イスラムアート紀行

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アフガニスタン映画祭、アラブ映画祭、イスラム建築の本2冊

2005年11月の「第1回アフガニスタン映画祭」、重くて暗くて、絶望しかないようにも思える映画を、丸一日見続けました。でも不思議なことに、そんな映画を何本も何本も見たにもかかわらず、何か希望を感じたのです。救いのない現実を描いているのに、どうしてそんなふうに感じるんだろう。

e0063212_21581232.gifそれは、製作する側が希望を持っているからではないか。希望を持って描けば、絶望からさえも希望が見えてくるのではないか・・・。そんなことを感じていました。そして先日、新聞のコラムで『「希望」という名の砂から』という作家の司修さんのエッセイを読んだのです。

インドのサタジット・レイ監督による『大地のうた』3部作について、「鑑賞者は彼女の表情を見るだけで絶望を感じた。それなのに、見る者の心は暗くならない。何も希望らしきものが描かれていないのに、映像の裏側に『希望』が感じられるのだ」。

第2回アフガニスタン映画祭」が開催されます。前回驚きを持って見た『ブズカシ』(多民族が争う迫力ある伝統的競技ドキュメント映像)、『石打ち刑』(不条理すぎる!)などの他、全10本。

ある日本在住アフガン人の方は、『渡り鳥』を強力リコメンド。80年代社会主義政権時代に作られた映画で、「これから紛争が増加するであろうアフガニスタンの姿を予見し、さらに当時のアフガニスタン社会への警鐘を鳴らした問題作」だそうです。

e0063212_21584016.gifこちらは3年目の「アラブ映画祭2007」。「アラブのハリウッド」と呼ばれるエジプト映画、12本を集めての回顧展が目玉です。

何回か見たことあるエジプト映画、アクション系でナンセンスというか、、ちょっと不思議なものが多い印象があります。チラシに「ケバブムービー」なんて書いてありますが、いっそ「カリウッド」(カイロ)とかにしたら?

私のお目当ては、アラブ新作の方ですね。『バーブ・アジーズ』(チェニジア/ペルシャからカザフスタン、砂漠旅の映像詩)、『長い旅』(モロッコ/メッカ巡礼の旅、ロードムービーの傑作)などをチェックしています。

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映画から話題は変わって、、今日到着した本2冊です。まず『IALAMIC ART AND ARCHITECTURE 650-1250』 (YALE UNIVERSITY PRESS)。イスラムへの認識・知識に欠けると言われるアメリカ、でも美術や建築の研究は少なくない印象を受けます。この本も、イスラム草創期から拡大期まで網羅されているようです。

どうもタイルについては少なそうですが、陶器はあります。装飾タイルは11世紀くらいから存在感を高めてきますが、そのあたりのイスラム世界の美術を概観できそうです。

e0063212_221250.gifもう一冊は、『BUKHARA THE EASTERN DOME OF ISLAM』 (MENGES)。ウズベキスタンの古都ブハラだけの建築や街を研究した本。プランの図解が豊富ですごいです。建築もまた幾何学的な展開であることを、強烈に感じます。楽しみです。
by orientlibrary | 2007-02-15 22:09 | 美術/音楽/映画