イスラムアート紀行

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青の陶器&本/養蚕技術交流とアトラス/動植物文様

青のfacebook、「青の陶器とタイル好き * blue ceramic museum」。テーマを青に絞っての短い1トピック(1枚の写真と短いコメント)で、ぼちぼち続けています。

短いと書きやすい。そして1トピックだと意外と勉強になるというか、書く側の記憶に残ることを発見。トピックによる反応の違いなども、興味深いです。やはり「壮麗できれいなもの」が人気がある印象。マニアックな「かけら」や「和の余白系」は、個人的好みなんですね。

こちらでのサマリー紹介をしばらくしていなかったので、たまっています。一気に。小さいですが。

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(更新日順ではなくアトランダム。上段左から下段右に:カシュガルのアパク・ホージャー廟/ブハラ/サマルカンド、テッラカリマドラサ/景徳鎮古染付捻文杯/イラン90年代/キュタフヤのラスター彩/コチェル氏のブルー&ホワイト/タシケントの工芸博物館/タシケントのティムール博物館/シャーヒズインダ墓廟古写真/カラーン・モスクの水のタイル/ティラカリ・マドラサ/染付魚形硯、日本/ナディル・ディヴァンベギ・マドラサ/イズニック皿/シャーヒ・ズィンダ浮彫りタイル/パンジャーブの青いタイル/グール・アミール廟のミナレット/グールアミールのモザイク/イズニックの街角)

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青の本紹介の続編です。

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(イラン・タブリーズの「マスジド・キャブート」(ブルーモスク)。現地で購入した資料2種類)

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(中近東文化センター附属博物館発行のペルシア陶器をテーマとした展覧会図録シリーズ3冊)

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(ウズベキスタンの歴史的建造物、タイル装飾に特化した「SAMARKAND・BUKHARA ・KHIVA」/中央アジア(トルケスタン)の歴史的建造物、歴史、美術等「MONUMENTS OF CENTRAL ASIA〜 A GUIDE TO THE ARCHEOLOGY, ART AND ARCHITECTURE OF TURKESTAN」)

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(庭をテーマにイランの建築と美術を美しい図版とともに紹介する「GARDENS OF IRAN〜Ancient Wisdom New Visions」/モロッコの工芸本。片手で持てないくらいにずっしりと重い。王制だからできるのかなとも思える素晴らしい美術本、しかも2冊。神保町の古本屋さんで購入。なかなかに高価だった「TRADITIONAL ISRAMIC CRAFT IN MOROCCAN ARCHITECTURE」)

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ウズベキスタンのテキスタイル「アトラス」、その元となる絹、養蚕の技術交流プロジェクト紹介の展覧会です。東京農工大学 ”シルクロードからの贈り物-ウズベキスタンにおける養蚕技術交流” 展、開催中(4月13日まで/東京農工大学科学博物館:東京都小金井市中町2-24-16)。

内容は、
1:農工大プロジェクト概要紹介と成果のパネル展示
2:2012年春開催の「アトラスハンディクラフトコンテスト」入賞作品、それをお手本にウズベキスタンで試作した製品を対にて展示
3:アトラスの日本での展開、可能性〜「KANNOTEXTILE」作品展示、博物会友の会によるアトラスを使っての作品展示
4:アトラス実物、アトラスの伝統衣装、ウズベキスタンの雑貨や書籍などの展示、演出。(*アトラスとはウズベキスタン伝統の絹の絣布。絹と木綿で織ったものはアドラス)

3月30日には、午後1時半より、同所にて、ウズベキスタンの布と旅と題した講演、ウズベキスタンダンスなども。楽しそう!^^ これを記念して(?)、アトラスに関わる光景を少々。

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(工房での制作の様子)

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(コカンドやマルギランなどのバザールでの布類販売の光景)

大胆で活力ある模様とビビッドな色の組合せが素晴らしい。日本人には派手すぎると言われますが、見れば見るほど魅力を感じる布です。展示会場では、ウズ直行便!の30種類ほどのアトラス&アドラスが演出に使われていますよ。

ウズのテキスタイルの魅力、もう一つは、刺繍布の「スザニ」。これまでも何度かチラチラと書いてきていますが、こちらも大胆な模様構成と細密な手仕事、色使いで目の覚めるような布です。元々嫁入りに際して持参するもの。親族の思いが込められています。

