イスラムアート紀行

orientlib.exblog.jp

<   2010年 08月 ( 6 )   > この月の画像一覧

ウズで青のやきものに浸る

中世からの伝統を持つウズベキスタンの陶芸産地リシタンは青の陶器で有名。現在では世界的にも貴重となった「天然釉薬イシクール」を使う伝統技法が、青の輝きをさらに魅力的なものにします。


e0063212_2333228.jpg



A工房には徒弟制度が今も生き、中世から受け継がれてきた伝統技法や作法をとても大事にしています。でも作風としては、常に新作に挑戦しています。
そのことが、とても好きです。ウズ各地のお土産物屋さんにはリシタン陶器がたくさんありますが、それらとは異なる世界を持っていると思います。


e0063212_23669.jpg



e0063212_2385728.jpg



朝は路地裏やモスクを散歩し、朝ご飯を食べたあと、午前中は地元の子どもたちに日本語を教え(楽しいですよ〜!)、お昼ご飯に戻り、午後は工房で職人さんたちの作業を見ていました。作業の流れや工程、役割分担など、とても興味深いものでした。


e0063212_23204395.jpg
(代表的な料理プロフ。家庭のプロフは脂っこくなくておいしいです。日本の胡椒もみえてます)


そして、陶器の模様をスケッチしました。ひたすら何枚も何枚も。手のあいた絵付け職人さんが時々見に来て、手ほどきをしてくれました。1本の線も上から描くのか下から描くのかさえわからないので、この手ほどきはとてもありがたかったです。感謝!!


e0063212_23255750.jpg
(陶器をスケッチして模様のお勉強。幾何学系のものは花びらの数を数えたり角度があったり大変。自然な模様の方が描きやすいし描いていて気持ちがいいです。唐辛子模様のバリエーションが多いとあらためて気づいたり、とても勉強になりました。<追記>=私は絵を描くなんて中学校以来。まったく畑違いの仕事をしています。その点「差し引いて」ごらんくださいね!m(_ _)m)


さらに、ウズベキスタンの絵付け職人さんのための「絵付けのABC」みたいな本を見せてもらいました。描き順もちゃんと示してあります。これ、これが欲しかった!欲しいよ〜。でも写すのはとても無理。で、町に1台のコピー屋さんを探し、無事にコピーをとることができました。こんなテキスト、amazonだって手に入らない!うれしー!


e0063212_23223676.jpg
(順序が描いてあるのがうれしい。実際に職人さんに描いてみてもらったら、きちんと定規でサイズをとって順序だって描いていっていました。この職人さん、若いけどすっごく上手いんですよ!びっくり。絵付けの美術大学に行っているそうです。夏休みなので帰ってきてました)


それにしても、、私がイスラム陶器の模様を勉強しても、という気持ちもあります、、でも、やりたいという思いにさからわずにしばらくやってみようかと。いくつになっても迷い多き人生です。(>v<)


e0063212_23411422.jpg
(ナン焼き釜を積んだロバ車)
by orientlibrary | 2010-08-29 23:42 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

ウズベクの夏、暮らしのなかで

ウズベキスタンから戻りました。
暑さは、日本と同じくらいともいえますが、日本の方が暑く感じます。ウズは「日差しカンカン」、日本は「空気モワモワ」。全身がお風呂に入っているような日本の方がキツいですね。


e0063212_22503325.jpg
(暑い夏の贈り物、ウズのフルーツ)


私はもともと「優雅なリゾートでゆっくり」的な志向が少なく、「ゴージャス」とか「リッチ」にも縁がありません。貧乏性なのでしょうけれど、体験ができること、地元の人の暮らしや考えに触れられるような旅行の方が好きです。


e0063212_2259473.jpg
(路地裏の光景)


その意味では、今回は本当に希望にかなったものでした。観光はゼロ。ふつうのお家でご飯を食べ、やりたかったことを日々おこなっていました。そして帰ってきました。短かったけれど、とても満足です。多くの方々に感謝しています。


e0063212_22504588.jpg
(コーカンド、宮殿のタイル。陶器やタイルも、たくさん見ることができました。)


陶器絵付けやイスラムの模様のことなども、今後わかる範囲で書いていければと思っています。
by orientlibrary | 2010-08-27 23:06 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

イスラムデザインでタイル絵付け修行!ハタイ篇2

先月より習い始めた憧れのイスラムタイル(イランのハフトランギ〜虹色タイル)の絵付け、今月も楽しく続いています。
最初に「まず一度焼成までいってから基本に戻って習いたい」とイレギュラーな進行をお願いした私。先生に修正していただきつつ、いきなりデザインから絵付けまでトライ。先日、第1回目のタイルが焼き上がりました。

e0063212_22404334.jpg
(大きい写真にできません、、)

