イスラムアート紀行

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タイルと中央アジア話を中心に、ゲストハウスや民藝なども

中央アジア、タイルを中心に、街歩きトピックをまじえ、ダダダと行きます。

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ゲストハウス、バーラウンジのタイル

最初の話題、東京蔵前のゲストハウス「Nui.(ヌイ)」のタイルです。まず、「ゲストハウス」という業態(?)、日本でどのような状況か、動きか、ピンとくる方いらっしゃいますか。ゲストハウスという言葉自体、旅好きの若い層には馴染みのある言葉かもしれませんが、一般的には、「え、シェアハウス?」「あぁ、ユースホステルね!」というような言葉が立ち上がってくるのでは?

私もたまたま見つけたのですが、なんだか今どきのゲストハウス、ものすごくカッコいいことになってるんです。そして値段も手頃。いい立地。カフェ等を併設し、海外からの旅行者だけでなく、日本の若者や近所の方々にも親しまれています。

その先駆け的な存在が、3年前に開業した「東京の古民家ゲストハウス toco.(トコ)」(東京入谷)。築90年の古民家を改装しバックパッカー宿に。宿泊客を含め様々な人が交流出来るリビング&バーラウンジを併設。「宿泊は一泊2600円より。ゲストハウス泊が初めての方や、東京都内から週末の息抜きに来られる方まで、広く多くの方にご利用頂いております」。これは体験しなくては!と連絡した時は満室で泊まれず。まだ訪問もできていないのが残念。

そして同じチームが、蔵前に昨年11月にオープンさせたのがNui。6階建ての倉庫だったビルを大工さん、職人さん、仲間、ボランティアたちが、3ヶ月かけて手作りでリノベーション。隅田川に近く浅草寺も徒歩圏の立地で1泊2700円から。100人も宿泊できる規模でありながら、抜群の稼働率の高さが評判。

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(東京蔵前のゲストハウス「Nui.(ヌイ)。全国から集まったたくさんの人の手で作られた。1階のバーラウンジ、カフェタイムは9時から23時、誰でも利用可)

こちらも宿泊はまだなので感想は言えませんが、1階にあるバーラウンジがいい感じなんですよ。木や鉄や漆喰等の異素材ミックス。その中で、一列の青いタイルがアクセント、アイキャッチになっている。うれしいじゃないですか。

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(モロッコのタイル、土の味わい。キッチンも部分的にタイル貼り)

タイルはキッチンの壁面にも。すべてモロッコのものだそうです。さすが世界有数のタイルの国モロッコ。きちんとした中に味わいもあり、製品としての安心感があります。個人的には、これが日本の若手の手作りタイルだったらなあと想像してしまう。何枚かでもいいけど、ユーズドのジーンズのような手作りの青タイルだったら、空気がまた変わるだろうなあと。

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タイル愛好家・山本正之さん〜クリスチャン・ラクロワ&釉薬作り

INAXライブミュージアムのニュースレター、今号の特集は「世界のタイル〜山本コレクションにみるタイルへのまなざし」。

中東や中央アジアなどの旅先で出会ったタイルに魅せられて20年以上。けれども、装飾タイルの情報が少ない日本にあって、世界のタイル博物館や『イスラームのタイル』など、INAXのタイル関連の書籍がなかったら、関心が続いていたかどうかわからない。世界のタイルを蒐集した山本さんのコレクション。その展示と文章があっての私のタイル愛好。あらためて感謝の気持ちがわいてきます。山本正之さんの言葉です。

「多くの国でタイルの破片は、遠い日本から来た私に拾われたがって呼んでくれる。何気なく足元を見ると、不思議なことに、必ずといっていいほど落ちている。嬉しくて嬉しくて、まず掌にのせて重みを感じ、やがてじっと見つめると、その土地の土・砂・水などの環境もわかってくる。タイルがどんなふうに使われるのか、どんな人が施工に携わっているのかも。旅に出ると、いっぱい教えられる」

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(上段:「世界のタイル〜山本コレクションにみるタイルへのまなざし」特集/釉薬実験中、皿の青が理想/下段:インテリアライフスタイル展にて、「クリスチャン ラクロワ メゾン フォー デザイナーズ ギルド」、壁紙新柄は青いタイル模様)

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同じタイルでも、話がガラリと変わります。先日、ビッグサイトで開催された「インテリア・ライフスタイル」展で目についたのは、タイルの壁紙。「クリスチャン ラクロワ メゾン フォー デザイナーズ ギルド」の壁紙の新柄です。「アンダルシア地方からインスパイア」。なるほど。同じ柄のテキスタイルもありカーテンが紹介されていました。青だけでなく、いろんな模様を加えてデザイナーブランドらしい華やかさでした。

