イスラムアート紀行

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絨毯織り体験、生命の樹、発色銅器、太陽、農パワー!

またまた時間が経ってしまいました。訪問してくださった皆さん、ごめんなさい。こんなペースのブログですが、どうぞよろしくお願いします。今回は前回の「6」に続き「8」、、のつもりでしたが、その前に、トピック的なものを一気にまとめようと思います。話がいろいろ飛びますが、おつきあいくださいね。

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ミニ絨緞織り体験

まずは、絨緞織り体験のこと。以前、「ミニ絨緞作り」の様子をご紹介したことがあります。織り機はザルそばの容器の枠!しかも100円ショップのもの。手仕事クイーンTさんの工夫魂が冴えまくり!が、そのときは見ているだけ。今回ひょんなことから開催となった体験会、私も挑戦してみました。

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(先生はクイーンTさん。上段左がザルそば容器時代、真ん中が進化した新型織り機。Tさん手作り!最適なサイズを工夫し木材をカットして金具などで組み立てています。ホントにすごい人です。右下が3人の完成形、コースターサイズです。iPhone置きにもピッタリ!サソリ文様2名、ニワトリ文様1名)

先生が縦糸を張り下部のキリム織りまで準備してくださるという恵まれた環境。生徒はまず毛糸を選びます。深く考えず即決で選んだ縁の色=茶色、地色=白、文様の色=青。結び方はトルコ結び(対称結び)。必死で一段結び終え、横糸を通して固定。この程合いが難しい。固すぎてもダメ、緩すぎてもダメ。なんと数センチ編み上がるのにに4〜5時間かかりました、、、

さらに驚愕したのは、私が図面(マス目)を読めないということでした。というより、私以外の人が何の問題もなく読めるということを人生で初めて知りました。めげてもしょうがないので、マス目の色を文字情報に直しノートに記載。これでスピードアップ。最後にキリム部分を作り、縦糸を結んで終了。時間はなんと、、7時間半ほどもかかっていました。その間、生徒3名、お茶やおやつもそこそこにトイレも行かず。この熱中は自分でも意外。

生徒のうち一人は男子。日本初の「絨緞男子」誕生です。「嫌いじゃないです」って、上手いよ、、(画像右下の真ん中緑色の作品)。先生も感心。絨毯織りが趣味とかになったら、かなりすごいよ、S君!オリエントは左の白地のもの。これって染付、、無意識に色を選んでこうなるって、、頭が青。

バローチ絨緞女王mzさん作品は、バローチ愛の鳥文様がイキイキ!mzさんのブログにも「絨毯織りのおけいこ」として画像とともに、プロセスや織り方が詳しく紹介されています。T先生、同期の?皆さん、ありがとうございました☆

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イラン 生命の樹

絨緞の故郷イラン。イランのテキスタイル、ファッション、カリグラフィー等の展示がありました。「sarv サルブ 生命の樹」(青山グランピエにて/展示は6月30日で終了)。

「イランで活躍するクリエイターが作り出す、生命の樹や庭園をテーマにした作品は、古代アート先進国ペルシアへのオマージュ。神戸ファッションミュージアムと、京都グランピエ丁字屋に続く三度めの展示会です」

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(更紗、カリグラフィーなど。稠密!カリグラフィーにも感嘆〜実物は数m縦横の大きな作品です。服は写真がないんですが、更紗ロング丈や長い袖口が優美でした)

デザイナーであり、テヘラン芸術大学テキスタイル科で教えるモジュガンさんとも、いろんなお話ができました。イランの伝統工芸やアートへの敬意、自らのミッションとテーマへの邁進。包容力のある人柄とともに、その熱情が多くの人を巻込み、風を生み出しているのだなと感じました。

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(グランピエにて。チャイグラスと丸いカーブの小皿、インド更紗のコースターが素敵でハマった。同行の数人も、それぞれたくさんのコースターをゲット。小さいものってかわいくて数が欲しくなる、、上段右2点はイランの布だったと思う)