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(博物館等で撮影)

アンティークではなくても、販売されている新しいものも、一針一針の手仕事に変わりはなく、大きなものは数ヶ月も要する力作揃い。

道路の無数の穴、剥がれているレンガなどを見ると、ざっくりしている印象ですが、細密なことをやるときはやる、という熱のようなものを感じるウズ工芸です。

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春。友人知人たちの動きも活発に!?トライバルラグをとことん愛するディーラー、トライブさん、ホラサーン(マシャドなど)を中心としたイラン仕入れ旅から帰国。怒濤の勢いで?展示旅中。ホラサーンの香りを求めて、おじゃましてきました。「動植物文様の布 animals&flowers」(25日まで。新宿西口クリスタルスポットにて)。

動物や植物の文様は陶芸作品にも多いのですが、大きさのある絨毯やキリムでは、全体の構成がまず興味深い。物語がありますね。図像としても、織物や刺繍の多彩な技法を駆使した表現が面白い。色もカラフルです。

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(上段左の太陽神と獅子?はタイルでも有名なモチーフ。上段右は孔雀だそうです。下段、人間もいます。ラクダや鳥も。じつは最近気になっているのが「鳥」「魚」のモチーフ。やきものの鳥と魚を追いかけてみたいという野望がウズウズ、、)

クルドやシャーセバン、バルーチ、カシュガイなど、遊牧民のものが多いせいか、陶芸での表現よりも、自然でおおらか。より動物や植物に近いところにいる人たちの感性、思いが伝わります。

一方、パキスタン旅の報告会は、写真と映像と語りによる熱い熱い2時間半。「ドンパチやってるパキスタンも事実なら、ニコニコしてるパキスタンもまた事実」という村山和之さん。

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(この写真はorientlibraryです。ムルタン、ウッチュなど)

音楽、食、生活、人がイキイキとして、、行きたいな〜。(本当はパキスタンに行きたかった、この冬)。「写真撮れ」と言われるのはウズも一緒だな、とか、ラホールのタイルは黄色と緑で青がないな、とか、いろいろ感じた濃い時間。小さなカフェが満員ギチギチ。人気者〜!

ブログ更新が遅れ気味ですが、ゆっくりでも続けていきます。もっとしっかり調べて書いていきたい!
by orientlibrary | 2013-03-21 23:22 | 絨緞/天幕/布/衣装

中央アジア、土の仕事と土の景/15世紀の土とタイル、イシュラトハナ廟

ウズ旅、怪しい動きの私がいます。

・装飾タイルの壁にくっついている
・くずれかけた土壁を覗き込み、触ってみている、写真を撮っている
・青空の日も下を見て歩いている。一つの理由はウズの道路は穴が多く、冗談じゃなくアブナいこと。そして建造物近辺では「かけら」との出会いを求めて、、
・工事している人がいると近寄っていき、見せてもらっている

自分では何もできないのが残念ですが、工事、手仕事、匠の技を見るのが好き。今回のウズ旅で出会った工事シーン、土がらみの写真を少々集めてみました。
空港が変わっていたと前回驚いて書きましたが、サッカー場やモール、歴史的建造物の修復まで、各地で工事がおこなわれていました。活気があります。職人さんたちは一所懸命に取組んでいました。工事内容のご説明はまったくできません。すいません!
このような写真にご興味ない方もあると思いますが、今回はこれでいきたいと思います。よろしくお願いいたしますね。

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(ブハラの「バハウッディン」で出会った工事光景。ナクシュバンディ教団教祖の廟を中心に様々な施設があります。崩れているものも多く修復工事中。親方のような人が図面をみながら高さ等の調整をしていました。鏝でしょうか)

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(同じく「バハウッディン」。以前、「左官的塾」にて当ブログをご紹介いただきました。素晴らしい資料もいただき感謝しております!)

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(上の2枚はブハラにある「ナショナルハウス博物館」。ガイドブックにも紹介されていないところです。修理後宣伝して集客するのかな。この奥にある貴族の館のようなところで、ブハラの生活シーンを再現し、道具などを紹介していました。下2枚はバハウッディン」)

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(ブハラ旧市街、民家の壁が崩れた部分。焼成レンガとスサみたいなものを土で固めて、その上にコンクリとか土を塗っているようですが、壊れたものをよく見ます。レンガの中はモロモロで触ると崩れてきました)

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(ブハラ旧市街、民家の土壁。スサの量が多いように感じるのですが、こんなものなんでしょうか?)

