イスラムアート紀行

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パキスタンバザール&ムルタンの青タイル

噴水広場に響くパキスタン音楽、立ち並び味を競うパキスタン料理屋台。3月最後の週末、花見客で賑わう上野公園で「パキスタンバザール」がおこなわれました。

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最近、代々木公園などで各国のイベントが開催されることが増えました。行ってみると、いつも多くの人出。屋台や雑貨店、旅行案内等々、お店がもたくさんあり、すごく賑わっています。
「パキスタンバザール」も、在日パキスタン人やパキスタンファン、行楽客などで盛り上がっていました。初パキスタンの人も、音楽や踊りやモノや食べ物から入ると入りやすいですよね。こういう機会は大事だと思います。
ただ、「世界最古のバザール来日!」というものすごく魅力的なキャッチフレーズが意味するところ、示すところが何だったのかは謎です。

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メヘンディをしてもらい、インスタントメヘンディやヘナもゲット。桜を背景にしての民族舞踊もきれいでした。
いちばん気に入ったのは、お人形でした。衣装だけでなく、アクセサリーや靴まで凝っていました。

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ムルタンの現在の製品も少しありました。

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◆ ムルタン(パキスタン)のタイル ◆

ムルタンの陶器つながりで、ムルタンのタイルを少し。イランや中央アジアよりも青の色合いが一段階強く、デザインもどこか土着的で、東のイスラムを感じさせるものがあります。

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(ウッチュ)

中央ユーラシアのタイル文化について、深見奈緒子さんの文章から。(「イスラーム建築とタイル」(深見奈緒子/2001/『砂漠にもえたつ色彩、中近東5000年のタイルデザイン』展覧会カタログより)

*タイルが発展した原因=乾燥地域における土の文化が大きく影響した
* 土を焼成したレンガが被膜材としての位置を獲得するなかで多様な形態をもつようになる
* より美しい被膜材をめざして多様なレンガに釉薬がかけられたものがタイル
* イランや中央アジアには土台となるレンガの文化があったからこそ、タイル文化が育まれた
* 発展の方向はレンガを受け継いだ凹凸で模様をつける時代からはじまり、平滑な面に彩色で文様を現す方向へと進展した
* 注目すべきは12世紀に建築用に開発された技法としてのモザイクタイル
*さらには14世紀後半に陶器の応用から脱して大規模建築の被膜材としての位置づけを獲得した絵付けタイルである

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(ウッチュ)

中央ユーラシアの土の建築文化の流れの中で、ムルタンの青のタイルは独自の輝きを見せています。濃さとゆるさと剛さと温かさが同居しているような、、イスラムタイルの東端の輝きを愛おしく思う私です。

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(ムルタン)
by orientlibrary | 2010-03-29 00:52 | インド/パキスタン

水のような青。グルエミルのタイル装飾

前回、バザールで冬のメロンとスイカについて書きましたが、冬のフルーツの姿その2です!

この不思議な形状のものは、、干しメロンでした。サマルカンドのバザールで購入。発酵系の匂いがして、やや塩気も感じつつ、やはりメロンだと思う味。粘着度が高く、カットするのが大変。ちぎって食べるものなのかも。

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こちらはプラムの中にクルミが入っているもの。やわらかくて甘いプラムとカリッとしたクルミの食感がいいです。ニューカマーのウズじいちゃんズ(タシケント出身)も一緒です。

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ウズ干しフルーツ&ナッツ集合写真。リシタン陶器やウズの織物もきれいでしょ!?

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右下のは干し杏。こちらが本物の色。味わいも自然&素朴で、ほどよい甘さです。日本で売られているオレンジ色のものとは、別ものですね。ナッツはアーモンド。「アーモンドの瞳」って、中の実の形状から来ているのかと思っていましたが、殻こそがキリリとしたアーモンドの形なんですね。

◆ グル・エミル(サマルカンド)のタイル ◆

フルーツが豊富なサマルカンドは、ティムール朝の都でした。繁栄をきわめたサマルカンドの歴史的な建築遺構のひとつ「グル・エミル」(1404)。壮大なドームやティムール時代の美しいタイル装飾が見られます。