「・・・」。不安はありましたが、やはり塗りに問題が。地の色にムラがあり、薄い部分はザラザラのお肌。そうですよね、器などは釉薬に浸すんですもんね、たっぷり塗らないと、、。たっぶりですね。
全体に線がくっきりとしておらず、色がのっていないところも。焦って塗ってはダメということをしっかりと体感しました。釉薬のぽったり感が好きな私、次回は、くっきり&ぽったりをめざします☆

e0063212_22394882.jpg
(地がザラザラしたところも、、)

でも、今回の”シャーヒズインダ花模様風”&”イスリミ&ペルシア書道(先生に書いてもらった)”から、たくさんのことを学んだし、とにかく楽しくてワクワクしました。「いきなり全部やりたい」を許容してくださった先生に感謝です!☆

e0063212_22453563.jpg


そして8月は基礎編に入り、「ハタイ」と呼ばれる自然な植物模様を習っています。
ハタイは見た目ナチュラルなんですが、さすがイスラムデザイン、しっかりと原則、法則があります。基本のスパイラル、方向や角度など。葉っぱ一枚、花びらひとひらにもそれが貫かれています。それをはずれると、たしかに「何かヘン、落ち着かない感じ」になるんです。
でも何かヘンと思ってもなかなかスムーズにスパイラルにならず、何度も何度も描いてみます。修行です。

e0063212_2242422.jpg


が、しっかり基礎を、花模様の練習を、と思いつつ、、気がついたら、次の構図を考えてしまっていました。地道に練習することが弱いんでしょうか、、。構図の中で練習するということで、9月からは新しいタイル作りに挑戦です!

e0063212_22423232.jpg


テーマは「ミヒラーブと花模様」。ミヒラーブの回りと中をハタイでいっぱいにしたいと思います。
そしてしっかり線を入れ、たっぷりと釉薬をかけて、ぽったりと可愛いタイルにしたいなあ☆

そして気の早い私、無謀な野望がムクムクと、、。タイルに惹かれる原点となった青の十字タイルと星形タイル。いつの日にか、これを作りたいという気持ちでワクワクしてきました。夢は持ってもいいですよね!

e0063212_22424747.jpg
(ラスター彩星形タイル/カシャーン/13世紀/415×1060/『イスラームのタイル 聖なる青」(INAXブックレット)より引用)

ラスター彩は無理としても、星形タイルの中に植物模様を描き回りにペルシャ書道でコーランを(これは書道達人の先生にお願いして)。クロスは浮彫りにするのもいいなあ。

e0063212_22432783.jpg
(ラスター彩星形タイル/220×220×13/『イスラームのタイル 聖なる青」(INAXブックレット)より引用)

野望満載の私、ちょこっとウズベキスタンの陶芸産地に行ってきます。当初はボーっとする予定でしたが、結局は貧乏性。先方の都合もあるので可能かどうかはわかりませんが、「勝手に陶芸調査&押しかけ絵付け修行篇」ができたらと考えています。首にタオル巻いて。タイルの本場で修行できたらうれしいなあ!!

e0063212_22461630.jpg
(ウズベキスタンの陶芸工房)

コメントのお返事が遅くなりそうですが、ごめんなさい。
残暑きびしい日々ですが、お元気でおすごしください。
by orientlibrary | 2010-08-17 23:15 | タイルのデザインと技法

夏映画その2/「ペルシャ猫を誰も知らない」&ペルシャ工芸

前回「夏映画その1/「ソウル・パワー」&クバ王国の布」と一緒に書いていましたが、長くなったので分けました。だから、その2です!)

e0063212_12203164.gif
(イラン・タブリーズ/ブルーモスクのタイル)


「酔っぱらった馬の時間」で泣き、「亀も空を飛ぶ」で泣きました。そのバフマン・ゴバディ監督の最新作「ペルシャ猫を誰も知らない」・・これがテヘラン?とびっくりするようなストリート感やスピード感があふれる映画なんですが、だからこそラストシーンが重い。声高に言わないからこそ、制作者や若者たちの思いに共振しました。

〜〜〜〜〜
あなたと歩いていきたい 霧の街を抜けて 緑の枯れない国へ
あなたと家にいたい そこには窓があって海が見えるの
庭には木を植えブランコを置きたい
大きな椅子に二人で座り 一緒にくだらない番組をテレビで見るの
ベッドでぐっすり眠りたい 太陽が出るまでもう一度
幸福がいっぱいのグラスに食べ物がいっぱいの皿
手巻きの時計は壊れて動かない 毎日が今日のままで明日が恐くないように
〜〜〜〜〜

