イスラムアート紀行

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<   2013年 01月 ( 4 )   > この月の画像一覧

中央アジアが熱い!音楽、踊り、コミック、人々

◆ 陸前高田の「みんなの家」 ◆

中央アジアで埋め尽くす前に、ひとつだけ展示の話題です。「ここに、建築は、可能か:第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本帰国展」(TOTOギャラリー・間/3月23日まで)。

第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で、日本館は「金獅子賞」を受賞。東日本大震災後の建築のあるべき姿を世界に問いかけたことが高く評価されました。岩手県陸前高田市に建つ「みんなの家」は、建築家伊東豊雄氏の呼びかけにより3人の建築家が共同作業によってひとつの建築をつくるという課題を担います。日本館では、その制作過程と地元出身の写真家畠山直哉氏が撮影した、震災前、震災直後、現在の陸前高田の写真を展示しました。「みんなの家」は、現在実際に地元でコミュニティ再生拠点として活用され始めているそうです。

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模型が興味深かった。ゼロから家という形にしていく思考と作業のプロセスが、可視化されていました。共同作業には困難もつきまとうけど、同じ頃に同じイメージが見え始める、(イメージが降りてくるように)、その感じが面白かったです。方向が見えてくれば、ブレが少なくなる。苦労があっても質が違いますよね。また模型自体も、小さいなかに思いが込められていて、見ているのが楽しかったです。

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◆ 『乙嫁語り』 ◆

『乙嫁語り 5』、先日発売になりました。舞台は中央アジア、カスピ海周辺の地域という設定。中央アジアが舞台のコミック、それだけでもモチベーションが上がるのに、作者森薫さんの途方もない描き込みが圧倒的に素晴らしい。中央アジア愛が伝わりまくりです!

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(5巻揃った『乙嫁語り』/衣装の描き込みがすごい/5の双子の衣装がかわいいので少しアップに/やんちゃだった双子。アトラスの模様がいいですね〜!質感が伝わる/婚礼衣装。髪もきれいに整えて/婚礼部屋の様子。スザニが、、/6点すべてコミック本自体の撮影)

4巻では、漁師の家の元気すぎる双子ちゃんたちが主役。玉の輿婚を夢見ていましたが、幼馴染みの漁師の兄弟と結婚することに。5巻では結婚式前後のドタバタが描かれ楽しいストーリー。でもその中に、結婚式の準備の様子や風習が織り込まれています。婚礼衣装や結婚式の食べ物等の描き込みが今回もすごくて、堪能しました。

*以前の関連記事(20091101):「シリアのタイル、ペルシャ料理、中央アジアが舞台のコミック

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◆ 中央アジアの音楽 ◆

「中央アジアの音楽 テュルク・ミュージック・イン・トーキョー」、満員御礼。キャンセル待ち多数という盛況。企画から当日まで準備をしっかりされていた主催者の方々の思いが伝わりました。

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この地域には、まだまだ日本に十分に紹介されていない豊かな音楽世界が広がっています。近年、日本においても少しずつ中央アジア出身の音楽家や、現地で長期にわたりその音楽を学んできた日本人の音楽家が活躍し始めています。また、リスナーとして中央アジアの音楽を愛好し、実際に自分でも演奏する人たちも少しずつ増えはじめています。今回は、キルギス・カザフ・ロシア連邦内の共和国であるトゥバ、テュルク系民族では最も東に住むサハの音楽家が集まり、その地域に伝わる伝統的な楽器を用いて歌や音楽を演奏し、その豊かな音楽文化を紹介したいと考えています。(企画趣旨)
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(寺田亮平さん(トゥバ〜イギル、ドシュプルール)/直川礼緒さん(サハ〜口琴)/イナーラ・セリクパエバさん(カザフ〜ドンブラ)、高橋直己さん(カザフ〜民謡研究者・歌手)/カリマン・ウメトバエワさん(キルギス〜コムズ&口琴))

中央アジアの音楽というテーマでしたが、中央アジアでこんなに人が集まるなんて、ちょっと驚きでした。留学や仕事、海外協力、趣味興味などで関わってきた(いる)人たち、多いんですね。なんだか心強いというか、うれしかったです。

草原の風と大地を感じるトゥバのイギルとホーメイ、驚くほどに多彩で宇宙のような口琴の魅惑、素晴らしい演奏技術と迫力ある歌唱のカザフのドンブラ&民謡歌唱、右手を自在に動かしての演奏パフォーマンスが楽しいキルギスのコムズ等、内容もじつに素晴らしいものでした。

また、奏者たちの人柄がにじみでるような温かいパフォーマンス、おおらかさも、本当に素敵でした。会場の「気」もとても良かったです。ね!中央アジア、いいですよね!!

