イスラムアート紀行

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中世装飾タイルの都 サマルカンド

<中央アジア関連の番組のお知らせ>
「ユーラシア大陸お仕事日記」さんより、ご案内を頂きました。私も心待ちにしていた番組のご紹介です。

6月4日(金)21:00〜23:24
「ビートたけしと7人の賢者 〜未来への選択〜 人類は滅びるしかないのか」

「ユーラシア大陸 お仕事日記」さんでのご紹介

放送終了しました。青いタイル(施釉煉瓦)、可愛かったですね〜!!!パルメット模様のような感じがしましたが、、。ウズベキスタンやカラカルパクあたり、とくにタイルがあそこまでフューチャーされているとは感動でした。
13、14世紀頃のタイルがいちばんカッコいいです!最高!ミズダハン墓地、これは行かねば!

アラル海の湖底の彩釉装飾煉瓦やミズダハン墓地のタイル、「ユーラシア大陸 お仕事日記」さんで紹介されています。「運命の青い煉瓦」。湖底の煉瓦、これはたしかにチューリップ模様のように見えます。でも、こういう模様、これまで知りませんでした。本当にかわいいですね。なんとも言えません。(6月4日夜:記)

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ウズベキスタンのオアシス都市サマルカンド、建築物の壁面を彩るタイル。タイル装飾というものは、とてつもなく手間を要するものだと思います。美しさで帝国の力を示す。そのような力ならば歓迎ではないでしょうか。

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(レギスタン)


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(シャーヒズインダ墓廟群)


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(シャーヒズインダ墓廟群)


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(シャーヒズインダ墓廟群)


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(レギスタン)


 しばらく更新があまりできないと思います。こういうこともやっていて=「美しい世界の手仕事プロジェクト」、その他、いろいろと、、、ゆとりがないです・・・mmmmm ・・・ が、気晴らしに!?更新するかもしれないので、また遊びにきてくださいね。see you☆
by orientlibrary | 2010-05-22 21:30 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

「犬が星見た」ウズベキスタン

Twitter、facebook、mixi、いずれも登録しているだけの私。活用法もよくわからないし、ブログだけでも更新ままならない状況なのに、とても無理。でも、好きなミュージシャンのTwitterやpicsは常にチェックしていて、臨場感、一体感があり、うれしい。Youtubeはインタビューものやコンサート映像など、見ていて飽きない。WEBアルバムというのも、とっても便利。新登場ツール、これからますますすごいことになっていくんでしょうねえ。

そんなわけで、『ツイッターノミクス(twitternomics)』という本を買ったのですが、同時に買った本の方を先に読んでしまいました。『犬が星見た ロシア旅行』(中公文庫)という変わったタイトルの本。著者は武田百合子さん。(作家武田泰淳さんの妻。ご両者ともに故人となられました)

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(中央アジアの光景。カザフスタン。春ならばこういう景色も見られましたね)

1969年のロシア旅行の記録。百合子さんが武田泰淳さん、竹内好さんらと一緒に20日間のソ連ツアーに参加したときの日記をもとにした旅行記(執筆は1978年)。 ツイッターノミクスで世界と瞬時につながる現在との違いの大きさに、この40年の変化のスゴさをあらためて感じました。

旅は横浜発。船旅です。ナホトカから鉄道でハバロフスク。空路でイルクーツク。が、日程変更の都合で泰淳さん憧れのアルマトイ(カザフスタン)へは行けず、タシケントへ。ウズベキスタンのあとはコーカサス、ソ連。ツアーと別れ、その後スカンジナビアへも行っています。

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(カザフスタン。こういう景色もあります)

タイトルがロシア旅行なのでロシアかと思うのですが、ソ連時代のことであり、現在の中央アジアやコーカサスのお話が多く、中央アジア好きの私はおおいに興味を惹かれました。といっても、名所旧跡、観光地のことはほとんど書かれておらず、大半が現地の人々の様子や日常生活、食べ物、そしてツアーの面々の行動スケッチ。

今もトイレやお風呂、食事などがキツい面のある中央アジアですが、40年前はさらにすごかったみたいです。でも洗面所の水を毎朝コップ7、8杯飲んでいたという百合子さんだけがお腹もこわさず、女性ならばキャーと言いそうな非日常にも、さらりと溶け込んでいます。

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(ナン。地方によって模様も味わいも違います)

各地で出会う人々を、同じ人間として、見下すことなく、たじろぐことなく、あくまで普通に接している、その感性が本書の最大の魅力と感じました。歴史や文化など難しいことは一切書かれていませんが、40年前のサマルカンドやブハラの一端が臨場感を持って垣間みられるような気がします。また会話を含め描写が非常に細やかで、よく記録したものだと感心しました。そしてその前に、よく見ているなあと思います。精神が伸びやかでやわらかだからこそ、いろんなことがスルリと入ってくるのでしょう。

