イスラムアート紀行

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フスタートの小壺、透かし彫り

【エジプトのイスラーム文様】・中近東文化センター

中世エジプト、フスタートで盛んに作られた飲料水を入れる素焼きの小壺の透かし彫り=「フィルター」をもとに、イスラーム文様の成り立ちを解く試み。フィルターには文様のカタログと言われるほど多様な図像がある。水を飲むための実用的なフィルターに多彩な美を求めた、都市生活の活気がうかがわれた。

「古典古代の模様からイスラームの模様へ コプト染織と舗床モザイクを中心に」というセミナーに参加:イスラーム文化に大きな影響を与えた6世紀頃の初期ビザンティン美術の装飾文様についてのスライドとお話。初期イスラムとビザンチンやローマとの関連が、具体的な例で示され、わかりやすかった。以下、その内容から抜粋させて頂く。

ギリシアローマ時代=パルメットやアカンサス、葡萄唐草などの装飾文様が建築や彫刻、絵画、工芸などの分野で使われた。ビザンティン=蔦草(アカンサスなど)や組み紐などのモチーフが構図を枠取り、その中に人物像や牧歌的光景(収穫、牧畜、狩猟など)あるいは海浜の情景などがちりばめられた。ハギヤソフィア大聖堂のモザイクには新しい模様であるダイヤモンドやロゼット、蕾や翼状の双葉などが→地上の豊富な産物への感謝。

イスラム=はじめはローマ・キリスト教的な文化と共存、咀嚼していく。

コンティニュアス時代(6世紀)の装飾文様=コンスタンティノーブル大宮殿のモザイク/ハギヤソフィア大聖堂のモザイク/トルコ、シリア、ヨルダンの教会堂の舗床モザイク(ネボ山などの)/コプト染織。

イスラムの時代へ=ウマイヤ朝の宗教建築モザイク(岩のドーム、ウマイヤモスク)/ウマイヤ朝の世俗建築の舗床モザイク(ヒルバトアルマフジャルの宮殿、カスルアルハラバトの宮殿)/シリア、ヨルダンのキリスト教会堂の舗床モザイク(マダバ聖母マリア教会、聖ステファノス教会)。
by orientlibrary | 2003-10-31 01:08 | タイルのデザインと技法