イスラムアート紀行

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自然とともにあるやさしい秋模様、にほんのやきもの

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ガザ停戦が現地時間21日午後9時、成立しました。

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(以下、「アル・ジスル パレスチナ最新情報」より一部引用)
とりあえずガザ攻撃は停止されました。しかし、170万人を閉じ込める「天井なき牢獄」ガザ地区の状況は変わりません。今後、合意に基づき、封鎖解除、自由通行の協議が始まりますが楽観はできません。そもそも、1967年6月以来の西岸・ガザ地区の占領が続く限り、パレスチナ人の完全な自決権が認められない限り、そして、1947ー48-49年の「ナクバ」の被害者が無視される限り、平和はなく、パレスチナ人の苦しみは続きます。パレスチナ人の苦しみが続く限り、イスラエル人の平穏な生活もありません。

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(以下、朝日新聞11月23日朝刊「中東和平見直しの時」より抜粋、一部要旨)
イスラム組織ハマスがイスラエル領内に放ったロケット弾1発の値段は約600ドル。それを砲撃するイスラエルのミサイル防衛システムのミサイル1発は約4万ドルだったという。(中略)射程を延ばしたガザからのロケット弾が今回、エルサレムやテルアビブの都市部を初めて脅かした。貧者のロケットが示す教訓は、軍事力で「占領」という不正義を継続することは軍事的にも経済的にも難しいという現実である。
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中東状勢も変化するなか、かの地の人々が尊厳のある人生、安心できる暮らしを取り戻せますように、願うばかりです。
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久々の土もの、秋模様とともに。
(以下、すべて東京国立博物館所蔵品を撮影したものです。解説も同所より)

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(上段:「色絵紅葉賀図茶碗」/仁清/江戸時代、17世紀/胴を卵形に取り、口縁を外に開く珍しい形の茶碗。絵付は源氏物語の紅葉賀の巻を主役の光源氏を描かない、いわゆる留守模様要で暗示的に描き出す|下段:「色絵藤袴図皿」/鍋島/江戸時代、18世紀/円形の画面に破綻なく収められた藤袴の図は、完璧な技巧で仕上げられており、色鍋島ならではの洗練が見て取れる)

仁清、優美さ流麗さに惹かれます。丸みのある薄手の器形に唐風というかエキゾチックな模様、水色と青も新鮮。
鍋島、端正な美しさの中から滲み出るエッジ感がたまらない。かちっとしてみせて洒脱で、語弊があるかもしれませんが品のいいドラッグのような気がします。

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(4点とも、「色絵柴垣図大皿」/鍋島/江戸時代、17世紀/やや青みをおびた白磁肌に、染付と赤・緑・黄の上絵付で柴垣を描く。精選された材料と熟練した技術によるわが国色絵磁器中最も成功な鍋島焼の代表作である)

鍋島。紅葉した葉が波のようで柴垣も華やぐ。余白の白の奥行感。抑制の効いた青の物語感。裏もきっちり仕事されていて、品良くモダンで収まりがいいのに、グルーヴしている。どんな職人さんが描いたのかなあ。。

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(上段:「色絵七宝文盃洗」/永楽和全作/この作品は器面に布をあてがい、絵付けを施す独特の技法が用いられている| 下段左:色絵菊花文茶碗/京焼/江戸時代、17世紀|下段右:「色絵月に蟷螂文茶碗」/永楽保全作)

京焼の永楽保全、和全(保全の長男、御室窯を築窯)。布を使っての技法、にじみがおもしろい味わい。
日本の秋。自然とともに生きる、自然そのものを愛でる感性。江戸時代は今よりももっと自然がゆたかで見近だっただろうな。繊細でイキイキとした筆づかいがいいな。

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(上段左:「染付粟に鶉図皿」/伊万里/江戸時代、19世紀|上段右:「青磁染付鶴亀図大皿」/伊万里/江戸時代、19世紀/青磁釉と染付を塗り分け、とらわれない自由な発想で鶴と亀を描き民衆の器にふさわしい活気溢れた作となった|下段左:「染付鶴繋文大皿」/伊万里/江戸時代、19世紀|下段右:「染付松に鷲図輪花大皿」/伊万里/江戸時代、19世紀)

