イスラムアート紀行

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土祭展覧会/ほんとの水/リシタンの青い魚たち

渋谷に土を。益子の土・森・祭の情景を伝える展覧会「土祭」が渋谷ヒカリエ8階でスタート(6月10日まで)。栃木県益子町「アース・アート・フェスタ土祭」の世界観をベースに「土」「森」「人と祭」の情景を伝えるもの。

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(デジカメ忘れたのでiPadmini写真です/土オブジェ。アートな急須たち。閑かな色合いのやさしい益子泥だんごが生る樹。益子の森とさえずり)

「益子の土の豊かな表情、窯出しの時に生まれたばかりの器が奏でる澄んだ音、里から分け入る深い森の静謐な空気」。思い切った会場構成。そぎ落とした情報の精度と強さ。勉強になります。

土祭(ヒジサイ)」(リンクは音が出ます。自然の音なので気もちいいですが、仕事中の方はご注意を)。今年は行きたい。いや行こう。

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『民俗と民藝』(前田英樹著/講談社選書メチエ)。民俗学の柳田國男と民藝運動の柳宗悦。「それらを生み出し、成長させた土壌はひとつのものだ」との認識のもと、「二人の仕事をして輪唱のように歌わせたい」という願望から書かれた本。新聞書評で知りました。そして、そこには最終章の河井寛次郎の言葉が「土壌」の核心であると記されていました。

陶芸素人の私、民藝運動の頃の作家作品も多少見る機会を持ってきましたが、この頃感じるのは、どうも私は河井寛次郎作品が好きなようだ、ということ。

著者は河井寛次郎の文集『火の誓ひ』の短章に「感嘆するほか言葉もない」と書きます。「”民藝”というものが、おのずから止めどなく産まれるのに必要な社会の情勢、人と自然の結びつき、暮らしの仕組みと道徳、そして何よりも底知れない信仰の土台が、活き活きと、心の眼に映し出すように描かれている」。

寛次郎さんの郷里、出雲安岐の町での少年時代。明治中期の山陰の小さい町の暮らし。「陶と農とか分かれていない暮し」。『六十年前の今』のなかの「ほんとの水」のくだりは、ゾクゾクするくらいに瑞々しい。一部のみですが引用。

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(写真は多治見市之倉町)

「子供達はここで初めてほんとの水を見た様な思ひがした。井戸の水や海の水や川の水とちがって、ここの水はずっときれいで、生きていた、動いていた、光っていた、ものを言っていた。そしてありとあらゆる物の形の本質ー連続する変化の形態を、ここは子供達に見させた。そしてこれがまぎれもない水の気質であり、体温であるとでも思われるものをじかに彼等のからだに書き込まれた」

本全体も読まなくては。

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暑くなって、そして梅雨入り。水つながりで?ウズベキスタンの青の魚たちをご紹介!

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(2012年夏、リシタンのアリシェル工房にて)

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(同。白地が涼しげ。新しいデザインの傾向のようだ)

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(同。のびのびと描いているところが好き。素焼き後、白化粧土をかけ乾燥させた魚皿、鉛筆でササッと下書き。イメージができているのか迷いがない。絵付けも集中しつつスピード感がある。若い職人さんは今どきの音楽でリズムをとったり、ときにはスマホで話も。でも集中度が高い。自由な絵柄はやはり魅力がある)

なぜ魚?ウズベキスタンには海がなく、魚といってもチョウザメの干物をみかけるくらい。雨も少なく水がとても貴重。水に棲む魚は清浄で幸福の象徴と聞きました。

青ですねえ。白とのバランス、緑系の青との組合せも個性。余白が多くなってきたこと、個人的好み。幾枚かの魚さんといっしょに帰って来たのですが、今のところしまったまま。夏に向けて出してみようかな。

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話は全然違うんですが、、 サウジアラビアであった出来事がネット等で話題になっています。「イケメンすぎて国外追放」。なにそれ!?

