イスラムアート紀行

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ウイグルのゆりかご/イラン式料理本/青の大壺さま

今回は、「書かなくちゃ〜」と思っていた話題3題、トリプル、です!

Facebook、いろんな見方はあるでしょうし、これからはどうなるかわかりませんが、現在いろんな面で重宝しています。
当初は、知人友人の輪、的なものだったのかもしれませんが、ある時点から、テーマを明確にしたコミュニティやグループなどが、非常に増えました。これが私にとって、最大の魅力です。WEBサイトを持っていても、facebookも同時に展開しているため、WEBへの入り口として出会うことができます。

世界の素晴しいイスラム美術、イスラム建築、細密画、青の陶器やタイル、南アジア・西アジア・中央アジアのテキスタイルや模様、デザイン、芸能、マーチャンダイズなど。これまでは、書籍を探したり、ネットで検索したりしていましたが、「途上人が検索できること」、それ自体が限られているということが、よくわかりました。

さらに、日本のメディアに登場することはまずないと思われる、今どきのイスラムファッションや化粧法、スカーフの巻き方やヘアスタイル、イスラム模様のかわいい小物なども知ることができます。パキスタン・ムルタンの陶芸工房の写真を見たときには、狂喜しました!青がまた独特なんですよね〜。。

難点は、スピードが速すぎて、とてもついていけないこと、情報が豊富すぎて、ほとんど消化できないこと。それでも、興味のあるテーマの話題、その10%に触れられるだけでも、私はありがたいこと、うれしいことだと思っています。

気に入っているのが、書籍の図版についての詳しい解説がある
「Rare Book Society of India」(リンクを見るにはfacebook登録が必要なのかも??不明です)
パキスタン・ラホールの建築物や暮らしを垣間みることのできる
「Lahore - The City of Gardens」など。

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日本の「現代イスラム研究センター」も、豊富な写真とともにイスラムの様々な側面を紹介。熱心な更新に頭が下がります。

なかには「ユーザーからの投稿」も。「ウイグル人の生老病死について簡単な紹介」(Halqigül Pattarさんより)という記事、接する機会の少ない情報が詳しく紹介されていて、興味深く読みました。
すべてが貴重で興味深い内容なのですが、赤ちゃん誕生から名付けまでのみを引用させていただきます。(了解をいただいています)(本文では、割礼、伝統的な治療方法、長生きする人々、お葬式、と続きます)

 

赤ちゃんが生まれる
  女性は結婚して妊娠して9月9日9時間9分9秒経って赤ちゃんが生まれる。赤ちゃんが男でも女でも「アッラーの召使(banda)」と見られて、同じく大事にされる。 
赤ちゃんが生まれてからへそが切られて、体が丈夫な人になるために、塩を入れた暖かい水(厚い地区では塩を入れない。例、トルファン)で洗ってから、おしろいを塗ってから、おくるみでしっかり包む。 
赤ちゃんが生まれて7~9日の間 揺(ゆ)り篭(böxük)に入れる。

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(左:ウイグルのゆりかご/右:ウズベキスタンのゆりかごを持つお母さん人形。じいちゃん人形が主で、女性の人形は少ない。リシタンの陶芸家さんが作ったこの人形、好きです/ウイグルとウズベク、とくにリシタンのあるフェルガナ地方とは共通するものがあるようですね)

 揺り篭結婚式(böxük toy)
 ウイグル人の伝統では結婚した女性は一番目の子供を実家で産んで、40日まで実家で育てる。40日満になってから、女性側の親は家で「böxük toy」を行う。böxük toyに男性側や親族、実家の近所、親族などを誘って、招待する。男性側は赤ちゃんやお母さんに必要な物、また自分の経済によって、お母さんに服装や飾り物を持ってきて祝って、女性側の重要な家族にもプレゼントを持ってきて、赤ちゃんやお母さんを良く育ててもらったことに感謝する。お客さんを送ってから、お嫁さんと赤ちゃん, böxükに香をたいて,男性の家に連れて行く。böxük toyの本質は無事に産んだお嫁さんを自分の家に戻してくる儀式です。


 名前をつける 赤ちゃんが生まれて何日間経ってから赤ちゃんに名前を付ける準備をし、敬虔な人を誘って、名前をつけてもらう。名前を付ける人は赤ちゃんを持って、キブラに向かって、クルアーンの部分やアザーンを言って、「お名前がAになります」と言い出す。その場にいた人々は赤ちゃんを祝って、名前をつけてくれた人を招待する。


 名前を付ける習慣は基本的に3時代に分けられる

1)イスラーム化前:基本的にウイグル語の単語を使って、名前をつけた。Baytamir,Iltamir,Bag buka,Karabuka etc
また場所、町の名前を自分の名前をとしてつける伝統があった。
チンギスハンの重要な顧問の1人であるKariyagaqはKariyagaqと言う場所の名前をつけた。


2)イスラーム化以降:ウイグル人はイスラームを受け入れてから、イスラームはウイグル人の名前にも影響を与えた。それから、アラビア語やペルシャ語の名前が増えてきた。
例、Abdullah(Allahの奴隷)、Habibullah(Allahの友達)、Mutiullah(Allahの従順な奴隷)etc.