繊細優美の極致のような北インド〜ペルシア古典、トライバルとロックが融合したパキスタンのフュージョンなどに惹かれている私、草原系の音楽をちゃんと聴いたのは初めてです。草原の音楽は、楽器も2弦とか3弦で楽曲もシンプル。口琴はさらにシンプル。でもシンプルだからこそ、奥行が無限に深い。そぎ落としているからこそ広がっていくものがある。自分にとっては新しい音の世界、魅力と出会えたことをうれしく思います。関係者の皆様、どうもありがとうございました。

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◆ シルクロードの舞 ◆

「中央アジアの音楽」開催日は中央アジアデー。昼は「~シルクロードの調べと舞~ Silkroad music & Dance Azerbaijan,Uzbekistan,Uyghur,etc」へ。ANYAさんの舞踊と大平清さんのドタール&サズ演奏と歌を楽しみました。
ANYAさんの踊り、好きです。心がこもっているから。謙虚で明るく素直な人柄が表れています。

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(画像はクリアに撮れたものもあるんですが、雰囲気メインにぼわんとしたものを選びました。アゼルバイジャン、ウズベク、ウイグルの衣装も素敵です/下段は=レイアウトの関係で食べ物を、、、チーズと干し葡萄、名前を忘れましたがウズベキスタンから持ち帰ったという牛肉のなんらか&リシタン皿、ウズベクのチェブレキ屋台@東京農工大学園祭)

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今回も、青のfacebookのサマリーです。

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<ブハラの青のマドラサ ウズベキスタン/トゥラベク・ハーヌム廟 クニャ・ウルゲンチ(トルクメニスタン)/東京ジャーミィ 日本>

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<ベトナムの染付/青の館 キュタフヤ(トルコ)/リシタン青茶碗で抹茶 日本>

リシタン青茶碗で抹茶、東京ジャーミィ、ブハラの青のマドラサ、の「いいね!」の多さにびっくり。どうもありがとうございました。青のfacebookは週5回の更新をめざしています。

中央アジアは、これからも興味津々で追いかけます。これからもいろんな動きがありそうなんですよ〜!^^
by orientlibrary | 2013-01-28 23:28 | 中央アジア5カ国

長崎みかわち焼/0円新政府/イスラエル音楽/インド音楽受容と変容

◆ みかわち焼 ◆

清らかな白と青に惹かれました。長崎みかわち焼。日本のやきもの産地のことを本当に知らず恥ずかしいですが、みかわち焼、今回初めて知り、見ました。(「技巧の宝、発見 ヨーロッパを魅了した 長崎みかわち焼展」/渋谷ヒカリエ8階/1月21日まで)

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(DM等を撮影したもの。会場での撮影禁止だったため、残念ながら作品の写真がありません。リンク先などご参照ください)

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<以下、みかわち焼オフィシャルサイトより>
江戸時代、現在の長崎県佐世保市に技術の粋を集めたやきものがありました。そこで焼かれたやきものは、藩の名称から当時は「平戸焼」、現在は「みかわち焼」と呼ばれています。このやきものは、藩の厚い保護を受けていたため、江戸時代のさまざまな経済の荒波に巻き込まれることなく、技術の粋を極めた細工 ものや茶道具などをつくり続けることができました。
幕末(1800 年代半ば)からは、コーヒー碗をはじめとする薄手の食器や繊細な造形の「細工もの」が輸出され、20 世紀半ばまでヨーロッパで高い評価を得ました。その一部は、大英博物館やヴィクトリア & アルバート博物館などにも収蔵されています。
大量生産や廉価な商品が普及する高度成長期以降は、この一つひとつ手仕事でつくり出していくみかわち焼は、時代に取り残されて、知る人ぞ知る存在になっていました。
しかし2010年代になり、このやきものが、再評価され始めました。お殿様の器をつくるために採算を度外視した素材選びと、高度に進化していった職人技は、DNAとなって、いまも随所に受け継がれています。近年は江戸時代から近代の名品の再評価し復元や、伝統技を活かした現代の器づくりを積極的に取り組んでいます。
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青の陶器やタイル好きのorientlibrary、これまで見ていた西アジア、中央アジア、そして中国、朝鮮、いや日本の他の染付ともまた違う青の世界に惹かれました。あくまで個人的な感想ですが、一言でいうと、清潔。繊細清楚はもちろん、さらなる清潔さを感じました。浄らかな青の世界。あくまでも淡い呉須の色合い、その濃淡で表現される図柄、透き通るように薄い「薄胎」磁器やレースのような透し彫り。夢の世界でした。

