イスラムアート紀行

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春の土もの 世界から

先日、ある国際交流の催しで、ウズベキスタンやエジプト、タイ、ブルガリアなどの手作りお菓子の写真を撮り、ブログに載せようと思っていましたが、、メモリーカードが壊れたらしく読み込めず残念。デジタルはこれがコワイ。

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でもその催しで、面白い陶器に出会いました。南米ボンジュラスの素朴で元気な皿や器。水気のあるものはむつかしそうですが、不思議と和な感じもして、いろいろと使えそう。大胆なデザインに、心ものびのびしてきます。世界にはいろんな陶器があるんだなあ。

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さて、最近入手したなんともユニークな形のものは徳利。形の鳥と徳利をかけているのかと思ってましたが、そういうわけでもなさそうです。内部は貝のような複雑な作りになっていて、微妙な感じでお酒が出てきます。作者はイラン人の陶芸家サブーリさん。備前大好きで、このシリーズは「イラン・ビゼン」。常滑のぐい呑み、韓国の盆と合わせてみました。

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こちらは昨年、ウズベキスタンの陶芸産地リシタンで入手した古い緑釉鉢。天然釉イシクールは緑にも変化します。果物などを盛っても雰囲気が出そうです。
今回は軽くプチネタで失礼!
by orientlibrary | 2007-02-28 00:50 | タイルのデザインと技法

シーア派聖地・ゴム 〜 イスラム世界聖者廟のタイルが好き!

毎回充実の「中東・西アジアの都市周遊」の講座(国際交流基金)。総論、テヘラン、アルジェ、ダマスカス、リヤドときて、先日はイランの聖廟都市ゴム(近世ペルシア語ではクム・Qum)でした。

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(イマームザーデ HELEL IBN ALI/イスファハン/『Iran〜the cradle of civilization』より引用。こういう新しいタイルは、あまり惹かれてませんが、イマームザーデ例で掲載)

イスラムの街や村には、「聖廟」といわれる建物が数多くあります。廟ですから、お墓。イスラムの重要人物や聖人が葬られています。敬虔な信者が集まる独特の雰囲気に加え、素晴らしいタイル装飾のあるものも多く、タイル好きには気になる存在です。ゴムはシーア派の聖地であり、聖廟都市として有名。私はゴムには行ったことがありませんが、「相当に宗教的な街」だということを、訪れたことのある人たちから聞いたことがあります。

ゴムの聖廟に葬られているのは、シーア派第8代イマーム(宗教指導者)の妹ファーテメ・マアスーメ。兄をメルブに訪ねる途中、スンニ派の街で病気になったのですが、ゴムの地への搬送を望み、ゴムで亡くなったそうです。

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(ゴム聖廟/『Iran〜the cradle of civilization』より引用。金色のドームがすごいですね。金のドームは聖廟として第一級の証だそうです。私はタイル派ですが・・)

本を買っては積ん読状態になっている私、、シーア派関係の本もあるのですが、読めていません。昨年からシーア派関連の講座や研究会に(勝手に)参加したりしているのですが、まだ書ける程度までこなれていません。ですので、講座(東京大学・森本一夫先生)の内容を中心に、少し書いてみたいと思います。

まずシーア派について。人口はイスラム人口全体の1割から1.5割。イラン、イラク、バーレーン、レバノン南部、ペルシア湾岸、アフガニスタン、インド、パキスタンなど、少数派にもかかわらず広い範囲に居住しているそうです。

特徴は、「正義を体現するも、現世では多数派のスンニ派に虐げられてきたとされる超人的指導者“イマーム” =半分人間で半分神様、あやまちがない、無謬」の存在です。

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(パキスタン・ウッチュの聖廟「ビービー・シャビンディ」(これも女性のお墓)。私の好きな聖者廟。蒼のタイルが最高! 手前の白い盛り上がりは信者のお墓。廟の回りには自然発生的に墓地ができるようです/orientlibrary)

シーア派のなかでも多数を占める派は、その名も「12イマーム派」。初代アリー以降、12代目までイマーム(ムハンマドの子孫)が継承。けれども、第12代のイマームは、940年に神の配慮で「お隠れ」になり、世界が不正義で満ちたときに救世主(マフディー)として再臨するということが信じられています。

