるかのようだった」。自然を細やかに写し取る日本画の世界。岩山と砂の大地をどうしても描くことができず、ウイグルの人々をスケッチすることしかできませんでした)

数年前、玄奘三蔵求法の旅をたどる「大唐西域壁画」(奈良・薬師寺・大唐西域壁画殿)を拝見しました。平山郁夫氏が30年の歳月をかけて完成させたという入魂の作品です。灼熱の砂漠、厳寒の天山山脈を行く玄奘の旅、その艱難辛苦はいかほどだったかと思うと同時に、ときには魅了されたであろう自然が織りなす光景、絶景との出逢いを思いました。
平山郁夫氏もまた、この大自然と、そこで暮らす人々の営みに心惹かれ、まさに人生を賭けてそれを表現した方なのではないかと感じました。

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( 『絲網之路天空』)

今回の放送で最も興味深かったのは、有名な『絲網之路天空』に込められた思いの強さと、その表現方法。「悠久の歴史」を感じさせる平山作品、様々な実験や取材をもとに、その秘密に迫ります。

ちなみに、ナビゲーターとして登場するのは、大自然やシルクロードの写真を数多く撮っている写真家の秋野深氏。キリリとした構図と温かさの伝わる写真が魅力的。青の装飾タイルが好きとのことで、タイルの写真も綺麗ですよ!^^!

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( 1970年にトルキスタン遺跡、その後バーミヤン遺跡へ。茶褐色の世界、伝統的日本画にない題材。最も関心を寄せたのが駱駝のキャラバン。人の営みを色濃く感じさせる姿。シリアの家畜市場の作品では駱駝の姿形がよくわかる描き方をしているが、ここではシルエットに。象徴性を高める)


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(いかにもシルクロードという印象の駱駝のキャラバン。平山氏は砂が風に流されていく光景、流砂を見て砂漠が海のように見えたという。思い浮かべたのは故郷である瀬戸内海の風景。「駱駝船が行き来して交易しているようだ」。それが砂漠のキャラバンと重なった、悠久の流れの中に厳しい光景の中に人の営みがある。そこに惹かれた。風景のスケッチが可能になった。同行した妻・美知子さんが、常に傍らにあり行っていたこと、それは、、鉛筆を削ること。「鉛筆削れ!とすごい迫力で言われました。彼は風景と向き合っていました。鬼気迫るように」)


秋野さんは、『絲網之路天空』の場面となったと思われるトルファンの火焔山あたりを歩きますが、描かれた光景とリアルな景色は、山ひだや太陽の位置などが微妙に異なることに気づきます。平山さんは、何を意図して構図や表現を変えたのでしょうか。

(以下、長くなるので端的に書きます)
 まず重要なのは、駱駝の影(現地で人々に取材。「帽子の形は100年以上前のもの。交易が盛んで豊かだった頃。豊かさを描きたかったのでは」、50年前はキャラバンに入っていたという老人は「駱駝のコブが元気ではない。長旅で疲れている」等々。シルエットの駱駝は見る人に様々なイメージを描かせる)
 逆光で輪郭を強調
 強い象徴性を持たせる(イメージやシルエットは日本画の伝統にない。想像力をかき立てる)
 稜線が右から左へ。砂漠の緑、斜めの線がある(動きを表現、移動を表す、右から左に進んでいる、山と砂漠、2本の線)
 隊商の前に余白(悠久の歴史、それが今も続いていること、動きを感じさせる)
 幾筋もある砂漠の横線(多くの隊商が歩む事によりできたものであり象徴的な意味。いにしえの人々がシルクロードを通して交流した長い歴史。素晴しい表現方法)
 砂や横線が点で描かれている(悠久の歴史。砂は岩絵の具により雫のようなかたまりで描かれる。膠と混ぜ水で絵具薄める。重ねて塗ると盛り上がるようにたまる。ムラが質感、風合いになる。乾かしてまた塗るを繰り返す。横線も何度も塗り重ねる)


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(左上は画の砂の部分。砂漠の砂や足跡、隊商が行き交った道筋を、色を何度も何度も重ねて塗ることにより表現)


まさに「あらゆる手法を使って描ききった」のですね。
1972年に日中国交が正常化。世界を部隊にした文明の道がロマンをかき立てました。シルクロードを通して西域が日本とつながっている、そんな高揚感さえ湧いたかもしれません。「人間の営みを描き込もうとしているという点で現代的」「膨大な歴史の集積を表現するためロマンをかき立てた」。表現方法という切り口から、画家の想いに迫った、いい番組でした。

私が平山さんの絵から感じるのは、歴史を生きた人々への、かの地で暮らしを営む人々への敬意と想いです。そこに敬意を持ちます。


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シルクロード、トルファンの話題から、「ウイグル人の生老病死について」(Halqigül Pattarさん/現代イスラム研究センターのfacebookより/転載許可を頂きました)をご紹介しようと思っていたのですが、長くなるので(〜実際は上をまとめることで力尽きたため)次の機会にしたいと思います。
ウイグルの暮らしについてのリアルな情報に触れる機会が少ないので、うれしくなりました。facebookは、こういうことが有り難いな〜。最近、パキスタンの陶芸工房やタイルの現場についても知ることができ、喜んでます!^^ムルタン、行きたいぞ〜♪

最近といえば、、ついにアジュラク入手〜☆いんどもようさん、どうもありがとう!とってもとっても気に入ってます。肌触り最高〜!

