イスラムアート紀行

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怒濤の、そして温かさに満ちた、ウズベキスタン工芸の旅

●成田発関空経由のウズベキスタンエア、10数時間かけて到着した午前5時前のタシケント空港。ジーンズ姿のAさんが出迎えてくれました。「ミジカイネ」、Aさんの最初の言葉です。

●私にとって(多分多くの日本人にとっても)、往復の2日を入れての10日間は、かなり気合いの入った日程です。しかもAさんは、実力、知名度ともウズベキスタンでも有数の陶芸家。そんな人に同行してもらえるなんて本当だろうか、しかも知人の紹介とはいえ私とは初対面なのです。

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(リシタンの陶芸工房でモスクの尖塔の月を造る職人さん)

●通訳をしてくれるSちゃん、運転をしてくれるNさんとも挨拶し、いざ出発。「安心して来てください」という心強いメールを支えに来た私、どうやってウズベキスタンを廻るんだろう、、小さな不安がよぎりましたが、それは一瞬のことでした。そんなことを考える暇もなく、怒濤のウズベク、タイルと陶芸の旅が始まったのです。

●どこに向かうかわかりませんが、車は快調に走ります。日本語もかなり上手なAさん、2年間の留学で流暢な日本語のSちゃん、ウズベク語のNさん、日本語の私、会話の途切れることはなく喋りっぱなし。

5時にタシケントを出て、なんとノンストップ、ノン休憩で、水も飲まずに到着したのはサマルカンドの、さらに郊外にあるスザニと陶芸の街ウルグットでした。時間は午後2時半。いきなりタフな行程ですが、、、楽しい〜!

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(通訳をしてくれたSちゃん。ウズベクの20歳はしっかりしている!&可愛い)

●入って行ったのは一軒の大きな家。わ〜、中庭!葡萄棚、チャイハネのテーブル、憧れのシルクロードの住宅だあ!しかもテーブルの上には、あふれんばかりのごちそう!ここはウルグットの陶芸家のお家だったのです。

●奥には工房があり、奥さんはスザニ(ウズベキスタンの刺繍布)の作家で、スザニも飾られています。チャイを飲んで、おいしい家庭料理に熱中しているうちに、陶芸家の親戚やAさんの友人たちが次々と集まってきました。ウルグットの陶芸現場を見せてもらい、街を見物し、スザニについて聞き、チャイを飲み、、。

●ウルグット・・・そのあとのウズベキスタンの旅を象徴するような光景でした。そうです、その後の8日間、ずっとこんな感じだったのです。車でどこかに行き、工芸家に会い、ウズベク料理を食べ、モスクやマドラサを見て、タイルの写真を撮り、ノンストップで次の街へ行き、アーティストに会い、ビールで乾杯し、陶芸について聞き、タイルの修復を見て、チャイを飲み、結婚式に行き、博物館へ行き、スザニを見て、バザールに行き、お家を訪問してご飯をごちそうになり、そしてタイルを見る、、。

怒濤の、けれども基調はのどかで、心が安らぐ日々でした。訪れたのは、ウルグット、サマルカンド、ブハラ、キジュドヴァン、リシタン、コーカンドです。ブハラやサマルカンドの素晴らしさはもちろんなのですが、今回もっとも心に残ったのは、リシタン〜コーカンドなどフェルガナの小さな街の人々のこぼれるような温かさ、人間味、家族や親戚や友人を大事にする生き方、暮らし方でした。AさんもSちゃんもNさんも、みんなフェルガナの人でした。

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(一昔前のリシタンの陶芸家の光景=写真を撮影=。シルクロードだ!!

●帰国の日、1日の夜、タシケントの空港、Aさんが着いたときと同じように「ミジカイネ」。私も思いました。「ミジカイネ」。そんなウズベキスタンのこと、これから少しずつ書いていきたいと思います。
by orientlibrary | 2006-06-03 20:40 | ウズベキスタンのタイルと陶芸