ゆえに、殉教・殉死したイマームや一族のお墓にお参りすることは、とても大事。イマーム廟とイマーム一族の廟(=イマームザーデ)への参詣という宗教行為が盛んにおこなわれるのだそうです。廟のある「聖廟都市」は、このようななかで発展してきました。

代表的なシーア派聖廟都市は、ナジャフ(イラク)、カルバラー(イラク)、マシュハド=殉教の地という意味(イラン)、カーズィマイン(カズィミーヤ/イラク)、サーマッラー(イラク)、ゴム、マザーリシャリフ(アフガニスタン)など。最近のニュースに頻繁に登場する地名が並びますが、明るい話題ではないだけに、複雑な気持ちです。

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(ビービーシャビンディでクルアーンを詠む少年たち。ジャニーズ系よりイケてます!?/orientlibrary)

ゴムは、「シーア派聖職者たちの世界、特殊な国際都市、コンパクトで街の性格がはっきりしている」という特徴があり、100万人の人口にたいして、70カ国から8万人の神学生が集まり、年間2000万人の参詣客が訪れるのだそうです。

1922年に、ゴムの神学校コンプレックス(ホウゼ)が復興され、スンニ派主導のイラクに存在する諸聖廟都市に替わって教学の中心になったそうです。「マルジャウ制度」や「5分の1税(フムス)」などの独特の制度により、聖職者の専門知識が生かされつつ、宗教税が資金として街の発展に環流。コンピューターなども駆使して、教学の普及に努める聖職者の姿なども紹介されました。

廟で祈る人たちの姿は、とても熱がこもっているのですが、でも何か日本の寺社へのお参りを思わせるところもあり、私は違和感があまりないのですが、皆さんはいかがですか。
by orientlibrary | 2007-02-24 22:49 | 至高の美イランのタイル

GO! GO! イスラム・タイル・ワールド♪ と思ったこと

装飾タイルとウズベキスタンの暮らしについて、あるギャラリーで写真とともにお話する機会がありました。西アジアや中央アジアに行ったことのない方、はじめて触れる方が大半でしたが、予想していた以上に熱心に聞いていただき、とてもうれしく思いました。

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日本で、「タイルが好き」というと、だいたい風呂場のタイルなどを連想され、不思議そうな顔をされます。さらに、「イスラム圏が好き」というと、怪訝な顔をされます。このふたつが合わさった「イスラム・タイル」が大好きと騒いでいるのですから、やはり変わり者なのでしょう。

会では、タイルの歴史、技法、文様、ウズベキスタンの建築とタイル、ウズベキスタンの陶芸と暮らしなどについて、写真を100枚くらい用意してお話しました。スライド画面いっぱいに映った「グル・エミル」のドーム屋根には、皆さん驚かれたようでした。人が登場すると、臨場感があるせいか、盛り上がります。

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知ってもらえば、良さをわかってもらえる、そう自分が感じられることが、何よりの支えです。こういうものを好きになって、かなりの時間とエネルギ−をかけ、問題も生じ、悲しい思いをすることもありながら、でも、やはりこれからもこのジャンルに関わっていくのであろう自分を感じました。

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情報も嗜好も、まだまだ欧米文化が主流ななか、マイナーなテーマでも積極的に参加され、中央アジアっていいね、ウズベキスタンっていいね、と感じてくださる、その感性を、私はこちらの方を信じていこうと思いました。

*写真は、「ウズベキスタンの光景 アッサラームアレイコム!」、「ウズベキスタンの陶芸産地・リシタン 伝統を絶やさず伝承してきた名人」、「ウズベキスタン ティムール時代のモザイクタイル」。
by orientlibrary | 2007-02-18 21:38 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

アフガニスタン映画祭、アラブ映画祭、イスラム建築の本2冊

2005年11月の「第1回アフガニスタン映画祭」、重くて暗くて、絶望しかないようにも思える映画を、丸一日見続けました。でも不思議なことに、そんな映画を何本も何本も見たにもかかわらず、何か希望を感じたのです。救いのない現実を描いているのに、どうしてそんなふうに感じるんだろう。

e0063212_21581232.gifそれは、製作する側が希望を持っているからではないか。希望を持って描けば、絶望からさえも希望が見えてくるのではないか・・・。そんなことを感じていました。そして先日、新聞のコラムで『「希望」という名の砂から』という作家の司修さんのエッセイを読んだのです。

