イスラムアート紀行

orientlib.exblog.jp

手仕事木版捺染(ブロックプリント)JAIPUR , INDIA

MKさんにお借りしている、メチャカッコいい本3冊、インド・ジャイプールを本拠とする有名なブロックプリントショップ「anokhi」の本、昨年末からうっとりと眺めていました。

e0063212_1745564.jpg
(「anokhi museum of hand printing」より。工芸の中の幾何学模様。イスラムの美、最高!)

e0063212_1736329.jpg
(うまく撮れませんでしたが、、3冊です。いちおうブロックプリントをバックに、、)

この本からは、70年代からの現代的なブロックプリントの発展をリードしてきた矜持を強く感じます。ショップだけでなくミュージアム設立や出版物などを通して、ブロックプリントの魅力を伝えようとしているように思えます。(Anokhi Museumのサイトはこちら。)

以前、「anokhi」の衣料やファブリックもかなり買い込みましたが、写真のベスト等は、anokhiのものではなく、より伝統的な工房のものです。(orientlibraryが持っているもの。着てないのですが、、)。

e0063212_1749297.jpg
(「anokhi museum of hand printing」より。版木を作る)

anokhiは「所有する」よりも「着られる」魅力が大きいブランドだと思います。伝統の模様や色、すぐれた技術も、今の時代に合わなければ、タンスの肥やし。数年に一度出して見るだけの美しい布や衣装をお持ちの方も多いでしょう。

伝統を今の暮らしの中で活かしていく。これって、簡単そうで、じつはなかなかにむつかしいことだと思います。好まれるデザインや暮らしに合うサイズも、時代によって違います。たとえば刺繍なども全面に施すのが一番かというと、そうでもない。もっとスキッとした感じが今風でしょう。

e0063212_12564094.jpg
(anokhi museumのリーフレット。商品の雰囲気を)

anokhiは、そのあたりが非常に巧み。あまりに巧みで、逆にちょっと引いてしまうくらいです。この本も、魅力的な写真を豊富に使いながら、模様や製法、道具、歴史、地域の個性などが紹介されており、抗しがたいものがあります。うまいなあと思います。コアをしっかり持ちつつ、だからこそ、それをマーケティングスキルを駆使してきちんと表現していく・・大事なことだと思います。

ちなみに、今回、anokhiのものも撮ってみたんですが、私が撮るのでは映えないんですよね。本物という意味では、版木、衣服ともに、今回写真掲載したものの方が上だと思います。でも、、、ベストって着ますか?それに肩が張っているなど、カッティングやデザインに違和感があるんです。持っていて楽しむ服、着て楽しむ服、、はあ〜〜。。(悲)

MKさんによると、繊細さで有名な産地・サンガネールはその面影がなかったとのこと。残念です。実際に、伝統的手仕事のブロックプリントの市場がどうなっているのか、職人さんたちがどのような暮らしをしているのかは、私にはわかりません。

e0063212_1745924.jpg
(版木。サンガネールの代表的な花文様、揺れている感じが清楚で優雅。*anokhiの商品ではありません。以下4点も同様)

e0063212_1744381.jpg
(版木。この細かさ!天地で約5センチです)

でも、マハラジャの衣装の繊細な模様として、また庶民の衣装の力強い模様として、多彩に発展してきたブロックプリントは、これまでも、今も、これからも、人を惹きつけるものを持っているのではと思います。

e0063212_17371638.jpg
(ベスト。模様は「nodana」)

e0063212_17413387.jpg
(ベスト。ボタンも凝っています)

e0063212_17422191.jpg
(ベスト。刺し子がリズミカル。赤の方が裏。でも両面着られます。写真掲載の3着いずれもリバーシブル)

コットンの素材感、モチーフとしての植物、手仕事ならではの洗練と素朴(ラスティック)のほどよい調和、全体としての温かいカジュアル感は、変化が早すぎる今の時代が求める何かを持っているように感じます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆ブロックプリント・関連記事
 手工芸への熱き思い 「インドの職人」
 「職人とは、建造神ヴィシュヴァカルマーの継承者である」
by orientlibrary | 2009-02-03 18:05 | インド/パキスタン