ふだんは地元の美術館に展示されている陶たち。今回の展示作品以外にも現在の窯元の作品も上品で優雅。(豆皿例)海外で評価が高いのも納得できます。いつか佐世保に行かなくては。

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◆ 新政府樹立 ◆

話題はガラリと変わります。「坂口恭平 新政府展」(ワタリウム美術館/2月3日まで)。
『TOKYO 0円ハウス 0円生活』『0円ハウス』『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』『独立国家のつくりかた』などの著書、太陽電池パネルと車輪をつけた「モバイルハウス」、その制作過程を描いたドキュメンタリー映画「モバイルハウスのつくりかた」、さらには「新政府樹立」宣言で注目を集める坂口恭平さん

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(引用:HP「0円ハウス」/引用:ワタリウムHP/青山の「ゼロセンター」、パスポートをもらった)

早稲田大学建築学科(石山修武研究室)時代に路上生活者の家と出会う。幼少期の興味も関連して、身の丈に合った家を試行錯誤。多摩川の河川敷に長年暮らす“多摩川のロビンソンクルーソー” を師匠に、細部まで教示を受けながら、制作費2万6千円、二畳のモバイルハウス(車輪が付いていれば住居とはみなされない)を作り、駐車場に設置して暮らす。徹底的にコンパクトながら思いのほか住み良い「家」。
会場にモバイルハウス実物が展示されていて、入ってみたけど、採光も良く、住んでみたいと思うくらい快適感があった。茶室という日本の価値観、美意識が生きているようにさえ思えた。

これまで、ホームレスは新しい生き方という捉え方や、ゼロ円でゆたかに生きていくという彼のテーマに興味を持ち、本も読み、映画も見た。けれども、なぜか後味が悪く、納得できず、、なんだろうと思っていた。今回展示を見て、ちょっとだけなぜかがわかった。坂口さんはアーティスト。徹底的にアーティスト。独特の才能のある人だと感じた。かつ弱みも全部見せて繊細。
社会活動家とも言われており、プレゼンテーション力が高く目立つせいか、企業や自治体からのオファーも増えているようだけど、あまり活動家として期待したり追い込まない方がいいのではと思う。躁鬱病を公言しており、1週間程前から「体調不良」(鬱期)でトークなどをキャンセル。マイペースでいきましょう。

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◆ イスラエル音楽シーン ◆

サラーム海上のエキゾ夢紀行 ─ シャローム・ イスラエル編」(UPLINK)。「中東、東欧、ロシア、アメリカ、バルカンの音楽がゴッタ煮になった現代イスラエルの音楽シーン」、ご興味ある方はリンクを参照してみてください。YouTube映像もあり。

ほとんど聴いたことのなかったイスラエルの音楽。そして現地の様子など、いろいろ考えさせられました。まず、驚いたのは、音楽の多彩さ、レベルの高さ。世界各地からイスラエルという「国」へ。その元々の世界各地の音楽を生かし、なかには現地ではすでに衰退した音楽がイスラエルで保持されているものも。(例えばイエメンの山岳民族の民謡など。イスラム原理主義が強まると音楽は排除される傾向がある)。

年末に、たまたまサラームさんのトークで、さわりとして数曲聴いたことがきっかけ。イスラエルの音楽シーン!?何これ?と興味を持ち参加したけど、聴いていなかったら行かなかったと思う。イスラムアート紀行、イスラエルには複雑な気持ちを持っています。イスラエルと聞いただけではね除けていたと思う。けれども、音楽としては、たしかに興味深かった。中央アジア・タゲスタン共和国のケマンチェ、サーランギーの音楽など、心に響いた。

