イスラムアート紀行

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イスラムの地の西から東から 14世紀初頭の装飾タイル

カテゴリーを地域でくくり直してみました。「西南アジアのタイルの美」というのは、主に(現在の)パキスタンのものなのですが、ブログを始めたとき最初はこれにしようと決めていたほど、気になるタイルです。理由のひとつはマイナーだということ。綺羅星のようなイランやトルコ、評価の高いティムール期のタイルなどと比べて、認知度も評価もかんばしくないのです。

今回あらためて見てみると、「シャー・ルクネ・アーラム」(ムルタン/1320〜24)も「ビービー・シャビンディー」(ウッチュ/1493)も、やはり相当迫力あるなあと思いました。建築もタイルも、セルジューク朝やイラン、そして中央アジアの影響を受けているようですが、それでもインド・イスラム独特の濃く、かつあっけらかんとした融通無碍な世界を感じるのです。

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(シャー・ルクネ・アーラム/orientlibrary)

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(シャー・ルクネ・アーラム/orientlibrary)

装飾タイルの頂点は14〜15世紀とも言われますが、ムルタンのタイルもこれと同時代です。インド・パキスタンの歴史で言うと、イスラムの5つの王朝がインドを支配したデリー・スルタン朝のなかのトゥグルク朝(シャー・ルクネ・アーラム)とローディー朝(ビービー・シャビンディー)の時代に建造されています。勢いを増すイスラム世界の東端にあって、イスラムの建築様式と、その装飾の流行であったタイルを、がんばって取り入れたのではないでしょうか。どこの職人が関わったのか、興味のあるところです。


シャー・ルクネ・アーラムと同時代、タイル装飾が次第に花開き始めた14世紀初頭、イスラム世界の西端は、モロッコ(マリーン朝)です。フェズなどモロッコのタイルも素晴らしい。アルハンブラにつながる色やデザイン、仕事の細かさが見事です。「アル・アッタリン・マドラサ」

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(フェズ/1325/「THE ART OF ISLAMIC TILE」より引用)

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(フェズ/1325/「THE ART OF ISLAMIC TILE」より引用)

イランとトルコ。以前、イルハーン朝の「ソルタニエドーム」(1307〜15)のタイルを1点ご紹介したので、今回は「SHRINE OF SHAYKH BAYEZID」 (BASTUM/1313)。色のせいか、枯淡といっていいくらいの味わいがありますね。ヤズドのフライデーモスクなども同時代です。

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(SHRINE OF SHAYKH BAYEZID/「COLOUR AND SYMBOLISM IN ISLAMIC ARCHITECTURE」より引用)

トルコは、この頃さまざまな勢力が覇権を競っていたせいか、14世紀初頭のものは代表作が見あたりません。13世紀末のセルジューク朝のものを。「サーカリ・マドラサ」(コンヤ/13世紀末)。青の幾何学模様が美しい。

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(サーカリ・マドラサ/「THE ART OF ISLAMIC TILE」より引用)

14世紀後半になると、マムルーク朝のカイロやダマスカスなどでも、ファサードやミヒラーブなどにタイルが使われています。シリアの染付け風のタイルも東西が融合した雰囲気で個性的です。

そしてこのあと、14世紀後半から15世紀はティムール時代のタイルがサマルカンドやブハラなどでのイキイキと展開していきます。時代で追うと、時代の特徴や地域の特徴も見えてきます。時代シリーズにも今後挑戦していきたいと思います。
by orientlibrary | 2006-06-28 03:22 | タイルのデザインと技法

こんな空間で暮らしたい! 天幕を彩る華麗な布世界

三鷹市にある中近東文化センターで3月から始まっていた「中近東の織物 コプト織りとペルシア錦・絨毯」に、ようやく行ってきました。

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コプト織りはキリスト教化した「コプト」と呼ばれるエジプトの人々が生み出した綴織(つづれおり)を主とする織物。そしてペルシア錦は豪華に金糸や銀糸を織り込んだイランのサファヴィー朝時代の織物です。コプトの素朴な力強いデザインは、単なる文様というよりも、何か象徴的な意味を持つ図像なのではないかという気がします。その「念力」みたいなものは、最近興味を持っている部族絨毯につながるものがあるように思います。