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ウズベキスタンに3年間住んだ漆作家、中村真さん

漆作品に触れる機会が少ない私。中村真さんの展覧会で拝見した漆の質感と色には、新鮮な驚きがありました。漆黒の夜にほの見える森の土のような黒、生命力を持つ植物のような緑、仏さまの手のような奥行のある質感。葉のかたちと合わせ、深く美しい世界を見せていただきました。

中村さんは、元々漆芸専攻でしたが、中央アジアの民芸に興味を持ち、タシケント暮らし3年。楽器工房で楽器を作ったり修理したりしながら、中央アジアの民族造形をテーマに研究をなさっていたそうです。日本に戻り、漆芸を再開。

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(六本木アクシス内サボア・ヴィーブルにて個展。〜器の原点とも思われる『葉っぱ』がモティーフ。「フォルムを追求できるので乾漆という技法で作っています。物作りの上での原点でもある『自然』を少しでも消化したいと思っています」〜)

「工房から早足15分で帰宅。旧市街の向こうの積乱雲は膨張を続け、空の色は明らかに黄色味を帯びてくる。洗濯物を急いで取り込み、家中の窓を締め切り、施錠の再確認をしてようやくお茶をひとすすりしながら西の窓を見張る。束の間の静けさは新緑のポプラ並木のざわめきで破られる」。タシケント時代の日記、抒情と温かみのある文章、いいですね!

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セレクトする眼、工芸喜頓

前々回アップした、突然の「いまどきの民藝」(若い人たちが愛好する「民藝のうつわのある暮らし、空間、食」とでもいうようなテイスト)への熱中。続いております。東京世田谷、世田谷通り沿いにある「工芸喜頓」さん。こちらのセレクトが、またいいんですよね〜!!若過ぎず、若々しく、絶妙。しびれます。

オーナーの石原さん、グレーのTシャツに黒のストール、気負わずにこなれたオシャレ上級。カッコいいです。以前はファッション関係の仕事をする一方、アジアやアフリカの工芸が好きだったそうです。日本の民藝に出会ったのは、当時住んでいたパリで。美術館で日本の民藝を紹介する展覧会があり感銘を受けた。そういう出会いもあるんですね。

オンラインの「日々の暮らし」を見れば、センスの良さが伝わりますよね。ショップはこの春から。天井が高く、スッキリ。一つ一つのうつわが、個性ゆたかに、きれいに見える。引き出しの中にもうつわがびっしり。豊富!価格も押さえてある印象です。

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(この日は小鹿田焼の柳瀬朝夫さんの作品が並んでいた。なんだかアフリカっぽさも感じる。オーナーがアフリカ好きと聞き、一人納得。出西窯、小鹿焼、瀬戸本業窯など、とにかく眼がいいなと感じる。それを表すセンスも)

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小伝馬町で、ほのぼの中東気分 「DALIA」&「DARVISH SHOP」

気になっていた「DALIA ダリア食堂」(東京小伝馬町)に。ロフトスペースもあるプチサイズの店内、工夫とセンスで独特の魅力。食事は次回のお楽しみに。クスクス、ハリラ、タジン、美味しそうすぎる!!

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(モロッコなど世界各地の手作り感あふれる雑貨が可愛くディスプレイ。マトリョーシカのウオッカかわいい。モロッコと思われるタイルも)

DARVISH SHOP」は、「DALIA」から歩いて10分もかからないご近所。以前、お店のハサンおじさんのこと、そしてスーフィー音楽で踊る文鳥の初代アンジュジェの旅立ちについて書きました。そのとき、二代めのアンジュジェはもの静かで恥ずかしがり屋さんでしたが、、見違えるように活動的に。飛び歌い踊っていました。良かった。

それもそのはず。立派なマイホームがあり、かわいいパートナーも。お隣は金魚。幸せな文鳥です。

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(小伝馬町では2009年から。イランの食材を中心とした輸入食品を販売。ハサンおじさんとのおしゃべりを楽しみに来店する人多し。私はこちらで、イランのアールグレー紅茶、干し葡萄などドライフルーツ、イラン菓子などを仕入れます。イランの方は缶詰やレトルト食品、香辛料など食品まとめ買い)

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今回、『風をたべた日々』(渡邊義孝さん著)とサマルカンドについて書こうと思い、写真も用意していましたが、もうすでに長文。次回に。今回はこれでアップします。写真が少ないので、青のFBから。

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(ブハラのモザイクタイル/青磁透彫唐草文箱、高麗時代、12世紀/ウスマノフ工房の扉)
by orientlibrary | 2013-11-11 22:35 | 日々のこと