イスラエルにも平和運動があり、真摯なジャーナリズムがあり、兵役を拒否する人もいる。すべてひとくくりに排除する考え方、気をつけようと思いました。私の壁は少しだけですが低くなりました。現実の「」がどうぞなくなりますように。

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◆ インド音楽 ◆

「インドを奏でる人々 〜その音楽受容と変容〜 インド音楽・舞踊増殖中の日本!今の姿をお見せします。」(東京音楽大学)。

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ライブとシンポジウムの二部構成。音楽&舞踊ライブは、南インド古典舞踊・バラタナティヤム/ヴィオラ・ダ・ガンバ、16、17世紀西欧のルネサンス音楽、古楽器演奏/ベンガルのエスラジ&タブラ演奏、向後隆さんの演奏一部聴けます/シタール&タブラ演奏/サントゥール&タブラ演奏。 

シンポジウムは、インド音楽が日本でどのように受容されてきたか、インド音楽自体の変容について。濃い内容を短い文章にするのは難しいです。興味深く感じたいくつかの点だけピックアップしたいと思います。

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・ インド音楽の最初の日本への紹介は752年。東大寺大仏開眼供養会にて天竺の音楽演奏
・ 明治期にタゴールソングの紹介
・ 戦前に東亜の音楽紹介(政治的野心のある地域の音楽に関心)
・ 1960年代〜80年代、小泉文夫さん等民族音楽研究者によるインド音楽研究と日本への紹介、啓蒙。ラヴィ・シャンカル等に衝撃を受けた人たちが矢も盾もたまらずインドに向かい音楽家に師事。(例えば今回の奏者でありパネラーの皆様。第1世代ともいえる方々かと思いました)
・ 1990年代、航空チケットも安価になりインドに行きやすくなった。滞在して音楽学習。演奏家として活躍するように
・ 2000年代、CD発売等。他の音楽ジャンルとコラボレーションも
・ IT産業の伸展等から海外在住のインド人増加。裕福なコミュニティ形成。インド人意識の高まり。自国の文化や芸能を重視。一方でインド以外で流行したインド音楽のスタイルのインドへの逆流も
・ 現在、ネットワークでの音楽学習も。スカイプを媒介とする師弟関係(インターネットグル)等
・ インドでインド人がおこなうものから、世界中にインド音楽をやる人が増えた。ローカルからグローバルに
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元々、シタールに代表されるように、一音めから、悠然たる世界、内面に向かうような音律に浸るインド音楽。昨今は、アンビエント、ヒーリング、ヨガ、メディテーションといった音楽ジャンルで親しまれているようです。
日本の演奏家の方々、素晴らしい演奏でした。試行錯誤しながら日本人としてのインド音楽、インド舞踊に真摯に取組んでいらっしゃる姿勢に共感しました。このような場と機会に感謝しています。

いわゆる異文化が受容され、各地の文化の中に融合していくこと、興味深い。中央アジアのものに置き換えて考えたりしたのでした。

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今回、写真が少ないので、やはり青のfacebookサマリーから。

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(聖者廟ビービー・ジャイウィンディー パキスタン/聖者廟ホージャ・アフマド・ヤサヴィー廟 カザフスタン)

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(青の陶器が描かれた絵 トルコ/二羽の鳥が描かれたリシタン陶器 ウズベキスタン/染付古便器 日本/青の余韻 イラン、トルコ、ウズベキスタン)

☆ご訪問、ありがとうございました☆
by orientlibrary | 2013-01-20 22:07 | 美術/音楽/映画

明治の粋と美意識、憧れとおもてなし。染付古便器

このところ、また青に凝っています。青のfacebookを始めたのがきっかけですが、写真等を見返してみると、ますますそれぞれの青が美しく感じられます。歩いていても、空の青、水の青、街の中の青に目が行き、きれいだなあとうっとりしています。いよいよ病(やまい)に入ってきました。

