イスラムアート紀行

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『夢の花園』・・・タフテ・ソレイマーンのタイルとの邂逅

「タイルが好き」等々、常日頃からアピール?していると、関連する本や資料を貸してくださるやさしい方々があります。ありがたいことです。

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最近お借りした強力ラインナップ。『遊牧の民に魅せられてー松島コレクションの染織と装身具』は絶版ということで騒いでいましたが、Mさんにお借りして無事コピーがとれました。写真はもちろん現地のスケッチがとて〜もいいのです。

雑誌『HALI』は、知る人ぞ知る?絨毯・布・イスラム美術の専門誌。専門性が高く写真も綺麗。定期購読の価格がかなり高いので迷っているうちに今に至りましたが、S姫が特に評判のいいバックナンバーを貸してくれました。昆虫染色や渡り鳥の柄などマニアックな話題満載でした。

そしてロゴの字がレトロな『夢の花園』。トライブなSさんが何気なく貸してくれたものですが、見てびっくり、私にとっては本当に「夢の花園」でした。

序文によると、この本は「イランを代表する叙情詩人ハーフェズ(1390年没)の没後600年を記念して出版された美術工芸品の写真集の日本語版」。収録された作品のほとんどが、ハーフェズと同時代に作られたものか、彼にちなんで後世制作された作品であり、いずれも「イラン国内の博物館所蔵の代表的な美術工芸」なのです。

イスラム美術の宝庫、テヘランの国立博物館では「所蔵品図録はない」と言われがっかりでしたが、これは日本語版まであります。しかも14世紀のイランといえば、タイルや陶器が素晴らしいのです。奥付を見ると3000部限定。これが「飛行場に売ってた」とか。買える時には買えるってことですね・・。

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さっそく見てみると、クルアーンやハーフェズの詩集をふくむ写本や書が多く、織りや木工も。そして、、、ありました!陶関係!陶のミヒラーブの解説!タイルの銘文!ソルターナーバード(現在のアラータ)の陶器の解説もガラス陶器博物館で買った英語パンフより詳しい!そしてタイル!以前、どたばたしながらもご紹介した「ラージュバルディーナ手」のタイルやレンガが載ってる!ラスター彩タイルに描かれたどう見ても絵にしか見えないカリグラフィーの日本語訳まである!

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タイルに関しては、>イル・ハーン朝の宮殿タフテ・ソレイマーン(1270年頃)のものが多くありました。西イラン旅行時に訪れましたが、一面の雪景色ということもあり遺跡としてはきちんと見ておらず、タイルに関しても、こんなにいろいろあることは知らなかったのです。

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そんなタフテ・ソレイマーンについて調べているうちに、興味津々の研究を見つけました。中国の「龍」のモチーフがイランに定着する過程や、イランとトルコにおける龍の象徴性や表現の違いなどのスタディです。以前から気になっていた点なので嬉しい!長くなってしまうので、詳しくは次回にしたいと思います。

*写真=「タフテ・ソレイマーン全景」は同ポストカードより。「星形タイル」は型押しされた草花模様。「六角形タイル」は型押しによるライオン。いずれもラージュバルディーナ手。タフテ・ソレイマーン。『夢の花園』より引用。
by orientlibrary | 2006-04-06 00:18 | 至高の美イランのタイル