イスラムアート紀行

orientlib.exblog.jp

<   2009年 10月 ( 3 )   > この月の画像一覧

世界の郷土料理・シリア編にチャレンジ!

●インドや南アジア世界、そしてイスラムのタイルや建築〜西アジアや中央アジアの生活文化というあたりを好きになって17〜18年くらいたちます。でも90年代の始め頃には、まだまだあのあたりの情報が少なく、というより情報に接すること自体ができず、イベントやセミナーなどに参加する機会もあまりありませんでした。国際交流基金の図書館などでアジアの情報誌を見つけて定期購読し、そこに出ているイベントに行ったり、国際交流基金のアジアセミナーに通ったりしていました。さらにイスラムについては、私のような一般人がどうやって近づいていけばいいのか、方法が探せませんでした。

e0063212_047796.jpg
(中東を紹介する本や写真も)

●90年代半ば頃からアジアのインテリアや雑貨が流行し、音楽や映画でもアジアのものに接することが増えてきました。そしてやはりインターネットは大きいです。今やネットで検索すれば様々な情報を得ることができます。マイナーで自分だけかなと思っていたことでも、同じ嗜好、志向の人がいることを知りうれしくなるときもあります。

e0063212_0441252.jpg
(材料の一部)

●「東京アラウンドザワールドプロジェクト 〜音楽とともに世界の伝統・郷土料理をめぐるシリーズ〜 第1回;アラブ・中東編」(1部:料理教室、2部:パーティ)に行ってみて、時代は変わったと感じました。最近そう思うことが多いです。マイナーだろうと思う場所や催しにも、たくさんの人が参加しているのです。それも若い世代がたくさん。なんというか軽々とした感じで楽しそうにしています。いいことだと思います。世界はいろいろ。まずはいろんなことに好奇心を持ち、参加し体験し、そこから共感も生まれてくると思います。

e0063212_0443937.jpg
(ひきわり小麦ブルグル)

●そんなわけで、今日はシリア料理に挑戦してきました(といっても野菜を切った程度ですが、、)。まず驚いたのは野菜の量。パセリのみじん切りが大きなボールに3杯。豆もすごい。もどしたひよこ豆をあんなにたくさん見たのは初めてです。(2部のパーティでサーブする「ホンモス」用でした。フードプロセッサーの音が絶えることなく続いていました。大変な量です。2部は80名くらいでしたから、、)

e0063212_0452391.jpg
(シリア料理シェフ、ムハンナドさん。弟さんの名前がムハンマドさん)

●教えてくれるのは、吉祥寺のシリア料理&カフェのイケメンシェフ・ムハンナドさんです。いちばん驚いたのはクミンパウダーの使用量。パセリ、タマネギ、オリーブオイル、レモン汁、トマトもドカドカと大量に使います。ミントやコリアンダーパウダーも重要。

e0063212_0463382.jpg
(レンズ豆。赤い方が皮を取ったもの)

●メニューは、「レンズ豆のスープ」(皮を取った赤いレンズ豆。クミンやたくさんのスパイスをどんどん入れ、、いいのかなあと思っていましたが、食べてみると超ウマイ!栄養もありそう)/「タブーレ」(パセリのサラダ。「ブルグル」というクスクスに似た形状の挽き割り小麦を使います。パセリが主役のサラダですが、日本のパセリは強いので苦みを取った方が良いようです)/「ファラフェル」(ひよこ豆やタマネギをペースト状にしたものを油で揚げます。円形にする道具がおもしろくて、買いたくなりました。絶対入手しよう!)/「アラブ風ムサカ」(じゃがいも、ナス、トマトやタマネギと野菜だけのムサカ。ナスがおいしいんですよね〜)など。

e0063212_048436.jpg
(1部の試食。どの料理もとってもおいしかったです。スープのコクのある味わいはかなりイケました。スープの上のがじゃがいものホンモス風。これもおいしかった!奥に見える納豆汁のようなものは酸味がある爽やかな料理。ライスに添えて)

●これにパン、サフランライス、じゃがいものホンモス風、などもあり、おなかいっぱい。飲み物は、甘いミントティー、カルカレ(ハイビスカスのガクを煮出して砂糖を加えたもの)などいろいろな味を楽しみました。お菓子もヴァクラバとチェニジアのスイーツ(デーツの餡入り揚げ菓子)がありました。

e0063212_0532367.jpg
(サウジアラビアのドリンク「サウジシャンパン」、その正体は!?)