インドのサタジット・レイ監督による『大地のうた』3部作について、「鑑賞者は彼女の表情を見るだけで絶望を感じた。それなのに、見る者の心は暗くならない。何も希望らしきものが描かれていないのに、映像の裏側に『希望』が感じられるのだ」。

第2回アフガニスタン映画祭」が開催されます。前回驚きを持って見た『ブズカシ』(多民族が争う迫力ある伝統的競技ドキュメント映像)、『石打ち刑』(不条理すぎる!)などの他、全10本。

ある日本在住アフガン人の方は、『渡り鳥』を強力リコメンド。80年代社会主義政権時代に作られた映画で、「これから紛争が増加するであろうアフガニスタンの姿を予見し、さらに当時のアフガニスタン社会への警鐘を鳴らした問題作」だそうです。

e0063212_21584016.gifこちらは3年目の「アラブ映画祭2007」。「アラブのハリウッド」と呼ばれるエジプト映画、12本を集めての回顧展が目玉です。

何回か見たことあるエジプト映画、アクション系でナンセンスというか、、ちょっと不思議なものが多い印象があります。チラシに「ケバブムービー」なんて書いてありますが、いっそ「カリウッド」(カイロ)とかにしたら?

私のお目当ては、アラブ新作の方ですね。『バーブ・アジーズ』(チェニジア/ペルシャからカザフスタン、砂漠旅の映像詩)、『長い旅』(モロッコ/メッカ巡礼の旅、ロードムービーの傑作)などをチェックしています。

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映画から話題は変わって、、今日到着した本2冊です。まず『IALAMIC ART AND ARCHITECTURE 650-1250』 (YALE UNIVERSITY PRESS)。イスラムへの認識・知識に欠けると言われるアメリカ、でも美術や建築の研究は少なくない印象を受けます。この本も、イスラム草創期から拡大期まで網羅されているようです。

どうもタイルについては少なそうですが、陶器はあります。装飾タイルは11世紀くらいから存在感を高めてきますが、そのあたりのイスラム世界の美術を概観できそうです。

e0063212_221250.gifもう一冊は、『BUKHARA THE EASTERN DOME OF ISLAM』 (MENGES)。ウズベキスタンの古都ブハラだけの建築や街を研究した本。プランの図解が豊富ですごいです。建築もまた幾何学的な展開であることを、強烈に感じます。楽しみです。
by orientlibrary | 2007-02-15 22:09 | 美術/音楽/映画

みんながハッピー♪ 「ワクフ」に生きるイスラムの知恵

●イスラムの街を歩くと、国は違っても、何か共通する街の雰囲気というものがあります。迷路のようなほの暗い路地、中庭付きの瀟洒な住居。美しいモスクに隣接したマドラサ(神学校)や賑やかなバザール、スパイスの複雑な匂い、礼拝を呼びかける朗唱。

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ワクフという仕組み
●イスラム教についてはまだまだ勉強不足で、私的なブログとはいえ、いい加減なことは書けません。ただ、見聞きしたり読んだりした範囲ですが、賢い宗教という印象を持ちます。合理的で現実的な知性、cleverさを感じます。そんなイスラムの街についての講座を受けています。イスラム都市を貫く共通項と、その源を、少しずつ感じはじめているこの頃です。

●「ワクフ」(waqf)という制度、ご存じの方も多いでしょう。「宗教寄進制度」と訳されます。講義を受けるにつれ、この制度の知恵と合理性に感心しています。魅力あふれるイスラムの街を支えてきたのは、みんながハッピーになれる、この<ワクフという仕組み>だったんだなあ!・・・(以下は、国際交流基金の異文化理解講座の内容をベースにしています。それに自分の感想を加えたものです)

●まず、ワクフが活発に機能していた時代のダマスカスを訪れたイヴン・バットゥータ(モロッコ生まれのイスラム法学者、旅行家。イスラムのグローバルネットワークを使い、最盛期のイスラム世界を旅した様子が「大旅行記」に活写されている)の記述を見てみましょう。

