イスラムアート紀行

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タイルのある光景@日本 (tile decorations around tokyo)

陶芸が盛んな日本、暮らしのなかにやきものが溶け込んでいます。
けれども木造建築のゆえなのか、装飾タイルが壁面などを彩るようになったのは明治時代以降、近年のこと。
そのせいか、装飾タイルの認知度があまり高くないのは、タイル好きには残念ではあります。

とはいえ、いいものは柔軟にうまく取り入れ、器用さと美的感覚で、美しく昇華していく日本のモノづくり、陶を使った装飾も街角で見かけることがあります。
今回は、タイル、ガラスタイル、陶板、やきもの壁面、陶器質タイル、タイル風壁面など、これまで少しずつ集めていたものをアップしてみました。収集場所は、東京渋谷、新宿、横浜など。気をつけてみると、あるものですね。

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(小田急新宿駅)

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(井の頭線渋谷駅からJR渋谷駅に行く途中)

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(上の部分アップ。色使いも楽しく、技法も工夫されています)

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(ご存知JR渋谷駅壁面、ハチ公)

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(上、アップ。かなり厚みがあります。インパクト大)

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(渋谷キリンレモンホールの前にあるタイルの塔的オブジェ?)

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(イズニックのタイル。チューリップ模様)

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(モロッコのタイルをイメージしたような壁面。渋谷のブティック)

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(赤坂ミッドタウン内とらや壁面)

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(東急東横線横浜駅。紺色で清潔感ときちんと感)

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(東京国立博物館内部壁面)

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(岩崎邸テラス)

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↓は、日本のタイル、煉瓦の歴史、種々の資料を参考にまとめていたものです。ゆえに出典があいまいになってしまっています。出典元の皆様、ごめんなさい。

<日本のタイル ミニ年表>
7世紀:瓦博士により百済より墫渡来か
710:平城京に遷都、興福寺出土緑釉墫
794:平安京遷都、灰釉、緑釉陶器生産本格化
939:各地の陶器生産衰退、寺院の瓦、墫需要も減少(〜鎌倉時代)
1242:加藤景政(初代藤四郎)「古瀬戸」始める(道元に従い入宋、製陶法を学ぶ説)
1138:室町幕府、丹波の立杭による古窯、井部の備前焼、近江長野の古信楽など始まる
1400頃:飴釉瀬戸陶板、六古窯(備前、丹波、信楽、常滑、瀬戸、越前)発達
1583:美濃久尻窯(加藤景光開窯説)、六古窯大量生産体制へ
1593:天草、キリシタン陶板、茶道具関係の陶器隆盛
1598:文禄の役、李参平、朝鮮より渡来
1616:李参平、有田泉山の白?発見し磁器制作
1627頃:酒井田柿右衛門、染付白磁(赤絵)
1652頃〜:伊万里焼大量輸出
1677:西本願寺輪廻蔵建立、柿右衛門磁器陶板
1857〜61:日本初の煉瓦建築物・長崎よう鉄所建設、建築用煉瓦を焼成
1866:ウォートルス、大阪造幣寮用に大阪で耐火、普通煉瓦焼成
1872:銀座煉瓦街建設開始
1879頃〜:大正時代、本業タイル(絵瀬戸)生産
1885:瀬戸で新製磁器タイル生産開始
1886:日本煉瓦製造設立
1908:不二見焼合資会社、国産の粉末乾式圧縮法によるタイルを製造
1910:伊奈製陶所の基礎を築いた伊奈発之丞、モザイクタイルの国産第一号製造
1911:有田製陶所創業
1914:張付化粧煉瓦を外装に使用した東京駅が完成
1915頃:煉瓦工からタイル貼り工への転向者が現れる
1917:東洋陶器設立、京都の泰山製陶所設立、日本の装飾タイルの草分けになる
1918:越山製陶所などでマジョリカ焼生産開始
1919:この頃煉瓦生産がピークに
1920頃:テラコッタ国内製造開始
1921:伊奈製陶所発足
1922:「タイル」の呼称統一
1923:帝国ホテル竣工、関東大震災、煉瓦建築多く倒壊、以後煉瓦衰退しタイルに移行
1925〜35頃:スクラッチ・タイル流行
1929:東洋陶器、日本初のトンネル釜設置
1931:日本陶磁器工業組合連合会結成
1941:タイルは贅沢品として「非国策品」とされる
1946:進駐軍向けのタイル作りが始まる。47 年にはタイル輸出再開される
1948:全国タイル工業協会設立
1957:タイルのJIS規格制定
(INAXブックレット各種及び「CONFORT」2005年08月号より作成)

久々、タイルの話題でした。タイルと土もの、スタディ再開しました!^^
by orientlibrary | 2011-02-26 23:48 | タイルのデザインと技法

遊牧民からまなぶ羊毛文化・絨緞編(tribal rug workshop)

「遊牧民からまなぶ羊毛文化」展示&イベントは、手仕事、旅、絨緞、遊牧民、民族音楽などが大好きな方々が集まり、連日濃い会話で盛り上がっています。

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ワークショップは、ついに絨緞織り編に。高温多湿な日本では、羊毛から織る絨緞はあまり見近なものとはいえません。とくに、バローチー、トルクメン、シャーセバン、カシュガイなど、部族の特徴が魅力の「トライバル・ラグ」は、目にする機会も限られています。