イランとインドがコラボしたかたちの展示。ムガルのテイスト。私がムガルが好きなのは、ペルシア(文化的影響が大きい)×中央アジア(初代皇帝バーブルはフェルガナに出自)×ヒンドゥスタン(独特の濃い感性と超絶手技)を感じるから。インドとペルシアが融合したテイストに目がない私にとって、うれしい展示会でした。(*7月6日からは、「abr アブル ウズベクの雲」と題して、kannotextileの作品と中央アジアの布の展示販売がスタート。19日まで)

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高岡銅器の青銅色

日本の工芸、こちらもまた最高です。
銅像、梵鐘、仏具等の銅器生産で歴史と伝統のある高岡市(富山県)は、日本における銅器生産額の95%程も占めるとか。ここでも新たな技法や取組みが生まれています。創業以来、銅器の「着色」を手がけ(銅器生産の行程は分業化されている)、昨今はその発色技法をインテリア用品やクラフトなどに生かして話題を呼んでいるのが「モメンタムファクトリー・Orii」。その展示と活動紹介が東京のギャラリーでありました。

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(「青銅色・煮色・宣徳色・鍋長色・朱銅色・焼青銅色・鉄漿色(オハグロ)等。いろいろな技法・薬品の組み合わせで数十種類もの色のバリエーションを作り上げております。これらの色の発し方(出し方)は先人方が試行錯誤を繰り返しながら研究し、開発してきた大切な財産であると思います。これら着色技法は、実に利に適った手法で、自然に背を向けず、ブロンズ・真鍮といった、銅合金に自然調和した着色法です」(OriiHより引用))

富山生まれの私ですが、正直言って銅器にはこれまであまり興味がありませんでした。なのに知って速攻出かけた理由、この青。深みのあるトルコ青と銅が織りなす色合いと表情。実物の質感が写真で出ないのが残念です。

「青銅色は、銅素材の自然腐食・錆色を人為的に発色させる技法です。緑青(銅錆)を短時間で俄かに発生するには様々な薬品、技法を使います。丹礬酢・硫酸銅・酢酸銅・塩化アンモンといった薬品を調合し、時には加熱しながら、時には日光の下で塗布し、何度も何度も繰り返し塗布、ふきあげを行うことによって自然に形成された緑青に近い酸化被膜を表面に発生させております」(Orii HPより引用)

ニューヨークでの見本市にも出展したOrii 。新しい工芸の世界をどんどん開いていってくださいね。応援してます!

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ソーラークッキング

話は変わって、太陽です。独立型ソーラーシステムを作る会に行ってきました。この分野、ほとんど接したことがない&理科系苦手の私、無心に参加。でもシンプルな作りで、ホームセンターで買ったもので作れることや、どのくらいの電気をまかなえるかも教えてもらい、苦手意識減になったのが良かったです。

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(あっと驚いた干しエノキの旨み。サツマイモもしっとりした仕上がり)

そして、非常に気になった&気に入ったのが、お楽しみ編のソーラークッキング。干しエノキはTVでも紹介されたらしいですね。初体験の私、見た目がひからびた糸みたいなエノキなのに、「スルメ要らずです」と言われ半信半疑でしたが、、本当に旨い!お酒にも合いそう。太陽の下2時間くらいでこんなになるのなら、高価なおつまみ?も不要。サツマイモはしっとりして甘い。

このときはガス台のアルミシートと市販のソーラークッカー使用。ソーラークッカーっていろんなものがあるんですね。びっくり。

これはウズベキスタンに持って行かねば!肉類苦手の私は外食で苦労します。食べるものがない。野菜をボイルしたりゆで卵を作ってナンでサンドにすればいいんじゃないの!?すっかりイメージが広がっていました。が、風での転倒や、光が集まりスクーターの車体が溶けた例などが報告されているサイトを見て、移動中の車内で燃えたらどうしようと心配に。ウズの陽射し、ハンパないですから、、しっかり検討しなくては。。

