イスラムアート紀行

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アフマド・ヤサヴィーの扉

このところ更新が遅く&少なくて、せっかくたくさんの方に遊びに来ていただいているのに、申し訳ない気持ちです。また時期がきたら、どんどんスタディして、皆さんに見ていただきたいなと思っています。こんなブログですが、今後ともよろしくお願いいたします。(^_-)-☆

先日、コンパクトデジカメがなんだか白っぽく映るようになり、おかしいな、とビッグカメラの店頭で聞いてみたら、「壊れてますね、完全に」「・・・・え?、、カメラって壊れるんですか?」「光学器械ですから壊れます」「・・・・」。カメラを寿命まで使ったことって初めてです。そういえば、このところよく使ったもんなあ、、。そんなわけで思考力もないなか、店の人一押しのリコーの「R8」というのを買いました。

1センチの接写でもホコリまでくっきり映るのが最大のウリ。たしかに全般にくっきりで感心しました。ただ、、問題は色、ですね。色が冷たい感じ。なんとなく機械的で味わいがないようにも思いますが、、でもブレ専門の私にくっきりというのはうれしいです。そんなわけで、しばらくこのコンデジと一緒に出歩くことになりました。

さて今回は、トルケスタン(現在のカザフスタン)にある聖者廟「アフマド・ヤサヴィー」の扉を特集してみました。これまで何回かヤサヴィー廟のタイルについて書いてきましたが、扉も細工が細かくてとても綺麗だったので、私にしては珍しく扉も結構写真を撮っていました。ごらんください。(キャプションはまた少しずつ追加で書いていきます。最近この方式が多くなってます。ご了解くださいませ)


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 「巡礼地アフマド・ヤサヴィー廟 待望の訪問」はこちらから。

 「サファヴィー建築とムガル建築のお母さん!?・・・ヤサヴィー廟」はこちらから。

 木材×ペインティングについては「日々を彩る、美への意思。ウズベキスタンのペインティング」。こちらから
by orientlibrary | 2008-08-26 09:19 | 中央アジア5カ国

パンジャーブ、クバ、バグダッド 夏の日々

◆ 満月の夜のスーフィー盆踊りで大発散 ◆
夏のある夜、『聖者の宮廷楽士考−スーフィー盆踊りの宴』で踊ってきました。

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「イスラーム神秘主義歌謡カウワーリーと土俵は違えど音楽による恍惚の中に神への愛を感じようとする舞踏儀礼ダンマールの担い手ドール奏者「ドーリー」。2004年にメヘルアリー&シェールアリーのカウワーリー楽団と東京公演と佐賀公演に参加しているファイブスター楽団です。ダンマールやバーングラーなど変幻自在にリズムを操る曲者たち。ジプシーたちの故地パンジャーブの古謡ヒールも楽しめるはず」(チラシより)

憧れのスーフィー音楽、それも目の前のライブで、皆がノリノリで踊れるなんて、、最高でした〜☆

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<追記> ↑の写真がなあ、、と思っていましたが、臨場感のある写真が載った記事を発見。サラーム海上さんのブログから。こちらをどうぞ!どうやら翌日の東中野もすごいことになったみたいです。スーフィー音楽も浸透してきましたね〜☆


◆ クバのラフィア布&コラのコンサートに酔う ◆
美しい世界の手仕事プロジェクト第2弾「アフリカン・デザイン〜コンゴ・クバ王国のラフィア布」。最初はあまりの強烈さにクラクラしていた布(マジ、酔いました)ですが、目が慣れてくると、そのデザイン性、アート性の高さに唖然。

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(クレーやマチス、クリムトらに大きな影響を与えたクバの布)

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(150坪をクバの布で埋め尽くしました。床は西アジアのソフレ(食卓布)がよく合いました)

マリが誇る世界的ミュージシャン、ママドゥ・ドゥンビアさんによるコンサートも↓。コラは丸い瓢箪から作られた美しい楽器。初めて見て、初めて聴きました。ハープのような繊細でやさしい音。その静かさ、深さに感動。

