イスラムアート紀行

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ウズベキスタン すっきり「白丸」&しっかり「マハラ」

e0063212_034585.gif●この白くて丸いお菓子のようなもの(←)は何?食べてみると、、予想に反してかなり塩辛い。酸味もあって不思議な味。でもチーズみたいなコクがあってお酒にも合いそう。

●そう、これは「ヨーグルトを固めて干したもの」だそうです。ウズベキスタンから来日したZさんから少しわけてもらいました。

●飛行機にひどく酔ってしまったZさん、半日以上休養しても好転せず、私も少し焦っていましたが、到着したスーツケースからこの「白丸」(名前聞いたけど忘れた)を出して食べ、しばらくすると、真っ青だった顔に赤みがさしてきて元気に、、。安心すると同時に、白丸の威力にびっくり。

味といい効能といい、日本の梅干しみたい、と思いました。梅干しも不快なときなどスッキリするし、、。生まれ育ったところのものが効くんですね。

●留学などで滞日中のZさんのいとこたちも、白丸が懐かしそうで、競って食べていました。なんか小さな子たちがじゃれあって遊んでいるみたい。生まれた時からずっと近所の親戚同士で、いつも一緒に遊んで大きくなった。大人になっても邪気ない表情で話の尽きることがない。困ったときは親身に助け合う。そんないとこや親戚がた〜くさんのウズベキスタン

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●5月にウズベキスタンに行ったとき運転をしてくれたNさんは、外人と話をするのが初めてでした。「日本に砂漠はあるか」が最初の質問。そして次が「親戚はたくさんいるか。仲良くつきあっているか」でした。私はいとこも二人だけだし、冠婚葬祭以外会うことも少ない。「あまりたくさんいません」としか答えられませんでした。


e0063212_051459.gif●某国の拉致問題、おっとりした口調ながら毅然とした仕事ぶりが印象に残った中山恭子さんは元ウズベキスタン大使。着任まもなくキルギスでの日本人鉱山技師拉致事件が起こり、解決に奔走されました。

●その中山さんが『ウズベキスタンの桜』という本(→)を書いていらっしゃいます。あの語り口を彷彿とさせるふんわりした文章、でもキリッとした外交官らしい姿勢が垣間見えます。そしてウズベキスタンへの親愛の情が伝わってくる本です。

●馴染みのない大変な国への赴任を心配している人たち。「慰めを言うのも不適切だと少し戸惑いながら」見送ってくれたそうです。でも到着してまもなく「日本から遠く離れた中央アジアに、こんなに日本人とよく似た人々が住んでいると知って嬉しくなってしまいました」。

●さらにそれまで欧米でもアジアでも出会わなかったある態度に感動します。「外国に出て、遠慮することを身につけている人々に初めて出会いました。どんなにびっくりし嬉しかったことか」。


e0063212_054649.gif●そんなウズベキスタンの遠慮するという心性や相手を気遣うこころを、中山さんは伝統的な地域社会「マハラ」を通しても紹介しています。

●マハラは、日本の町内会のようなものですが、行政の単位ではなく昔からある地域の共同体。マハラのことをすべて知っている世話役の長老の中心に、マハラ全体で助け合って暮らしているといいます。

●たとえば、「誰かが職を失うと仕事が見つかるまでその人はマハラの中の仕事をします」。ちょっと畑仕事を手伝ってくれとか、奥さんが働きに出るから家の中のことを手伝ってくれ、などです。また一軒の家の塀の中に親族が一緒に住んでいるので、子どもたちは大勢の大人やマハラ全体に見守られて育ちます。



e0063212_061179.gif●タシケントのような都会にもマハラはあり、ある日、マハラの長老が大使館にバラの花を一輪持って訪れ、「マハラのお祝いの日で女性に一輪ずつバラの花を贈っています」と届けて行ったそうです。形式的な記念品ではなく、“バラ一輪”というのがいいですよね〜!かなりイケてますね。

●関係性の濃い社会には、いいことばかりではなく窮屈な点もあるでしょう。また、今からマハラ的社会で暮らせるかというと、正直、自信もありません。でもウズベキスタンの人たちの親密で思いやりのあるつきあい方を見ていると、私は何か大事なものをどこかに置いてきたのだというキュッとするような思いに駆られることも事実です。

●仲良くじゃれあっているいとこ同士の若い子たちを見ながら、いいなあと思った晩夏の一日でした。
by orientlibrary | 2006-09-02 00:08 | ウズベキスタンのタイルと陶芸