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青のfacebookは、西アジア、中央アジアの青がメインですが、日本の青もしっかり見ていこうと思っています。そんなわけで、今日は染付古便器をアップしたのですが、以前の写真などを見ていると、、ブログでも書いてみたいなという気分になってきました。

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<INAXライブミュージアム「窯のある広場・資料館」内にある染付古便器のコレクション。以下同様>

染付古便器といえば、常滑市にあるINAXライブミュージアム。同館の展示は、質と量ともに圧巻です!一堂に並ぶ染付古便器は細密な絵付けが美しい逸品揃い。展示もブランド商品の売場かと思うような姿で、美しく整っています。

陶の芸術作品ともいえる明治の便器群を鑑賞していると、日本ってすごい、日本人の美意識と手技って素晴らしいという気持ちがフツフツと湧いてきます。

ネット検索でも、出てくるのは大半がINAXライブミュージアムのコレクションと解説関連。ていねいに解説されていてわかりやすいので、今回はライブミュージアム発信の情報から抜粋し、簡単なまとめをさせて頂こうと思います。

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トイレを美しく清らかに保とうとするのは、日本人固有の美意識です。明治、大正、昭和初期につくられた染付の便器は、青と白のシンプルな配色ながら、目を見張るほどの美しさをもち、日本のトイレ文化を象徴するものになっています。そのデザインには、日本人のきめ細やかな“おもてなし”の心を映し、海外の方からも高い評価を得ています。
※展示の古便器は、古流松應会家元の千羽他何之氏のコレクションが中心となっています。

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江戸時代後期、江戸の町では藍染めの着物と瀬戸産(愛知県)などの染付の食器が庶民に広く普及。「青と白」の取り合わせは粋でお洒落だという感覚が広がり、人びとにとってあこがれの対象となり、涼しさとみずみずしさの象徴となった。

ブームは明治時代に入ってからも続き、陶磁器製の便器にも「青と白」の装飾が施されるようになる。人目をはばかる空間だった便所は、視覚的にも精神的にも清らかな空間に。染付便器は一世を風靡。芸術作品と呼べるほど華麗で装飾性豊かな逸品がつくられた。
「染付古便器について」

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磁器製の便器が盛んに生産されるようになるのは明治時代の中期以降。江戸時代末期、当時一般的だった木製便器の形状を模して、陶器製の便器が瀬戸でつくられ始めた。陶器の素地を白化粧したのちに、青に発色する呉須(コバルト)で花鳥や草木などの模様が描かれた、いわゆる「染付」の便器。

当初はわずかな生産量だったが、濃尾大震災(明治24年〈1891〉直後から大量につくられるようになる。旅館や料亭、富裕層が復旧家屋のお客様便所用に、染付便器を設置するようになると大流行し、東海地方を中心に全国に普及していった。

華麗に染付が施された便器が一世を風靡すると、有田や平清水でもつくられるように。常滑では土管に多く見られる塩釉や、飴釉、褐色釉を掛けた便器が、信楽や赤坂では、白地に青釉を縦や横に流し掛けした便器がつくられた。

瀬戸では磁器製の便器の生産も始まった。美術品と見まがうほど華麗な文様が、内側にも外側にも施されていた。なかには、特別注文による作者の銘が入った、いわゆる“ブランドもの”もあり、非常に高価であったと思われる。

染付による陶器製便器は装飾性が高められていったが、明治38年(1905)頃になると、陶器製は変わらず染付が主流だったが、陶器より高価な磁器製便器は青磁釉を施したものが好まれるようになった。

さらに大正時代に入り、人びとの衛生観念が向上すると、都市部では人々の衛生観念が向上して吸水性のない磁器製便器を積極的に使うようになった。明治45年(1912)頃より、吸水性の少ない良質の陶器製染付便器が平清水でつくられはじめ、主に大正時代、東北地方を中心に出回り始めた。

大正12年(1923。関東大震災発生)頃には、陶器製の大便器も小判形が主流となり、青磁釉のものが多く出回る。昭和に入ると白色便器の関心が高まり、白磁の便器が増えた。
「古便器の変遷」

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白地に呉須で絵付けを施した染付便器の産地は3箇所あるが、ほとんどが瀬戸産。瀬戸では陶器と磁器の両方がつくられたが、磁器生産はわずか十数年。絵付けの技術も高いが、高価だったためそれほど普及しなかった。現存する資料はいずれも貴重である。 