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ママドゥさんも言っていました。「アフリカ音楽っていうと、ドラムの激しいものだと思っているんじゃないかな。でもそれだけじゃないんだよ」と。イスラム圏や中東についての固定したイメージを嫌っていながら、自分にとって未知のアフリカには先入観でいっぱいでした。反省!クバの布をバックに、ママドゥさんが纏うマリの衣装もシックでお洒落でした。カッコいいですね〜!ちなみにマリはイスラム教徒が9割の国。(度合いはマイルドなようですが、、)

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さらに、ナイスなサプライズが。8月30日にラオスの写真のスライド&トークをしてくれるコリンさんが、ブルースハープでジョイント。偶然なのですが、二人は旧知の間柄で久々の再会だったそうです。演奏後、紅茶と日本が誇る「駄菓子」(商店街の福引きで当てました!)で歓談。クラクラだったアフリカ展も無事終了しました。

 このあたりのことについては、「美しい世界の手仕事プロジェクト」ブログをご参照ください。


◆ カフェ・バグダッド、中東〜中央アジアの話ができてうれしかった! ◆

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中東情報でお世話になっているカフェバグダッドさんのパーティにおじゃましました。中東や中央アジアが大好きで関わっているたくさんの素敵な方々と出会い、たくさん話をさせていただきました。最高です〜☆お料理もおいしかった。Kさん、テヘランでの日々が充実したものでありますように!!ありがとうございました。コピー紙からサクサクとお皿を作るクレバーで行動的で魅力的なMさん、お世話になりました。9月もどうぞよろしく〜!

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by orientlibrary | 2008-08-17 09:21 | 社会/文化/人

ブハラ旧市街、タイル旅

シャイバーン朝の首都だったブハラ、その旧市街は世界遺産になっていますが、タイル中心に見て歩いても、十分に楽しめるように思います。

青の都サマルカンドの煌めきとはまた違う安定したタイルの美、古都ならではの風情。土から作り出した美と暮らしの時空間への、ひとときの旅を。


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(中央アジアの青い空に煌めく青のタイル。コバルトブルーとターコイズブルーの組み合わせの妙は、ティムール期から続くウズベキスタンタイルの美)


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(たしかサマルカンドのシルダリマドラサにもあった気がします。透かし模様で青の世界が軽やかに)


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(カリグラフィーもくっきりとリズミカル。フリンジの五角形模様が、さらに明るさやリズムを加えているように感じました。色のバランスも好きです)


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(焼成煉瓦と施釉煉瓦を組み合わせて模様を描く。ティムール時代に花開き、以降もウズベキスタン建築の壁面におおらかな土味を醸します)


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(イランの黄色とは違った土色系のマイルドな黄色がいいなあと思うウズベクタイル好きの私です。何度見てもタイルモザイクというのは、大変な手間がかかるものだと思います。だからこその美。ギュッとした深み、凝縮力のようなものを感じます)


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(Madrasa of Nadir Divan Begi /1622/ファサードアーチを飾る有名なモザイクタイルの一部。simurghsと呼ばれる鳥が大きく翼を広げます。その上半身をクローズアップしました。微妙に色の違うタイルを配して絵画的な奥行きがあります。イキイキとした躍動感が見事です。周囲の花模様ものびやか。二羽のシンメトリーの鳥の上にはウズベキスタンの太陽が。現地で見ても素晴らしく、写真で拡大してみると、技術の高さに感動します)


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(16〜17世紀のウズベキスタンのタイルは、幾何学模様も流れるような自由さを見せます。デザインとして伸びやかで洗練されてくるように思います。12角星と花模様をミックスしたような楽しく力強い構成。色も強く印象的です)
by orientlibrary | 2008-08-08 08:45 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

ウズベキスタン陶器〜古いもの、ソ連時代、そして現在

●タイルが縁で知り合ったウズベキスタンの陶芸家A氏に導かれてウズの陶芸産地を見て回ったのが数年前。それまで、ティムール朝をはじめとした装飾タイルの美に心酔していたものの、「中央アジアの陶芸」という視点はスコンと抜けていました。各地に個性的な陶芸産地があるとは、まったく知らなかったのです。