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(左:グジャラートのアジュラク。ストールとドゥパタ☆^^/右上:ウズベキスタンのアトラスを使ったカンノさんの作品/タジクの民族衣装/右下:タイル!?と思って近づいたら写真だった、、渋谷のセレクトショップ。でも、ま、いいか、、タイルもついにキテますかね!?)
by orientlibrary | 2012-07-01 23:24 | 美術/音楽/映画

タイルやスーフィーの本/イスラムの凝縮力/青の魅惑

トルコ・イスタンブールにて。「ルキエ」さんに、バザールの奥まったところにある本屋さんに連れて行っていただきました。現地の本屋さん、やはりネットでも買えないものがあります。

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今回はこれ(写真上右)。『TILES -TREASURES OF ANATOLIAN SOIL- 〜 TILES OF THE SELJUK AND BEYLIK PERIODS 〜』。セルジュークのタイル。草創期の青いモザイクタイルの壁面、濃いトルコブルーに黒で文様を描いた陶器、、最高です☆ うっとり。

こちら(上左)もそのときに購入。『CERAMICS FROM ISLAMIC LANDS 〜KUWAIT NATIONAL MUSEUM〜 - THE AL-SAVAH COLLECTION -』 。イスラム陶器の歴史や地域の個性を概観できそうな本。ハードカバーではないけれど500ページを超える立派な本で豊富な図版がうれしい☆ これはAmazonの方が安かった。円高なんですね〜。

そして、♪♪♪『COLOR IN ISLAMIC ART AND CULTURE 〜AND DIVERSE ARE THEIR HUES〜』♪♪♪(下)は ネットで買いました。表紙写真、グルエミル(サマルカンド)のタイルをAmazonで見て、即購入決定です☆ 色を切り口にしているのが、今の関心にぴったり。うれしい!タイルや陶器だけでなく、細密画や絨毯の色など、多彩に言及(しているみたいです。買ったばっかり)。

いずれも素晴しい本。すべて片手では持てないくらいに、ずっしりと重い。円高のおかげなのか、1万円を超えることなく購入できるのがありがたいです。
このボリュームで英語ということもあり、たぶん全部読むことはないかも。でも折々に写真を見たり、気になるところを読んだりしているだけで充分満足。うれしいな。

↓ 下の写真。数ヶ月前に買って、最近やっと開いてみた(まだ読んでいません)のが、パキスタンの芸能音楽に詳しいMさん推薦の3冊。

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『スーフィー イスラームの神秘主義者たち』(写真もいいです。読みやすそうなレイアウト)/『4億の少数派 南アジアのイスラーム』(ムスリム人口多いです。インド・パキスタンのイスラム建築も興味大)/『聖なる学問、俗なる人生 中世のイスラーム学者』(タイトルがいいですね!)。

『TOKYO  0円ハウス 0円生活』(ホームレスは理想の家を持っている!?のコピー)。先日、『ダンボールハウス』の著者、長嶋千聡さんのお話を聞いて、とてもおもしろかったので、工夫満載の「家」に興味がわいてきました。もともと天幕が大好きだし。でも、こちらの方が、より”定住型”です。

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こうして、タイルや陶器の本、スーフィー関係の本を見つけて喜んでいるのですが、結果的にイスラーム関係の本が増えていくことになります。

といっても、イスラム教徒ではない私。教義も興味深いし、共感する点も少なくないですが、教徒になろうと考えたことはないです。何が好きって、やはりイスラム文化の「五感」に関わる部分なんですよね〜。

圧倒的な凝縮力と無限の広がりの予感、緻密と鮮烈、集中と余韻、端正でありながら強烈な熱のある手仕事、青の多用とその組み合わせの多彩、陶酔の音律と音階、朗唱、底流に流れる「意志」、そこへの共鳴性。そういうものに惹かれます。

メッカという一つの方向に向かって、世界中のイスラム教徒が祈っている、あの概念。あの集中と凝縮。完璧な拡散型の自分の感性とは違うのですが、逆なものに惹かれるのかな。

アブダビの空港で見たポスター。花びらかと思ったら、飛行機が中心に向かっている。中心の言葉は読めませんが、言葉が立ちますよね。この構図、意外と単純かもしれないけど、発想できない。

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(アブダビの空港で見たポスター)

もちろん装飾タイルや建築装飾には、中心に凝縮しながら同時に無限の広がりを感じさせる、たくさんの例があります。

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(サマルカンド、ティッラカッリマドラサ〜たぶん)

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(サマルカンド、ウルグベクマドラサ〜たぶん)

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(これもサマルカンドかな。幾何学模様が発達したイスラム装飾。透しがきれいです)

そう思うと、日本の「余白」「間」、これも別の意味で、成熟した、素晴しい美意識だと思います。
日本人は芸術家ではなくても、余白によるバランスが自然にとれます。すごいことですよね。

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(東博にて撮影。説明を引用:黄瀬戸草花文平鉢/美濃/安土桃山〜江戸時代、16〜17世紀/俗に油揚手、菖蒲手と呼ばれる黄瀬戸の典型作。中国龍泉窯青磁に従ったつば縁の平皿に、見込に草花文を釘彫し、失透する灰釉をかけ、銅で斑文を施し、ほのかな色の対比がまさに和様の雅びとなっている)

