イスラムアート紀行

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シリアのタイル、釉薬づくり、新訳『わたしの名は赤』

シリア。2002年に、いわゆる「ツアー」で行きました。笑顔で接してくれる人懐っこい人々、重厚な歴史や文化を感じさせる建築と街、迷路のような路地、広い中庭のある住宅、五感を刺激するバザールの活気、イスラム世界独特の濃い空気。たった一度のツアーだけど、シリア、好きになりました。また行きたいと思っていました。

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(オスマン朝シリアのタイル <左>施釉タイル。糸杉と葡萄が描かれる。セージグリーンとマンガンの色がダマスカスの特徴 <中>六角形のタイル。花瓶と花が描かれる <右>施釉絵付けタイルの一部。カーネーションが描かれる/DARWISHIYYA MOSQUE, DAMASCUS,1571/『The Art of the Islamic Tile』〜DAMASCUS, SYRIA, AND PALASTINE, IN OTTOMAN TIMES〜より引用)

オスマン朝シリアのタイル。ザクッとした絵付けが愛らしい。深みのある青に爽やかなセージグリーン。白地に糸杉や葡萄の模様が好みです。

ずっと何も書けずにいました。今も何もできない。あまりなことに、報道を見るのを避けてしまっています。どうぞ早く安定しますように。家族の暮らしを取り戻せますように。必要な医療を受けて教育の場も保障されますように。写真は私が出会ったシリア。(スキャンではなくアルバムを撮影しており不鮮明です)

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(ウマイヤド・モスク、アゼムパレス)

 ウマイヤド・モスク=ウマイヤ朝、705年。現存する世界最古のモスクであり世界最大級のモスク。「古代地中海世界を継承したイスラーム建築。高さ20mを超える豪壮な石造りで威風堂々、外観はまるで小さな要塞のように見える。歴史の痕跡を観察しながら外回りを一周するだけで小一時間を要してしまうほど、巨大かつ興味深いモスクである」〜『世界のイスラーム建築』(深見奈緒子)より

 アゼムパレス=1749年、オスマン朝ダマスカスの知事だったアスアド・パシャの邸宅として作られた。ダール・アラビーエ(伝統的アラブ住宅)の粋と言われる。

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 古代都市ダマスカスは、シリアの首都ダマスカスの旧市街に残る歴史的な構造物が登録されたユネスコの世界遺産(文化遺産、1979年登録)。エジプトとメソポタミアを結ぶ交通の要衝であり、紀元前3000年ごろから都市が形成しはじめたと考えられている。2013年にシリア騒乱による被害のため、シリア国内の他の5つの世界遺産とともに危機遺産に登録された。(wikipediaより)

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(マルーラ。キリスト教の村。BC6世紀頃から東アラビアやイランで広く使われていたと言われる古代アラム語が残っていることで有名。とてもきれいな村だった。岩山に立つ聖サルキス教会でスタッフの説明を聞いた)

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国境なき医師団への寄付(←クリックでリンク先に飛びます)
 「国境なき医師団は、シリア政府の活動認可を得られないまま、シリア国内で人びとに直接援助を提供している数少ない国際NGOとして北部で6ヵ所の病院と4ヵ所の医療センターを運営しています(2013年8月末日現在)。また、シリアから周辺国に逃れた難民に対しても、緊急援助活動を実施しています。国境なき医師団では、シリアに関連する活動の完全なる中立・公平性を確保するために、民間の皆様からの寄付金のみを活動財源としていますが、2013年に予定している活動予算の6割が不足している状況です」

 山崎やよいさんのブログ
長引くシリア紛争で生活基盤のすべてを失いつつある女性たちに『針と糸』で収入の道を開くプロジェクト「イブラ・ワ・ハイト」発起人。

 イブラ・ワ・ハイトfacebook
「かつて平和なシリアの家庭で女性たちがたしなんできた手芸。シリア女性達は、美しい、独特の刺繍の伝統を日常生活の中で守ってきました。今、悲しいことにシリアでは、家、仕事、一家の大黒柱、そして社会インフラも含めた、生活基盤の全てが失われつつありますが、女性たちの手には、まだその独特の刺繍技術が残っています。『針と糸』があれば、社会インフラが破壊された街でも、避難先の仮住まいでも、刺繍ができるのです」