●おもしろいのは、サウジアラビアのノンアルコールドリンク「サウジシャンパン」。アップルジュースをサイダーで割ったものにリンゴの薄切りとミントを浮かべています。味は、、アップルジュースが薄まったもの。爽やかなので夏にはいいかも。

e0063212_0474136.jpg
(展示品。左がデーツのジュース、真ん中はチェニジアの酒、右はキプロスのトルコのラク、だそうです)

●中央アジア好きなのに肉が苦手な私、現地ではナンと果物があれば問題はないのですが(肉料理ばかりの中央アジアでも家庭ではサラダやスープなどの野菜メニューもいろいろあっておいしいです)、やはり本来はベジタリアン系や地中海料理系がうれしい。中東の料理は野菜や豆類が多くて、とっても助かります。前菜類がおいしいですよね。

e0063212_111690.jpg
(パーティにはたくさんの参加者が。いいですね〜)

●でも、ホントにこんなに使うんだ、、とスパイスやオリーブオイルの使用量の多さを実感できたのは、料理教室ならでは。日本ではハーブ&スパイスがあまり安くないので材料費が多少かかるかなとも思いますが、シリア料理、一度自分で作ってみなくてはと思いました。その前に吉祥寺にも食べに行こうっと。中東料理、機会があればぜひトライアルを。おすすめします。

e0063212_0503020.jpg
(ウードとヴァイオリンの共演。中東音楽について専門的な質問も。この他シリアの農業についての専門家のトークもあり盛りだくさんのプログラムでした)
by orientlibrary | 2009-10-26 01:06 | 中央ユーラシア暮らしと工芸

広尾でスーフィー音楽を聴く

●このところ、「部族の赤い世界」の展示を見たり関連のトークを聞いたりする機会が多く、赤を意識することが多い日々でした。そして先日、展示会場で、赤い絨緞の王様的なトルクメン絨緞をカットした小さなラグが椅子にディスプレーされていたので座ってみたところ、なんだか身体がぽかぽかと暖かくなってきました。あったかくていいわ〜と、いくつか違う柄のものに座ってみましたが、なぜかぽかぽかするのはその柄のときだけ。この柄と相性が合うのかも、と購入。パソコン前の椅子に置いて座布団がわりに使っています。

e0063212_0315552.jpg
(部族の赤い世界)

●その後におきたちょっと不思議な現象、、別に気持ちの悪いことではなく、ちょこっと不思議な体験なのですが、このラグと関係しているのかも!?トルクメンのギュル(文様)、、強いです。良い気をもらってパワーアップしたいです。

e0063212_033516.jpg
(塗りの赤も)

●部族の織物にはたしかに赤が多いと感じます。一方、私が見ることの多いのはいわゆる「イスラムの青」。建築物は青の世界です。「赤い織物」と「青いタイル」、対照的なのですが、エリアとしては西アジアや中央アジアなど、同じ地域にあります。基本的には材料の要因が大だと思いますが(赤い染料としての茜やコチニール、青い釉薬としてのアルカリ釉や呈色剤としての銅)、暮らしの中の色と権力者の色、部族的嗜好と宗教的な象徴性、などが、もしかしてあるのかもしれません。そのあたりを調べるのもおもしろそうです。

e0063212_0325321.gif
(パキスタン・ムルタンのタイル。異なる青の組み合わせが魅力的。黄色、茶色、白なども使いますが、やはりタイルは青が主役)

●といいつつ、ほとんどスタディできておらず、、でも本は見ると買ってしまうので、読むべき陶芸関係の本がたまる一方。中身をご紹介できないので、写真で表紙を、という苦肉の策を弄する私です。

e0063212_0361862.jpg
(スタディ要!陶芸関連の本)

●そんななか、パキスタン大使館でおこなわれたパキスタン&日本文化祭に行ってきました。パキスタン大使館は広尾の有栖川公園近くにあり、コンクリート打ちっぱなしのシャープな建物です。土着的、あるいはイスラム的な建築を予想していくと意外な感じがしますが、スッキリ感もいいなと思います。南麻布のイラン大使館もとってもキレイ。大使館の印象って、国のイメージに影響を与えると思いますし、カッコいいのは大歓迎!

e0063212_0384856.jpg
(パキスタン大使館で。工芸品の紹介)

