イスラムアート紀行

orientlib.exblog.jp

青TODAY@テーブルウエアフェスティバル/悲願のウズ本&口琴ライブ

東京ドームいっぱいに、日本の陶芸産地、海外ブランド、アンティーク、テーブルコーディネートコンテスト発表展示などが繰り広げられる「テーブルウエアフェスティバル2013」。漫然と見ていると、たくさん見た〜で満足してしまうので、今年は軸を「青」に絞り、各地、各ブランド、各工房の青の表情を見ることに。結果、あらためて、やきものでの青色の比率の高さ、とくに日本のやきものでの青比率の高さと青の表現の多彩さに感じ入りました。

今回は写真中心に、フェスティバルの内容紹介ではなく、好きなもの、気になったものを選んでの青の陶器のご紹介です。産地やブランドと写真の照合があやういので、記載しない方が確実かと思い、日本、海外くらいの記載とさせて頂きます。すいません。

e0063212_21591740.jpg
(日本/多治見?/若手作家の明るい青の表現。女性好みのイラストや色合い、清潔感のある可愛らしさ。昨年のフェスで一番勢いを感じた多治見、今年も多彩な器形、鮮度のある色合いとデザイン、そして暮らしに溶け込み愛着を持って使われそうな器群で見応えがあり、安定していました。手の届くプライスもうれしい。)

e0063212_2210407.jpg
(日本/波佐見/大きなブースで賑わっていた波佐見。今の暮らしに似合う多彩な青。プレゼンテーションも商品がよく見えて勢いが伝わります)

e0063212_22165071.jpg
(日本/有田?/上段左:「JAPAN BLUE」というブランド名。豊かな水に恵まれた日本の水の清冽さを表現する試み。何度も吹き付けを重ねて青に深みを出しているとのこと。右も買いやすい価格だったと記憶。薄手で涼しげ。下段も有田だったと思う。デザイン性の高いものなど、様々な取組みを紹介。下右はレンジOK)

e0063212_2211797.jpg
(海外/このところ雑貨店でよく見かける北欧陶器。青い小花模様は女性好みの王道。手の届く価格帯。まだまだ人気が広がるのでは。有名ブランドもカジュアルな青使い。白の中の青がスッキリと涼しげ)

e0063212_2214686.jpg
(海外/フランス、イタリアなどの陶器とガラス。青の色味が違うことを感じます。日本はこのターコイズブルーではなく、もう少し紫系の紫陽花のような青、または水色。紺色もこのような重厚なものではなく、軽みがあります。同じ青で同じ色番号だとしても、素材や表現で微妙に違うのだろうなと感じました)

e0063212_2283670.jpg
(日本/ガラス、ワインクーラーなど/小樽など/ガラスも日本の青と繊細でやさしい自然モチーフが生きていました。コバルトブルーのどっしりしたテーブルと椅子も和のカフェなどに良さそうです)

e0063212_2244122.jpg
(日本/三川内焼/以前衝撃の出会いとして書いた「長崎みかわち焼」。三川内焼の工房出展、細密な絵付けで淡い色合いの染付が見事でした。海外に紹介したい絵付けです。今回思い出してみると、三川内焼、見たことはあったようです。渋谷ヒカリエでのプレゼンテーションが、鮮度高く強烈で、初めて見た感を抱かせました。プレゼンテーションや展示設計、演出、本当に本当に大事だと思います。今回も、有名産地でも技術が素晴らしい工房でも、プレゼンテーションが従来型のところは残念ながら魅力が発揮されていませんでした。もったいなさすぎます)

e0063212_2251076.jpg
(日本/ノリタケ、1904年創業/日本初のディナー皿を開発。ディナーウェアを主体に日本の洋食器産業の礎を築いてきたノリタケ。今回は日本で人気をよんだスイーツの歴史と合わせてのプレゼンテーションでした。華美で重厚な青が印象的なティーセット。すみれ色系と青の組合せも可憐)

