イスラムアート紀行

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タイル資料に救世主現れる! 出現記念、最古のタイル掲載?!

タイル道修行中、発展途上人の私に、住宅設備の専門家Tさんから電話。「タイルの剥離、修復、施工方法」等についての質問で、あたふたしながらお話していたわけですが、最後に「ブログにどのくらい時間かけてんの?」との世間話。実際、文章書いたり写真アップしたり、はそんなに時間かかりません。結構早いんです、この系統。

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時間がかかるのは、なんと言っても資料の読み込み。もともと「タイルが好きと言っているばかりじゃだめ。何かないと勉強しないよな・・」というもくろみもあってブログを始めたわけなので、計画通りとはいえるのですが・・・。

予想以上に大変なのは、英語の本の読み込みで、英語力の弱さはもちろんなのですが、何より陶芸や建築の専門用語が多くて、訳しても何を言っているのか理解できないことが多いのです。また苦労して訳しても、意外と情緒的なことしか書いてなくて、あまり参考にならなかったり・・。

e0063212_1265435.gifそんな修行の身の私に、救世主のような本が現れました。『ペルシアの伝統技術 風土・歴史・職人』(ハンス・E・ヴルフ/平凡社)。ペルシアの、という限定があるものの、技術の基本部分はどの地域にも共通するものがあるので、「建築技術と製陶技術」の章が、クラクラするほどありがたい。

たとえば、「焼成煉瓦作り職人」「煉瓦切り職人及びタイル切り職人」「石灰及び石膏焼き職人」「漆喰職人、スタッコ細工職人」「釉薬作り」「金属の酸化物の準備」等々、これまで知りたかったことが、徹底的なフィールドワークに基づいて、とにかく詳細に記述されているのです。しかも日本語。

イランの伝統工芸技術全体の調査研究書なので、金属工芸、木工から織物、さらには農業や食品加工、たとえば、「パン焼き」「シロップと菓子の製造」「搾油」等々、写真やスケッチ入りで詳細に述べられていて、おもしろい!こういう系統ってフランスやイギリスのものは食文化的に本もいろいろあるけど、ペルシアの方が圧倒的に歴史が長く、現在も受け継がれていて興味深いです。

e0063212_1274720.gifさらに、「資料がない」と一人で騒いでいた<エラム王国の神殿・チョガザンビルの施釉レンガ>についても、資料発見。
岡山市立オリエント美術館の展覧会カタログ『砂漠にもえたつ色彩 中近東5000年のタイル・デザイン』。これ、持ってたのに、チェック不足。

ただ、ここで紹介されている施釉焼成レンガは釘の頭状のもの(写真は同カタログより引用)で、レンガっぽくないんですよ。でも青緑釉の色彩が残っているとのこと。紀元前13世紀にきれいな青や緑で彩られた神殿があったなんて。次回、私が見た施釉レンガ写真をアップします。

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謎が解明したのを記念して世界最古と言われるエジプトのタイルを、同カタログから引用でご紹介(いちばん上の写真↑)。「青釉ファイアンス・タイル/エジプト(サッカーラ)/前27世紀頃(第3王朝時代)」。(常滑の「世界のタイル博物館」にも同じものがあります)。

ピラミッドの地下回廊壁面に飾られていたものです。空や水のような青、永遠に瑞々しい青が、王を見守っていたのです。
by orientlibrary | 2006-01-27 01:42 | 至高の美イランのタイル