展覧会では、「イラン人と布 その歴史と伝統」(千代延惠正さん)という講演会も聞くことができました。イラン人と布?絨毯ならまだしも、布との関連で独自の特徴が出るんでしょうか?実際、先生もどんな切り口でまとめるか苦労されたようです。(レジメにも「イラン人独特の布の用法の発見=困難」と記してありました・・・)。けれども、布を広義に捉え、天幕や移動の籠などにも視点を広げた内容で、天幕好きの私には興味深いものでした。

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まずイランの天幕を、ミニアチュールや浮彫などから抜き出して形状を整理。天幕に張られた布のデザインや文様も見ていきます。一本の棒に布をかけた原初的なものから、王様やお后のための豪華な天幕、暑さ寒さをしのぐ工夫など、ミニアチュールにはいろいろなタイプの天幕が描かれていることに気づきました。(写真で紹介しているミニアチュールは講演のものとは違いますので、文脈と絵の内容は合致していません)

床の絨毯と天井の布がコーディネートされている絵もありました。華麗で豪華な天井の布、、重さ的に絨毯ではないでしょうから、刺繍?手描きまたはブロックプリントの更紗?

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移動のための布=籠、輿、幌馬車。日差しを避けるための布=傘、日よけ布。信仰の中での布=聖者の覆い布、旗。暮らしの中の布=チャドルや女性の顔を覆う布、食卓布ソフレ(テーブルのようにして使う布)など、、なるほど、イランの布の活用方法が多彩に見えてきました。

興味深いのは、やはり住居としての布です。移動を前提とした暮らしでは、持ち運び容易な織物がさまざまな局面で使われてきたようです。

以前は「テント」というと、キャンプというイメージしかありませんでした。でも、インド・ラジャスターン地方で美しい天幕に出会って以来、移動する人々にとっての住まいとしての天幕に魅せられてきました。本当に美しいテント・リゾートというものがあればいいと思ってきましたが、自分の企画としてはかないませんでした。

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ところはそのインド・ラジャスターン、数年前アマン・リゾートがテントホテル(アマニカス)をオープン。私、贅沢したいと思いません。ブランドものもまったく興味なし。ですがアマンには泊まりたい!とくにテント・リゾートは憧れだっただけに、一生に一回は!

*写真は、(上)コプト織り(展覧会チラシより引用)、(2〜4番目の写真)=美しい天幕が登場するミニアチュールは『MINIATURES ILLUMINATIONS OF NISAMI’S “HAMSAH”』より引用しました(出版社名はロシア語のためわからず、、以前ウズベキスタンで買ったものです)。
by orientlibrary | 2006-06-26 01:27 | 絨緞/天幕/布/衣装

蒼の都サマルカンド モザイクタイルの発展

ウズベキスタンの魅力、何をあげるかは人それぞれでしょう。私の場合は、やはりタイルへの思いが強くあります。たしかに、タイル装飾の博物館とも称されるサマルカンドの「シャーヒ・ズインダ」は近年の修復によって、雰囲気が大きく変わりました。歴史的な建造物のオリジナルの個性を変容させてしまうタイプの修復については、今後への課題を残しているのではないかと思います。

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それでもなお、いえ、ますます、ウズベキスタンのタイル装飾、土の建築文化は、私を惹きつけます。今回は、より素朴な土壁の住まいを見たり、各地の意欲のある陶芸家の方々に出会い、土〜陶の世界の魅力にさらに入り込んでしまった、というのが実感です。

