イスラムアート紀行

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タイル4兄弟=タイル、レンガ、テラコッタ、そして瓦!

今日は、「南アジア・東南アジアの瓦」というテーマの研究会に(いつものように一般人ながら)参加させて頂いた。上智大学アジア文化研究所・貿易陶磁研究会の主催。いつもながら、世の中にはいろんな研究があるなあと思う。好きな分野の専門的な話を聞くのが大好きなので、もうワクワク。「○○先生が掘られた○○」、、、代表的な動詞が“掘る”なんだなあとか、そういうことが興味深い。

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(ネパール・カトマンドウの民家の屋根/orientlibrary)

「アジアの瓦」は今のところメジャーな研究分野ではないようだ。特に海外では、「インドで“瓦を調べている”と言ったら“バカか”と言われた」「ベトナムでもあまり関心は持たれていない」等々、関心が低いという。

意外なことに中国でさえ、瓦研究はあまり進展していないそうだ。ゆえに収集、保存にも熱心ではなく資料なども少ないため、日本の研究者たちは苦労されているみたい。でも、発表、討議とも熱心で活発。焼き物の国、日本だからかなあと思った。

発表は、インドを中心とした南アジア、カンボジアのアンコール、ベトナムのメコンデルタなどの事例をもとにおこなわれた。とてもこれを一般人の私がまとめることはできない。研究者の方々が世に問われる機会をお待ちください。

しかし、私にとっては、やはり瓦はタイルやレンガと兄弟みたいなもの。また東南アジアのタイルは資料もほとんどなく、手がかりを求めていることもあり、触発される点が多かった。(以下2項目(*)は当日の発表より)

* 「瓦は、地中海沿岸では紀元前14世紀に、中国では紀元前11世紀に出現。焼成レンガは紀元前1世紀には出来ていたようだという。インドなど南アジアの瓦には、<古代インド様式=長方形。紀元前3世紀から1世紀に北〜西インドで出現。汎インド的に広がるがその後衰退><「フラットタイル様式=平板なもの、7世紀頃に出現><ローマ様式=コの字型と丸形、18世紀以降に伝播>などの様式の展開が見られる。」

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(インド・ヒマーチャルプラディイシュ州・民家のスレート屋根/orientlibrary)

* 一方、カンボジアやベトナムなど東南アジアの瓦は、<中国様式=紀元前より採用><フラットタイル=7世紀頃出現か?><ローマ・クメール様式=7〜8世紀伝播?9世紀にクメール様式として昇華した>などの展開を見せた。「南アジア、東南アジアでは、上記のフラットタイル(タイルという名前だが、あくまで瓦)を基軸として展開、各地の王朝や国家の成熟期に発展し、経済などの低迷と同時に瓦文化も衰退するという特質が見られる」とのことだ。(研究:大谷宏治さん)

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(スレートを内部から見たもの。どうやって止まっているのかわからない。ご存知の方、ぜひ教えてください/orientlibrary)

あれっと思ったのは、ネパールの瓦。古代インド様式が7世紀以降衰退し、限定された地方様式となったが現在まで残っており、それがネパールのカトマンドウ盆地であるいうこと。会では愛知博での再現写真を紹介されたのだが、、「これ見たことある!写真持ってる!」ということで、さっそく掲載(写真・上)。

&なんで瓦ができたの?ということの雑談の中で、「木の板やヒマーチャルプラディーシュにはスレートもあるし」という会話を耳にした私、「スレートの写真、あるある!」ということで、これまた掲載(写真・中と下)。瓦に開眼!
by orientlibrary | 2005-12-04 00:42 | タイルのデザインと技法