イスラムアート紀行

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中央アジア人・アトラスと駆けるウズベキスタン

秋は展覧会、展示会、イベントが、いつもにも増して多い時期。個人的には、土寄りの時間が多いのですが、写真がないこともあり、今回もアトランダムな内容。後半は、「中央アジア人・1 〜アトラスと駆けるウズベキスタン 川端良子さん(東京農工大学)」です!

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まず、青のFBよりサマリー少々。
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(ティラカリ・マドラサ(サマルカンド)〜宇宙のようなカリグラフィーと幾何学模様/ホジェ・アハマド・ヤサヴィー廟(トルケスタン)〜彩釉レンガとタイルを駆使した壮麗な装飾/シャーヒ・ズィンダ(サマルカンド)〜幾何学模様を立体化)

釉薬クラス。知らなくてはと義務感のような気持ちで始めたのですが、意外なことに釉の調合にハマってます。無謀なチャレンジをサポートしてくれる白金陶芸教室さんに感謝しつつ、今回もオリジナル青に向けて走ってます♪
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(青系調合テストピース/基礎釉作り/トルコ青釉調合/この青が憧れ)

インドの布を紹介しているkocariさん。明るい色使い、斬新な色の組合せ、美しい手仕事のカンタや刺繍が女性に人気。
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(西早稲田の民家ギャラリー。きれいな手仕事とチャイでなごませていただきました)

中央アジアのテキスタイルや工芸を紹介するカンノ・テキスタイル。滝野川の展示。スザニやキリムバッグも。
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(左段3点=カンノ・テキスタイル/中〜右の4点。ウズベキスタンの絣布アトラス、アドラスで作られた小物類=テディベア、捻り香合、ネクタイアなど、2012年のハンディクラフトコンテスト入賞作品、現地での製品化第1弾。ウズベキスタンでの販売がスタート! 〜写真はコカリさん、カンノ氏空間にて〜)

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<中央アジア人・1 >
「アトラスと駆けるウズベキスタン」川端良子さん(東京農工大学)


ウズベキスタン、キルギス、カザフスタンなど、中央アジアを駆け巡るひと。数十キロの荷物、スーツケース2個持ちでもニコニコ。中央アジアメニューなど、おいしい料理を手早く作る料理上手でもあります。ウズベキスタンでのアトラスプロジェクトも興味深いステージに。聞いてみたいこと、たくさん。

(* 夏のインタビューからタイムラグがあるため、少々補足している点があります。また録音はしていますが、このまとめは取材時の入力を基にしています。細部のニュアンスが多少違う点があるかもしれません。この点、ご了解ください。)

まず、東京農工大のウズベキスタンプロジェクト。趣旨、経緯、現状など、詳細はこちらに。

<参考:フェルガナプロジェクト>=JICA の草の根支援プロジェクト。ウズベキスタン共和国の国立養蚕研究所、ビジネスウーマン協会と協力し、フェルガナ地域農民を対象に、養蚕を主体とした農家副業技術の改良・向上に向けた普及活動をおこなう。生産物の販売モデルを確立し、ウズベキスタン国内の養蚕地域において活動発展と高品質蚕糸の安定生産につなげることを目指す。

<参考:ウルゲンチプロジェクト>=2013年3月より新プロジェクト。「ウズベキスタン共和国シルクロード蚕業復興計画−辺境農村における副業収入向上のための技術移転モデルの確立−」を開始。

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—— アトラスプロジェクト、いまの様子を教えてください。
この秋、ヒバ市イチャンカラ市場に外国人向けの販売拠点を作る予定です。目的はお土産物としてアトラス商品を定着させること。サマルカンドやタシケントには、いろんな店ができていて、品質も向上しています。ヒバはまだ入る余地があります。世界遺産なので外人観光客も来ます。女性の自立化とアトラスの普及をめざしています。

—— 今後、ハンディクラフトコンテストの優秀作品が販売されるのですか。
地元の人を雇用し、日本の皆さんのアイデアであるコンテストの優秀作品などを販売します。プロジェクト開始以降、ウズベキスタン側のアイデアで作られたアトラスのシュシュやポーチは、日本国内でも販売しており好評です。メインの市場はあくまでウズベキスタンだと考えていますが、日本でも売れる商品だということは自信になります。農村の女性は日本や日本人を知っていて、いまだに「おしん」と言われるんですよ。日本に悪い印象はないですね。