以前も書きましたが、サマルカンドでもレギスタン広場やビビハニムは、今もなお、タイル装飾の美と建造物の歴史的な雰囲気を味わえると思います。

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(先月撮ったレギスタン広場の「シェルドル・マドラサ」:1636年。ライオンと人の顔が描かれた文様で有名)。

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(レギスタン広場の古い写真)

これを見ると、やはり構造体の修復は必須だということがわかります。タイルは、かなりオリジナルのものが残っていたことがわわかります。現在ずっと平面での広場になっているあたり、一段下の段差がわかるのも興味深い写真です。

装飾タイルが開花するのは14世紀のイラン〜中央アジアです。モザイクタイルが壁面を覆うばかりに埋め尽くし、文様も流麗な植物文様が登場します。とくにティムールが1397年に首都としたサマルカンドは、建造物を彩るタイルの色から「青の都」とも呼ばれます。

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イルハーン朝の時代に萌芽したモザイクタイル装飾は、ティムール朝の時代になって大発展を遂げました。モザイクタイルはペルシア語で「モアラッグ」と言われます。様々な色調の施釉タイルを文様に合う形に刻み、それらを組み合わせて文様を表現するのです。

モザイクタイルでの装飾には、大変な手間と莫大な費用がかかりました。10センチ四方のモザイクタイルを製作するには一人の職人が一日8時間働いて2日かかったそうです。壁面を埋め尽くしたモザイクタイルは、圧倒的な美の表現であると同時に、強大な権力の象徴でもあったのではないでしょうか。

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オアシス都市サマルカンド、真っ青な空よりもさらに蒼く輝く壮大なドームやミナレット。サマルカンド人だけでなく、行き交う旅人はどんな思いで見上げたのでしょうか。

そしてティムールがイランや中央アジアを支配していた同時代、イラクやイラン北西部は、カラ・コユンル朝(1375頃〜1469年)、アナトリア東部を中心とする地方はアク・コユンル朝(1378年頃〜1508年)という>二つのトルコ系王朝が統治していました。

カラ・コユンル朝、、そうです。このブログのロゴにもしている「ブルーモスク」(タブリーズ)を建造した王朝です。セルジューク朝、イルハーン朝、ティムール朝、カラ・コユンル朝。個人の好みなのですが、私は洗練された美の極致であるサファビー朝やオスマントルコのタイルよりも、草創期から発展期の、この時代のタイルに心惹かれます。イキイキしている感じがします。もっと知りたいし、見ていきたい時代と地域です。
by orientlibrary | 2006-06-23 02:23 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

鮮烈に沁みてくる 草原を駆け抜けた少女の記憶

『らくだの涙』『天上草原』『天空の草原のナンサ』、、、これまでもモンゴルの映画には泣かされてきました。そしてまた、、。ウズベキスタンから東に少し戻り、モンゴルの少女と探検家の出会いの物語について書きたいと思います。

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正確には物語、ではなく、ドキュメンタリーです。一切のナレーションも効果音もなく、モンゴルの草原の音と会話だけ。この音がいいのです。搾乳のギュッギュという音、馬の駆ける音、羊が草を食む音・・草原の音に心が騒ぎます。そして対象に触れんばかりに近く寄った強い映像。引き込まれます。

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タイトルは『プージェー』、プージェーとは探検家が出会った草原の少女の名前、探検家とは『グレートジャーニー』で知られる関野吉晴さんです。先日は関野さんのトークもありましたが、長年に渡って過酷な旅を続けているのが意外なほど、小柄で柔和な印象の方でした。

世界中を旅した関野さんは、たくさんの人と出会います。そのほとんどは、辺境の地で暮らす無名の人たち。そのなかでも特に鮮烈な印象を残したのがモンゴルで出会った少女プージェー一家との交流だといいます。

「おばあちゃんスレンさんの心配りと優しさは心に沁みました。かつて豊かだった草原の遊牧生活への郷愁と、現在の遊牧民の苦しい状況と孫たちの将来について熱く語ってくれました」