そのせいか、このようなディープなイベントで驚くのは、日本各地からの来場者があることです。マニアックなテーマ、昨今はインターネットで検索し、興味があればどこまでも行ってみる。でも、たくさんの情報や嗜好のなか、興味がない人には、どんなに情報を送っても届かない。そんな感じになりましたね〜、、

共通する好みでゆるやかに、でもディープにつながる「趣味縁」、興味深いです。会話が楽しいですよね!(というか、、「イスラムアート紀行」、装飾タイルも、まさにマイナーでマニアックですけど、、)

さて絨緞織り、すごいです。

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(この準備がスゴい!講師のTさん、本当にスゴいです!)

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(この織り機、なんだと思います?ザルそばの容器ですよ!しかも100円ショップ。Tさんにノーベル賞を!)

パイル織り体験をしながら、作るのは「ミニ絨毯」。結びは対称結び、いわゆる「トルコノット」だそうです。

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(結ぶという工程は慣れないとなかなか難しそう。最初とまどっていた参加者の皆さんですが、そのうちにリズムをつかんできました)

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(結んで切ることから生まれる深みのある毛足が絨緞の魅力、特性)

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(トントンと整えます。力の入れ方を場所によって変えるなど、やはりきれいに織るには様々なコツがあるようです)

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(数時間でこんなにきれいになりました。さすが、絨緞を織ってみようという方々は手先が器用!)

糸紡ぎの写真、見つけるたびにアップしていますが、今回はこれ!キルギスの女性のハンドズピンドル。(下記3点は書籍の写真をデジカメで撮ったものです)

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先日、1970年代の東南アジアを旅し、貴重な写真をたくさん持っていらっしゃるCさんが来場され、日本で入手は難しいだろうと思われるキルギスの文化人類学者の方の書籍を頂きました。ラッキー☆感謝です。
キルギスの手工芸、文様、生活、民族衣装などの貴重な写真があり、クラクラです。

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(葦のような植物から作る飾り物、名前はなんていうんでしょうか?一見織物のようで、とてもきれいです。その制作光景のようです。初めて見ました)

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(フェルガナで作られた民族衣装とのキャプションがあったので、ついチェック。フェルガナとキルギスは近いんです。陶芸のリシタンはキルギスとの国境の街でもあります)

寒い日が続きますが、梅も咲いて、春もきっとすぐそこに。好奇心を持って、きれいなものをたくさん見て、素敵な方々との会話に触発され、日々に感謝し、ココロ元気にいきたいと思います。
by orientlibrary | 2011-02-19 22:36 | 絨緞/天幕/布/衣装

羊毛文化の原点・フェルト作り(felt workshop)

前回、糸紡ぎの様子をレポートした「遊牧民からまなぶ羊毛文化」、展示&イベントも佳境に入ってきました。

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(トライブさんの写真より/クルド族女性がハンドスピンドルしているところ)

自称「土族」ですが、絨緞などの毛織物やテキスタイルに触れる機会を持つことができ、自分の好みなどもわかってきました。
目について手にとるものは、だいたい「クルド族」のもの。「ロリ〜バフティアリー族」のものは数があまりないので手に取る機会は少ないですが、最もカッコいいと思っています。
そして緻密でありながら明るく開放的な感じのある「ハムセ」のものも好き。会場にはハムセの素晴らしい絨緞が展示されています。

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(展示より/ハムサ連合バーセリ族(イラン南部)/敷物、パイル、羊毛/1910年頃/トライブコレクション)

遊牧民とその暮らし、毛織物を愛した日本人女性、松島きよえさんのコレクションも。

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(松島きよえコレクション/バッグの表皮(トルバ)/トルクメン族ヨムート支族/羊毛、ジジム(縫取り織り/表皮には大変に珍しく絹糸が多用されている。松島きよえさんとトルバについてはこちらに詳しい説明があります!すごいトルバなんですね)

糸紡ぎ、キリム織り技法に続いてのワークショップは「羊毛文化の原点 フェルト作り体験」。講師は羊毛研究家のプレバドルジ・アーリュンダリさん。

羊毛の国モンゴルですが、糸を紡いでの毛織物にはいかず、ゲルも敷物もフェルト。どうして織物にいかなかったのか不思議ですよね。

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(モンゴルのゲル、青空、白い雲、子どもたち)

モンゴル人のアーリュンダリさんは、繊維〜羊毛の研究をなさっている大学院生で日本語も堪能。ワークショップ参加者の皆さんも楽しそうです。

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(石鹸水で羊毛をやさしくまんべんなく押してこすり合わせること約1時間。のし餅状態に)

真白に成形していき乾かしてフェルトが完成。

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(ワークショップ参加者の方の作品。革使いや模様がお洒落ですね!)