有田では、わずか数年しか便器がつくられなかったようだ。現存する染付便器のうち、有田産と確認できているものは3点のみでいずれも磁器製。

瀬戸に遅れること約20年、平清水でも瀬戸を真似た陶製の染付便器がつくられるようになり、東北方面に出回った。鉄分を含んだ土に白い泥を厚く化粧掛けして染付が施されているため、瀬戸と産地の識別が可能。

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INAXライブミュージアムでは、陶磁器製便器やトイレに関係する資料・情報を募っています。問合せ等はこちら

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今週の青のfacebookから。

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<青のfacebook サマリー:青釉色絵金彩大壺(伝イラン出土、13〜14世紀)/イランの青色の花入れ(現代)/青花氷梅文壺(清時代、17〜18世紀)>

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<青のfacebook サマリー:タフテソレイマンの浮彫金彩タイル(13世紀/オリジナルのデータ(画像と解説)は、WEB「CAIS ARCHAEOLOGICAL & CULTURAL NEWS©」内「Takht-e Soleyman Tile on Sotheby’s Auction」)/リシタン(ウズベキスタン)の皿/トルコ・イズニックのアディル・ジャン・ギュヴェンさんの皿>

きもち、日の暮れるのが遅くなったように感じます。寒さきびしい今年の冬。春の足音に耳を澄ませたいですね☆
by orientlibrary | 2013-01-12 21:00 | 日本のタイル、やきもの

蛇絵画、カシミアショール、西域美術、、博物館で工芸旅

2013年、「イスラムアート紀行」は、西アジア〜中央アジアの装飾タイル、加えて日本を含めての工芸、やきもの、土、染織などを、もっとスタディしていきたいと思います。「青」のテーマもより深く広く知っていきたいと思っています。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

せっかくなので干支にちなんでと思いますが、蛇、巳は、ビジュアル的になかなかむつかしいですね。リアル蛇も、以前動物園で模様の美しさに惹かれ、たくさん写真を撮ったんですが、iPhotoに入れてみると引いてしまい、消去してしまいました。けっして蛇が嫌いではないし、怖いとも思わないんですが、、ビジュアルとして難しい、、

そんな蛇に、東博が挑戦していました。「博物館に初もうで-巳・蛇・ヘビ」。「ここトーハクに140年をかけ巣食ってきた蛇たちが、いま結集しました」ということで、蛇にちなんだ絵画、彫刻、工芸品などを一堂に集めています。

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(左:胆松に白蛇/江戸時代、19世紀/販売目的ではなく配りものとして制作された版画を摺物と呼んでいる。新春を寿ぐ絵と狂歌を合わせた春興摺物として制作して交換することが江戸後期の趣味人に流行した。弁天様の使いとされるめでたい白蛇が松の木に絡み、朝日が昇っている) (右:岩山に坐す蛇使いの女/インド、北デカン/19世紀後半/音楽を表すラーガマーラ絵画の一つ。アサヴァリ・ラーギニーでは、孔雀の羽をつけた女が白檀の木の下に坐り、周りに蛇たちが集まってくるという図像が一般的である)

「蛇はときに、神のお使いとして、毎日のくらしの安全を守り、富をもたらすものと信じられました。また昔話や神話にもよく登場し、ふしぎな力をふるいます。日本に限らず、いろいろな時代と地域で、バラエティ豊かな蛇が絵に描かれ、形づくられてきましたが、そこには「おそれ」と「うやまい」の入りまじった、複雑な感情があらわれているようにみえます」(東博解説)

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お正月らしく、おめでたい模様、美しい模様を、東博展示から見てみましょう。和の手仕事、細やかで優美ですね。

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(左:打掛/白綸子地松竹梅宝尽模様/江戸時代、18〜19世紀/麻葉繋ぎ文に菊花文を散らした地紋を織り出した綸子に紅・萌黄・鶸色・浅葱・白といった絹糸や、金糸で刺繍を施した総ぬいの小袖。松竹梅や宝尽くし模様要など吉祥文で埋められた晴着) (右:唐織/紅白段牡丹若松孔雀模様/江戸時代、18世紀/日本では牡丹は「顔佳花」と称され美人をして「立てば芍薬、座れば牡丹」とたたえられた) 