「事件」が起きたのは、サウジアラビアの首都リヤドで年に1回行われる「Jenadrivah Heritage & Cultural Festival」というイベント。このイベントにUAEも出展。が、サウジアラビアの宗教警察がUAEの出展者の男性3名を会場からだけでなく、国外へ強制退去したというのです。その理由が、、「3人があまりにハンサムなため、女性たちが魅力に感じ、夢中になってしまうのではないかと恐れた」。は〜!!??なにそれ!?大きなお世話だよっ!!と誰もが思うじゃないですか。

が、ネットの力おそろし。その「イケメンすぎる」という理由でサウジアラビアから国外退去させられた人が特定されて、逆に盛り上がってしまってます。

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(出典:いずれもkimasoku.doorblog.jpより)

UAE・ドバイのカメラマン兼モデルのOmar Borkan Al Galaさん。た、たしかに!、、、Omarさんのfacebookやtwitterにファンが殺到。国外退去は驚いたと思うけど、モデルでもあり、世界的に知名度が上がったことはよかったのでは?

あ、私がこの話題を載せた理由はですね、、これまでイケメンというような話題では欧米中心。中東メンズとかはあまり登場しなかったように思うんですよね。それがバリバリの民族衣装でスマイル。腕には鷹まで。経済力のあるところに話題が生まれる、ということもありそう。

この流れで、ハリウッドではなくボリウッド映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』について書こうと思っていましたが、長くなりすぎました。いつか機会があれば。キング、シャー・ルクさん、こちらもすごい!
by orientlibrary | 2013-05-30 00:53 | 日本のいいもの・光景

セミラックパークMINOと美濃のやきもの

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セラミックパークMINO」は、「岐阜県現代陶芸美術館」と「オリベスクエア」と呼ばれるメッセ施設からなる、文化と産業の複合施設。設計は磯崎新氏。「緑のままの自然を残して、その隙間に人工的な構造物を作るなど自然環境との調和に配慮」「谷という地形を最大限利用し、方形の懸崖造りの施設」が特徴。
憧れつつ、写真だといまいちよくわからなかったのですが、現地はやはり迫力ありました。広大でモダンで気持ち良い。どの角度から見ても絵になる!それなのに、どこから撮ってもなんか違う。チマチマっとしてしまう。素人だし仕方ないです。いつものようにコラージュでごまかそう!^^

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(ギャラリーウオークからエントランスへ&屋上広場。陶の椅子の青がキレイ。ここで見た青空と新緑が忘れられない/「シデコブシが自生する中央の谷や尾根を壊さないよう駐車場を建物から離して北の谷に建物は南の谷に」「タイルや煉瓦など地元の陶磁器製品をできる限り使用」)

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(茶室〜水の階段。さすがの構築美/「屋上広場との一体利用も可能」)

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(大きな写真が展望台から見た全体像。広々として空気がいい。散策路としても魅力!左下は展望台から見えた木曽御岳山(ですよね?)。右下はウオークのところにあったタイルの街。あ、その上はえ〜と鰻丼です。コンベンションホールの「地元名店のカジュアルランチ」で。鰻ってものすごく好きではないんだけど、この鰻はふっわふわで人生一番のウナでした。/「自然を体感できるよう多くの遊歩道を設定」「陶片をギャラリーウォークの天井に貼り付け休憩施設の座面に陶板を使用」)

あれ?これだけ?幸兵衛窯同様、ここでも狂ってたのに。そうなんです、こちらは撮影禁止の場所が多く、写真がないので、どう書いていっていいか迷います。が、「陶芸作家展2013」、良かったです。「二名の人間国宝を含む重鎮から若手作家まで、 美濃を拠点に活動する陶芸作家110名の作品が一堂に会しての展示販売会」。大盛況。陶芸家一人一人の個性があって、じっくりと楽しめました。
来場者のやきものの見方を見ていると、日本人って本当にやきものが好きなんだなあと思います。自然です。機会あるごとにいいものを見ている日本人、暮らしのなかにやきものが当たり前のようにある日本。最高です。

ステージイベントは、皆さん携帯やデジカメで撮っていたので、便乗。アップしていいのかな??

