イスラムアート紀行

orientlib.exblog.jp

蛇絵画、カシミアショール、西域美術、、博物館で工芸旅

2013年、「イスラムアート紀行」は、西アジア〜中央アジアの装飾タイル、加えて日本を含めての工芸、やきもの、土、染織などを、もっとスタディしていきたいと思います。「青」のテーマもより深く広く知っていきたいと思っています。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

せっかくなので干支にちなんでと思いますが、蛇、巳は、ビジュアル的になかなかむつかしいですね。リアル蛇も、以前動物園で模様の美しさに惹かれ、たくさん写真を撮ったんですが、iPhotoに入れてみると引いてしまい、消去してしまいました。けっして蛇が嫌いではないし、怖いとも思わないんですが、、ビジュアルとして難しい、、

そんな蛇に、東博が挑戦していました。「博物館に初もうで-巳・蛇・ヘビ」。「ここトーハクに140年をかけ巣食ってきた蛇たちが、いま結集しました」ということで、蛇にちなんだ絵画、彫刻、工芸品などを一堂に集めています。

e0063212_20413798.jpg
(左:胆松に白蛇/江戸時代、19世紀/販売目的ではなく配りものとして制作された版画を摺物と呼んでいる。新春を寿ぐ絵と狂歌を合わせた春興摺物として制作して交換することが江戸後期の趣味人に流行した。弁天様の使いとされるめでたい白蛇が松の木に絡み、朝日が昇っている) (右:岩山に坐す蛇使いの女/インド、北デカン/19世紀後半/音楽を表すラーガマーラ絵画の一つ。アサヴァリ・ラーギニーでは、孔雀の羽をつけた女が白檀の木の下に坐り、周りに蛇たちが集まってくるという図像が一般的である)

「蛇はときに、神のお使いとして、毎日のくらしの安全を守り、富をもたらすものと信じられました。また昔話や神話にもよく登場し、ふしぎな力をふるいます。日本に限らず、いろいろな時代と地域で、バラエティ豊かな蛇が絵に描かれ、形づくられてきましたが、そこには「おそれ」と「うやまい」の入りまじった、複雑な感情があらわれているようにみえます」(東博解説)

-------------------------ー------------------

お正月らしく、おめでたい模様、美しい模様を、東博展示から見てみましょう。和の手仕事、細やかで優美ですね。

e0063212_204218.jpg
(左:打掛/白綸子地松竹梅宝尽模様/江戸時代、18〜19世紀/麻葉繋ぎ文に菊花文を散らした地紋を織り出した綸子に紅・萌黄・鶸色・浅葱・白といった絹糸や、金糸で刺繍を施した総ぬいの小袖。松竹梅や宝尽くし模様要など吉祥文で埋められた晴着) (右:唐織/紅白段牡丹若松孔雀模様/江戸時代、18世紀/日本では牡丹は「顔佳花」と称され美人をして「立てば芍薬、座れば牡丹」とたたえられた) 

-------------------------ー------------------

さて、この東博、東洋館がリニューアルオープン!待ってましたよ〜。耐震が主目的だったようですが、全体に明るくなり展示も見やすくなっていました。展示ケースに使用された低反射ガラス、LED照明で、作品がクリアに見えるのがうれしい。アイランド型というのか何というのか、四方から見られるのも陶器の場合、とくにありがたいです。

現在、特集展示として「アジアの染織 カシミア・ショール」開催中。きれいでした〜!「インド北西部・カシミール地方に生育するカシミヤ山羊から採取される上質な毛糸をさまざまな色に染め、綴織や刺繍で細密な模様を表わしたカシミヤ・ショールを中心に展示します。同時代のイラン・ケルマン地方で製作されたカシミア・ショールやインド・ムガル王朝やイラン・サファヴィー朝の衣装も併せて展示しますので、華麗な王宮のイメージをお楽しみください」。

e0063212_20435012.jpg
(カシミア・ショール 赤地ペイズリー菱花文様刺繍/イラン・ケルマン/18~19世紀/鮮やかな緋色のカシミヤ地に色とりどりのカシミヤ毛糸で刺繍。インド独特の植物文であるペイズリー文様。本来カシミヤショールは綴織だが、ヨーロッパで人気が高まり需要が増えるにしたがって、刺繍で量産を試みるようになった/cashmere shawl, paisley, lozenge and flower design in embroidery on red ground)


e0063212_20445714.jpg
(コート 濃紺ヴェルヴェット地花卉文楊金銀糸刺繍/インド・ジャイプール マッダ・シーン2世着用/19世紀/つややかに光る黒いベルベット地に金モール糸で豪華な刺繍を施し、ルビーや真珠、エメラルドといった貴石でまばゆいばかりに装飾されている/coat, flower design in gold and silver in embroidery on deep blue velvet ground)


e0063212_20441719.jpg
(カシミア敷物 赤地ペイズリー立木孔雀人物文様刺繍/イラン・ケルマン/19世紀/18の半ばから19世紀にかけてヨーロッパで絶大な人気を博したカシミール地方のショール。19世紀にはイランのケルマン地方でも模倣して作られるようになった。伝統的な立木文様に鉄砲を持つ兵士が刺繍された近代的感覚を加えたデザイン/cashmere carpet, paisley, tree, peacock and figure design in embroidery on red ground)


e0063212_2044386.jpg
(カシミア壁掛 赤地ミフラーブ文様切嵌刺繍/インド・カシミール/18~19世紀/イスラム教礼拝用の壁掛けに用いたと考えられる。彩り豊かな毛織物を文様の形に切り、地にはめ込み、さらに輪郭を色糸で縁取りした手作りのぬくもりが感じられる作品/cashmere hanging decoration, floral scroll design in embroidery on red ground) これ好きでした〜^^


e0063212_20451741.jpg
(カシミア・ショール裂/18〜19世紀/fragments of cashmere shawls)

-------------------------ー------------------

期待の西アジア美術、、少ないなあ、、以前は展示スペースが狭いからないのかと思っていた、、工事中は仮だからなのかと思っていた、、広い場所に正式に置いても数は少ないのね、、。「3か月に一度入れ替えをします」ということだけど、たぶん、私が期待している陶器は元々これ以上ないのでは??これまでいくら見ても、これだけだったもの。もう覚えてるよ(泣)。エジプトはまあまあ多く、考古学的なものもある程度ある。でもイスラーム陶器は東博には少ないということですね。中国陶磁、朝鮮陶磁は多彩ですよ!もちろん日本の陶磁器はすごいです!、、そういうことですね。旅をしましょう。

e0063212_20453412.jpg
(左:西アジアの美術、、)(右:青釉色絵金彩大壺/イラン出土/イスラーム時代・13~14世紀/この青が大好きです。この作品だけ別格で一点だけの展示に)


今年もミュージアム、ギャラリー、展示会やイベントに、どんどん出かけてレポートしたいと思います。&今年は陶芸産地も巡りたいな。日本の産地は全然見ていない。これは大きなテーマ。イラン、トルコ、ウズベキスタン、インド、パキスタン、中東、マグレブも、もっともっと見たい。
今年も遊びにお立ち寄りくださいね!^^
by orientlibrary | 2013-01-06 21:05 | 中央ユーラシア暮らしと工芸