イスラムアート紀行

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アフガニスタン、映画で伝える希望

アフガニスタンに行ってきました?! 大田区池上で開催された「アフガニスタン映画祭」。2時過ぎから9時まで、なんとアフガニスタン映画9本、うち1本はオムニバス、4本はドキュメンタリーというヘビーさ。プラス1時間のシンポジウムで、7時間まるごとアフガニスタン!

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映画は、60年代のものからタリバン政権崩壊後に作られたもの<。どれもずっしりと重く、近年から現在のアフガンを表現している。例えば・・・『シャブナム」=両親と家をなくしたが孤児院も満員で入れてもらえない少女、両親の墓に一個のリンゴを半分に割って乗せるシーンから始まる。

サクリファイス」=母親が残してくれたヤギを病気の弟のために生け贄に差し出さなければならない、宗教指導者が頑固。

石打ち刑」=悲惨このうえない。村のヤクザに暴行された未亡人が出産、石打ち刑を言い渡される、その上ヤクザは彼女の13歳の妹と無理やり結婚する。

ストレンジャー」=田舎で仲睦まじく暮らす夫婦、地主が外人の客人に聴かせるために歌のうまい妻に無理やり歌わせたことから悲劇が。

もっとも迫力があったのは、ドキュメンタリーの『パミールの大地」。高度3500〜4500mというパミール高原に住む人たちの暮らしや伝統を、今年の選挙前の時期に取材。アフガンのクルーでさえ初めて撮影に入った地域であり、大変貴重な映像。季節外れの大雪の投票日、村の人は選挙を楽しんでいたが、雪のためか女性の投票率は2%と低かった。
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長時間、重い映画を見続けたわけだが、けっして苦痛ではなかった。いずれもときには命を張って真摯に作られており、伝えたいものがずっしりとくる。アフガニスタンの自然や住まいなども垣間みられた。見る機会が持てたことに感謝している。

タリバン政権崩壊後、映画製作は大変活発になっているという。機材はソニーなどの小型デジタルビデオを使用し、Macなどで編集。フィルムと比べて制作費が半分から3分の1になり、このようなデジタル化が活発な映画製作の背景にあるようだ。また、映画は読み書きのできない子供などの教育にも役立っており、ユネスコなどの支援で多数製作されているという。

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印象的だったのは、ゲストで映画制作者であるアフガン・フィルムのラティフさんの、「映画は希望だ」という言葉。多くの製作者が国外に逃れていた時代を思うと、映画を作れること自体が喜びであり、メッセージを伝えられること、受け取れることが希望なのだ。

絶望的な内容の映画であっても、自由を求める気持ち、生命を愛おしむ気持ちが、迷いなく強く伝わる。エンタテイメントな映画とはまた違う、映画を見る喜びがあると思った。

*写真はパンフレットより引用
by orientlibrary | 2005-11-27 01:52 | ウイグル/アフガン