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最近、恒例のシリーズ!
西アジア、中央アジアの現代のやきものを特集展示している「青の魅惑 イラン、トルコ、ウズベキスタンのやきもの」展示作品(〜出展作家作品)より、何点か、ご紹介。(「青の魅惑」は、常滑市の「世界のタイル博物館」にて開催中/2012年3月20日まで)。

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(トルコ・イズニックに工房を持つアディル・ジャン・ギュヴェンさんの作品/アナトリアの技法を再現しているギュヴェンさん制作のスリップウエアです)

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(トルコ・キュタヘヤで制作を続けるメフメット・コチェルさんの絵付け、部分。ウサギでしょうか、躍動感が魅力的。花もイキイキとしています。線の運びがきれい!)

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(ウズベキスタン・リシタンの陶芸家、アリシェル・ナジロフさんの絵付け。自由でのびのびとした絵柄はお人柄だなあと思います)

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(ウズベキスタン・リシタンのウスマノフ工房の作品、アップです。こちらはアップで見たくなります。濃い青に引き込まれます)

秋の夜長の読書、は全然できなかったけど、冬は少し本を読もうかな。やるべきことをこなしきれない毎日(情けない、、)だけど、久々に本で旅したくなってきました。
by orientlibrary | 2011-12-06 00:33 | 青の道

羊クラフト/イランのザクロ/青で描かれた鳥や魚

さすがに寒いです。もう11月下旬。ぬくぬくものが恋しくなってきますね。

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(手仕事クイーンTさんがラクダのサドルバッグを作成。「サドルバッグはバンバンじゃないとダメ」との持論から、ミニチュアでもパンパン。その場でどんどん作るクイーンの仕事ぶりはこちらで)

このところ「青」づいていたオリエント・ライブラリーも、ちょっとだけぬくぬく気分を味わいました@「ひつじクラフト」。ぬくぬく〜と温かい写真はこちら

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イランのザクロ、日本に届きました。
日本橋のダルビッシュショップにて購入。アイドルの文鳥が入り口まで一直線に飛んで来て迎えてくれました。が、つつかれまくり(>v<)、、でも、かわいいです☆

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美容にいいと人気になっているザクロ。ジュースはよくみますが、イランのザクロの生を見る(食べる)のは初めて。
酸っぱくて、コリッ、ギシッとして少し固いですが、でも、おいしい。後味がいいというか、ケーキとの二者択一なら、私はこちらを選びます。

実がぎっしりと詰まったザクロは、豊穣のシンボルとして、ウズベキスタンのタイルによく描かれます。ウズの家々の中庭にも、たわわに実っています。

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タイルに戻ってきたところで、ただいま開催中の「青の魅惑 イラン、トルコ、ウズベキスタンのやきもの」の展示作品などについて、少しご紹介。

西アジア、中央アジアの陶芸産地、その「青」を軸に、各地の青のニュアンスの違いや個性、作家が青に込める思いなどを特集した展示です。
イラン、トルコ、ウズベキスタン、古代や中世の陶器の展示は時々見ることがありますが、現代のやきものの紹介は少ないように思います。さらに青の比較というのはおもしろいのでは!?^^

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(トルコ・イズニックに工房を持つ作家、アディル・ジャン・ギュヴェンさんの作品。伸びやかな鳥。余白の多いブルー&ホワイト。鳥の表情が愛らしいですね)

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(ギュヴェンさんの工房にて。女性の作家さんが絵付け中)

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(トルコ・キュタフヤのメフメット・コチェルさんの絵付け。細密でありながら勢いがあり素晴しい。鳥の眼、まるで生きているよう。何かを話しかけてくるようです。今も1日に10〜15時間も作業をするというコチェルさん、つい「そんなに仕事をして疲れませんか」と聞いてしまいましたが、「描かないと死んでしまう」と。「夜中に描いていると、花たちが”私をもっと綺麗に描いて”と語りかけてくる」そうです☆)

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(ウズベキスタン・リシタンの陶芸家、アリシェル・ナジロフさんの鳥。大胆な構図、筆致が力強い。鳥と植物が一体化しているようです。強い青と相まって印象的な作品。 *展示のためテグスがかかっています)

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(ウズベキスタン・リシタンにあるウスマノフ工房の作品。双鳥もありますが、魚二匹の構図も時々見ます。伝統的なのでしょうか。ウズベキスタンでは魚を見る機会は少ないと思いますが、魚のモチーフがとても多いです)

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(アリシェル工房での絵付けの様子。葉の形の良さとイキイキ感が見せどころ。若い職人さんたちは、朝から夕まで熱心に仕事をしています)

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(これは今回の展示品ではありません。日本の青の例。東博にて撮影/以下解説より引用。「染付草花文輪花大皿/伊万里/江戸時代、17世紀/中国の芙蓉手写しの大皿を作っていた伊万里は、1660年代以降、和様の表現を持つ精作を作り出す。この大皿では、周縁部を和様の表現とし、見込みも余白を生かした絵画性の高い意匠とする。染付の筆致も繊細で、伊万里染付の新しい方向をよく示している」)

中国染付への憧れ、模倣から始まった各地のブルー&ホワイトの表現。気候風土や歴史的な背景が、どのように影響しているのでしょう。青の道は、まだまだこれから、のオリエント・ライブラリーです。