フェルトは数年前からバッグや帽子などお洒落グッズとしても人気。ほわんとした温かさが魅力です。
フェルト作りの体験も以前より増えてきたようです。一つ一つの工程をきっちりきっちりと作っていき、線もまっすぐな日本人。
でもアーリュンダリ先生曰く、「モンゴルは、あまりこだわりません」。フェルト作りは融通無碍がポイントかもしれませんね!?
先生には、モンゴルの歴史、チベット仏教のこと、遊牧民の暮らしのことなど、いろんなお話をお聞きでき、大変触発されました。どうもありがとうございました。

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↓ 今回のおやついろいろ。差し入れ感謝。

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(南米お土産。マカトフィー。アンデス高地4000メートル位の所の薬草、朝鮮人参と同じ効果のある「マカ」から作ったキャラメルだそうです。元気の素!)
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(パキスタン・ムルターンのお菓子、ソーワンハルワー)
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(チェニジアのナツメヤシ、インドのスナック)

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(会場光景。パキスタンの帽子。カラフルです)

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↓ 土族の手仕事・タイル作りも少しずつ進んでいます。多角星とクロスも再度型紙作り。

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手前の焼き物は、陶芸のK先生制作のトーハク(東京国立博物館)内設置予定の案内陶板。設置された際にはまたお知らせしますね!

現在、タイルだけでなく陶芸も習っており、家紋付き高杯グラス制作中。ほぼ完成。いやあ、むつかしかった〜!K先生、「(予想より)よくやりましたね^^(初めての人には難しいんですよ)」と最後に言うのはやめてください(泣)。でも、だからこそやってみることができたんですね(嬉)。何度も挫折しそうになりましたが、やってみて良かったです。^^

寒い日々、そんな感じでやってます。
by orientlibrary | 2011-02-13 23:18 | 絨緞/天幕/布/衣装

遊牧民からまなぶ羊毛文化:糸紡ぎ体験(spinning workshop)

緑の草原、青い空、部族の天幕、その前で立ちながらスピンドルを繰る遊牧民の女性の姿、カッコいい。憧れです。手仕事できない私ですが、手紡ぎには興味があります。
そんな手紡ぎ、しかも本家本元の遊牧民の知恵の結晶である「羊毛文化」を学ぼうという趣旨のワークショップがありました。

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(イランのバクティアリー族の移動光景を描いたドキュメンタリー映像「grass」より。青々とした豊富な草を求め山や川を超え300キロも移動。こんな過酷な旅をともに乗り越える羊たち、毛も違ってくるはず。部族の手織り絨緞の味わいやツヤ、丈夫さは格別)

講師は羊大好きな羊毛文化研究家の駒木根智紘さん(ひつじ日和主宰)。羊に関する濃い〜お話や写真に会場からは「かわいい〜〜」の声。羊や織りや紡ぎが大好きな参加者の熱気で、会場はホントにひつじ日和です!
ワークショップも楽しかったです。まずは羊の毛刈り紹介から。

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(この写真は私が以前参加した羊の毛刈りの写真。羊って生身はスリムです)

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(会場にて。以下同様。これが「フリース」=羊一頭から刈り取られたひとつながりの羊毛)

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(羊毛は水洗いした後「カーディング」=繊維方向が整った綿状の塊にする)

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(ドラム式の道具を使ってのカーディング)

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(糸車を使っての糸紡ぎ。伸ばしながら撚りをかけていきます)

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(これが憧れの「ハンドスピンドル」=こまの回転力を利用して繊維をねじって撚り合わせ糸にする。長い木の棒の先端に回転力を強めるおもりなどがついている。このような羊毛糸を使い何か月もかけて織られるキリムやラグには中央ユーラシアの風土や遊牧民の女性たちの思いがつまっています)

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(wikipediaより借りました。こちらはペルーだそうです)

そこに真白な毛を手にした女性が。

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(ビニール袋の中身はハスキーミックスの毛。毛の長さは短め。これで糸になるのでしょうか??)

飼っている犬の毛から糸ができるかとの相談。駒木根さん、「羊毛と混ぜれば大丈夫」。どのような糸になり、糸から何ができるか楽しみです。

そこにまたまた毛を持参の女性が。

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(オールドイングリッシュシープドッグだそうです。名前からして糸は可能そうな感じが、、)

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(手紡ぎでもサラサラと撚れていきます。「これはいいですね〜」と先生)

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(すご〜い!犬の毛からこんなに味わいのある糸が完成しました!!何か小物になるのでしょうか)

ワンちゃんの毛から糸紡ぎとは意外な展開になりましたが、犬好きの方が多い昨今、うちのコの毛から糸を作って何かを作りたい!という人、少なくないのでは。これから流行るかもしれませんね!?

イスラムタイルや陶器と同時に、テキスタイルや天幕が好き。とくに私の好きな中央ユーラシアは遊牧民の文化が基層にあるところが多く、遊牧民の暮らしには強い興味があります。これからも見ていきたいな、と思っています。

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(羊毛文化展示光景一部/右下にある青い皿はリシタンのもの/絨緞=トルクメン族エルサリ支族:祈祷用絨緞(ジョイナマーズ):パイル、羊毛:1930年〜:kanno コレクション)
by orientlibrary | 2011-02-05 22:48 | 中央ユーラシア暮らしと工芸