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(道具類は展示で見ることがあるのですが、ガラスケースの中なので反射して写真が撮れません。こちらは左官関係かと思い、いちおう撮ってみました。ブハラにて。下の右はリシタン(ウズベキスタン)の陶芸工房の掃除用具です。ふつうのお家にもこのような箒があります。バザールでも売っています)

土、土ですね。久々に土の景を。

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(中央アジアの土の景。民家のレンガ壁。かまど。室内土壁。日干しどろだんご積み壁。路も壁も土。下3枚はトルクメニスタンの遺跡にて。紀元前数千年前の壺が山のように眠る。修復もしていた。こちらも遺跡の土壁)

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今回のウズ旅、感動したところは多数あって、本当に行って良かったと心から思っています。そのひとつ、サマルカンドのイシュラトハナ廟。タシケントの陶芸家アクバル・ラヒモフ氏が、幾度となく通い勉強したとおっしゃっていた廟。15世紀(1464年)そのままの姿で、一部を除き修復されていません。サマルカンドでもブハラでも、主要な建造物は立派に美しく修復が進められており、当時の姿に触れることは難しい。この廟は、タイルやレンガを知りたい人にはたまらないと思います。

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(地下にはティムール家の女性や子どもたちが葬られているそうです。地震で崩れたままになっています)

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(アーチやドームの構造が、製法が、わかる人にはわかるのでは!?)

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(当時のままのものが残る青いタイル。圧倒的に素晴らしいタブリーズのマスジドキャブード〜ブルーモスクと同時期の建造。この時期は装飾タイルが花咲いた時代だったと思います。土味を生かした押さえ気味の青のタイル使いがとても美しい廟でした)

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(宇宙的と思える幾何学模様。こうして飾りのない状態で見ると、よりその趣旨のようなものが伝わる気がします。下2枚はなぜか修復中の内部壁画一部。このような色だったということでしょうか。サマルカンドの多数の建造物を思うと、こちらまでは手が回らないでしょうし、ぜひとも回さないままでいて欲しいと思う、土好き、タイル好きなのでした)

ウズの職人さんたちの熱心な姿に打たれる一方、写真はアップしませんが、ウズベキスタン各地の舗装道路にある大小とりどりの穴(深いですよ、けっこう)の多さは、何なのか不思議です。レンガ敷きの歩道もはがれがすごく、下を見て歩いていないと転んでしまいます。穴になったところがゴミ箱状態になっていたりもします。
最近の建物では、美しいタイルが剥がれ落ちてきています。修復されたものも、ズームレンズで見ると、デコボコしてきており、剥がれ落ちるのではないかと気になります。
昔のものはよく耐えて持っていると思います。最近のものが問題が多いような印象です。その理由は、素人の私にはわかりません。素材なのか、気候風土なのか、製法、施工なのか。基礎部分に問題があるような気が、、、

久々、土話でした。少々風邪気味でもあり、このあたりで、、
by orientlibrary | 2013-03-10 21:49 | タイルのデザインと技法

ウズ行き2013年冬。寒さと温かさと美しさと

ウズベキスタンから戻りました。たくさん見て、いろんなことを感じた旅でした。やはり旅行はいいなと思う。行くことができて幸せです。感謝しています。

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ウズには何度も行っているけれど、自分が見たいものをゆっくりと見ることは、なかなかできなかった。自分の足で歩き、自分のペースで、タイルや工芸に心ゆくまで触れてみたかった。これまでいろんな状況からできなかったことをしてみたかった。陶器を持ち帰らないと決めたので、スーツケースではなくバックパックに。これなら列車やバスに乗ったり、安宿利用もしやすい。

結果、楽しかった!!この年になって、こんな旅をしていいのかなと、もっと年相応の落ち着いた旅行をすべきなんだろうなと思いつつ、、でも、ひとつひとつが楽しかった。ルートを決め、値段を(いちいち)交渉し、ぎゅうぎゅう詰めの乗り合いタクシーやバスに揺られ、部屋は寒くても大規模ホテルにはない温かさに触れ、、いろんな人が助けてくれて、、