e0063212_22293943.jpg
(日本/大倉陶園、1919年創業/日本のブランドのプレゼンテーション、上質で洗練されていました。自分には縁遠い華麗豪奢さですが、美しいものとしてスッと受け入れることができます。ぼかしのある青は、大倉陶園独自の技法「岡染め」によるもの。釉をかけて本焼成した白生地にコバルト絵具で絵付けし、再度1460度の高音で焼成。この間コバルトの青色は釉薬と柔らかに融合し、釉面に絵具が滲透。絵具の拡散により独特のぼかしができるそうです。中央アジアの絵付けを見慣れていると、日本の手描き絵付けの精緻な優美さは逆に新鮮です。イスラーム陶器は幾何学模様や様式的な植物模様が多いですが、自然への敬意や共感を描ききるような日本の絵付けには、しずかな力が満ちているように感じます)

e0063212_223245.jpg
(日本/幸兵衛釜/やはり目が止まります。ペルシア陶器の研究、ラスター彩の復元で有名な六代加藤卓男さんの幸兵衛釜。七代加藤幸兵衛さんのラスター彩も見事。今年の夏、テヘランの博物館で展覧会が開催されるそうです!イランの方々に、日本陶芸、日本のラスター彩をぜひ見ていただきたいと思います。商品が一堂に紹介された今回、セルジューク朝的な青に黒彩のもの、生命の樹などをモチーフにしたペルシア色絵のシリーズがやはり素敵でした。星座別の絵付けタイルも洒落ていて、立てかけたり壁に掛けたりできるようになっていました。このあたりがウズのタイルでは難しい。いろんなことを総合して、やきもののレベルが世界一高い日本、誰もがやきものを見る眼があり暮らしに溶け込んでいる日本で、中央アジアの陶器やタイルが「商品」として動いていくのは、簡単ではないと感じました。食品衛生法も課題。ただ、ウズベキスタンのざっくりした絵付けと日本にない青が、人気があることも確か。飾り物としての道はありそうです。アントレプレナーが出てくれば、、/今回のお買い物は幸兵衛釜で、下段右の湯のみと星座タイル☆)

-------------------------ー-------------------

この本、欲しかった、、「Uzbekistan: Heirs to the Silk Road」。買おうか迷っている間に絶版になり、今ではものすごく高額になってしまって、とても手が出ませんでした。(Amazon現時点で、新品82,000円強、中古20,000円強。海外からの輸入にて)。

e0063212_22215969.jpg

その本が、現在、私の横に(狂喜)。この幸運がなぜ訪れたかというと、、先日、ある大学の研究室におじゃました際、たくさんの方々の濃くて楽しい会話を聞きつつ、壁面を埋め尽くす本の中に、何か磁気を発している存在を感じたのです。それがこの赤い表紙の「Uzbekistan」。「ブックオフで安かった」とS先生。

思わず抱え込み、必死で見る私。「絶版なんですよ、、高いんですよ、、」とうわ言のように繰り返す私に、寛大なS先生、「1年間、貸してあげましょう」。狂喜しつつ、まだ見続ける私。先生「、、あげようか、、」即答「ありがとうございます!!!」

魅力なのは、例えば陶芸で18〜19世紀のリシタン陶器の写真実例があること。数少ない書籍でも、10〜11世紀、ティムール朝、そしてソ連崩壊後の陶器で、間がない。ソ連時代末期のパンフレットは偶然入手したけれど、18世紀頃は空白のゾーンでした。現在興味を持って資料を探している絣布「アトラス」なども図解と模様実例が豊富。細密画、金属加工、建築、室内装飾、服飾小物など、全体クラクラです。

寛大なS先生に幸あれ!神のご加護を。約束通り、今後、この本の内容を紹介したり、得た知識を何らかの形で生かしていきます!ありがとうございました!! (今後定期的にブックオフをチェックします♪)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

画像下段、『口琴のひびく世界』(直川礼緒著)。「中央アジアの音楽 テュルク・ミュージック・イン・トーキョー」での直川礼緒さんの口琴に圧倒され、ずっと気になっていました。ご縁があって日本口琴協会の定例会に初参加。Steev Kindwaldさんライブ、共演:立岩潤三さん(パーカッション)。強烈に素晴らしかった。現時点では、まだ言葉にできません。ことばになるのは、まだ先だと思います。

口琴については、内心「やばい」と思っている面も。素朴の極致のような楽器、けれども音世界の深さは無限とも思えます。価値観、生き方が変わるくらいに。なので、当面は隅の方でひっそりと聴いていようと思います。
by orientlibrary | 2013-02-11 22:33 | 日本のタイル、やきもの