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さて、この東博、東洋館がリニューアルオープン!待ってましたよ〜。耐震が主目的だったようですが、全体に明るくなり展示も見やすくなっていました。展示ケースに使用された低反射ガラス、LED照明で、作品がクリアに見えるのがうれしい。アイランド型というのか何というのか、四方から見られるのも陶器の場合、とくにありがたいです。

現在、特集展示として「アジアの染織 カシミア・ショール」開催中。きれいでした〜!「インド北西部・カシミール地方に生育するカシミヤ山羊から採取される上質な毛糸をさまざまな色に染め、綴織や刺繍で細密な模様を表わしたカシミヤ・ショールを中心に展示します。同時代のイラン・ケルマン地方で製作されたカシミア・ショールやインド・ムガル王朝やイラン・サファヴィー朝の衣装も併せて展示しますので、華麗な王宮のイメージをお楽しみください」。

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(カシミア・ショール 赤地ペイズリー菱花文様刺繍/イラン・ケルマン/18~19世紀/鮮やかな緋色のカシミヤ地に色とりどりのカシミヤ毛糸で刺繍。インド独特の植物文であるペイズリー文様。本来カシミヤショールは綴織だが、ヨーロッパで人気が高まり需要が増えるにしたがって、刺繍で量産を試みるようになった/cashmere shawl, paisley, lozenge and flower design in embroidery on red ground)


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(コート 濃紺ヴェルヴェット地花卉文楊金銀糸刺繍/インド・ジャイプール マッダ・シーン2世着用/19世紀/つややかに光る黒いベルベット地に金モール糸で豪華な刺繍を施し、ルビーや真珠、エメラルドといった貴石でまばゆいばかりに装飾されている/coat, flower design in gold and silver in embroidery on deep blue velvet ground)


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(カシミア敷物 赤地ペイズリー立木孔雀人物文様刺繍/イラン・ケルマン/19世紀/18の半ばから19世紀にかけてヨーロッパで絶大な人気を博したカシミール地方のショール。19世紀にはイランのケルマン地方でも模倣して作られるようになった。伝統的な立木文様に鉄砲を持つ兵士が刺繍された近代的感覚を加えたデザイン/cashmere carpet, paisley, tree, peacock and figure design in embroidery on red ground)


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(カシミア壁掛 赤地ミフラーブ文様切嵌刺繍/インド・カシミール/18~19世紀/イスラム教礼拝用の壁掛けに用いたと考えられる。彩り豊かな毛織物を文様の形に切り、地にはめ込み、さらに輪郭を色糸で縁取りした手作りのぬくもりが感じられる作品/cashmere hanging decoration, floral scroll design in embroidery on red ground) これ好きでした〜^^


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(カシミア・ショール裂/18〜19世紀/fragments of cashmere shawls)

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期待の西アジア美術、、少ないなあ、、以前は展示スペースが狭いからないのかと思っていた、、工事中は仮だからなのかと思っていた、、広い場所に正式に置いても数は少ないのね、、。「3か月に一度入れ替えをします」ということだけど、たぶん、私が期待している陶器は元々これ以上ないのでは??これまでいくら見ても、これだけだったもの。もう覚えてるよ(泣)。エジプトはまあまあ多く、考古学的なものもある程度ある。でもイスラーム陶器は東博には少ないということですね。中国陶磁、朝鮮陶磁は多彩ですよ!もちろん日本の陶磁器はすごいです!、、そういうことですね。旅をしましょう。

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(左:西アジアの美術、、)(右:青釉色絵金彩大壺/イラン出土/イスラーム時代・13~14世紀/この青が大好きです。この作品だけ別格で一点だけの展示に)


今年もミュージアム、ギャラリー、展示会やイベントに、どんどん出かけてレポートしたいと思います。&今年は陶芸産地も巡りたいな。日本の産地は全然見ていない。これは大きなテーマ。イラン、トルコ、ウズベキスタン、インド、パキスタン、中東、マグレブも、もっともっと見たい。
今年も遊びにお立ち寄りくださいね!^^
by orientlibrary | 2013-01-06 21:05 | 中央ユーラシア暮らしと工芸