「苦境の中でも、母親エチデメグネグさんの外来者に対する海のような心の広さは変わりません。困難さを避けるのではなく、うまくつきあっていく姿が印象的でした」

「そしてプージェーのひたむきで独立心旺盛で、大人やよそ者に媚びない生き方。子供らしさの中に凛とした姿に心奪われながらつきあってきました」。  


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草原での6歳のプージェーとの出会いから始まり、家族との交流を深めていく関野さん。けれども、残念なことに『うるるん滞在記』のようなハッピーエンドでは終わりませんでした。草原を襲ったゾド(雪害)、市場主義経済が進展する中での格差、遊牧民の生活は追いつめられていきます。

「モンゴルの現代史の中を短く、鮮烈に走り抜けたプージェー一家を通して、モンゴル草原の現在を見て欲しい」という関野さんの熱く強い思いを感じました。

悲しい、でも、単に悲しいだけではない。草原にはまた風が吹き、荒れ果てた地にも緑が芽吹き、凛として暮らしていく人たちがいる・・・そう感じさせるところに、制作者(監督:山田和也さん)のスタンスをみる思いがしました。

上映は、東京都東中野の「ポレポレ東中野」にて7月7日まで。(映画の公式サイトもポレポレ〜と同様)
*写真は、チラシ及びパンフレットより引用しました。
by orientlibrary | 2006-06-19 23:47 | モンゴル

fruits on the way

あさごはん、あんずの木の下のテーブルで。チャイと焼きたてナン。けさのメインはつぶつぶそばの実。きょうも暑くなりそう。@リシタン
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各地で違うレシピ、プロフ。じんじんいろ、ひつじあじ。@ウルグット
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ひつじにく、しっとり白い小麦粉の皮でくるくる。さくらんぼも桑の実もツヤツヤ、だって摘みたてだから。@ウルグット
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桑の実、さわさわ揺れている。歩いていても、木を見上げて、おいしそうな実を摘んで、、、みなさん、おいしくて、とまらない、みたい。@サマルカンド
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by orientlibrary | 2006-06-16 22:46 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

サマルカンドの修復と観光プログラム

ウズベキスタンの陶芸事情や歴史的建造物の修復(とくに壁面を彩るタイルの修復)について、文献や資料で調べようと探しています。が、これといった資料を見つけられません。とくに日本語では非常に少なく、英語資料を読まざるをえませんが、これもそれほど多いというわけではありません。

●現地での短い滞在期間の中では、陶芸現場や修復現場を幸運にもかなり見ることができ、話も聞けたと思うのですが、客観的に調べようとすると、やはり大変だと気づきました。タシケントに陶芸家が設立したプライベートミュージアムがあるようなので、少し希望を持っています。

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●、、って、冷静になってみると、だいたいが私、ド素人なんですよね、、。なのに調べたいというのが、もともと無理な話なのかも。でも、知らないからできる無茶もあるだろうし、、もう少しがんばってみようかと思います。そんな私のけなげな(!?)気持ちにショックを与えたのが、蒼いタイルの陶都サマルカンドの修復、とくに陶芸術の博物館とも形容される(た)シャーヒズインダ(墓廟群)でした。

●サマルカンドのガイドさんとSちゃんと車でシャーヒズインダへ向かっていたとき、左手に新しい建物を発見。前夜にサマルカンドのトレンドスポット「田舎」(という名前のレストラン)に連れて行ってもらったこともあり、いろいろ新スポットができているのかと思ったのです。それで思わず「あれってショッピングセンターかテーマパークですか?」とガイドさんにたずねました。ガイドさん、苦笑い。「・・・シャーヒズインダよ」。ほ、ほわ〜っと!?何ですって!?

