イスラムアート紀行

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東トルコ・ヴァン紀行。村上春樹と勝手にコラボレーション

ディヤルバクルの「ジーエル・ケバブ」がきっかけになって、東トルコのアルバムを見ています。大自然、バザール、歴史的建物、人々など、ブログに載せたいものがたくさんあって迷ってしまいます。

歴史的背景が複雑で民族が入り組んでいるだけに、ひとつのエリアとは思えないくらい光景がいろいろですが、しかしそのことこそが「ユーラシア」というものなんだなあと、あらためて感じます。

いくつかのパートに分けてご紹介したいという気持ちが高まっています。ただ、“なんちゃってブログ”ではありますが、「旅行記」になるのは避けようと思っているので、断片的かつ独断的なご紹介になります。そのわりには、『雨天炎天』(村上春樹)という本の文章をナビゲーターにしたいと思います。引用多用失礼!村上さん謝謝!

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まずはヴァン湖。「ヴァン湖はトルコのいちばん奥のそのまた奥の、かなり辺境な地にある。標高5000メートルを超えるアララット山の南方、イランとの国境近くにある大きな湖である」(『雨天炎天』より引用。以下「」内は同様)

「標高1720メートルのところにある世界でも水面が高い湖のひとつである。流出河川がないせいで、塩分がかなりきつくて、濃度30%とものの本には書いてある。魚はほとんど住んでいない」「水は独特のターコイズブルーで、とてもきれいである」。

「ヴァン湖の夕暮れは文句なしに美しいものだった。空も水も山際も、何もかもがオレンジ色に染まり、空と稜線が触れあうあたりはまるで火のような真紅に燃え上がっていた。湖面はしんと静まりかえり、さざなみに合わせて細かい粉のような光が音もなく一面に揺れていた」。

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「ヴァンはイランからの亡命者と密輸業者で賑わっている町だということだ」「風景の美しいわりにはけっこう剣呑な土地なのである」。実際、強烈にしつこい物売り等々がいて、夕景をゆっくり見ることもできませんでした。

ヴァンには、もうひとつ有名なものがあります。「ヴァン猫というのはヴァン湖のそばに住む特殊な猫である」「右目と左目の色が違う」「この猫はヴァン湖の近くにしかいないのだが、彼の地にあっても一般的にはあまり見ることができないらしい」。

しかし、、「絨毯屋にはヴァン猫が結構多いのである」「客寄せのためである」「まさに招き猫である」。写真の猫はピクニックしていた裕福そうな家族のペット。絨緞屋でも見ましたが、こちらの方が貫禄あり。

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「ここの町の人々は観光客を見るととにかく絨毯を売りつけることしか思いつかないみたいだった」。絨緞屋にも行きました。素朴なキリムが多くて、かなり惹かれました。そこで購入したクルドのアンティーク・キリム(90〜100年前。上部は下部と対照になっている)。和っぽい柄が珍しくて、私は満足しています。クルドの文様や色あいが好きです。  

村上春樹と勝手にコラボレーション、第1回目ヴァン編でした。
by orientlibrary | 2006-04-02 17:39 | 中東/西アジア