*** 11月23日は、会場である「世界のタイル博物館」におります。お天気も良さそうでよかったです♪♪♪
<追記> 13時30分より、トーク「シルクロードの暮らしとやきもの」をおこないます。こちらにもどうぞ☆ 現地の写真を200枚以上ご紹介しますよ〜^^。


(facebook&twitterカウンター、今回はちゃんと働いてくれるでしょうか??、、→ どうもダメみたいですね、、どうなってるんだろう!? +;+)
by orientlibrary | 2011-11-21 14:39 | 青の道

「青の魅惑 イラン、トルコ、ウズベキスタンのやきもの」、コバルトロードの旅へ

日本のタイル好きなら、必ず見ているであろう「イスラームのタイル」(INAXブックレット)。

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この青に惹かれました。もちろん、こちらの青も。

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(イラン・タブリーズの博物館にて)

旅先で見る青のモスク、マドラサ、聖者廟は、青のタイルに包まれて、この上もないほどに青く輝き、紺碧の空と呼応していました。

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(ウズベキスタン・サマルカンド)

大好きなモザイクタイル。土を用いてここまで美しくできるのかと感嘆する緻密で精巧な手仕事。異なる表情の青が醸し出す陶酔。天空に至るかのような、至高の美を感じます。

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(イラン・タブリーズ/ブルーモスク=マスジドキャブード/最高に好きなモザイクタイルです)

ウズベキスタンでは、タイルだけでなく、陶芸とも出会いました。

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シルクロードを旅行しながら、各地での青のニュアンスの違いを感じるようになりました。青は時代によっても違うような気がしてきました。

5年くらい前でしょうか。ウズベキスタンの陶芸産地リシタンの工房で、陶芸家のアリシェルさんと雑談をしていたとき、アリシェルさんが言いました。
「各地で青は違う。コバルトロードってあるんじゃないかな。較べてみるとおもしろいね。そういう展覧会があったらいいと思う」。

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「青の魅惑 イラン、トルコ、ウズベキスタンのやきもの」、愛知県常滑市のINAXライブミュージアム内「世界のタイル博物館」で11月3日より開催中です(2012年3月20日まで)。

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(「青 空と水とやきものの始まり」)

大きなテーマは「青」。「青 空と水とやきものの始まり」というテーマの中で、現代作家の青の表現をギャラリーにて展示しています。

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(「青の魅惑 イラン、トルコ、ウズベキスタンのやきもの」/チラシ、両方キレイですよね!大好評です)

イラン、トルコ、ウズベキスタンから、各国2工房(作家)が参加。ギャラリーですから、展示点数は50点ほど。ささやかともいえるでしょう。けれども、見比べてみると、興味深いです。各地の青の表情。違いもあり、共通点もあり。

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イスラームの青。西アジア、中央アジア、イスラム文化圏といわれる地域には、青で飾られた建造物が多く、青い陶器も多い。かといって、工芸が青一色なのではなく、民族衣装は赤など華やかな色が好まれますし、毛織物も赤が主体です。

やきものに青が多いのです。
材料や製法上の問題、魔除けなどの信仰、宗教(イスラム)、水や空への憧れ、トルコ石やラピスラズリへの願望、気候風土がもたらす美的感性、、いろいろ考えられそうです。書籍や資料からも、そのように学びましたし、どれも納得、得心できるものだと思います。

今回は、出展作家に聞いています。どうして青なのか、と。正解はわかりません。
ただ、青の作り手、青に(ある種、病のように)魅せられた人たちが語る、青の理由。その言葉は生のものです。少なくとも、その作家にとっては、真実なのです。

「イランの青、至高の“フィルゼ”は自然のトルコ石の色。自然にある色こそ最良である」 (ムハンマド・マフディ・アヌシュファル/イラン・テヘラン)

「イランでは青(フィルゼ)は水を意味する。水は命の根源。自然にも人間にも」 (サイード・アクバリー・ソヒ/イラン・イスファハーン)

「“作家が熟練すればするほど色数が減ってゆく”という言葉は、まさにブルー&ホワイトを表す」 (メフメット・コチェル/トルコ・キュタフヤ)

「青は深遠でありながら自由そのもの。困難の末に得られる高貴の色」(アディル・ジャン・ギュヴェン/トルコ・イズニック)

「砂漠に水があると嬉しくなると同時に安心して心が落ち着く。陶器の青もそれと同じことだ」 (ルスタム・ウスマノフ/ウズベキスタン・リシタン)

「青は、活力・生命力・愛情・感謝などすべての心の動きを活性化する。幸福と勝利をもたらす聖色である」 (アリシェル・ナジロフ/ウズベキスタン・リシタン)

真摯に質問に答えてくださった作家さんたちの言葉は、青の魅惑を解く鍵として珠玉ではないかと思います。たくさん話してくださった方もあります。全部をご紹介できないのが残念です。(このブログで折々にご紹介していきたいと思います。また、何かの機会に発信できればと思います)

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(展覧会のこのようなかたちでのご紹介)、書こうかどうしようか、迷いました。(ホントはまったくの「黒子」がいちばん。内気なんですよ〜^^)。でも、やはりブログで書くべきだと決めました。