ウズベキスタンに複雑な気持ちを持ち始めていた昨年後半。また初心に戻れた。旅だから、短い期間だから温かくしてくれるということはわかってきているけれど、それでも、それでもいいと思う。
タイルやテキスタイルや工芸も、発見があり、出会いがあり、うれしかった。動いてみること、大事だな。
いつまでも未熟で、世間をわかっておらず、取り柄のない私。そこからしかできないのだから、ここからしかできないのだから。愚かでも一歩一歩あるいていきます。

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 今回は概観編です 

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(初日の午前、両替後、最初に訪れたタシケントの陶芸家ラヒモフ氏の工房。じつはアポなしでした。まず一度お伺いし、追って正式にと思っていたのですが、、快く受け入れてくださり感激。いろいろなことをお話できて、本当にうれしかった。多彩な技法が素晴らしい。新たな技法やデザインにチャレンジし続ける精神に感銘を受けた。そして、、『ARCHITECTURAL CERAMICS OF UZBEKISTAN 』『ARTISTIC CERAMICS OF UZBEKISTAN 』(ともに2006年/UNESCO)の資料本をいただいた、、卒倒しそうにうれしい。素晴らしいファミリー、、資料を自分なりに読んでいきたい。また「正式に」訪問させていただきたいと思っています)

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(今回、完全燃焼したブハラ。とにかく見た。素晴らしい装飾タイルの世界。またゆっくりと)

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(サマルカンドは曇、雨、雪。青空とタイルが撮れなかった。でも晴れていたら体力を顧みず動き回っていたかもしれず、休みの時間を取れてよかったのかも。また行けばいい、ということなのかな!?)

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(タシケント。晴天。これまでになく、ショップやカフェなども見て歩いた。地下鉄もあり動きやすい街。とにかくよく歩いた。一日中、永遠に歩けるような気がしていた、、(そのぶん後からきました、、))

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(帰国後編/(左上から右下へ)/近所のスーパーで見かけて「これはスム(現地通貨)バッグにいい!」と直感したポーチ。100ドル両替するとパンパンになるスム。このポーチはドル、スムの仕切りができ、電卓も入って完璧。ウズ語ができなくても電卓でOK!/溶けそうな小額紙幣たちとレシート。最近はレシートをくれる。手書きで時間がかかるけど、いいことだと思う/いただいたザクロ。日本に持ち帰り。ザクロ模様のスザニの上で記念撮影/ウルグットで買ったスザニ/ブハラで買ったスザニ/サマルカンドデザインのスザニ(大型)/手前がウルグットのバザール、奥がブハラのショップ。手前の方がややざっくりしていて色もキツいけど力があると思う/ブハラで熱狂した「かけら」たち。後先顧みず、短時間の交渉で購入に至る。偽物だという人もいると思うけど、私は本物だと思っています。陶芸家のショップで、年代が私の知る限りですが適合していた。ティムール時代のものだと思います。左真ん中の水色のは角度によってラスター彩のような輝きを放つ。購入を後悔していない/サマルカンド某所にて。ここにいては踏まれてしまうと思い、偶然持っていた袋に入れてきた。ここは修復がされていない。修復時のタイルではないのです。偶然ですが。本当に)

最後に、いくつかインフォを

物価上昇。スーパーで買物しても、デフレ日本の感覚では、日本よりも高いと感じるくらい。この数年で、すごいと思う。昨夏からでも上がっていると思います。きびしいですね。

空港!!空港がすごい、、、、「最後の階段」の横にエスカレーターがついていた!!!なんということ、、これでものすごくラクになった。そして、、搭乗待合室ができていた!!!搭乗アナウンスがあった!!!普通に待合室から飛行機に入れる!!!、、あのヘンな狭い空間、どこに行けばいいのかわからず彷徨う乗客たちの姿、地下への階段、それらがないんですよ!しかも「アシアナですか。こちらです」と教えてくれるスタッフが立っていた。こんなことで大丈夫だろうかと思うくらい、変わっていた。いい変化だからいいんだよね、、いや、夢だったのかな、、妄想かもしれない、、疲れてたからな、、 でも税関と出国は相変わらずだったから、夢ではなかったと思う。

変化してます。
またアップしますね〜!!^^
by orientlibrary | 2013-03-03 23:43 | ウズベキスタンのタイルと陶芸