イスラムアート紀行

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人形劇って深いんだ!

【アジアの人形芝居と身体表現】・富士ゼロックス講堂

人形の本質や意味など知らなかったことばかりで、触発された。以下、内容を抜粋させて頂く。

人形は「ひとがた」、よりしろ、神を宿すものとされ、操る人は祭司。神ム人形ム人間。日本では下北半島のイタコ、木の人形(おしらさま)を使って託宣を告げる、神々と共に遊ぶことが大切、人形遣いの本質。

スートラには(経典)と(糸)の二つの意味がある。ダーラ(保持者、高度な技術を持つ宗教的な知識人)=神の意志を表す者。人は神の糸に操られる存在であり、人形芝居は神に操られる人の姿を表したもの、哲学的な意味があった。ゆえに操る人はバラモンにとってはイヤな存在だった。

祭りと結びついて漂泊的な性格もあった。門付けをする、ハリジャン扱いされて差別を受ける。しかし「賤民」の賤は恐れおののくという意味でむしろ聖なる世界である。現在のインドでは宗教性から娯楽に変化、人形遣いは芸人としての位置づけになってきた。

人形劇は古い歴史を持つ、演劇の原初形態、世界の人形劇の起源はインドにある。「糸繰り」(たった3本の糸で全身を操る)が最も広がっていった。ラジャスターンでは今も盛んで絵解きと組み合わせる。ローカルな英雄の話が中心。演じ手は隠れておこなう。早技変身など。(装置も簡単で旅に適する。自然の油による幻想的な暗さが魅力だと思った)

ケーララ、パーバカタカリ=ダイナミックで仮面を思わせる化粧が特徴。使い手が人形の役柄になりきる。変身の意味。

影絵人形芝居=9世紀頃東南アジアへ伝搬。インドネシアへ。変容の仕方が面白い。本来の主役ではなく脇役が人気になることも。

マリオネットは小さなマリア様という意味。ヨーロッパ中世教会で聖劇を十字架から下げた人形で演じた。人形の構造=胴体が空洞、足の有無、指使い、吊り棒、下からの棒使い等。昨今は映画産業の影響で群舞が人形劇にまで入ってきた。教育メディアとしてエイズキャンペーンなどに使われる。

本来は神聖で宗教的なものであったが、制約から自由になりつつある。<光=神の意向>と<影=意向の反映>の意味が薄れた。人形芝居は命が宿る瞬間が魅力であり、けれん、エンタテイメントとしての可能性がある。
by orientlibrary | 2005-02-28 02:01 | 美術/音楽/映画