ブログを通して知り合ったイスタンブールのchinichiniさん、ブログによく登場するサブさんに、トルコ、イランの作家さんコーディネートでお世話になりました。chinichiniさん、9月のトルコ、本当にありがとうございました。
ウズベキスタン関係の皆様、手仕事の仲間たちにも、強力なサポートをいただきました。

私のタイル愛好への道を開いた一冊「イスラームのタイル」のINAX社の博物館、「イスラームのタイル」の著者でありタイルを求めて世界を歩いた山本正之氏のコレクションをもとに作られた「世界のタイル博物館」での展示。なんだかタイルの道をぐるっと廻ってきたようにも思えます。
この間、とくにこの数ヶ月、振り返る暇もなかったけれど、これって本当に有り難く、素敵なことなんだな、、ちょっとだけ落ち着いた今、ようやく少しリアルになりました。

これから、作家さんのこと、作品のこと、青の陶器の産地のことなど、写真をまじえながら、少しずつ書いていきますね。会期は長いので、ぼちぼちと、かもしれません。でも、けっこうせっかちなので、青に関する次のテーマに走っていくかも??

コバルトロードは、まだ第一歩を歩み始めたところ。謎と魅力に満ちた青の道、探検は続きます。みなさんも、ご興味があればご一緒に!

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11月23日は、会場におります。愛知近郊の方、タイルオタクのお話などできれば楽しいですね〜!^^ 
(これから毎年)11月23日は「タイルオタクの日」! 古今東西のやきもの職人さんに感謝する日!^^
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(ウズベキスタン・ウスマノフ工房の出展作品より。直径32センチの皿のセンター部分、細かい絵付けです。濃淡もあり素晴しい。鮮烈な青のなかに清潔さ、律儀さがあるように感じます。今年の夏、この展覧会のために制作されたものです。40度を超える毎日、もちろん工房に冷房などありません。しかも時間がなく、非常に短期間でお願いしてしまったのです。他の注文仕事もあります。こうした中での18枚の絵付け皿の制作。それを思うと、この細密さが、とてもとても愛おしくなります。日本への梱包の、ここまでか、というほどの完璧さにも、職人さんの矜持を強く感じました。梱包、それは技能であり、誇りであり、矜持です。愛情であり、責任です。梱包まで含めて作品ではないか、私はそう思います)
by orientlibrary | 2011-11-13 21:24 | 青の道

シルクロードの実り、ブドウ&陶器と一緒に

昨夜、ウズベキスタンから無事戻りました。

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ほとんど2日がかりの帰り道でした。長かった〜!旅をともにしたのは、なんとブドウ。そして陶器。まずはブドウのお話から。

帰国時、陶器の町リシタンからタシケントへは乗り合いタクシーで。同乗する方(知らない人)のお宅にピックアップに。立派な門構えからチラッと見えた庭に惹かれ、ついつい門の中に入ってしまった私。赤系の木の家の魅力、その広さ、そして庭を包み込むようなブドウ棚とたわわに実ったブドウに「わ〜!!すごい!大きな家ですね〜!」と感動。

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すると、家のご主人が息子さんに何か言い、息子さんは「ブドウ取りタワー」(と勝手に名づけている台)に乗りブドウを摘み始めました。

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手際良く籠(ブドウ用?)が用意され、どうするのかと思っていたら、なんと私に、、。
いえいえ、と(日本人の)遠慮をしていると、タクシーの後ろ、スーツケースの横に入れてくださり、、 一瞬「これ(野菜や果物)って持って帰れるものだっけ」と思いつつ、ブドウの魅力とご家族の笑顔に、つい「ラフマット(ありがとう)!!」。

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それにしても、いきなり現れたまったく見知らぬ外国人に、立派なブドウをたっぷりとわけてくださるなんて、、シルクロードのもてなしだなあ、、私はこういうウズベキスタン、真っすぐで邪気のない人たちが好きだったんだよなあ、、と、久々に初心に帰る思いでした。本当にラフマット!

その後、無事に朝10時頃に出発したものの、途中のガソリン補給の列、たしか4回もあったパスポートチェック(私より地元ウズベクの人たちの方が厳しいチェックにあっていた。独立記念日近し。ふ〜、、)、昼食休憩、同乗の方の用事、交通違反(右折に際してのほとんど問題ないことだった。運転手さんがかわいそうすぎる!罰金かな、免停かな、、)等々で、空港についたのが、なんと午後5時半頃。

チェックインで問題になったのは、ブドウ、かと思ったら、陶器。多すぎるんですよね。わかってます。そこをなんとかクリアして、陶器とブドウに気を使いながら乗り継ぎの韓国インチョン空港へ。

朝9時半について、午後5時発の飛行機待ち。インチョン空港は広々として快適で便利(成田、、)。シャワー(生き返る〜!)とリフレクソロジー(^^)、店見学、カルチャー体験、でもまだまだ時間あり。今回はPC持参だったので、wifiでネット。夜、成田着。

必死に運んできたブドウ、ついに税関で没収か!?無理ですよね、、いい思い出だけでも、それでいいです、、

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(入手した刺繍と一緒に。日本にて記念撮影)

って、、うちに着いちゃいました〜!^^検疫、問題ないですよ!取ってるところから見てるし、最高のオーガニックなんですから。

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(今回購入の青い大皿&アドラスと記念撮影)