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●シャーヒズインダはピカピカした映画のセットのようでした。古びた、でも静かで味わいのあるタイルの聖地が、アナログからデジタルになったようにクッキリとして、なんだか偉容を誇るように建ち並んでいるのです。写真を撮る気もなくなってしまいました。


e0063212_114695.gifレギスタン広場の3つのマドラサは、シャーヒズインダほどにはピカピカしておらず、早朝に一人で中に入ることができ、タイルに囲まれた至福のひとときを過ごせました。

●レギスタンでは、夕方には広場で演劇があり、夜はライトアップ+ショーがあります。またマドラサの中〜その昔、神学生たちが学んだ部屋〜は、大半がショップになっています。

●ショーやショップに対しては文句を言うつもりはないし、時代の流れなのではないかと思います。でも元のかけがえのない「味わい」を損なうような過剰な修復は、歴史的建造物にとって悲劇ではないかと思います。

●修復は1998頃から活発になったようです。このような修復について「古代シルクロード都市の修復に苦闘するウズベキスタン」という2000年7月のCNNの記事を見つけました。

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●ブハラの修復がメインなのですが、その中で悪い例としてサマルカンドが出てきます。「(ブハラの修復を手がける職人たちは)街の活気は維持したいがサマルカンドの失敗は避けたいと切実に願っている」「サマルカンドの歴史的中心地は生命のない博物館の作品のようだ」「大規模に修復されたサマルカンドは街の生命を失った。モスクやマドラサは今や不毛だ。人工的な博物館にいるような気にさせる。ブハラには街の息づかいがある」、、等々の言葉が続きます。

●さて、ぎりぎり持ちこたえていたブハラ、それから6年後の今も、旧市街は古いたたずまいを残し魅力的!でも今後の展開でどうなっていくかわかりません。ウズベキスタン、行くなら早いほうがいいかも・・という気もします。でも、がんばっている陶工さんたちもいます。修復については、現地で聞いた話も含め、これからも少しづつ調べて書いていきたいと思います。

*写真(上)=シャーヒズインダの古いタイル (上から2番目)=ピカピカのシャーヒズインダ (上から3番目)=マーチャンダイズ盛んなレギスタン内マドラサ。商品自体は私には興味あるものが多いです (下)=レギスタン広場でおこなわれる演劇ショー
by orientlibrary | 2006-06-12 01:04 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

ウルグットの泉と丘 スザニのある中庭

●早朝のタシケントの空港から、いきなりノンストップで午後まで走り通し、テンション高く到着したのがウルグットでした。ウルグットはサマルカンド郊外にあるスザニで有名な町。訪れたのは陶芸家の住居兼工房。ご主人は9代目の陶芸家、奥さんはスザニの4代目という手仕事ファミリーです。中庭にスザニが揺れます(写真↓)。

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●テーブルには、食事の準備がしてありました。うれし〜!朝もお昼も食べていなかったので、もうパラダイスに見えました。(写真↓)は最初のテーブルの光景。ナッツ類や果物、ナン、チャイなど。ここにピラフやメインディッシュが加わっていきます

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●食後に陶芸家の親戚の人がウルグットの名所に案内してくれました。「湧き水が湧くところ」だそうです。どんなところだろう。着いたのは緑がすがすがしい公園のようなところでした。ロシア的な雰囲気のモスクもあります。木々は樹齢500〜1500年ということで、幹が太くサワサワと茂っています。

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●小川のような水の流れをたどって行くと、人が写り込むくらい澄んだ湧き水の泉がありました(写真↑)。プクプクと盛んに湧きだしています。しばらく皆で静かに見ていました。そのあと、町全体が見渡せる丘に登りました。木の実を取って食べたり、タンポポを飛ばしたりして過ごしました。こういうときは、言葉はいらないですね。

e0063212_147691.gif●ウズベキスタンというと、「砂漠」だと思っている人が多いようです。シルクロードのイメージでしょうか?そんなこともあって、水と緑の写真を載せたいと思いました。

●一方、町には白いかわいいエプロンをしている女の子がたくさんいました(写真←)。(アキバの最近流行の喫茶を連想した私、、、)

●通訳のSちゃんによると、これは制服だそうです。「私も着ていたよ」と清楚なSちゃん。かわいい〜!