染付&鳥モチーフ。染付の青が黒みがかって静かで知的な印象。どの皿も、本当に構図が見事じゃないですか!?日本のデザイン力、すごい。

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(左:「銹絵芦文向付」/唐津/江戸時代、17世紀/のびやかな筆づかいで芦の図が描かれている。気負いのない簡略な絵付けでありながら、風になびく芦の表情がよくとらえられている。枇杷色を帯びた柔らかみのある釉膚ともよく調和しており、風韻に富む絵唐津に魅力がよくあらわれている|中:「鼠志野秋草図額皿」/美濃/安土桃山〜江戸時代、16〜17世紀/酸化鉄に泥漿を流し、文様を掻き落とした後に長石釉をかけると鼠地に白い文様が浮かび上がる。鼠地の中の秋草を白く浮かび上がらせた秀作|右:「朝鮮唐津徳利」/唐津/江戸時代、17世紀/唐津焼のうち、鉄呈色の黒釉と藁灰の白濁釉を掛け合わせた釉調に特色がある一群を俗に朝鮮唐津という。鉄分の多い素地が用いられ、板起し・粘土紐巻き上げの叩き成形により薄く成形されている)

このあたり何度見ても好き。西アジア、中央アジアの青のやきものオタクで、鍋島感涙。かつ、黄瀬戸、唐津、猿投あたりにクラッときます。脈絡ない、、でもそうなんだから仕方ないです。
一本の芦が世界を作る。枇杷色の肌がやさしい。
秋草をおだやかに、白で。なんて繊細。
朝鮮唐津の徳利、実際に使われていたんでしょうね。とくとくとお酒も含んで味わいが深まっているようです。

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(上段左:「紅葉に菊流水図」/尾形乾山筆/紙本着色/江戸時代、18世紀|上段右:「小袖/紅縮緬地幕紅葉模様」/江戸時代、19世紀/模様を友禅染によって小袖全体にあらわした。幔幕を張った間から紅葉が色づく風景模様は、「源氏物語」の「紅葉賀」の巻をモチーフにしたものであろう|下段左:「流水四季草花図屏風」/酒井抱一筆/紙本金地着色/江戸時代、19世紀/抱一は江戸淋派と呼ばれる新様式を確立。風流で典雅な花鳥画を得意としている|下段右:「振袖/白絖地楓竹矢来文字模様」/江戸時代、18世紀/「源氏物語」の若紫の巻がモチーフ。紅葉の模様は光源氏が紫の上を自邸に迎えた季節を意味するのであろう。江戸時代のファッション雑誌、小袖模様要雛形の一つ「当流模様 雛形松の月」に掲載される図様を元に制作したと考えられる)

こちらは絵画と着物。秋の図柄。
菊、紅葉、そして流水(写真が切れちゃってますが紺色の部分が流水。コラージュを使うとトリミングされてしまいます)。日本らしいモチーフ。尾形乾山、酒井抱一。水のゆたかな日本、四季それぞれに美しい。
着物はいずれも「源氏物語」から。模様を見ればより大きな場面や物語がわかる。着物の中に雅な世界が凝縮されている。それにしても源氏物語、すごい影響力。

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四季それぞれの自然を愛で、巧みに、またときには巧まず、それを多彩な工芸に写し表し愉しむ。日本のきれいなものに出会える幸せ。うれしく、ありがたいです。


冬には汗をかくくらいモコモコと着ていないと不安でしたが、寒さ恐怖があるから寒いんだ、とこの年になってようやく気づき、、薄着にしてから風邪もひかず、不思議なことに寒がらず、実際寒くなくなりました。本来の体温調節力を自ら狂わせていたようです。思い込みってコワイ。そんなわけで、冬も安定して元気にやってます☆ やきものは、ほっこりします♪

今回もご訪問、ありがとうございました^^
by orientlibrary | 2012-11-24 00:28 | 日本のいいもの・光景