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(青山鉄郎さんの作陶実演。土練り、轆轤引きを間近で拝見できました。語りもお人柄が出て和やかなパフォーマンスタイム。青山さんの青の湯のみ。写真、色が違うんですが、GR、CXというカメラ(いずれもコンデジ)の違いでしょうか。実物は左の方に近い感じです)

実演された青山さん、偶然というか、会場内でもっとも惹かれた青のやきものの作者。青の湯のみを分けていただきました。少しですがお話もできて、うれしかったです。青山さん、自然の中に入り、山や樹々や川を見るのが好き、と。この茶碗の青、清流のように感じます。茶や黄色も、なんだか渓谷や里山を思わせます。すごく好きで、目の前に置いて、いつも見ています。
ずっとイスラームの青を見てきましたが、コバルトブルーはかの地の紺碧の空のよう。この茶碗の青は水のよう。美濃の作家さんの青、いくつか拝見しましたが、日本の澄んだ水を感じました。穏やか、かつ清冽。惹かれます。

岐阜県現代陶芸美術館では、「アジア・木と土に見る“みんぞくのかたち”」を見ました。

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そんなわけで、ブログでは、もう一度、感動の幸兵衛窯に戻ります。桃山様式の穴窯では、職人さんが作業中。静かな庭園と窯、幸せなひとときでした。

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(古陶磁資料館、半地上式桃山様式の穴窯)

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(スタッフが見せてくださった加藤卓男さん手書き原稿。地図、正確/詳細な日記。チケットや写真、スケッチなど。何度も書きますが、この時点ですでに凡人とは違いますね、、)

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(ペルシア染付鶏冠壷 13世紀/淡青釉金彩花鳥文双耳壷 七代加藤幸兵衛/「シルクロード望見」七代加藤幸兵衛より 「背のうに陶のわざのみ籠み籠めて西の胡国へわが勇み行く」。七代加藤幸兵衛さんのイラン国立考古博物館での「ラスター彩里帰り展」、この夏7月4日から23日までだそうです。煌めく旅になりそうですね)

陶芸作家展でも、作家による書画が展示されていたんですが、当然なのかもしれませんが、書も絵も巧み!やきものを作る人って、デッサンから書道まで多才!加藤幸兵衛さんの「歌と画」も素敵でした。いちばん好きだった歌、「一粒の麦たらむわれオアシスに雪解け水の満ち来る春に」(オアシスの春は百花繚乱である。人も植物も生命の讃歌を奏でる。俺だってイランのオアシスの春の畑にまかれた一粒の麦なのかな)。

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多治見(美濃)の土、水、空、緑、やきもの、人との出会いに感謝します。拙い拙い十七文字ですが、心をこめて。

白壁の蔵に青葉の淡き影 
藤棚に花揺れ光り踊りおり  
新緑を映して流る川逸る  
桃山の穴窯万緑迫りけり  
まだ白き木曽御岳や風薫る  
万緑や鳥の形の雲一つ  
川面いま輝く五月うつくしき  
by orientlibrary | 2013-05-18 00:34 | 日本のタイル、やきもの

多治見旅。五月の風、光、空、水、、心の底からリフレッシュ!

「多治見小さな旅編2」、その名の通り旅の2日目。この日も五月晴れで歩くのが気持ちいい。朝から絶好調です!
5月初旬の愉しみは(行ってみてわかったのですが)藤の花。名古屋からの車窓に次々と見えた山藤、品のいい薄紫色ながら大きく揺れてワイルド。街歩きでも、各所で満開の藤の花。引き寄せられました。

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(まずは駅前のながせ商店街を散歩。街にも住宅にもお花がいっぱい。小さなカフェや雑貨店が点在)

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(上左:え?神棚?二つ?こちらではこのように祀るのでしょうか/右下のタイル、日本的ないい色あい)

古い木造の商家。店先の花々や杉玉や貼り紙やらで、吸い込まれるように中に。オーディオがいい音。やきものと花、古い家具類もいいな。気さくな玉木商店ご主人、商店街のイベントのことや多治見のおすすめショップなど、いろいろ話してくださいました。朝からおじゃましました〜!