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(百合子さんの関心はモスクよりも子どもたちやお母さん。なんちゃってロシア語で普通に話しているのがおもしろい)

中央アジアのあたりなど、好きだったのは次のようなところ。

(国内線機内食について。テーブルが壊れているようなガタガタ飛行機だったが)
・・・ 何ておいしいんだろう。輸入しないで皆が我慢して頑張って働いている国の食物だ。粗末に扱ってはいけないなーそのしんみりとしたおいしさのせいか、二宮金次郎のような気分になった私は、一個残した紅茶の角砂糖を手提鞄にしまって、あとで大切にかじることにした。・・・

(帰ろうとするガイドの青年を竹内好さんが追いかけて話をしています)
・・・ 竹内さんはパイプを加えたまま、耳を傾けて、実に嬉しそうに肯いている。それから握手した。「彼は、純粋のこの土地の人間だそうだよ。じいさんも父親も熱心な回教徒だそうだ。じいさんは、今も毎日五回祈るんだそうだ。コーランを知っているかと、俺が訊いたら、彼はコーランの一節をいま暗誦してくれたんだ」「いい青年だねえ。ウズベキスタン共和国の愛国者なんだな。コーランを久しぶりに聴いたよ」 ・・・

(ブハラのバザールで「銭高老人」(一人で参加したツアーメンバー。銭高組の会長)が話す)
・・・ 「見てみなはれ。壁も塀も門も、よおく見ると、皆、少しずつ、かしいでおりますがな。うまくかしいで建ててありますがな。ここは地盤がえろうやわらかいんじゃ。えらいもんでっせ。地震を見込んで、最初から、かしげて建ててありますのや。やわらこう、遊ばせて建ててありますのや。たいしたもんじゃ。えらいもんじゃ。ロッシャはたいした国じゃ。わしゃ、よう知っとった」 ・・・

(ストックホルム空港にて。北欧は素晴らしいと語るモスクワ駐在商社員の妻の話を聞いて)
・・・ (私は)物が豊富で迅速に事が運ぶ文化都市にやってきたのだな、ロシアとは違ったところだな、と思っているだけだ。感動というのは、中央アジアの町に着いたときにした。前世というものがあるなら、そのとき、ここで暮らしていたのではないかという気がしたのだから。・・・

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(古写真集より。ブハラのサーマーン廟。ブハラ6月の暑さは強烈だったようです)

久々、好きなエッセイに出会いました。それにしても気温が50度のなかの観光、サマルカンドもブハラも「暑い」がメインでした。6月のウズツアーはキツいですよ。40年前とはいえ、そのあたりの配慮(情報?)はなかったのかなあ。タイルについて、少しでも百合子さんの言葉を読みたかったなあ。&ソ連時代なのに「ロシア旅行」というタイトルも示唆的かも。

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(ウズベキスタン陶器。シルクロードオアシスの空気を感じます)
by orientlibrary | 2010-05-16 09:25 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

ハズラト・アリー廟のタイル(kentaさんブログへのリンク)

なかなか余裕なく記事更新できません。時間がたってしまうので、気になっている写真、リンクだけですがご紹介させていただきます。

アフガニスタンで平和構築・紛争予防の現場で働く青木健太さんのブログ「永遠ピースのために」より、マザリシャリフにあるハズラト・アリー廟、計30枚です。

青の世界。そのタイルは、目に眩しいほどの水色、紫にも見えるラピスラズリ色、控えめなトルコブルー。黄色の面積も大きく、明るい強さを放っています。

空は広く、青く、空気は澄んで、人々は家族や友人と、思い思いの格好で廟を訪れ、お祈りし、ゆったりとたたずんでいます。女性の姿も多く、報道で見るアフガニスタンとは違う姿を見ることができます。

ブログ上でのお友達(勝手に!?)であるkentaさんは、アフガンから一時帰国されていましたが、再度のアフガン居住。写真も文章も、グッと入って行くような対象への近さや深い愛情を感じさせる一方、クールで知的抑制が効いた独自の世界を持っている方だと思います。アフガニスタンのタイルはなかなか見られませんので、ぜひkentaさんのお写真で旅をなさってください。

タイル自体は修復がされていて、細かいモザイクなどはあまりないようです。けれども模様のバリエーションが多彩で、イランやウズベクではあまり見たことのないものも。建物全面にめくるめくタイルの世界が展開されています。そして青。圧倒的な青の存在感に包まれるような廟だと感じました。kentaさん、ご紹介どうもありがとう!


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(ウズベキスタンの古写真)
by orientlibrary | 2010-05-11 00:03 | ウイグル/アフガン