イスラムアート紀行

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青い陶の花たち/ミントンタイル展/青の景セレクション

クリスマスシーズン、強い赤と緑と白、どこにいっても流れている同じ曲、強制的テンション揚げ揚げモード後、見渡してみると、やはり青系に目が止まりました。
フィンランドのライフスタイルブランド「マリメッコ」のテキスタイルデザイナーとして世界的に知られる石本藤雄さんの個展「石本藤雄展 布と陶 −冬− スパイラルガーデン」(東京・青山)。

石本さんの「マリメッコ」での作風は、フィンランドの自然を題材にしつつ日本的な感性も感じさせます。また、フィンランドの陶器メーカー「アラビア」にて、自身のライフワークとして想像上の草花や自然の風景をモチーフとした陶芸作品の制作を続けているとのことで、今回は布と陶をともに展示しています。

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(写真撮影とブログでの紹介は、個人のブログでの節度ある内容をということで、OKを頂いています)

スパイラルガーデンの吹抜けの螺旋状空間を贅沢に使った展示。黒や白のもの静かな陶芸作品は、夜の蓮池やその水面に映る月をイメージ。「凍てつく冬景色を想起させる極限まで色彩を押さえた空間がひろがります」。

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ギャラリーの白の壁面には伸びやかで個性的な陶の花が咲きます。造形もイキイキと魅力的なのですが、印象的なのは色合い。同じ青でも、西アジア中央アジア等の明快で強い青とは異なる世界。深みがあり控えめながら芯の強さを感じさせ何か語りかけてくるような青に、共感しました。

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赤や緑も華やかですが強すぎない淡い色合い。モチーフに合わせて土の質感が変化しているのも面白かった。
フィンランドデザインは最近注目されているようです。日本人が世界のデザインや工芸の第一線で存在感を持って活躍しているのはうれしいですね。

「石本藤雄展 布と陶 −冬−」。会場:スパイラルガーデン/会期:〜2013年1月14日(*12月30日~1月4日までは休館)。


↓下のコラージュは、上段3点が引き続き「布と陶」より。石本氏作品のファブリックや生地サンプル展示です。
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中段は、中央アジアの布を使った衣服を作っているカンノテキスタイルの展示会場にて(展示は終了)。ウズベキスタンの絹織物を作る職人さんたちが腕を競って取組んでいる大胆な「復興柄」(一時途絶えた柄のリバイバル)も現地から届いていました。シンプルな新柄もテキスタイルとしての魅力がたっぷり。今後の展開が楽しみです。

下段は、カンノ展示会場にて。トゥバ音楽演奏家・寺田亮平さんのブーツ!皮の模様がカッコ良く、裏にはトナカイの毛皮が張ってありとても暖かいそうです。中央は口琴ケース。模様「オルチェイ」はトゥバでは「幸せ」を意味するそうです。右はトゥバ語の歌詞。寺田さんはトゥバ語の話者でもあります。

寺田さんたちが準備中の「中央アジアの音楽 テュルク・ミュージック・イン・トーキョー」は1月27日開催。詳細はこちらです。なかなかない機会!草原の風を感じるひとときになりそうです。


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イスラームのタイルに熱狂の「イスラムアート紀行」、それ以外のタイルはほとんど登場しませんが、現在東京で開催中の英国タイルの展覧会を見てきました。「ミントンのタイル 千変万化の彩り」。会場:渋谷ヒカリエ 8階 8/CUBE 1,2,3/会期:~2013年1月7日(※1月1日は休館)。

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19世紀イギリスの陶磁器メーカーMINTON(ミントン)の美しいタイルを紹介するもの。ミントンは中世ゴシックの象嵌タイルや、色鮮やかな「マジョリカ釉」開発など、新しい技術の開発に積極的に取り組みました。タイルが人々の暮らしの中に取り入れられたという面では功績大ですよね。

イスラムタイル偏愛を公言しているオリエント・ライブラリー、くすみと濁りのある色、過剰装飾のヴィクトリアンタイルは最も苦手で見ることができません。でもミントンくらいになると、一巡して見ることができ、勉強になりました。手描きタイルの一枚は、とても好きで見とれました。転写タイルと手描きタイルは違うもの。それぞれに良いということでしょう。

以上は個人的感想であり、存在感の強いイスラムタイルよりむしろ、このようなきれいなタイルを好まれる方が日本では多いと思います。歴史有るタイルの本物が一堂に揃い、系統だった説明があり見やすいです。東京での開催は貴重ですよ!ヒカリエは渋谷駅直結の便利な場所。オシャレなお店も集結しています。お正月休みにいかがですか!?


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スタートして10日間くらいたった青のfacebook「青の陶器とタイル好き* blue ceramic museum」。勉強を兼ねて、一日1題にチャレンジ中。どんなフォーマットがいいかも試しています。投稿も系統だっていません。そうすると、逆に、反応の強弱が見えてきて興味深いです!

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(10日間にアップした主な青=タブリーズのブルーモスク/トルコ・イズニックの水場/サマルカンドのシャーヒズインダ廟/ブルーモスク本の青/青の魅惑展(facebookはこの写真じゃなかった、、アップしたのはメフメットさんのコーナー。こちらはアディルジャンさんコーナー)/シャーヒズインダ廟浮彫り/リシタン陶器/シャーヒズインダ廟雫型モザイク)

今のところ、人気No.1はサマルカンドのコバルトブルーの壁面タイル。続いてタブリーズ・ブルーモスクのコバルトブルーの壁面モザイクタイル。
どうもコバルト青に惹かれる方が多いようです。暮らしの中にある藍染めや染付、このあたりが日本人の青の好みの底流にあるのではという気がしてなりません。トルコ石青は、むしろエキゾチックな色なのかもという気がしています。

来年も引き続き青道邁進です!
今年一年、ご訪問どうもありがとうございました。お礼申し上げます。
年末年始、お元気でお過ごしくださいね。
どうぞ良いお年をお迎えください。
by orientlibrary | 2012-12-28 15:42 | 日本のタイル、やきもの