でも、ブドウの籠を洗ったらオレンジやら赤やら、絵具の色がめちゃ落ちた。この方がコワイ、、でもブドウよく洗ったから大丈夫でしょう。。

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(運んできた陶器たち。かわいい〜♥ この模様、デザイン、絵付けがナイス!今回は鉢類が良かった)

↑ もしかして、同じものばかり買っていると思われる方、あるのでは?いえいえ!ひとつずつが手仕事なので、ひとつとして同じものはないんですよ。そして、いつもの茶碗ではなく、これは深鉢。

今回は、フェルガナの町を小旅行したいと思っていましたが、所用があり、結局一日しか出かけられなかった。でも、とっても良かった。アンディジャン。以前、暴動が報道され、そのイメージから誤解されがちな町。でも、ここでもウズベキスタンのハートを感じました。そのあたり、また書きますね〜!
by orientlibrary | 2011-08-26 00:36 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

壁画とタイルで巡る 西域への心の旅 (silk road paintings)

◆ 大唐西域壁画 ◆

リニューアルが話題になっている東京国立博物館。特別展「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」も始まりました。外に出るのが初めてという奈良・薬師寺玄奘三蔵院奉納の大作「大唐西域壁画」が全点展示されています。

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(「明けゆく長安大雁塔・中国」「大唐西域壁画」/平山郁夫筆/2000年/玄奘三蔵院壁画 奈良・薬師寺蔵/博物館サイトより引用)

この壁画は、以前薬師寺にて拝見、その迫力に感動しました。その時のことを、以前(他に)書いたことがあります。
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 薄明かりの壁画殿。目が慣れてようやく、そこに展開されている壁画の雄大さに息をのみました。平山郁夫画伯が三十年の歳月をかけて完成したという「大唐西域壁画」。玄奘三蔵の求法の精神を描き、絵身舎利としてお祀りされています。
 長安から始まり、果てしない熱砂、急峻なヒマラヤ山脈、氷河をも超え行く過酷な旅を歩き抜き、インド・ナーランダ僧院に至った玄奘の旅にまつわる地が、七場面に分けて描かれています。
 東には戻らないという不屈の「不東」の志に、胸がいっぱいです。見る者にそのような気持ちを抱かせる平山画伯の絵の迫力も、ただならぬものがありました。
 見上げれば、天井もまた西域の空。なんと群青色の貴石であるラピスラズリを贅沢に使った一面の空です。それは旅人が見上げる紺碧の空でもあり、一日の疲れを癒す深く遠い夜空でもあるようです。
 空をよく見ると、入り口近くには日光が、出口近くには月光が描かれ、壁画群の中心にあるヒマラヤの絵上部には、散華の様が描かれています。空間全体が、仏教の宇宙観、思想、それを命をかけて学び伝えようとした人々の思いを表しているように感じました。
  春の星ラピスラズリの宙重し 
  大壁画抱く伽藍に霾れる 
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( 「ナーランダの月・インド」「大唐西域壁画」/平山郁夫筆/2000年/玄奘三蔵院壁画 奈良・薬師寺蔵/博物館サイトより引用)

シルクロード周辺が好きな人間にとって、やはり平山さんは特別です。自らの被爆体験を原点とし、創作と文化財の保護に生涯を捧げられました。「絵を描き続けた平山」として夫人の言葉が紹介されていました。「平山の人生は行(ぎょう)であったのですが、人に喜んでもらえる事が平山には嬉しかったのです」。そして、今は苦しみも痛みもない世界で存分に絵を描いているでしょう、と結ばれていました。

今回の展示を見、あらためて、一人の人間としてなんとたくさんのことを、意味のあることをされたのかと思います。
また再度壁画を拝見して、沙漠や廃墟、過酷な自然などが題材にも関わらず、乾燥や荒涼よりもむしろしっとりとやさしい情感があふれているように感じました。もう一度、今度は薬師寺で見たいと思いました。

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(仏教伝来の道より「舎利容器」/6~7世紀/中国・クチャ・スバシ出土/華麗な筆致と彩色によって奏楽などの場面を見事に表現した、西域美術の傑作/博物館サイトより引用/イキイキと描かれた華麗な衣装の人々、この絵画に魅了されました)

基本的に、東博は常設展が好きです。多数の国宝や重要文化財を含む11万点もの所蔵品の中からのテーマ展示は、小規模な美術館の企画展くらいの見応えがあります。それが館内でいくつも展開されているのですから、本当に贅沢な時空間だと思います。しかも、企画展のような混雑はなく、静かにゆっくり見られるのがいい。写真撮影ができる(一部を除く)のも大変に有り難いです。

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(三彩兎文皿 磁州窯/金〜元時代、13世紀/文様を線彫りで手早くあらわし、緑、黄、白の釉薬を塗り分けて彩っている。13世紀後半の三彩の稀少な基準作となっている/東博にて撮影)

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(染付吹墨亭兎図皿/伊万里/17世紀/東博にて撮影)

今回の平山展では、珍しくスーベニアを買いました。普段は図録以外は買わないのですが、モチーフが好みなので、ついつい。とくにウズベクの絣のメモ帳は面白い。使いにくいけど、これははずせない買物でした。

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◆ タイル友 ◆

昨年夏からスタートしたペルシアタイル絵付け、今年はまだクラスを受けていないのですが、その前に教室の新年会。ふだん会わない曜日の生徒さんとも顔合わせして楽しかったです。

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(持ち寄りで多彩な手作り料理が揃い、とても写真に撮れないほどでした。これはさぶ先生作のイラン風カレー。さぶ先生の母上作のソフレ(食卓布)と。羊や山羊の毛をつむいでの手織りソフレ。色合いといい模様といい最高です!)