イスラーム信仰が強くなればなるほど、昔のきれいな(純粋な)ウイグル語の名前の代わりにアラビア語の名前が占めてきた。ウイグルムスリムは自分のアッラーに、天使達、預言者、カリフ達、お母さん達に対して恋し さを表すために、それらの名前を自分に名前としてつけた。

アッラーの特徴を現す名前、Halik(生命を創造者)、Kadir(すべてできる、すべてに力がある)、Gopur(寛容者)、Israpil,Mikail(天使名)、Muhammad,Dawut,musa,Eysa,Ismayil,Yakup(預言者名前)、Ababekri, ömar,Osman,Ali(カリフ達の名前)、Hawa,Maryam,Aixa,Hadija,Fatima(偉大なお母さん達の名前)、Islam,Imam,Jannat(イスラームに関する名前)、Madina,Kuddusイスラームの聖地
イスラーム化以降ウイグル語の名前は完全になくなったわけではない。Ay,Supurga,Palta,Samsak etc.


3)中華人民共和国に属してから:アラビア語の中から意味が良くて、イスラーム色が強くない名前を選んで付けた。例、Adalet(公平、公正),Adil(公平)、Alim(学者),Pazilat(人格)。それから、ウイグル語独特の言葉を作る方法で時代に合う、時代を表す名前をつけることは普及してきた。例、Arkin(自由),Yalkun, örkax(波),Kutluk(おめでたい) etc.

自分の子供の大きくなってから知識人で裕福になるようにお父さん、お母さん達は子供にSultan,Dölat,Malika,Geniなどの名前を付けた。

思い出すため、懐かしいから自分の子供に亡くなったお父さん、お母さん、近い親族の名前を付ける親もいれば、逆にそうすれば子供が長生きできなくなると心配して亡くなった親族の名前をつけない親もいる。

子供の生まれた時期と関係する名前も多い。例、Jüma,Noruz,Sapar,Rozi,Kurban,Barat,Rajap etc

空の物体や自然現象に関する名前、例、Qolpan,Yultuz,Sayyare

ある植物、木、果物の名前、Anar,Alma,Zaytu,Rayhan

ある鳥や動物の名前、Yolwas,Maymun,Kunduz,Tuti

有る鉱山物の名前、Altun,Tömür,Almas,Zumrat

ウイグル人の名前を地方性が強いと言える。ある名前を聞いて、どこの人か分かることができる。男性名Matから始まればホータン出身、Almarahan,Maysihan,Aznihanトルファン出身の女性。



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(左:リシタンの人形、バリエーション。衣装や表情が違う/右:ウイグルの光景。女の子の三つ編みもウズと同じ。美人が多い!じいちゃんが絵になる!)


「日本で新しい揺り篭(böxük)も誕生。 
足利工業大学機電学系一年生機械専攻アハト・アブドラさんが発明」とのこと。すごい、、、揺れてますね〜☆





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イラン映画「イラン式料理本(IRANIAN COOKBOOK)」(2010年)は、2012年9月15日〜、岩波ホールほかで上映です。

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チラシを見て、これ絶対見よう!と思いました。(デザインとコピーが最高!ベースとなるイランの青に黄色、地模様の青と大胆な散らし方、フォントの選択、イラスト、料理名の和訳、、このセンス好き!!!)。YouTubeに予告編もアップされています。




e0063212_23243513.jpge0063212_23305424.jpg内容は、、、イラン人家庭のキッチンで女性たちが料理をする姿を撮影し、その様子から浮かび上がるイラン社会を映し出すドキュメンタリー。100歳目前の女性、主婦歴40年の女性、現代の若い女性など、台所で料理をする7人の女性たちは、監督の家族や親戚。イランの料理を作り、食べ、片付けるまでの間に、それぞれのキッチンでのドラマが繰り広げられる。料理、年齢や男女間のギャップなど、食文化や家庭観といった興味深いイランの社会や文化が凝縮されている、、、そうです。イラン映画独特のユーモアと哀愁、リアルかつファンタジックな世界が見られるかなと、楽しみにしています。


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トルコ・キュタヘヤの絵付け作家メフメット・コチェルさんの作品、タシュチニ大壺。

<タシュ・チニとは> オスマントルコ時代、中国染付に恋いこがれたスルタンや職人たちが作り出した陶器。石英の比率を高めた石のように固い素地が特徴。長く製法が不明でしたが1990年代より研究が進み、再現が試みられています。粘り気のほとんどない石英の粉を、少量の粘土を用いて成形するには高度な技術を要します。タイルなら厚くしないと折れてしまい、ましてや壷などの立体物を作ることは非常に困難。「しかし、それだけの労力を費やすだけの価値はあります。潤んだような白色の地肌、水面下で泳ぐような青の発色、質感は、一見して秀でています」(コチェル氏)。

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昨年11月から半年間「INAXライブミュージアム」にて展示、その後「エスニカ(横浜)」で約1か月ご紹介。
その後、あるところ(日本でこの壺が似合う最高の場所)に贈呈できれば、とお話をしていましたが、ご縁が薄かったようです。

この大壺、同じくメフメット作品の美しい大皿、繊細な形の扁平壺とも、現在、orientlibraryの元に。今後どうするか、大壺さまの「神の声」を待っています。(冗談ではなく、結局、大壺さまの意のままに動いてきた私ですから、、)。どうなることでしょう!?、、、
by orientlibrary | 2012-07-21 23:41 | ウイグル/アフガン