イスラムアート紀行

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巡礼地アフマド・ヤサヴィー廟 待望の訪問

ティムール時代のタイルを愛好するものとして、一度は見たかったのが、現在のカザフスタン、そのなかでもウズベキスタン寄りの町、トゥルケスタンにある「アフマド・ヤサヴィー廟」です。

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初期建造は1374年。ティムール朝初期の建造物として名高く、現在中央アジアに残っている歴史建造物の中で最大級。高さ44メートル、ドームの直径は22メートルもあります。また、建築装飾の面では、施釉と無釉レンガを組み合わせた外壁は、「バンナーイ技法」初期の優れた事例とされています。

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2003年に世界遺産に登録されましたが、その決定を契機に修復や周辺の整備が進んでいます。敷地内にはバラ園などもあり、復元された19世紀の城壁が回りをぐるっと囲みます。また、趣のある古い地下モスクやハンマーム(浴場)跡もあり、宗教を核とした複合施設といった感じ。町をあげて観光資源として注力しているようです。

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けれども観光といっても、さすがに海外からの旅行客はそれほど多くはないようです。むしろ、地元の人たちの熱心な参詣の姿が印象的でした。今も巡礼地として有名。イマームの話を聞き、廟を巡り、地下モスクで祈ります。

コジャ・アフマド・ヤサヴィーは12世紀に人気のあったイスラム神秘主義の聖者。ティムールとは直接関係がないと思うのですが、人気のあった聖者の墓を作ることは、きっと人心をつかむことにもつながったのでしょう。今でも老若男女が集い、一心に祈りを捧げているのですから。現在はカザフスタンにあるこの廟ですが、ウズベキスタンでも写真を見せると「ああ、ヤサヴィーだね」と、ほとんどの人が知っていました。

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廟の周囲が整備されているとはいっても、遠目に見ると、あくまで広い平原に、ぽつんと建っています。けれども、青いタイルで覆われた巨大なツインドームの輝きはさすがです。サマルカンドの「ビビハニム」や「グルエミル」と同様のリブドームは、空の青を吸い込むかのようです。

内部は撮影禁止。大広間には監視カメラもついていて、受付の前にはモニターもありました。これは、てごわい。道徳意識の強い私には、そんなこと、、。でも蛇の道は蛇って言いますしね、、。それに売店で買ったパンフレットにはたくさん写真が載っていますが、全部キリル文字でまったく読めません。

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「地球の歩き方」を久々に見てみたら、「トルコ政府の援助で3500万ドル以上を投じた修復工事」と書いてありました。泊まったホテルもトルコ系。旅行者としては、今でもビシビシ使われているロシア語の威力と、経済面でのトルコの存在感を感じたカザフスタンでした。
by orientlibrary | 2007-06-16 00:21 | ウズベキスタンのタイルと陶芸