●ちょうど終業式で、いろんなところで盛り上がっていました。これから本格的な夏。50度を超える熱い季節になります。

余談ですが、、水分について(かったるい話です。念のため)
by orientlibrary | 2006-06-10 02:03 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

古いタイルのある光景 古い陶器 古いスザニ

●いきなりですが、旅行前に勉強していく派と、旅行後に勉強する派がいると思うんですよね。私は後者です。行く前には特に準備しません。というよりモチベーションが高まらないのです。行ってみて、どうしてかな、もっと知りたいな、という思いがグッと強まります。その集中力を待ちます。・・要は怠け者なんですかね!?

●ウズベキスタンについても、勉強はこれからです。以前購入した『SAMARKAND BUKHARA KHIVA』という本(写真集に詳細な解説)を読み込みたいです。相当時間がかかりそうですが、、。なので、今日はちょっと雑談です。

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●上の写真(↑)はレギスタン広場の中にある売店(マドラサの中がほとんどショップになっている)で買ったものです。ウズベキスタンの昔の光景の様々なモノクロ写真をポストカード大(ポストカードではなくペラペラの写真です)にして、1枚1ドルで販売していました。

●私にとっては建物の状態やタイルの模様がわかる貴重な資料になります。でもウズベクの物価からすると、この写真の1ドルは、かなりいい商売だと思います。ちょっとまとめて買えば数十ドルになって、書籍並みです。

●各地の博物館でも、このような昔の写真を展示していました。ソ連時代に工芸をはじめ、いろんな伝統が一時途絶えたと聞いています。昔の写真はウズベクの人にとっても関心の高いものなのかもしれません。

●今回は、1冊、とても貴重な昔の写真集を購入しました。全編アラビア語なのでいつの発行かもわかりませんが、建造物とタイルの修復前の姿を知ることのできる大事な資料です。高かったです。でも、ウズベクの人たちにとっても大変貴重な本だということも認識しています。外国人の私が買ってしまったことを申し訳なく思います。そのことを無駄にしないように、いろんな面でがんばっていきたいです。

●日本では、工芸というと伝統的なもの、高価なもの、特別なもの、という印象があります。でもウズベクでは工芸が現在進行形でイキイキしているのが素晴らしいなと思いました。各地に「アートセンター」が作られ、工芸家やアーティストが制作し、販売していました。

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●「現役」というのは強いものです。技術のレベルの高さを実感しました。現代的なセンスを感じるものもありました。ウズベクの工芸やアートは、これからますます面白くなると思います。写真(↑)は、陶器の古いものです。いいですよね〜!!!

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ウズベキスタンといえば、最近では刺繍布の「スザニ」が有名です。日本でも展覧会が開かれたり、シルクロードの染織文化ということで紹介される機会が増えました。私も多少見ていましたが、行ってみて各地で異なる色柄の豊富さに驚きました。ヨーロッパでブームになり、相当数が海外に流出。現在は50年以上の古いものは海外持ち出し禁止になっているそうです。写真(↑)のものは、タジキスタンに近いコーカンド地方のアンティークです。(博物館で撮影)

e0063212_2348228.gif●食では果物のおいしさが格別でした。さくらんぼ、すもも、そして桑の実もイケました

●写真(←)は通訳してくれたSちゃんの家の庭のリンゴです。味が濃くておいしかった。

●建築、タイル、陶芸、スザニ、食、人、などについてスタディしながら書いていきます。ゆっくりになりそうですが、また見て下さいね。
by orientlibrary | 2006-06-05 23:56 | ウズベキスタンのタイルと陶芸