とくにお会いしたいと思っていたタイルクラスの方に会えて良かった。建築の仕事をなさっているOさんは、スペイン居住時にタイルと出会いスペインでタイル絵付けを勉強された方。私の雑なタイルとは全く違う次元で、細密で美しい。現在、大作を作成中です。

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(さぶ先生の新釉薬。きれいだ〜!私も使いたい!)

さぶ先生とも「日本で装飾タイルをもっと広めたい」と、いつも話をしているのですが、Oさんもお仕事の中で工夫して提案されているようです。

こんな同好の仲間が増えていく、、うれしいです。、、と思っているところに第3の生徒登場。年末デビューで、映像関係の仕事をなさっている男性ですが、この方も最初とは思えないくらい上手。

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(絵付けタイル/トルコ文化センター)

3人で「どうしてタイルなんですか?」等々、タイル話に熱中。日本でタイルの話ができるなんて、感激です、、(泣)。

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(絵付けタイル/トルコ文化センター)

平山郁夫さんの修行のような日々、偉業には遠く及ばずとも、小さなことでもしっかりとやっていかねばと思いました。
by orientlibrary | 2011-01-19 00:14 | 日本のタイル、やきもの

青の道 islamic blue road

「イスラムアート紀行」を始めたのは2005年9月。パソコン音痴の私、ホームページは難しくて断念、ブログならばできるかもと思い、画面がスッキリしているエキサイトブログを選んで登録。おそるおそる始めてみました。

その頃は、「イスラムのタイルのことを話す友だちがいない」ことに、ちょっと淋しさを感じていました。タイルと言えば「お風呂」、イスラムと言えば「テロ、女性差別」。
この模様が好きとか、あの時代の色がいいね、とか、他愛なくてもそういう話がしてみたい、でも無理と思っていました。

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(シリアのタイル)

5年が経ちました。イスラムタイルもイスラムのデザインも、今でもメジャーなテーマではありません。でも、私にとっては変化がありました。

始めて間もない頃にエキサイトブログで知り合った「写真でイスラーム」のmiriyunさん、的確で温もりのあるコメントに、いつも勇気づけられてきました。miriyunさんの存在がなかったら、続けられたかどうかわからないほどです。
そして、こんなマイナーなブログにたくさんの方が訪ねてくださり、すてきなコメントを書いてくださいます。本当にありがたいことです。
とくに、「タイル絵付け習い始めました」と教室での様子を書いたあたりから、タイルや模様が好きという方から、「読んでます」とのコメントが。わあ、タイルやイスラムの模様を好きという方たち、少なからずいらっしゃるのかも!とうれしくなりました。
イスタンブルでタイルの絵付けをされているatelierciniciniさんの「-イスタンブル発- トルコタイル通信」とも出会うことができました。トルコのタイルや模様のことを勉強させていただけて、とても有り難いです。念願の「タイル話」ができるのもうれしい☆

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(トルコのタイル)

そして、この夏からスタートした「ペルシアタイル絵付け」。日本にいながら本場イランの先生に習えるなんて、ハッピー。この青が好き、この模様がいい、とオタクな会話ができる日が来るなんて、感動です。

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(タイル教室、先生の青釉一部)

また、タイル旅がきっかけで出会ったウズベキスタン陶器、なかでも青で有名なリシタンの陶器と職人さんたちのこと、ブログでもときどき書いてきましたが、先日、そのリシタン陶器と弟子制度のことがテレビのドキュメンタリー番組で紹介されたのもうれしいことでした。

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(リシタン陶器)

イスラムの青に魅せられ、たくさんの青に出会ってきました。
この頃考えているのが「青の道」というテーマです。

以前、リシタンの陶芸家であるAさんが言いました。「“コバルトロード”って、おもしろいんじゃないかな。ユーラシア各地で青はちょっとずつ違うでしょう」。さすが、アーティストです。発想がシャープ。
そのときから、この言葉とイメージは、ずっと頭の隅にありました。でも、どうしようもなかったのです。それが少し状況が変わってきたかなと感じているのですが、、。

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(ウズベキスタン・ブハラのタイル)

テキスタイルでは、「世界の藍」(文化学園服飾博物館/2008年)という展覧会もおこなわれています。「藍は世界中で古くから用いられている植物染料です。蓼藍、琉球藍、インド藍、大青など地域によって使用する植物の種類や染色方法は異なりますが、堅牢であるため、多くは日常着の染料として広く親しまれてきました」。

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(ムルタンのタイル)

たとえば、この藍を青釉に変えてみたら、、と思うと、イメージがわいてきます。
マグレブの青、中東の青、トルコの青、イランの青、ウズベクの青、ムルタンの青、中国の青、日本の青。
シルクロードは「青の道、ブルーロード、イスラミックブルーロード」でもあるといえるのではないでしょうか。