最後に流れる歌です。若い女の子が夢見る光景。他愛もないようなささやかなシーンだからこそ、それがかなわない現実を思います。

「好きな音楽をやりたいだけ」。そんな若者たちが人目を避け、街の死角のような場所を必死で探しながら音楽を続けています。コンサートをおこなったりCDを出したりするには、「イスラム文化指導省」の許可が必要なのだそうです。

出演者の大半は実在のミュージシャン。彼らは何度も逮捕されながら音楽を続けています。といっても、反体制活動家といった気配はまったくなく、上流階級の育ちのいい若者たちといった感じ。たぶん音楽ってものが、とにかく好きなんです。
ストーリーもほとんど実際の経験に基づいており、主役の二人は撮影が終了した4時間後にイランを離れイギリスへ渡りました。

撮影自体、当局の許可がおりないなか、小さなカメラでゲリラ的に撮影。なんと17日間で撮影したといいます。(うち2日間は警察に連行され撮影できず)。小気味良いくらいのスピード感は、そのせいもありそうです。現実的にホントに必死だったんですね。
(*イランでは映画製作は指導省に脚本を提出して許可を得た後、当局帰属の35ミリカメラが使用できるという流れだそうです。ゲリラ的手法に至る経緯は傲慢な「ザ・コーブ」と根本的に違います)。

書きたいこと、たくさんあるんですが、、作品については公式サイトの「作品紹介」を。

ミュージシャンがたくさん登場。シンプルなロックからフュージョン、ラップまで多彩。イランの音楽シーン、アンダーグラウンドにありながらしっかりと息づいています。公式サイトの「キャスト」で出演ミュージシャンたちを紹介しています。
出演者中唯一のプロ俳優である「ナデル」役のハメッド、最高!映画のビートを刻んでます。
好きな音楽がたくさんありました!ナジャフィヤーン、ダールクープ、ミルザー、ヒッチキャス、so cool!!

ゴバディ監督は現在イランを離れており、6月の来日もかなわず

e0063212_1274424.jpg
(東京国立博物館展示品/イラン色絵人物文鉢/12〜13世紀/ミーナーイ手/楽器を演奏する人の姿)

音楽や踊りや人々の表現活動を規制しないで欲しい。
イスラムの名の下に、規制するのはやめて欲しい。

e0063212_1283771.jpg
(テヘランのガラス博物館展示品/12〜13世紀)

他国のことをとやかく言うべきではないかもしれませんが、イスラムの名の下にそれがなされていることは、イスラムのタイルや工芸に心底惹かれている私には、とてもとても残念だし、悲しい。音楽も好きだから、シンプルに「音楽したい!」という若者の気持ちもストレートに伝わる。

e0063212_12104680.jpg
(タブリーズにあるアゼルバイジャン博物館展示品/ラスター彩皿)

詩の国イラン、アートの感性が突き抜けて素晴らしいイラン。
イスラムと音楽は相反しないはず。
イスラムは個々人の表現を包容する大きなもののはず。
今はイランの悠久の歴史の中のひとつの時期なのかもしれないけれど、次のステージになりますように、と日本の片隅で願っています。かの地で、ゆたかで艶やかな芸術の花が咲き誇りますように。


*追記:主役の二人、アシュカンとネガルは、現在ロンドンで音楽活動をしているようです。彼らのfacebookには多くの人が訪れ、youtubeには演奏光景もアップされています。イラクのクルド人自治区にいるゴバディ監督はskypeでインタビューに答えています。止めようとしても止められないものがある、隠そうとしても情報を巡る環境が以前とは違う。そのことは確かだと思う。WikiLeaksなるものも登場しています。工夫と知恵とチャレンジで表現の自由がいい方向にいって欲しいなと思うし、自分も情報への理解力やスキルを高めなくてはと思う2010年の夏なのでした。
by orientlibrary | 2010-08-10 12:16 | 美術/音楽/映画