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日本の若き帰農家たち

このところ、「世界が食べられなくなる日」「フードインク」「よみがえりのレシピ(山形県の在来作物と種を守り継ぐ人々のドキュメンタリー映画。若い監督による素直でしなやかな作品。印象が深く残る)」など、食(食糧〜安全)関連の映画を観て、衝撃を受け、また地道な取組みも知り、いろいろ考えさせられました。野菜作りなどにも興味があります。
そんななか、「これからの農業 日本の若き帰農家たちと語り合う」というトークイベント、興味を持ちました。テクノロジーやカルチャーの雑誌&WEBサイト『WIRED』の主催です。「みんなが農業をやる時代が来る!」というパワー炸裂の90分でした。

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(植物工場のやさい。色が濃くて瑞々しい。有機のキャベツ、やわらかくて甘みがある/満員御礼、若い人中心に150名以上かな?/植物工場のアイスプラントとバジルをリシタン皿に。シャキシャキして味もしっかり。アイスプラントは「海水と同程度の塩化ナトリウム水溶液中でも水耕栽培が可能」とか。塩味があるのでドレッシングも何も要らない。ハマる食感)

登壇者4名は、いずれも大学院の研究者から転身。日本の人工光型植物工場の普及を目指す/世界中の最先端農業技術をリサーチしさまざまな企業に提供する/研究者から有機農家へと転身して無農薬野菜の栽培を行う/この秋からインド・バンガロールで日本の農業技術を広めようとする/とアプローチは異なるものの、農業はビジネスとしても有望とのスタンスで世界の市場をターゲットとし、フットワーク軽く、プレゼン力高く、世界を飛び回り、朝3時半から畑に出ています。

いくつかのコトバを抜粋。
「農業への参入は、すごくハードルが低いのに、誰も行かない。参加させないオーラがある。農家は超大変という罠。大多数の人が何となくダメかもと思っている日本独特の空気。若い人が関係ねえよと言って入っていけばいい」
「小さく細かく作る人たちが出てくれば変わる。庭先でちょっとずつ野菜作り。みんな物々交換するようになる」
「(千葉で農業をやっているが)農家に補助金出すのやめろよ。放っておいてくれれば、やろうと思ている人たちはやる。(イヤという人がいれば)集約して生産力のある農家がやればいい」
「(インドに行くが)農業はどこでやってもいい。どうせやるなら食糧が足りていないところでやろうと思った。ボーダーを超えて行くのは若い人間しかいない」
「インドでは日本が誇るイチゴ「あまおう」を甘くないと言う。シロップやコンデンスミルクをつけてしまう。繊細な甘さが通じない。日本で考えているモデルが通用しない。場に合わせて、高価ではないイチゴに変え、シロップをつける売り方にした」
「オーガニックフードからローカルフードへ。有機が普通に普通のスーパーに並ぶのが理想」
「旅行に行くときに、農場に行ってみようとかスーパーの野菜売場を見るとか、目的を持つと景色が違ってくる。そんなところから始めてみては」
等々、絶好調。が、最後の質問で出た「遺伝子組み換え」には、全員歯切れが悪くなってしまいました。「科学的には問題ない」は全員一致。高まる消費者の不安感や、風で飛んでいく花粉が引き起こしている問題などもあり、弁の立つ人たちをもってしても、短時間では語りきれない問題なのでしょうね。う〜ん、謎は深まる、、

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けっこう長くなりました。最後に農業つながり的なコラージュです。次回テーマは「8」の予定です。

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(ウズのフルーツ、メロン食べたい!/フェルガナのハーブ園/ベリー系?/庭でドライフルーツ作り。小規模でもそれぞれが少しずつ作るというのが大事なのかも/キルギスの畑作、かなたには天山山脈)
by orientlibrary | 2013-07-03 20:56 | 日々のこと