青や釉薬について、活字では少し調べていましたが、まだまだピンときていません。まずは、絵付けの「さぶ先生」から釉薬レクチャーを受けようか、と思っています。

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(東トルキスタン・カシュガルのタイル)

次の「5年後」がもしもあるとしたら(社会の変化が恐ろしく速いのでブログもネットも、そして自分もどうなっているかわかりません)、「ブルーロード」はどういうことになっているでしょう。イメージ力(りょく)でゴー!?☆
by orientlibrary | 2010-11-07 21:21 | 青の道

アフガニスタン 生命の樹

2か月ずつのカレンダーだと、もう1枚、という時期になりました。紙のカレンダーを壁にかけること、いつもはしないのですが、今年は甲斐大策さんの「アリアナの生命樹」というカレンダーをかけていました。
甲斐さんはペシャワール会会報の表紙を描いていらっしゃる方。重厚でありながら底から温かさが立ち上がってくるような甲斐さんの絵が好きです。

9・10月の絵は、カレンダーの中で一番好きでした。そしてじつは今日初めて、絵の下に書かれている文章を読んだのでした。描かれた世界が息づいてくるような、愛おしくなるような「語り」でした。(部分抜粋にて引用させていただきました。)

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(「アリアナの生命樹」“樹々と人 ヌリスタン”部分/甲斐大策画、ペシャワール会事務局編、石風社制作より)

〜〜〜
樹々のヌリスタン
ところでヌリスタン人はどうしたのかな、平和な頃から少しづつ姿を見せなくなった。
アフガニスタン側の、五種類だったかな、怒らせると大変だが普段は、シャリーフ(高貴)な山の駱駝、という雰囲気のヌリスタニだったが、ソ連がきた頃から少しづつ減っていった気がする。
山奥の暮らしのせいか、上等な材木をたっぷり使い、扉は柱の彫刻が私たちより細やかで、木と葉と花で一杯、そうそう、スザン(刺繍)が最も素晴らしかったさ。
雪豹や珍しい蝶と同じだな、生命の樹の細工物も一緒に、静かに静かに少しづつ消えていく。あの人たちも消えてしまったのかなあ。
〜〜〜

最後の1枚は雪景色でした。

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(「アリアナの生命樹」“北の薪市”部分/甲斐大策画、ペシャワール会事務局編、石風社制作より)

〜〜〜
北のたき木屋
薪も炭も高くてなぁ、近頃ペシャワルに出廻っている薪の大半は、古材の切れ端だよ。古い建物取り壊しが盛んになって二十年程かなぁ。
中には百年二百年を経た上等な松材もある。それもパクティア、そうだとも、私の村近くから出た松さ。そりゃあ、見ればすぐわかる。木目でわかるよ。それが、そこいらのユーカリやポプラや楡の枝と一緒にされていると哀しくなるよ。
(カバブ屋のコックが)このところの薪は信用ができない、炭はもっとひどい、と頭を抱えていた。カバブが臭くなってはなぁ。それもセラティーンの天下一カバブがだ。
(昔の薪は)ほとんどが根だった、それも太くて重いのばかり。うんと寒いところでじっくり育った樹の根だよ。もう何十年も前にそうだったのだから、その後樹を植えたり育てたりするような世の中ではなくなっただろう、今頃どうなっているかは想像がつく。
クンドゥズの夏はペシャワル並みに蒸し暑いが、もうそろそろ寒い頃だろう。薪をどうしているやら・・・・
〜〜〜

雪の中の薪、、薪ひとつからもいろいろなことが見えてくるのですね。

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(コヒスタンの衣装とバローチの絨緞/美しい世界の手仕事プロジェクト2010より)

今年は秋にパミールのお話を聞く会があり貴重な写真も見せて頂いたのですが、アフガニスタン、このごろ考えたり何かしたりすることがほとんどなくなっている私です。報道で接するアフガニスタンは、依然混迷しているようです。ペシャワール会のような地道な活動に頭が下がります。

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(「アリアナの生命樹」部分/甲斐大策画、ペシャワール会事務局編、石風社制作より)

〜〜〜
生命の樹
なぁ、これは生命の樹だよな、石榴、無花果、葡萄、林檎、桑の実、みんな一本の樹にぶら下がり、グリ・ライラ(夜の花=チューリップ)、グリ・ダウド(ダヴィデの花=雛罌粟)まで咲いている。
生命の樹、壁だけではない。木に彫り、布に刺し、絨緞に織り、西も東も、アリアナのどこへ行っても、恐らく何千年も昔からあったはずだ。
村そのものが生命の樹、皆その下で生まれ育ち、そして枯れもする。
ペシャワルかい?この都は永遠の生命の樹、善いこと悪いこと全てある。枯れはしない。
〜〜〜

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(HERAT FRIDAY MOSUQUE 1200-1498-1964/『COLOUR AND SYMBOLIZM IN ISLAMIC ARCHITECTURE』よりトリミングして引用)

甲斐さんの絵、じっくり見ていると、ますます絵の中に入りこみます。リアルだけれど幻想的、重いけれど温かい。そして何よりアフガニスタンへの強い愛を感じます。底流に信頼や希望を感じるのです。カレンダーはお終いになるけれど、絵は保存しておこうと思いました。
気が早いですが、どの国の人たちにとっても、良き年になりますように。
by orientlibrary | 2010-10-31 22:39 | ウイグル/アフガン