イスラムアート紀行

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トルクメン、ギュルからじゃがいもまで、きっちり整然!

ホラズムの12〜14世紀のタイル(現在のトルクメニスタン、クニャ・ウルゲンチにあります)見たさに、はるかトルクメニスタンにまで行った私。でもトルクメニスタンといえば有名なのは絨毯。トルクメン絨毯(古いもの)は、欧米に熱狂的なコレクターが多く、価格も数百万円もするものが少なくないようです。

●トルクメン絨毯、、、絨毯好きの集まりに時々参加させていただいていることもあり、その奥深い世界を垣間見せていただく機会もありましたが、じつは、どうも今ひとつピンとこない、というのが本音です。カッチリと整った端正な美は完璧で、反面、その奥にひそむ熱情のようなものも感じて、がさつな私には敷居が高い感じがするのです。

●熱狂的なトルクメン絨毯のファンは、専門職などに従事する知的な男性が多いと聞きます。日本でお会いするトルクメンコレクターも、まさにそんな感じ。トルクメン絨毯のなかにある、奥深いもの、情報ともいえるものを感受し読み取る力のある方々なんだと思います。感性と同時に、知性で読み取る絨毯、それがトルクメンという気がしています。

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(トルクメン絨毯・テケ/『oriental carpets』より引用)

●今回はニサやマルグシュ、メルブなどの遺跡見学が主だったため、絨毯に出会うことはほとんどありませんでした。唯一、アハル・テケ牧場のオーナーが絨毯工場のオーナーでもあったため、偶然現在の絨毯を少し見ることができました。また博物館で、あまり趣味の良くない絨毯をチラッと見ました。残念ですが、そのくらいです。

●けれども、街の中で、バザールで、トルクメン絨毯の「要素」を、たっぷりと見ました。それは、、、「きっちり感覚」です。

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●あれ〜、この木の植え方、、、これって「ギュル」(トルクメン絨毯の核となる紋章のような文様、上の絨緞参照)では〜!?木のまわりに石を並べる必然性は??間隔もきっちりだ〜!こんな植林(?)があちこちにありました。立体絨緞!?  *追記1*(「真っ直ぐを期待されながら斜めに成長する木々も、たいしたもの」とYさんよりメール。たしかに(笑)。どこ原産の木かな〜♪) *追記2*(いやいや、、この木の様子、よく見たら、ギュルの中の模様を模したように斜めになってませんか!?、、恐るべしトルクメンの木!!)


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バザールの陳列、、、活気ある売り買いがバザールの魅力。陳列なども時間がたつにつれてくずれてくるものですが、、、ナッツに、干しアンズ、、なんですか、このきっちりは〜!?(撮影時間は夕方)


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干しぶどうって、積むのがむつかしいと思うんですけど、、角度がシャープ!粒単位!


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果物が整然と並び、きっちりと円錐型に積み上げられています。静物画か〜??左上のバナナとパインの落ち着きもすごい、、(こちらは閉店間際、午後7時頃のバザール。ラストでこの状態、、)


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じゃがいもって、ゴロゴロが似合う気がしますが、、これもきっちり整然と整列状態、、


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日用品売り場に行くと、、、ここでもきっちりサイズ、色、角度まで揃ってます。たぶん日本のようなアイテム別ではなく、色やサイズで決めていると思う。機能性、合理性よりもきっちり=見かけ、視覚が優先されるような気がします。

恐るべしトルクメン、、装飾タイルでもクラクラするような装飾センスを発揮したトルクメン。その遺伝子に組み込まれた「きっちり感覚」を、今回の旅行で思い知ったのでした。

●さらに、、<アシュハバードの大理石ビル群の謎>に新説登場!!トルクメン絨毯をこよなく愛するMさんやSさんによると、発光する大理石のビルは「宇宙と交信するため」なのだそうです。(私がビルを生き物のような発光体と感じたのは、意外と当たっていたりして、、!?)。独裁政権云々は表の顔にすぎない!?その奥には、凡人には理解不可能なトルクメンの宇宙的感性が脈々と息づいているのかもしれません。

●やっぱり、、トルクメニスタンのキーワードは「不思議」ですね。もう、それしか思い浮かびません、、ふう〜。。


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by orientlibrary | 2008-05-20 00:00 | 中央アジア5カ国