イスラムアート紀行

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アフガニスタン 土の景に煌めく蒼のタイル

いつ頃から、何がきっかけで、アフガニスタンが気になり始めたのか、よく覚えていません。やはりタイルだったのかもしれないし、仏教美術が先だったかもしれません。けれども聞こえてくるアフガン関連の情報は争いのことばかりでした。そのうちに911が起き、アフガン空爆が始まり、長い争いや戦争で荒廃した町や村がテレビに映し出されました。

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そんななかでも、いや、こうなるずっと以前から、アフガニスタンで地道な活動を続けているのがペシャワール会の中村哲さんとその仲間たちです。

中村さんの講演を聞いたこともありますが、静かな話し方の中に強い意志があり、小柄な体にはエネルギーがみなぎっていました。現在は医療活動の他にも、「アフガン問題は先ずパンと水の問題である」という問題意識で、用水路建設を自らおこなっています。

送って頂く「ペシャワール会報」の楽しみのひとつは、表紙の甲斐大策さんの絵。最初は暗くて重い、と少し敬遠していたのですが、見るほどに引き込まれるようになりました。モノクロなのにアフガンの光を感じます。

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アフガニスタン文化研究所の研究会にも一度おじゃましました。所長の前田耕作先生のバーミヤン発掘調査のお話でした。前田先生のトークは「話術」と言ってもいいくらい、人を引き込む魅力があります。会員の皆さんも熱心で、文化を通しての交流を心強く感じました。

ニュースレターの表紙は「花咲くアフガニスタン」でした。4月のバーミヤンには杏や林檎、ジャガイモの白い花、菜の花などが咲き揃うそうです。バーミヤンにはかって巨木が繁茂していたといいます。そんなバーミヤンには緑化の計画もあるそうです。


海外のタイルの専門書や写真集には、アフガニスタンのものがかなり載っています。土色のレンガに蒼のタイルが映えて、心惹かれるものばかりです。

アフガニスタンのヘラートはタイル装飾の頂点であるティムール朝の都だったのですから、タイルが素晴らしいのは当然でしょう。

しかし日本では、アフガニスタンがタイルの文脈で語られることは、まずありません。残念なことです。絶対に見たいという思いが高まっています。でも、もう願いがかなわないものもあるようです。

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KOHSANにある“ MAUSOLEM OF TOMAN AGHA ”(1441)。タイルは少ししか残っていませんが、ドームが見事です。けれどもソ連の爆撃によって1984年にドームを完全に失いました。その直前に撮られた最後の写真です。

この他、本で見る限り、へラートのモスクのタイル装飾は、同時代のイラン・タブリーズ・ブルーモスク(トルクメン系王朝)の流麗さと比較すると、たしかに「知的で抑制的」に見えます。このあたりの比較にも徐々にチャレンジしていきたいと思います。そしていつか、実際に自分の目で見たい!

* 3点目の写真は『COLOUR AND SYMBOLISM IN ISLAMIC ARCHITECTURE』 より引用。
by orientlibrary | 2006-04-13 02:28 | ウイグル/アフガン