イスラムアート紀行

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パキスタンのジプシー楽士(ムルタンのタイルとともに)

ごあいさつが遅くなりました。新しい年、今年も皆様にとって良き一年でありますように!!ゆっくり更新中のブログではありますが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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(ムルタンにある聖者廟のタイル&テラコッタ)

映画「ジプシーキャラバン」や「ラッチョドローム」のこと、など、ジプシーやジプシー音楽のことを時々書いています。(ロマと書いたりジプシーと書いたりしていますが、どう書くのが最も良いのか、正直よくわかりません。最近は、またジプシーという表現が多いような気がしています。ジプシー/ロマ、という表記も)。何か惹かれるものがあるのです。

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(ムルタン、タイルの小塔。今回はパキスタンの話であることと、「ジプシーが多様な呼び方をされている理由はおそらくはただひとつ、ジプシーがいろいろな地域からやってきたせいである。トルキスタンでは”ムルターニ”(ムルタン出身の意味)と呼ばれてきた」(松岡正剛の「千夜千冊」より)、、ということもあり、ムルタン〜ウッチュのタイル装飾をご紹介しています)


昨年末に、興味深い催しがありました。「関口義人の『ジプシーを追いかけて』Vol.17/@渋谷UPLINK」です。ジプシー音楽をテーマとしたシリーズ、なんともう17回も開催されているとは。書籍出版も相次ぎ、ジプシーに魅せられている人が少なくないことを実感します。

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今回のゲストは村山和之さん。ということは、パキスタンですね!ジプシーとパキスタン、一瞬ピンときませんが、ラジャスターン地方から出発したともいわれるジプシー。近いです。村山さんならではのパンジャーブのジプシーの芸能やバローチスタンの楽士たちの音像を、たっぷりと見せていただきました。(写真は、上映された映像を撮影したもの)

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(ドール。リクエストして演奏してもらうそうです。後ろの素焼きの壷が気になって、、ついパチリ)

音像は7本。これまでに見せてもらったものもありますが、何度見ても飽きません。今回もっとも感動したのは、「LORIK」(バローチ〜中央アジアでジプシーと呼ばれている人)の演奏。ムハンマドを讃える歌、、耳で聴くよりも心の奥底で聴いた気がします。音楽、なのかな。ジプシーの音楽って、旋律だけではない、歌詞だけではない、身体(人生と言ってもいいかもしれない)で聴く気がする。

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(心に響きしみ込んでいく。言葉で言い表せない、、感動しました)

コメントやお二人のトークは、マニアックかつ洒脱で楽しかった。でもメモは取ったものの、真っ暗な中で書いたので正確さは超あやうい。特に固有名詞やその表記は未確認なので危ない。が、え〜いっ、学術ブログではないので、ざっくりとメモのご紹介。雰囲気を味わってください。

・ パンジャーブ州の南の砂漠地帯、東のタール沙漠とつながるあたり、そこにいるジプシーはバローチスタンの楽士とどう違うかなどを見て欲しい
・「MIRASI」、イスラム教徒のジプシー楽士、伝統音楽の継承者という意味、低カースト、ドーム(ローム)の中でイスラム化している人、ロマ、ロムの源流としてのドマ、ドム
・「ローリー(LORIK?)」、バローチスタンのジプシーの芸能
・ LORIK、バローチ〜中央アジアでジプシーと呼ばれている人、ムハンマドを讃える歌の演奏
・ ドーリー、ドール(太鼓)奏者、ローリーの中でも下層といわれる
・バローチスタン調査旅行の映像紹介も、水辺での食事、牛糞でのナン作り、果物のもてなし、地上の楽園のような庭(バーグ)の夕暮れなど
・ チカップの映像、輪になって踊る、カスタネットの使用、バローチの特徴
・ ドキュメンタリー番組から=大都市のジプシー・ストリートミュージシャンの映像、婚礼会場の外で演奏
・ イランのマクラーン地方のチャバハールでの映像、英雄叙事詩を叙情豊かに歌いあげる楽士

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(ジプシー楽士たちの師匠。風情、風格がありますね)

映像の中で、旅人をテント(というか、枝と布で構成されるシンプルな空間)に招き、土地の果物をたっぷりと提供してもてなす光景が紹介されていました。テント内部にはローカルの絨毯が敷かれています。絨毯文化の地域だから当然とはいうものの、ボロボロながら質感の良い魅力的な絨毯でした。

それに比して、、、メインステージに敷かれていたカーペットは、かなりキツかったです。「せっかく絨毯で有名なバローチの話なのになあ、、」「バローチの絨毯があれば、ものすごくカッコいい時空間になったよね、、」「残念!!」「言ってくれれば持ってきたのに、、」「日本では敷物が軽視されているのでは」と、乾燥地帯〜バローチ好き仲間たちは語り合っていたのでした。

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(ウッチュにある聖者廟のタイル&テラコッタ)
by orientlibrary | 2009-01-07 01:15 | 美術/音楽/映画