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青のfacebook、復活

青のfacebook、しばらくお休みしていました。ヤマイのように青、青と思っていたのが、2ヶ月ほど憑物が落ちたような感じに。まあ、この夏が暑すぎて体力がついていかなかっただけかもしれません。ささやかに復活しています。この間の更新画像をアトランダムに少々。

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(上段上から順に::色絵三壺文皿、鍋島、17世紀/瑠璃釉青花楼閣図稜花大皿、明時代、17世紀/青花唐花文大皿、ベトナム、15世紀/九谷焼五彩呈色試験版 初代徳田八十吉)

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(上段上から順に::ナディール・ディヴァン・ベギ・マドラサ (ブハラ)/ブハラ旧市街の観光名所ではないモスク。ここがすごい!オリジナルタイルが見られる/ナディール・ディヴァン・ベギ・マドラサ (ブハラ)/ザンギアタ廟(タシケント))

facebookは、「インサイト」というかたちで、見た人や気に入った人の数等、いろんなデータが、ビジュアル的にわかりやすく表示されます。人気上位は、青のタイル装飾。これはうれしいです。

日本でタイルの話が思い切りできる機会は少ない。とくにタイル装飾の華、イスラムタイルの認知度が低いのは残念。こういう状況、もう長いですから、かなり諦めていましたが、もしかしてイスラムタイルを好きな人も少なくないかも。ちょっとだけ希望の灯が。小さなことしかできないけれど、コツコツ続けていこうっと!

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釉薬づくり

釉薬づくりのクラス受講を始めました。青、青と騒いでいるのに、あまりに何も知らない。基本の基本は知っておきたい。そして、自分の青を作りたいという野望がフツフツと。お世話になるのは、タイル作りを習った白金陶芸教室。

透明釉づくり=福島長石、赤坂石灰石、マグネサイト、韓国カオリン、福島珪石。
青の釉薬づくり=基礎釉+酸化コバルト、炭酸銅、酸化銅。

不器用な私、手仕事系がダメという残念人間ですが、人には何か取り柄があるはず。それが、「粉を量ること」だったことが、このたび、わかりました。妙に速いらしいのです。取り柄って、数が限られているものでしょうか。そしたら、そのカードの一つが「粉量り」って、どうなんだろう。摺ったり混ぜたり塗ったりも好き。楽しい釉薬づくり。今後が楽しみです。

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『わたしの名は赤』

コラージュの下段右は、、『わたしの名は赤』(オルハン・パムク)。文庫サイズの新訳版=右側の2冊。旧訳『わたしの名は紅』の難解な訳に対して、わかりやすいと評判の新訳。読むのが楽しみです。

以前のブログ記事で、旧訳の一部、好きなパートを、勝手に自分流に書いてみたことがあります。
 細密画師の幸福の闇 無限の空白の頁
 手が記憶だけで描く。黒羊朝細密画師アリの物語

「盲目は全生涯を美しさに捧げた細密画師にアラーの神が賜(たまわ)る最後の幸せである」「盲目の細密画師の記憶がアラーの神に到達したところには、絶対的な沈黙、幸福な闇、そして空白のページの無限がある」。オルハン・パムク氏、すごい作家です。


今回も、まとまりのない内容に。「中央アジア人」「タイル人」シリーズも、スタートしたいと思いつつ。陶芸家でありデザイナーであった日根野作三さんの展覧会図録も届いたし、日本のタイルもスタディしたい。銭湯のタイルも見に行きたい。ホレズム(ウズベキスタン)のタイルを見に行きたい。少しずつです。こんなブログですが、また遊びに来てくださいね〜♪
by orientlibrary | 2013-10-05 02:25 | 中東/西アジア