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イヴン・バットゥータが見た14世紀ダマスカスのワクフと暮らし
●・・・「ダマスクスには数え切れないほど多くの種類と数のワクフがあり、その支出は計り知れない。巡礼ができない人のワクフがあり、彼にかわって巡礼する人に十分な費用を与えるのである。花嫁のワクフは、娘の嫁入り支度をすることができないような家族にかわって娘を花婿のもとに嫁がせるためのものである」

●・・・「また囚人の釈放のためのワクフがある。旅行者のためのワクフがあり、食べるもの、着るもの、故国への運送費用が与えられる。道路の改善および道路敷設のためのワクフがある」

●・・・「ダマスクスの住人は、競うようにモスクや修道場やマドラサや墓廟の建設をおこなう。ダマスクス近辺のどこで貯えを使い果たそうとも、必ずやなにがしかの生活の手だてを見つけることができる」

●・・・「たとえば、モスクのイマームとか、マドラサの朗唱役とか、給与付きのモスクの学生とか、コーランの朗唱役とか、墓廟の給仕とか、生活費や衣服費の支給される修道場のスーフィー(神秘主義者、修行者)の一員とかというように、ダマスクスでは、異邦人でも善行に頼って(生活し)続けることができる。(略)。知を求める者や神への奉仕を望む者は、そのための完全な援助を見つけることができる」

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モスクができ、バザールができ、仕事ができる
●ワーキングホリディもびっくり〜。貧しい人たちも、故郷を離れ世界を旅する人びとも、ワクフの仕組みのなかで、それぞれができる仕事をし、必要ならば援助を受け、暮らしをたてることができたようです。

●この仕組みのすごいところは「みんながハッピー」なシステムという点だと思います。援助する側も犠牲的精神で福祉を支えるというのではなく、財産の権利は守られつつ、元手は目減りせず、しかも善行により天国が保障され精神的にも満たされるのです。

●宗教施設が充実し、ビジネスや商業は活性化し、農地はよく耕され、通商も盛んになります。学生はイスラム教をよく学び宗教指導者が養成されます。都市の基盤が整備され、活気のあるイスラムの街ができていきます。

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合理的・現実的な運営のシステム
●なぜ、そんなことが可能なのか。それは<運営>が鍵を握ります。どの宗教でも、宗教施設(いわゆるハコもの、ハード)は寄付で作られますよね。でもイスラムがすごいのは、ワクフを通して宗教施設の運営コストを捻出する仕組み=オペレーションシステムを作ったことです。

●たとえば、お金持ちのアリさんが店舗や隊商宿などを建設しワクフとして寄進します。この不動産から得られる賃貸料が、たとえばモスクのランプ代になり、マドラサの学生たちの食費になり、礼拝指導者のお給料になり、掃除をする人の賃金になります。ワクフ寄進とは、その使われ方を特定することであり、使途はイスラム教的な善にかなうものです。

●お金を寄付しても、使うことでだんだん減っていきますが、ワクフはうまく回していけば長く運営し続けることができます。そして資金源としての農地や店舗、賃貸家屋、公衆浴場なども建設が進み、街は充実していきます。賃貸料を払う人たちにとっても、稼いだお金がイスラムの善にかなうことにつながり、公共性が魅力です。また、アリさん自身も収益は受け取ってよいのだそうです。

●宗教施設のまわりにバザールがあることが、得心できます。イスラムの街の構成要素は、みな有機的につながり、かつ「イスラム的価値」という共通項、求心力を持つことで、独特の雰囲気を作っているんですね。今回も長くなってしまい書ききれません。また機会があれば、このあたり書いていきたいです。

・・・・・・・・・
*写真は、上から、「ダマスカス/バザールからウマイヤドモスクを見る」、「アラビアコーヒー売り」、「ダマスカスの伝統的住居、中庭」、「ダマスカスを歩く人々」。
by orientlibrary | 2007-02-10 23:35 | 中東/西アジア

イスラム建築の本、イラン陶芸家、アザーンCD旅、アラブ映画祭

今回は、最近気になっているイスラム(〜建築やデザイン)関連のトピックを書いていきたいと思います。

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 TOPIC(1) 『イスラーム建築 その魅力と特質』 
イスラム圏の建築やデザインに興味があっても、関連する本を見つけるのはなかなか大変です。とくに日本語で書かれたり訳されたりしたものは、数が少ないのです。そんななか研究者の方の熱意が伝わる本に出会うのは大きな喜びです。