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(上段:老舗の鰻屋さん、和食店など。黒塀がいい感じ/下左:たじみのキャラクター「うながっぱ」、こちらはモザイクタイル。かっぱとうなぎが融合した生き物のようです/下中:館内に置いてあったマンガ冊子、「やくならマグカップも ね、陶芸やろ?」、、、多治見に引っ越してきた女子高生が主人公らしい。第5話は陶芸部に入部を決意!/下右:自販機コーヒーもちゃんと器で提案)

町の中を川が流れている光景、好きです。空が広くて気持ちがいい。橋を渡って、ウワサのオリベストリートへ。まずは「たじみ創造館」。美濃焼など、ショップいろいろありました。

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(創造館3階、多治見市文化工房ギャラリーヴォイス。「やきものの現在-牛田コレクションを中心に-」展示。広いっていいな、とまず思いました。やきものはこのくらいの広さがあると、しっかり見られますね〜。映えますね。広さは大事。日本の澄んだ青、水のような青がすてきでした。

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(オリベストリート界隈にて。カフェなど/上段:カフェ店内/下右:氷屋さん、白壁とロゴ、カッコ良し!)

カフェもいろいろあって迷います。流れていたノラ・ジョーンズが決め手になって、こちらでランチ休憩。あふれんばかりの家具や食器での演出、いいじゃないですか〜。贅沢!東京のレトロ風カフェとは重厚感、パワーが違いますね。

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(土岐川。新緑と青空が最高!そこにパカパカと、、/下段左:修道院/中と右は虎渓山あたり)

ゆっくり見たいけれど、先を急がねば。ということで橋を渡ります。幹線道路を歩いていると、背後からパカパカという音が、、これは?!、、いやまさか、、振り向いてみると、そのまさか!でした、、馬車でした、、、なんで馬車が幹線道路を、、、多治見七不思議、、たじろいでいる私の横をポコポコと走り抜けて行きました。乗客一人ありました。

目的地の神言会多治見修道院に行ってみると、さっきの馬車。なるほどね。試験運行中なんだそうです。中世ヨーロッパを思わせる修道院と、ビジュアル的に合うかも?修道院は昭和5年設立。小高い丘には葡萄畑やログハウスも。修道院ワインも販売されており、11月にはワインフェスタもあるそうです。

爽やかな風のなか、どんどん歩きます。虎渓山へ!!永保寺へ!!山道を下りるかたちで歩いていきます。けっこう急な坂道、本当にこの先にお寺が???、、すると、、わ〜〜〜!!!!

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(臨済宗南禅寺派 虎渓山永保寺。鎌倉時代末期、夢窓国師が開祖、仏徳禅師を開山として創建)

こ、これは!極楽?!いきなりパラダイスが現れたかと思いました。山を登っていってお寺というのはあるけれど、どんどん下りていってお寺があるとは。

永保寺は鎌倉時代(1313年)開創。「虎渓」の名前は夢窓疎石がこの地を訪れた際、中国 蘆山の虎渓の風景に似ていたことに由来するとのこと。鎌倉末期に建てられた「観音堂」と「開山堂」は国宝。自然の岩山を活かし心字池を配した回遊式庭園は国の名勝。2003年の火災で本堂と庫裏が全焼。2007年に庫裏、2011年本堂が再建されたそうです。心洗われるような景観と古刹、多治見の宝物ですね。

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(青空と風と光と水の音と。ここでの時間が忘れられません)

心残りますが、虎渓山から次の目的地(若い人に人気のギャラリー&ショップ)に。が、地図を見てもよくわからず、参道入り口のお茶屋さん若松屋に入り尋ねてみました。そこには、頭巾をまとった昔話に出てくるようなおじいちゃんが!親切に地図を見ながら考えてくださるのですが、若い人のお店でもあり、、「すいませんでした。下で聞いてみます」とお礼を言って出ようとしたところ、、話を聞いていたお店のお嫁さんが、車のキーを持って「行きましょう」と。結局、図々しくも乗せて頂くことに。おじいちゃん、どうもありがとうございました。また来ます!

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(上段は辿り着いたギャラリー/下左:カリフォルニア、じゃないですよ/下右:パリのカフェ、じゃないですよ)

ところが、、「ギャラリー百草」、ぜんぜんわかりませ〜ん!ようやく辿り着いた場所、これはわからないよ〜!旅行者には難しすぎる!でも、なんと他県ナンバーの車がズラリ。若いカップルなどで賑わっています。人気なんですね〜!驚きました。古民家に、アパレル、雑貨、やきもの、カフェなど。
若松屋お嫁さん、「地元にいても来たことない。私も」と、一緒に見学。二人でおしゃべりしながら楽しい時間でした。なんだかお嫁さんと別れるのが淋しくなってくる。親切に、多治見市美濃焼ミュージアムまで送ってくださって、、どうもありがとうございました!