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(青い古陶器@ウズベキスタン歴史博物館。いいですね〜!うっとりですね〜☆)

●なかでも個人的に好きになったのは、中世より「青の通(つう)ならばリシタンへ行け」と言われたというフェルガナ盆地の陶芸産地リシタンの焼きものでした。

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(リシタンの現代作品。やや古いもの。やさしい青、連続文様が楽しい)

●もともとが工芸の門外漢。陶器なども、いまだに歴史や用語も知らないままです。個人的な感性レベルで見ているにすぎません。そんな私が、気になったのが、ウズベキスタン歴史博物館で見た現代の陶芸コーナー

●前々回ご紹介したビビハヌム・モスクの模型に圧倒され、古いタイルに見惚れ、ソ連時代の写真コーナーで綿花栽培の様子や壊れた建造物に複雑な気持ちになったあと、発見したのが現代の陶芸コーナー。「ん?!・・・」と思いました。なんだか薄い、、、

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●いずれも1970年代の作品のようです。う〜ん、、おとなしい感じ、、。イキイキした何かが伝わってきません。一本筋が通っていないような気配というか、、現代的?それとも?

●コーナーには、MUKHITDIN RAKHIMOV氏と思われる写真がありました。(注:上の写真4点はハキモフ氏のものではないものが多いのではと思います。確認できませんが、、一番下は氏のもの??)。ハキモフ氏について、『THE BLUE CERAMICS OF UZUBEKISUTAN』 (RASUTAM MIRZOEV/TRAVEL CENTER COM WEBSITE)には、こう書かれています。

●「MUKHITDIN RAKHIMOVは彼の生涯を陶芸研究に捧げました。彼はクシャン朝とティムール期を再現する様式の多くの優れた作品を製作しました。彼の器や壷には、平和と繁栄の象徴である鳥が楽園を飛ぶ絵が描かれました。また、アラビア文字の銘文と組み合わせられた複雑な幾何学模様の装飾、繁栄と幸福を象徴する太古の昔の美しい魚も描かれました」

●「このたぐいまれな人物は、代々続く陶工の4代目で、陶芸の技術者であり科学者であり研究者であり、注目に値する生涯を送った人です。彼は国の研究機関で科学スタッフとしてファインアート研究に40年以上従事しました。古い陶芸術の中心地への数え切れないほどの考古学的発掘を通して、彼はサマルカンドやブハラ、タシケント、フェルガナなどで、伝統的な陶芸の技術を学びました」

●ウズベキスタン陶芸を代表する著名なハキモフさんも活躍したこの時代。でも、なんだか中央アジアの元気が伝わってこなかった。ソ連時代というのは、伝統工芸にとっては「失われた時代」なのでしょうか。美術品としての善し悪しではなく、陶器が時代を語っているような気がしてなりません。

●「中央アジア美術の至宝」(アクバル・ハキモフ/ウズベキスタン芸術研究所所長/『偉大なるシルクロードの遺産展図録』)にも、「(フェルガナ、ブハラ・サマルカンド、ホラズムなどの)流派はその伝統を20世紀まで残したが、その後、職人の数が激減し、秘伝の多くが失われた」と書かれています。1991年の独立までは、研究が進んだ側面があったものの、陶器そのものの生命力は弱かったのかな、などと推測しています。

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(リシタン現代の作品。力がありのびのびしています)

●リシタンでも、他の産地と同様にソ連時代には大量生産の陶器を作るために工場に動員されたと聞きました。しかし、地下で伝統を守り抜き、いち早く復興したといいます。

●ウズベキスタンだけでなく中央アジアの土産物店にはリシタン陶器が、所狭しと並びます。市場の活気と作品としての魅力が両立し、伝統工芸が今に生き、暮らしを支えていくといいなと思うウズベキスタン好きの私です。

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(ブハラのレストランで。装飾に使われているこういうものも、いいじゃないですか!?たぶんリシタン)
by orientlibrary | 2008-08-01 21:49 | ウズベキスタンのタイルと陶芸