深見奈緒子さんの『世界のイスラーム建築』(講談社新書)は、各地の事例や特色が詳しく紹介されていて、わかりやすい文章でありながら骨太で中身が深い。これが新書の気軽さで手に入るのですから、本当にうれしい一冊です。

『イスラムの建築文化』(原書房)は、インド建築のオーソリティ、神谷武夫さんの訳書。87年に出版されています。ところが絶版で入手がむつかしく、私も購入できていません。

こうした状況のなか、神谷さんが『イスラーム建築 その魅力と特質』を1月にも上梓されるということで楽しみにしていました。神谷さんの『インド建築案内』(TOTO出版)はインドの人もビックリの中身の濃さ。今度の本も、どんなに素晴らしい本だろうかと、本当にドキドキです。

どんな内容かご興味のある方は、こちらをごらんください。スペイン、イラン、トルコなどの名作はもちろん、ムルターン(パキスタン)の「シャー・ルクネ・アーラーム廟」が入っているのがうれしい。インド・パキスタン世界のイスラム建築は通常あまり紹介されませんし、ムルターンはなおさらなのです。

内容は、礼拝空間としてのモスク、材料・構法・装飾、住宅や宮殿から水利施設、病院まで建築種別の紹介、イスラム建築の特質(楽園願望、皮膜的建築、アーチとドームなど)まで。すべての記述に写真が添えられているとのこと。

ところが、種々の事情(「お知らせ〜出版の遅れ」)から出版が延期になっているということです。残念なことです。出版社の方には、待ち望まれた貴重な本であることを、ぜひわかって頂きたいです。

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 TOPIC(2) イラン陶芸家の作品、渋谷で見られます! 
昨年11月に記事でご紹介したイランの陶芸家ティムア・サブーリさん(東京芸大大学院に留学中)。その後、ある流れのなかで、コンタクトをとってお会いしました。知的な芸術家を体現したような、でもスノッブではなく気さくで、前向きな努力家でした。サブーリさんは、現在、渋谷のギャラリーでのイランの若手アーティストの展覧会(2月14日まで)に参加されています。イラン人陶芸家のセンスと技術、すごいなあ!とあらためて思いました。

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 TOPIC(3) アザーンCDが旅してきました 
「アジアのかわいいもの」で「アザーン時計」をご紹介したときに、シリアのアザーン朗唱が入ったCDのことも少し書きました。

すると、音大でアザーンを研究しているという方からコンタクトがありました。「音や音楽を、音楽的あるいは音響的に分析するだけではなくて、そこに関わる人や風土や文化などを音楽から切り離さずに総合的に研究をしていく」という研究のしかたが盛んになっているそうなのです。

なるほどお、、そういうことも初めて知りました。ブログのおかげです。ご縁で、CDは小さな旅をして帰ってきました。とってもかわいい友だちを連れて、、。かわいいものシリーズでいつかご紹介したいと思います。どうもありがとうございました♪

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 TOPIC(4) アラブ映画祭2007 3月開催! 
昨年見逃した「アラブ映画祭」、今年は3月9〜18日。サウジやイエメン、“中東のハリウッド”エジプト映画の回顧展などがあるようです。今年は行ってきます!

この他、スーフィーやシーア派についての研究会が増えていること、受講している「中東の都市」の講座のことなどについて、書きたかったのですが、また折をみてにします。

*写真は、シリア・ヨルダンの植物。上から、「ひなげし」、「糸杉」、「夾竹桃」、「イチジク」。
by orientlibrary | 2007-02-06 19:19 | 美術/音楽/映画

イランの蜂蜜、その後。試行錯誤&実験結果!

e0063212_1547358.gif昨年の今頃、イランから買って帰った蜂蜜について、少し書きました。でも、じつはあのあと、迷っていたのです。「どうやって食べるんだろう?」と。