—— 風土や慣習も違いますし、いろいろと大変なこともありそうです。
ビジョンは長期です。このプロジェクトで終わるつもりはない。成果を出したい。私の専門は環境問題ですが、その分野のプロジェクトは現実的になかなか難しい。農工大は養蚕研究の長い歴史があり、養蚕復興はウズベキスタン政府の意向とも重なりました。双方に良かったと思います。

—— やりがいがありますね!
目に見えて成果が出ていることは喜びです。農家の人が喜んでいること、同じ労力でも日本の繭を買うと収量が増し、収入も増える。基本はカイコの品種です。ウズベキスタンは旧ソ連だったので日本品種が行っていなかった。品質を良くして、製糸会社に働きかけています。そしてプロジェクト拠点は、フェルガナからウルゲンチに移動しました。フェルガナでの成功を点から面にしていかなくてはなりません。フェルガナには養蚕の伝統がありましたが、養蚕が気候条件的に困難と言われているウルゲンチで成功したいのです。ウズベキスタンの西と東の端で成功することは、全土での展開に重要だと考えます。ウズベキスタンでは、ロシアなどに出稼ぎに行く男性が少なくありません。シルクの製品化と販売を通して、副業による収入向上につなげたい。

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—— 中央アジアとの縁、どのようなきっかけだったのですか。
専門は、中央アジアの環境問題、水質と土、養蚕です。京大大学院時代はアラル海の水質をやっていました。中央アジアの環境問題で、理系の博士号は初めて。足抜けはできません。元々、NHKのシルクロード番組が好きでした。民族学者である片倉もとこさんの『アラビアノート』などの著書や辺境をフィールドワークする生き方にも影響を受けました。青池保子さんのロシアを題材とする漫画にも魅せられていました。いろいろなことが重なっていますね。

—— 中央アジア、ウズベキスタンと日本、ここがいちばん違うという点は。
計画的に動く日本人と、前もって準備しない傾向のあるウズベキスタン。でも、ギリギリに帳尻を合わせるのがすごいです。

—— 中央アジア、ウズベキスタンの、ここが好きと思うことは。
人情味がある。ウズベキスタンの人は親切。日本人が失いつつあるものがあると思う。お役所仕事は腹が立つけど地方は親切。最初にカザフに行ったとき、田舎に行くとものがないので、カップ麺とか食べていました。そんなとき、村長が羊をふるまってくれました。ゴミ箱に落ちていた箱、そこに日本語が書いてあったのですが、それを拾って飾り棚に飾ってくれたこともありました。

—— 中央アジアでの最高の時間は。
真っ平な地平線に沈む太陽。自然の大きさを肌で感じます。中央アジアの自然は本当に魅力があります。

—— 中央アジア、ウズベキスタンでおすすめの食べ物は。
ナンが一番好きですね。窯で焼くナン、焼きたてのナンほどおいしいものはない。とくにタシケントの安いナン、卵が入っていない薄いナンがいい。フェルガナのナン、ピザパイ、ラグマン、カザフのロシアパンもおいしい。メロン、ドライフルーツなど、果物ははずせません。タシケントには各国の料理店がいろいろあります。現地のチェコビールはおいしいですよ。グルジア料理も安くておいしいです。

—— お気に入りの場所は。
ヒバは好き。いまは都会になっていますが、こじんまりとして観光しやすい。時期は5月か9月ですね。

<追記> 2013年10月よりヒバのイチャンカラにてテスト販売開始。タシケントのいくつかのショップでもコンテスト作品第1弾商品の取り扱いが始まっています。ウズに行かれた折には、お土産にどうぞ!

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川端さん、どうもありがとうございました!これからも中央アジアパワー、分けてくださいね〜!

アトラス製品、日本での展開も楽しみです。いつもウズベキスタンでお土産選びに苦労しているので、興味津々。川端さんおすすめのヒバ、私もホレズムのタイルとやきものを巡る旅をしたいのに、好適な9月も10月も行けずじまい。冬は極寒、夏は極暑。いつ行けるだろう。ご縁を待ちます。
by orientlibrary | 2013-10-15 00:26 | 中央アジア人