●文化祭では、中庭で飲食を楽しむことができ、ホールでは音楽などが紹介されていました。私が参加したのは、パキスタンのスーフィーやスーフィー音楽についての紹介イベント。ダルガー(聖者廟)でのウルス(聖者の命日祭)でのカッワーリー(宗教的儀式で歌われる集団歌謡)の貴重な映像では、ファイズアリーファイズ、メヘルアリー&シェールアリーのパフォーマンスを見ました。命日祭での歌唱ということもあり、テンション高くて迫力です。

e0063212_0392922.jpg
(スーフィー音楽パフォーマンス)

●そして、ラホールでスーフィー音楽家に弟子入りし学んでいるTさんご夫妻(日本人)による歌と演奏がありました。パンジャービー語での歌には心がこもっていました。そして私も大好きな「Allah Hoo」では、途中日本語の歌詞での歌唱もあり、グッとくるものがありました。

●最後に、パキスタンで人気があるという音楽番組「COKE STUDIO」から、スーフィーフォークのSAIN ZAHOORやカッワ-リーのNIAZMAT RAHAT FATEH ALI KHANとロックバンドの共演の映像紹介。

e0063212_0404736.jpg
(「COKE STUDIO」、SAIN ZAHOOR)

e0063212_0403834.jpg
(「COKE STUDIO」、NIAZMAT RAHAT FATEH ALI KHAN)

これがカッコいいんです!テイストのあるロックというか、、。スーフィー音楽もロックも好きな私、相当きます。もっと若かったら一気にのめりこむところですが、さすがに無理(タイルのスタディでもヨレヨレしてる状態です、、残念)。タイルや陶器の話題が書けるように読み込まなくては!
by orientlibrary | 2009-10-20 00:49 | 美術/音楽/映画

シャーヒズィンダ 青のきらめき

パソコン画面が暗くなってすうっ〜っと消えていく、、パソコン依存傾向にある人間にとって、かなりコワイことでした。(先日の新聞に「ないと困るもの」調査で1位がパソコン、2位が携帯、3位がテレビとありました。そういう時代なんですね)。でも旧Mac、最後まで役目を果たしてくれました。何度か復活してやるべきことをしてくれました。キカイながら、本当にけなげだと、うるうる。そして、いつもお世話になっている千駄ヶ谷P社さんのおかげで、短期間に新パソコンに移行できました。ありがたいことです。感謝!


e0063212_212524.jpg



今回は、ウズベキスタンのサマルカンドにあるタイル技法の博物館ともいわれる「シャーヒズィンダ墓廟群」のタイルを少しご紹介しつつ、最近のことなどメモ的なもので失礼、、。落ち着いたら、また書いていきたいと思います。


e0063212_21244711.jpg



秋はさまざまなイベントがあり、博物館も気合いの入った展示になります。9月から今月にかけて、代々木公園でのスリランカフェスティバル(たくさんの出店にびっくり!スリランカファンって多いんですね!)、文化学園ミュージアムの「赤い服展」(世界各地の赤い衣装が一堂に。濃い世界。染色に使われる赤の説明も)、出光の「芭蕉(書)展」(句のある光景が匂いたつようでした)、五島美術館の「秋の所蔵品展」、横浜ユーラシアの「陸と海のシルクロード」などを見ました。

e0063212_21262792.jpg



アフガニスタン研究会(カナートについてのレクチャーや実践的な活動を地道に続けるNPOのお話など5時間余。いまだに大変な状況です。行動している方々に頭が下がります)などに参加。

映画では「ウイグルからきた少年」(カザフスタンが舞台。ツッコミどころはありますが、伝えたいことや熱意があれば、200万円以下の予算で映画を作り上映できる、そういう時代なんだなあと思いました。少年たちの表情はすごく良かったし、現代のカザフの都会の一断面を垣間みられました)を観ました。


e0063212_21241595.jpg



さらに10月からは、横浜の3カ所をステージに「手仕事フェスタ-sui-2」がスタート。ワークショップやレクチャーに参加しました
横浜青葉台「エスニカ」さんでの赤をテーマとした展示="Asian colors Vol.1 Red"は、好きな人にはたまらない展示。カッコいいです!展示自体は10月中やっています。ご興味あれば、ぜひどうぞ。
たくさんのステキな写真はこちら→【トライバルな魅力、満開、全開です!・・・赤の世界】=ここをクリック!。スライドショーでどうぞ☆
17日夜にはマニアなレクチャーもあります。(”アジアンカラー「赤」を語る” -部族が赤に籠める思い- 10/17 土曜日 18:00~) コアな語り部約3名、相当にdeepなひとときになりそうです☆


e0063212_21242734.jpg

by orientlibrary | 2009-10-12 21:29 | ウズベキスタンのタイルと陶芸