夏映画その1/「ソウル・パワー」&クバ王国の布

◎梅酒と煎茶

冷んやり、という言葉が魅力的に感じるこの頃。常滑(愛知県)の酒文化、急須文化を楽しもうという会がありました。そこにあったのがこの瓶。「水」がテーマのイベントだけに、中には旨い酒を生み出す常滑の水がなみなみと入っていました。ガラスも涼しげで、冷んやり気分です。

e0063212_11362359.jpg


日本酒の古酒で作った「梅酒」は、深みがありまろやかで、とっても美味でした〜!急須で煎れる煎茶もいただいたのですが、そのテーブルにあったのがこの茶碗(の部分)。800年前のものだそうです。土味がいいですね〜。飾りとはいえ、実際に使っていることに魅力を感じました。
常滑は日本六古窯の一つであり、その中でも最古で最大。焼き物・・良き土と水と火が生み出した日本の美ですね。

e0063212_11363747.jpg


******************

◎ ソウル・パワー

熱い映画でした。「ソウル・パワー」。1974年、アフリカのザイールで開催された伝説の音楽祭の映像。2009年に34年の時を経て公開されました。若きモハメド・アリのインタビューから始まり、コンサート開催までのドキュメンタリー、実際のライブの映像など、最後までテンション高く盛り上がります。

時代を考えると、黒人解放運動のこと、自分たちのルーツであるアフリカで演奏することの誇りと喜び、「ブラックネス」に誇りを持ち価値を発見してゆく様子、当時の興業のこと(チャレンジングなこのコンサートに投資したのはリベリアの投資家(だったと思う))など、細部も興味深いものがありました。

そして、ジェームス・ブラウンなどアフリカ系アメリカ人ミュージシャンたちのライブが、とにかく素晴らしかった。何よりミュージシャンたちの表情が良かった。歓喜、高揚、充足感が伝わってきました。晴れ晴れとした健やかなパフォーマンスという印象でした。アフリカの大地と観衆の力なのかな。

ザイールと聞いて思い出したのが、「ラフィア布」(椰子科の植物ラフィアの若芽を糸にして織り上げた布)のこと。ザイールって、現在のコンゴ民主主義共和国ですよね。

e0063212_113656100.jpg
(ラフィアを使った「草ビロード」と呼ばれる儀礼用の布。ビロードに見えるとことからその名がついている)

そのコンゴには、モダンアートを思わせる多彩なテキスタイルがあり、クレーやマチスなどヨーロッパのアーティストたちも触発されています。それを知ったのが、2年前の「美しい世界の手仕事プロジェクト アフリカの布展」のときでした。

e0063212_11381884.jpg
(ラフィア布。アップリケの色合いやデザインが楽しい。躍動感)

e0063212_11392538.jpg
(100枚以上のコレクションの展示準備。目眩のするようなラフィアの海でした。というか、本当に目眩がして船酔い状態に)

コンゴといえば、首都キンシャサの路上音楽集団の映画「ベンダ・ビリリ!〜もう一つのキンシャサの奇跡」も9月公開。こちらも楽しみです。

クバ王国の布については、「コンゴクバ王国の布」(部族の絨毯と布 caffetribe)でも紹介されています。ご参照ください。
by orientlibrary | 2010-08-10 11:46 | 美術/音楽/映画

涼しい景色で、暑中お見舞い!☆

暑中お見舞い申し上げます。

日本だけでなく世界のあちこちから「暑い」情報が入ってきます。中央ユーラシアの内陸部は灼熱なのでは、と心配しますが、先日会ったウズベキスタン出身の留学生たちは「ウズベキスタンより日本の方が暑いです」「蒸し暑さはこたえます」と声を揃えていました。
ウズより暑い日本。午後にスコールのような雨も降り、ほとんど熱帯モンスーン♥・・・

見た目だけでも、と思い、少しでも涼しく感じられるような写真を探してみました。まず、色。やはりブルーは涼しげですよね。「グル・エミル」(ウズベキスタン・サマルカンド/1404)です。

e0063212_1473617.jpg
(グル・エミル)

e0063212_1484225.jpg
(泉を表現したかのような水色のタイル。グルエミルについては、以前の記事もご参考にどうぞ。「水のような青。グルエミルのタイル装飾」

ウズベキスタンのフェルガナ盆地、キルギス国境にある陶芸産地リシタンの陶器です。中世から青で有名。当時から「青の通(つう)ならばリシタンへ行け」と言われていたほどだといいます。(以前の記事:「天然釉薬イシクール七変化 魅惑の色の世界」「フェルガナ陶芸の故郷 リシタン・伝統の青」

e0063212_14105162.jpg
(現在のリシタンの絵付け茶碗。水の流れのような青。勢いがあります。ヨーグルトを食べたり薬味を入れたりするのに適したサイズで、夏に活躍します)

e0063212_14132971.jpg
(同じく現在のリシタンの絵付け茶碗。日本人の好きな藍色。小さいサイズで可愛いです。日本酒のお猪口や薬味入れにいいです。アクセサリーなどを入れてもきれいです)

e0063212_14152042.jpg
(ウズベキスタンの住まいは大きくて果樹のなる広い庭があります。こちらは路地からチラッと見えた絵。二重内陸国であり水の少ないウズベキスタン、豊かな水は憧れなんだろうなあと思います。水の面では日本は恵まれていますよね)

e0063212_1419949.jpg
(峠の茶屋で。わき水で飲料を冷やしています。「日本人は何にでもたくさん氷を入れるね。どうして?」と聞かれますが、習慣ですよね、、。乾燥した気候では熱いチャイを飲むとスッとしますが、やはり湿度が冷たさを要求するんでしょうか??)