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「1403年にスペインのカスティーリャ王国の使節団の一員に選ばれたイ・ゴンザレス・デ・クラヴィホは国王エンリケ3世の友好使節としてスペインを発ち、ティムールの死の前年にサマルカンドを訪ね、1406年に帰国した。彼が残した貴重な記録には当時のサマルカンドの繁栄ぶりとティムールの宮廷が生き生きと描写されており、貴重な資料となっている」(「中央アジアにおけるティムール時代の建築遺構と装飾タイル」杉村棟/ 『シルクロード学研究7 中央アジアのイスラーム陶器と中国陶磁』より)。

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「1403年に死去した甥のムハンマド・スルタンを記念してティムールが建てさせた墓廟を中心にマドラサとハーナカーが付属している建築群である」「イランからも職人を徴用しティムール自らが指揮をとったと言われるほど力を入れて建造した墓廟である」「後にティムール自身の墓とティムール一族の王子たちの墓廟となった」(同書より)

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「記念碑的な墓廟はマドラサとハーナカーの間に建てられており、墓廟でありながらモスクのようなファサードを備え、丈の高いドラムとリブ付きのドーム、施釉レンガ、タイル装飾を施した外壁などにより複合使節の特徴がある」「ここには濃淡の青、黄土色、白色のタイルや施釉レンガが使われ、ドームとリブの基部のムカルナスにも同様の色彩が用いられている。主文をなすのは幾何学文である」(同書より)

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「中央アジアのモザイクタイル装飾で興味深いことは、銘文帯の構成や異なった色調の青、白、黒、黄色などの色の組み合わせにイラン的なスタイルが見られること。それはおそらくイランの職人がティムール朝に徴用されたことによるのであろう」(同書より)

グル・エミルはコバルトブルーと金彩のドーム天井が有名ですが、タイルもとても魅力的。個人的に好きなのは、内部壁面を飾る六角形のターコイズブルーのタイル。青のグラデーションが何ともいえません。

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たゆたう水を思わせる色合いで、タイルの湖に浸るようです。
by orientlibrary | 2010-03-22 01:44 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

春待ちウズのバザール&ミュージアム

夏のウズベキスタン、極暑のなかの楽しみはみずみずしいフルーツ。とろけるように甘いメロンやスイカですよね。
冬のバザールにもありました。このゴールデンコンビ。
私の視線を感じたのか、おじさんが一切れ味見させてくれました。
自然な甘さがぎゅっと凝縮された感じ。しかも水分もほどよくあります。じょうずに保存しますね〜!

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ざくろも、やや水分はとびますが、サクっとして風味があります。
フルーツ天国ウズベキスタン、夏と比較するとさみしいけれど、保存の知恵と技術に感心しました。

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かぼちゃ、色が濃いですね〜。いろんな野菜と合わせて薄味のスープ煮がおいしい。

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ピラフなどウズの料理に欠かせないにんじん、多彩。臭みがなく、食べやすい。自然な味。

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唐辛子とにんにくの強力コンビ。唐辛子も力強い。日本の唐辛子が繊細に感じます。

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パブリカ。おしゃれな野菜もあります。タシケントのバザール。

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工芸博物館は、内部を一部リニューアルして展示が見やすくなっていました。だんだん展示技術が上がっていきますよね。
でも世界共通のグローバルな見せ方とは一線を画して、ウズらしい土着性も失わないで欲しいなと思いました。

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細密画(ミニアチュール)のレベルが世界一と私が思っているウズベキスタンですが、工芸博物館に入って最初の部屋では、イラストで工芸職人さんを紹介。こちらは木工の職人さん。
以前アップした『乙嫁語り』(中央アジア工芸や衣装の描き込みが素晴らしい)の森薫さんに見て欲しいなあ。
森さんも木彫りをビシビシに細密に描いていましたが。どちらもすばらしい。

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ティッラカッリマドラサ(レギスタン)のショップは、クローズさせられたところが多いようです。本来、マドラサですからねえ。
そのぶん、「ショップスペース」がリニューアルされていました。商品ジャンルごとにコーナーを分け、ディスプレーも見やすくなっていました。
商品も年々充実。新製品も続々登場。だんだんトルコのようになっていくのかな。
商品が少なくても、おしゃれじゃなくても、素朴なところのあるウズの商売スタイルがいいなあ。

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クローズせずに残っている(許可の基準がどこにあるのか不明)ショップでミニアチュールの本を購入。いつかアップしたいと思います。
&タイル写真もしつこく撮ってます。ウズのタイルは見れば見るほど最高〜!

今回も写真のみとなりましたが、まずはアップしちゃいます☆
by orientlibrary | 2010-03-12 00:11 | ウズベキスタンのタイルと陶芸