というのも、液体の蜂蜜も売っていたのですが、あえて巣(?:蜜の入っている六角形の穴が集合したもの)付きのものを買ったからです。私の予定では、雑誌などで見たオシャレな蜂蜜の食べ方をしようと思っていました。巣ごと食べるのが、一昨年くらいに流行していたのです。でも、それは思い出すと、巣がウエハースのようにやわらかそうな、白っぽいものでした・・・。

ところがイランで買ったものは、ワイルドというか、ゴツゴツとしていかにも堅い。しばらくはそのまま置いておきましたが、いくら殺菌力の高い食品とはいえ、何とかしなければ、、。そしてこれは「抽出」の問題ではないか、ということに思い至りました。抽出という言葉を思い出した自分を褒めながら、ネットで調べました。

でも、調べてみても、よくわからない。アルコール抽出、水抽出、超臨界抽出、熱で液状化するなど、いろいろ方法があるらしいのですが、それをどうおこなうのかわかりません。そこで、時間がかかるけど安心という「蜜を落とす」方法にしてみました。

e0063212_15581055.gifこれも用具がわからなかったので、ザル(ストレーナー)に巣付きの蜜を入れ、その下にボウルを置き、待ち受けることにしました。1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、、蜜の濃度が高くしっかりしているので、ほとんど落ちてきません・・・。でも、わずかながらとれたものは、甘みが強く、しかも自然な甘さなので嫌みがなく、とても美味しいのです。

蜂蜜、、普通はどうやって作るんだあ!?と疑問のかたまりになっていたとき、求めれば通ず、通りがかりに「小林キユウ写真展 ミツバチを育てながら。」というポスターを見つけたのです。さっそく入ってみると、養蜂の光景などの写真がありました。やったー!

e0063212_15502956.gif写真家の小林キユウさん、なんと現在は「日曜養蜂家」。ミツバチ1万5千匹を飼っているそうです。ちなみに、キユウさんの双子のお兄さんは、小林紀晴さん。アジアを旅する若者を描いた本は当時とても新鮮で、私も買って読みました。お二人とも、静かなのに語りかけてくるような写真が印象的で好きです。

キユウさんご自身も、静かな飾らない雰囲気の方だったので、図々しく「蜂蜜ってどうやって抽出するんですか」と聞いてみました。「遠心分離器みたいなのにかけるんですよ」と、その用具を撮った写真を教えてくれました。高速で回して分離するんだ!・・長年の謎が解けました。やった〜!小林さん、どうもありがとうございました!(その後、遠心分離方式事例をネットで発見)

といっても、遠心分離器ってどこにあるの?食べられない日は続きました。久しぶりに落とし方式のボウルを見てみましたが、成果なし。でも、なんだか巣がやわらなくなっている感じが。もう食べるしかない!このまま!巣ごと!・・いってみました。・・・イケます。そして蜜の濃くて甘いこと! 
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まさかお腹も壊さないでしょう。殺菌力のある食品ですから。これからボチボチ食してまいります。それにしても、便利な食材が満ちあふれているなか、蜂蜜ひとつでこれだけ遊べるとは。なんだかんだ言いながら、けっこう楽しんでます。

*写真は上から、「蜂蜜ホールの状態」「落とし方式で抽出した蜂蜜」「小林キユウさんのシール」「巣ごと状態の蜂蜜」

追加情報 
↑を書いた時点では、じつは巣がガムのように残ったのですが、経緯を書くと長くなるので省略しました。今回、パンをトーストするときに上にのせてみたら、巣はまあまあ溶けて甘くておいしかったので、溶かす実験をすることにしました。その結果、考えてみれば納得なのですが、、熱を加えればいいという単純な結論に到達?しました。

e0063212_1451354.gif*この巣付き蜂蜜を

e0063212_14553531.gifオーブンで熱すると、こんな感じに。

e0063212_14561049.gifレンジで熱すると、こんな感じに。(これは約30秒。2分かけたものはカラメル状態になり大変なことになりましたので、時間は短めで。カラメル状態時には巣も溶けていましたが、蜜は食べられる状態ではないので、その加減のいいほどよい時間がポイントみたいですね)

これで密の部分を使えばいいわけですね。巣はやはり残るので、ガムみたいに食べるかどうかはお好みという感じでしょうか。今回はとりあえず、ここまでにしておこうと思います♪
by orientlibrary | 2007-02-02 16:10 | 中東/西アジア