美濃焼ミュージアムでは、「平安のやきもの 美濃灰釉陶器の世界」や常設展示を見学。写真禁止なので撮っていないせいか、記憶もあいまいになってしまってます。
立派な博物館でした。ただ展示演出がオーソドックスで、ちょっともったいないという気がしてしまいました。昨今は、展示構成や見せ方のレベルがどこもすごく高いので、観る方も贅沢になってしまい、、スイマセン!スタッフの方々は親切でした。ここから土岐プレミアムアウトレットに行きたいという私に、タクシーを呼んで頂き、アウトレットからのバス時間も教えて頂きました。

多治見駅にタクシーで戻るなら、隣の市だけど近いというアウトレットに行ってみようかと、緑の山道をドライブ。アウトレットは、、アウトレットでした。バスで駅へ。JRで多治見に。また歩いてオリベストリートへ。夕暮れのカフェは、おーっと、すでにクローズ!旨い蕎麦で、一日をしみじみ振り返り、多治見いいなあ、と浸っていたのでした。長い一日でした。皆さん、本当に親切で感激です。ありがとうございました。
多治見編、第3弾はセミラックパークMINOの予定です♪

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<訂正>  下記3点、訂正しました。
1:多治見創造館 → たじみ創造館
2:「やきものの現在ー土から成るかたち」展示 → 「やきものの現在-牛田コレクションを中心に-」展示
3:多治見美濃焼ミュージアム → 多治見市美濃焼ミュージアム


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(写真が終盤にないので、チベットフェスティバル2013@護国寺から。写真上段:ファッションミュージアム、ナイス企画。が、マネキンがブーツを履いていないのはなぜ?柄杓を持ってるのは?ツッコミどころ多くて楽しかった!お寺が会場っていいですね。音楽ライブ、ライトアップ、砂絵、食など盛りだくさんの企画で、連日たくさんの人出だったようです。バター茶飲んで、まったりしました。写真下段右は購入品。というのもノルブリンカインスティチュートの洗練をご紹介したくても撮影禁止だったので。相当にデザイン性の高いオシャレな品揃え。チベタンエレガンス。エプロンのラッピングもオシャレ=黒い巻物状態のもの=で感心しました)
by orientlibrary | 2013-05-13 23:45 | 日本のいいもの・光景

眼福の幸兵衛窯。新緑眩しい美濃を訪ねて

数日前のことなのに時間の感覚がなく、「いい思い出」としてひとこまひとこまが蘇る旅。岐阜県、美濃・多治見。
日本の陶芸産地を訪ねたいと思っていながら、意外に腰が重い私。ぜひ行きたいと思っていた多治見は、これまで何度も宿泊予約をしたのにキャンセルする結果になり(ブラックリスト寸前だったかも)、なかなか行けなかったところ。今回がご縁のタイミングだったんだろうなと思う。鮮やかな新緑、五月の風と光、清流、真っ青な空、最高でした。もちろん陶器も、人も、食も。本当に行って良かった。
数日間の小さな旅ですが、幸兵衛窯、虎渓山永保寺、セラミックパークMINOなど、一度では書けない感じです。今回は、イスラーム陶器と和の趣きが大好きな私にとって、熱狂時間となった「幸兵衛窯」の一端を、写真中心ではありますがご紹介したいと思います。

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(JR多治見駅の陶オブジェ/1時間に1本のバスに乗り窯元が集まる山間の市之倉へ/土壁の蔵、大きな青空にクラクラしながら地図を片手に歩く/見えてきた幸兵衛窯)

(以下は幸兵衛窯ホームページを参照しています)
幸兵衛窯は1804年に初代加藤幸兵衛が開窯。間もなく江戸城本丸等へ染付食器を納める御用窯に。五代幸兵衛は、青磁、金襴手、染付、赤絵、天目など中国陶磁をはじめ、乾山、李朝など幅広い技法を駆使した名品を生み出し、幸兵衛窯の礎を築き上げました。
六代の加藤卓男氏は、ペルシア陶器や正倉院三彩の技法の復元で有名。ラスター彩、青釉、三彩、ペルシア色絵など伝統と独創の融合した作品を制作。人間国宝。
現当主、七代加藤幸兵衛氏は、桃山陶やペルシア陶器といった幅広い作風を展開。三十余名の熟練職人とともに品格ある和食器を制作しています。