怒濤の、そして温かさに満ちた、ウズベキスタン工芸の旅

●成田発関空経由のウズベキスタンエア、10数時間かけて到着した午前5時前のタシケント空港。ジーンズ姿のAさんが出迎えてくれました。「ミジカイネ」、Aさんの最初の言葉です。

●私にとって(多分多くの日本人にとっても)、往復の2日を入れての10日間は、かなり気合いの入った日程です。しかもAさんは、実力、知名度ともウズベキスタンでも有数の陶芸家。そんな人に同行してもらえるなんて本当だろうか、しかも知人の紹介とはいえ私とは初対面なのです。

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(リシタンの陶芸工房でモスクの尖塔の月を造る職人さん)

●通訳をしてくれるSちゃん、運転をしてくれるNさんとも挨拶し、いざ出発。「安心して来てください」という心強いメールを支えに来た私、どうやってウズベキスタンを廻るんだろう、、小さな不安がよぎりましたが、それは一瞬のことでした。そんなことを考える暇もなく、怒濤のウズベク、タイルと陶芸の旅が始まったのです。

●どこに向かうかわかりませんが、車は快調に走ります。日本語もかなり上手なAさん、2年間の留学で流暢な日本語のSちゃん、ウズベク語のNさん、日本語の私、会話の途切れることはなく喋りっぱなし。

5時にタシケントを出て、なんとノンストップ、ノン休憩で、水も飲まずに到着したのはサマルカンドの、さらに郊外にあるスザニと陶芸の街ウルグットでした。時間は午後2時半。いきなりタフな行程ですが、、、楽しい〜!

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(通訳をしてくれたSちゃん。ウズベクの20歳はしっかりしている!&可愛い)

●入って行ったのは一軒の大きな家。わ〜、中庭!葡萄棚、チャイハネのテーブル、憧れのシルクロードの住宅だあ!しかもテーブルの上には、あふれんばかりのごちそう!ここはウルグットの陶芸家のお家だったのです。

●奥には工房があり、奥さんはスザニ(ウズベキスタンの刺繍布)の作家で、スザニも飾られています。チャイを飲んで、おいしい家庭料理に熱中しているうちに、陶芸家の親戚やAさんの友人たちが次々と集まってきました。ウルグットの陶芸現場を見せてもらい、街を見物し、スザニについて聞き、チャイを飲み、、。

●ウルグット・・・そのあとのウズベキスタンの旅を象徴するような光景でした。そうです、その後の8日間、ずっとこんな感じだったのです。車でどこかに行き、工芸家に会い、ウズベク料理を食べ、モスクやマドラサを見て、タイルの写真を撮り、ノンストップで次の街へ行き、アーティストに会い、ビールで乾杯し、陶芸について聞き、タイルの修復を見て、チャイを飲み、結婚式に行き、博物館へ行き、スザニを見て、バザールに行き、お家を訪問してご飯をごちそうになり、そしてタイルを見る、、。

怒濤の、けれども基調はのどかで、心が安らぐ日々でした。訪れたのは、ウルグット、サマルカンド、ブハラ、キジュドヴァン、リシタン、コーカンドです。ブハラやサマルカンドの素晴らしさはもちろんなのですが、今回もっとも心に残ったのは、リシタン〜コーカンドなどフェルガナの小さな街の人々のこぼれるような温かさ、人間味、家族や親戚や友人を大事にする生き方、暮らし方でした。AさんもSちゃんもNさんも、みんなフェルガナの人でした。

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(一昔前のリシタンの陶芸家の光景=写真を撮影=。シルクロードだ!!

●帰国の日、1日の夜、タシケントの空港、Aさんが着いたときと同じように「ミジカイネ」。私も思いました。「ミジカイネ」。そんなウズベキスタンのこと、これから少しずつ書いていきたいと思います。
by orientlibrary | 2006-06-03 20:40 | ウズベキスタンのタイルと陶芸