イスラムアート紀行

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大人になる速度・・・戦国時代、草原、アフガニスタン

時代や地域が違えば、平均寿命も自立年齢も違ってきます。堺屋太一さんが年齢観について面白い考えを書いています。常々、現代の読者が歴史を実感できるような年齢換算が必要と考えていた堺屋さん、16世紀後半の日本戦国時代について、次のような換算をするようになったそうです。「当時の年齢を1.2倍して3を足したぐらいが、現代の私たちの年齢観にふさわしい」。

たとえば、織田信長は49歳で死去しましたが、堺屋流で換算すると62歳。長寿国日本の現在の49歳で考えると若すぎてピンときませんが、62歳ならば「現役社長バリバリの年齢での無念の死」と実感がわいてきます。

またチンギス・ハンが生きた12世紀の草原を今の日本に置き換えると「当時の年齢×1.25+5」。たとえば15歳のテムジンは24歳ちょっとで、海外留学から帰ってきたくらい、とのこと。何回か前に書いた13歳の少年の早熟についても「ああ、20歳過ぎか」と考える方が、「中学1年生がそんなこと言うの!?」と驚いているより近いかも!?

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歴史をさかのぼらなくても、現代でもところ違えば、平均寿命が50歳代の国も、子供たちがチンギス・ハン並みに大人びている国もあります。以前、「アフガニスタン、明日へつなぐアーティストたち」という展覧会を見たことがあります(国際交流基金、2003年)。そして、その絵画の“成熟度”に息をのみました。

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絵を描いたのは、アフガニスタンの路上で働く10代の少年少女(2002年当時、以下同様)。彼らは靴磨きをしたり鉄くずを拾い集めて駄賃を稼いでいました。当時のカブールでは6万人もの子供たちが、こうして働いていたそうです。


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そんな彼らに読み書きなどを教えるNGO「アシアナ」は、絵画や工芸などの職業訓練もおこなっていました。

街角や大自然、文化遺産など、テーマは様々ですが、構成、観察力、表現力など、とても10代なかばの子供たちの作品とは思えない。描く環境も描く道具も、ぞんぶんに豊かとは言えないでしょう。にもかかわらず、“老成”とも言えるような作品世界。驚きました。

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アフガニスタンの人たちは、もともとの美的センスがいいんだ!と感心しましたが、反面、子供たちがこれまでに見てきたものの濃さ、深さに思いが及び、すこし重い気持ちになりました。

ある16歳の少年は、習得した技術を生かして夜は看板職人として働いているそうです。16歳にして収入に結びつく技術を持てるのはえらい!!と思うと同時に、16歳・・のびのびと好きなものも描きたいのでは?などと、ぬるま湯日本の発想をしてしまいました、、。

*写真はすべて、「アフガニスタン、明日へつなぐアーティストたち」(国際交流基金)パンフレットより引用させていただきました(作者が作品を持つ写真3枚は、内藤たけしさん撮影です)。
by orientlibrary | 2006-03-18 22:04 | ウイグル/アフガン