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(幸兵衛本館。加藤卓男展示室/上右は加藤卓男さんの制作現場再現/旅先の日記やメモ。偉大な仕事をする人たちは、記録からすでに違うと、いつも思う。一日の疲れもあるだろうに、旅先の宿でこのような正確で美しい日記を書くこと自体がすごい。すでに作品!)

主な展示館が3つ。とにかく建物全体が重厚で素晴らしい。内部の展示や調度も、本物逸品揃いでずっしり見応え。展示作品は一部ガラスケースに入っているけれど、多くはそのまま展示されている、、驚きです。数センチまで近づいても大丈夫。もちろん触らないけれど、伝わってくるものがある。「生」!しかも、写真撮影もOK。こんな太っ腹な陶器展示って、、私設ならではでしょうか。最高です!

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(加藤卓男氏作品。緑釉、青釉、ラスター彩、色絵)

代表作30点ほどとスケッチや日記。大作!ラスター彩!幅広い技法!それぞれに超一流の完成度。クラクラしつつ、「古陶磁資料館」へ。圧巻!言葉なし。

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(古陶磁資料館。約200年前の古民家を福井県大野市より移築。三階建て。庭園をはさんで桃山様式の半地上式穴窯/建物と陶磁器と調度としつらえと。贅沢な時間を満喫。ペルシア古陶、美濃古陶など)

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(古陶磁資料館の多彩な展示物は、最適な美しい居場所に)

入り口の青いタイルが目印の工芸館、五代加藤幸兵衛と当代の七代加藤幸兵衛の作品を展示。こちらも建物としつらえ、演出に熱狂。随所に飾られた花と器も和ませてくれます。写真は七代加藤幸兵衛氏が、この夏、テヘランの考古学博物館で展示するラスター彩。こういうものも惜しみなく展示されて、本当に感動です。

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(七代加藤幸兵衛氏のラスター彩。ペルシアのモチーフと日本的な感性。細密で上品!)

幸兵衛釜、当然陶磁器を見に行ったわけですが、驚いたのは絨毯の活用。日本の展示空間でこんなにたくさんの絨毯を見たことは今までありません。さすがペルシア陶器の研究者。ペルシアの美感を象徴するような手織り絨毯、その配し方と、流麗ながら枯れ感のある、どこか植物的な絨毯の数々を楽しませていただきました。

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(幸兵衛窯展示で使われていた絨毯、多数あった中の一部。真ん中のはバローチですか? →→→ こういう時はトライバルラグに詳しいSさんに♪「イラン南部のアフシャール族のもの」ではないかとのことです。南部なんですね。文様の構成が近く良し遠目良し、くたーっとしていて好きな絨毯でした。幸兵衛窯の絨毯、産地や文様それぞれ違うと思いますが、何か共通したトーンがあって興味深かった。やさしく素朴な洗練感のある野趣、的なものかなあ。セレクトする眼を感じました)

日本国内の観光名所を格付けするミシュラン・グリーンガイド・ジャポン(フランス語版)第2版改訂版(2011年発売)で、幸兵衛窯が再度2ツ星を獲得。「近くにいれば、寄り道をして訪れるべき場所」なのだとか。真っ当な評価ですね。(個人的には三ツ星ですが)

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(お気に入りのタイル/花のあしらい/日本やアジアの調度とやきものの組合せ。余白のバランス、色合わせ/ ラスター彩タイル!LOVE!!顔をくっつけるような距離でしみじみ拝見。これ普通はガラスケースの中ですよ、、淡い青がふわんとしてきれい!)

明治時代から盃の生産が盛んな市之倉町。「さかづき美術館」には行ってみましたが、窯元巡りは全然できていない。野と山と川のある郷、散策したい。

眼福の幸兵衛窯編、今回ここまでに。多治見シリーズ、続きます。

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by orientlibrary | 2013-05-06 23:55 | 日本のタイル、やきもの