いきなりインドです。インド・イスラム建築の頂点、タージ・マハル。灼熱の大地に浮かぶように建つ白大理石の廟。赤砂岩の建物の多いインドにあって、際立って涼しげです。

e0063212_14215226.jpg
(朝のタージ・マハル。幾何学的配置の整然とした庭。流れる水。したたる緑。ひととき、混沌からのエスケープ)

e0063212_1430012.jpg
(ジャイプールの朝。静かで空気もきれい。パワー全開の日中を迎える準備をゆっくり、、)

e0063212_14312790.jpg
(聖地ハリドワール。ガート(沐浴場)の夕暮れ。ヒマラヤへの入り口、ガンジスの源流。巡礼の人々であふれかえっています。熱気が立ちこめますが、やはり水は涼しげ。けっしてきれいな水ではありませんが、何か包み込まれるような気持ちになります)

e0063212_1438454.jpg
(リシケシの朝。蕩々と流れるガンガーにマリーゴールドが一輪たゆたう。リシケシはハリドワールからさらに奥へ入ったところにあり、ヨガで有名。ヨガのアーシュラム(道場)がたくさんあります。ヨガマットを持った日本人女子もたくさん訪れています)

なんだかインドに行きたくなってきたなあ。

*************

話は変わって。

以前、「ザ・コーブ」について少し書きました。その後も何かモヤモヤと気になっていて、コーブ関係のものに目が向きます。

先日は書店で、『イルカを食べちゃダメですか? 科学者の追い込み漁体験記』という新書を買ってしまいました。
ちょっと怪しげなタイトルですが、著者は水産庁職員として映画の舞台となった和歌山県大地町でイルカ追い込み漁を経験。15年にわたり漁師さんたちとつきあってきた人。(全部読んでいませんが)「追い込み漁が叩かれるなら、私は義として立たなくてはならない」との思いがあふれている本だと感じました。
また、現場を見てきた人だけに、臨場感を出すためにデジタル技術による映像処理がされているのではないか(捕殺により海面がことさらに赤く染まるシーンなど。そもそもこの場面自体が10以上年前に撮影されたもののようですが、映画の中では最近の取材のような印象を受けてしまいます)という疑惑も呈しています。

また今日の新聞で、PR会社の社長(ラジオ英会話でおなじみの杉田敏さん)がオピニオン欄に「”異文化”発信の人材育てよ」との意見を寄せています。「ザ・コーブ」の問題点を整理した上で、このようなプロパガンダ映画に、どのように対峙、対応するか、についてPRの視点から具体的な策を提示しています。
「日本ではこうした微妙で感情的な問題について、海外にきちんと外国語で語りかけることのできる人材が育ってこなかった」「今回の騒動を機会に、これまでのコミュニケーション活動の総括をしてみてはどうだろうか」「あんな可愛いイルカを殺して食べるなんて野蛮という情緒に対応できるのは論理しかない」「食文化の多様性を尊重をしよう、をメッセージの中核に、インターネットを使った広報を主眼に置くべきだ」など。

また、「ザ・コーブ」上映までのいきさつ(映画が「反日」であるという理由で上映中止を求める街宣に屈しない覚悟、映画館側の事情や思いなど)が、こちら(渋谷uplink代表のブログ)に詳細にレポートされています。

イルカ漁に限らず、各地独自の文化や習慣は、土地に寄り添って成り立っているもの、深いものだと思います。見解が異なるからといって、理解する努力もなく、単純に切って棄てるやり方に強い違和感を覚えます。
イスラム文化や遊牧文化、少数民族などに対する見方に関しても、このような印象を持つことがあります。「不気味」「遅れている」「怖い」など、、。
しかし、そういう私も好みではないジャンルについては、「嫌い」等、一言で決めつけていることがあります。
情報過多の時代、どうやって知っていくか、なかなかむつかしいですが、、。いろんな人と会い、話をし、現場に立っていければと思います。

長くなり、失礼しました〜★
by orientlibrary | 2010-08-03 16:03 | 中央ユーラシア暮らしと工芸